「一生の思い出に」人力車で磨いた接客力と、トヨタグループへの憧れ
学生時代、私は浅草の人力車のお兄さんとして、国内外から観光に来られた方の観光ガイドに注力していました。もともと浅草という町が好きだったことと、野球部で培った体力を生かしたいという思いから始めたアルバイトでしたが、この仕事は私にとってかけがえのない経験となりました。
人力車での観光は、一生に一度の経験という方も多くいらっしゃいます。だからこそ、お客さまの好みに合わせた最適な観光ガイドを心がけ、最高の思い出にしていただけるよう努めていました。お客さまアンケートの中で「一生の思い出になりました」というコメントをいただいたときは、本当に嬉しく、この仕事に注力してきて良かったと心から思いました。
就職活動では、日本の基幹産業である自動車業界でグローバルに活躍したいという軸のもと、自動車メーカーや自動車に関連する商材を扱う商社を中心に企業を探していました。昔から乗り物が好きで、その中でも移動の自由さという点で車が特に好きだったこと、そして自分自身が愛知県で生まれ育ち、トヨタグループの方々が世界中で活躍する姿を見てきたことが、この軸を持つきっかけとなりました。将来的には海外に駐在し、日本と海外の橋渡しをしてみたいという夢も抱いていました。
豊田通商については、自動車という商材を武器に、カーボンニュートラルや食品など幅広く事業を展開している企業という印象を持っていました。トヨタグループ唯一の商社として、トヨタの看板を背負い世界を股にかけて商売ができる環境がある。そんなスケールの大きさに魅力を感じていました。
入社の決め手は大きく二つありました。一つは、豊田通商で働く方々が自分の理想の社会人像だったことです。謙虚だけど貪欲に、淡々と日々向上心をもって業務に取り組まれている姿勢を感じ、自分もこのような方々と一緒に働きたいと強く思いました。もう一つは、中国や新興国が台頭する中、日本のトヨタグループを世界一の組織にするために働きたいと思ったからです。この二つの思いが重なり、豊田通商への入社を決意しました。
自動車の基礎から学び、業務範囲の広さに驚いた入社後の日々
研修を終えて配属されたのは、北アフリカ向け自動車輸出の部署です。そこで最初に感じたのは、業務範囲の広さに対する驚きでした。入社前に想像していた以上に、覚えることが多く大変なことも多かったです。しかし、現地代理店の販売を最大化するために、マーケットや法規、価格設定や商品設定まで携わることができるのは、トヨタ自動車から業務移管を受けているからこその特徴だと気づきました。この幅広い業務範囲は、大変である一方で、大きなやりがいにもつながっていると感じています。
実際の業務では、現地のマーケットを深く理解することの重要性を実感する機会が多くありました。とくに印象に残っているのは、チュニジアに出張した際のことです。マーケットの理解を深めるため、競合を複数視察しました。現地の状況を自分の目で確かめ、データだけでは見えてこない市場の実態を肌で感じることができました。その上で、26年の販売目標台数について議論を重ねて合意することができました。この経験を通じて、グローバルなビジネスにおいては、数字やデータだけでなく、現地の文化や市場環境を理解すること、そして現地代理店で働く方々とよりよい信頼関係を築くことがいかに大切かを学びました。
チュニジア担当として挑んだ、販売台数最大化への挑戦と想定外の試練
前述の通り、現在私はトヨタアフリカモビリティ部に所属し、北アフリカグループの中でチュニジア国担当として働いています。この部署のミッションは、担当国の販売台数最大化はもちろんのこと、アフリカ全体で年間30万台の販売に向けてたくさんの人が尽力しているというものです。私自身の役割としては、チュニジア向けの新車のオーダー及びチュニジア代理店の販売台数最大化に向けた各種サポート、そして社内のチュニジア案件の窓口として各種取り纏めを行っています。
「チュニジアのことは社内で誰よりも詳しくなってなる」という気持ちで日々の業務に励む中、予期せぬ困難もありました。突発的な法改正により、われわれの主力モデルの関税が大幅に上昇し、年間販売の目標達成がかなり難しくなったことです