無力感から決意へ。薬学の知識と伝える力で、誰かの日常を守る存在を目指して。
ーー薬学部を目指したきっかけを教えてください。
まず、私のキャリアの根底にあるのは、「大切な人の力になりたい」という極めてシンプルな想いです。高校時代、ある友人の存在が私の人生の舵を大きく切るきっかけとなりました。その友人は体が弱く、楽しみにしていたオーストラリアへの修学旅行を、長時間のフライトによる健康上の懸念から断念せざるを得ませんでした。主治医からの「ドクターストップ」。その言葉に肩を落とす友人の姿を目の当たりにした時、無力感と共に一つの強い感情が湧き上がりました。
「もし自分に医学の知識があれば、友人が安心して旅立てるようなサポートができたのではないか。何か別の提案ができたのではないか」
この経験が、私を薬学の道へと突き動かしました。薬を通じて、誰かの「やりたいこと」を支え、日常を守る。そんな存在になりたいと考え、薬学部への進学を決意したことを覚えています。
ーー大学に入学してからのことを教えてください
大学に入学してからは、勉強と並行して「救命サークル」の活動に心血を注ぎました。活動の柱は、一次救命処置(BLS)の普及です。AEDの使い方や心臓マッサージの重要性を、いかにして一般の方々に分かりやすく、かつ「自分事」として捉えてもらうか。私はサークル長として、イベントの企画運営に奔走しました。
この活動を通じて得た最大の財産は、多様なバックグラウンドを持つ人々とのコミュニケーションです。地域住民の方々、他大学の学生、そして第一線で働く医療従事者。一つの目標に向かって、立場を超えた人たちと対話を重ねる中で、私は「専門的な知識を、誰にでも伝わる言葉で届ける」ことの難しさと、それが伝わった瞬間の喜びを深く実感しました。「人と関わり、何かを伝えていく」。この確信は、その後の私の就職活動における大きな軸となりました。
「ここでなら挑戦できる」入社理由と現場で磨いたプロの視点
ーー入社の決め手を教えてください
就職活動を進める中で、私は「営業ができる仕事」にも強い魅力を感じるようになっていました。製薬会社のMRなども含め、広く企業を検討する中で出会ったのがVドラッグです。
説明会で衝撃を受けたのは、グループ全体が連携する「コングロマリット企業」(複合企業)としての強み、そして何より「若手のうちから本部職や薬剤師以外の働き方にチャレンジできる」という環境でした。国家資格としての薬剤師を軸に据えつつ、それだけに留まらない多様なキャリアパスが用意されている。この柔軟性は、他の企業にはない圧倒的な魅力に映りました。また、地元に根ざして長く働きたいという自身のライフプランにも、同社の店舗展開は合致していました。
ーー印象に残っている研修があれば教えてください
入社後の研修は、非常に実践的でした。特に印象的だったのは、服薬指導やコンプライアンスの研修です。「薬を正しく飲む」という一見当たり前のことが、患者様にとってはどれほど大変なことなのか。自分が体験者となることで、一方的な指導ではなく、相手の生活に寄り添ったアドバイスの重要性を肌で感じることができました。
ーー配属後ではどのような業務に携わりましたか
初期配属先の薬局では、在宅医療や一包化業務に深く携わりました。在宅訪問の現場では、単に薬を渡すだけでなく、患者様の生活環境を観察し、どのような書類や説明が必要かを瞬時に判断する力が求められます。ここでの「相手の立場に立って考える」という経験が、現在の採用業務における学生との向き合い方の基礎となっています。
「生きた知識」を届ける。採用のプロとして磨く責任感と伝える力
ーー現在のお仕事内容を教えてください
現在は教育採用部に所属し、総合職および中途薬剤師の採用をメインに担当しています。私たちのミッションは、会社の魅力を伝えるだけでなく、学生や求職者の方々が「Vドラッグで働く未来」を具体的にイメージできるようサポートすることです。
ーーお仕事をする中で特にやりがいを感じたタイミングを教えてください。
採用担当として最も手応えを感じたのは、薬剤師採用向けに企画した「心不全」をテーマにしたインターンシップです。私は、学生が求めているのは「明日から使える、生きた知識」だと考えました。単なる病態の解説に留まらず、店舗での経験を活かし、知識を一つのストーリーとして体系的に学べるプログラムを構築しました。
具体的には、実際の店舗に持ち込まれる処方箋をベースに、疑義照会の必要性や処方の妥当性を判断するワークショップを盛り込みました。また、楽しみながら学べるようサイコロを使ったゲーム要素も導入。参加した学生から「あのイベントが一番印象に残っています」と言われた時は、自分の「伝える力」が誰かの成長の種になったことを確信し、大きな喜びを感じました。
ーー教育採用部で働き始めてからの変化などあれば教えてください
採用活動に携わるようになり、自分自身の内面にも変化が現れました。学生時代、私は正直「計画性」に欠ける部分がありました。しかし、学生の人生を左右する選択に関わるという重い責任を背負う中で、自然と「準備」と「段取り」の重要性を痛感するようになりました。
現在は、一つの面談に対しても、相手が何を求めているのか、自社が提供できる価値をどう結びつけるべきか、事前準備を怠りません。単なる「会社の説明」ではなく、その学生の将来にとっての「具体的な利益と可能性」を提示すること。その難しさに日々試行錯誤しながらも、自分自身の成長を実感しています。
「人」と「環境」を武器に。専門性を活かし、変幻自在なキャリアを
ーー今後の目標があれば教えてください
私には今、挑戦したい明確な目標があります。それは、Vドラッグの強みである「コングロマリット(複合企業)」としての利点を、より目に見える形にすることです。例えば、グループ内のスポーツクラブ「アクトス」と「Vドラッグ」がより密接に連携し、お互いの顧客に健康価値を提供し、双方の利益を高め合えるような仕組み作りです。
「健康」をキーワードに、ドラッグストアという枠を超えたアプローチができるのは、私たちのグループならでは。このシナジーを生み出す活動に、採用や教育の現場から、あるいは将来の営業的な視点から関わっていきたいと考えています。
ーー今後のキャリアパスなどあれば教えてください
将来的なキャリアとしては、当社の「開発資産部」のような、より専門性の高い営業職への転換も視野に入れています。ドクターへの提案活動など、薬剤師としての知識を武器にビジネスの最前線で活躍する。そんなダイナミックな方向転換が許容され、むしろ推奨されるのが中部薬品の風土です。
ーー求職者に伝えたいことがあれば教えてください
候補者の皆さんに伝えたいのは、この「キャリアの広さ」をぜひ使い倒してほしいということです。「薬剤師として入社したら、一生薬局のカウンターにいる」という固定概念を捨てる必要はありませんが、もし途中で新しい夢が見つかったとき、その道を閉ざさない環境がここにはあります。
私たちの会社の一番の自慢は、間違いなく「人」です。お互いを高め合い、高次な目標に向かってブラッシュアップしていける仲間が揃っています。現状に満足せず、自己研鑽を惜しまない人、そして「誰かのために」という想いを持って挑戦し続けられる人。そんな方々と、Vドラッグの、そして地域の健康の未来を創っていけることを楽しみにしています。
■編集後記:薬剤師の枠を超え、採用のプロへ。想いを伝える「越境」のキャリア。
今回のインタビューで何より印象的だったのは、真っ直ぐな「誠実さ」と、軽やかに挑戦を続ける「越境する勇気」でした。 学生時代から変わらない「伝えることが好き」という純粋なエネルギーが、今では学生さんたちの背中を優しく押す大きな力になっています。また、自分の苦手なことにも責任感を持って向き合い、一歩ずつ自分のものにしていく姿は、周りまでポジティブにする魅力にあふれていました。
「薬剤師だからここまで」なんて限界を決めず、開発やグループ連携へと視野を広げるその姿勢は、これからの医療や小売の現場に、きっと新しいワクワクを届けてくれるはずです。
※記載内容は2026年1月時点のものです。
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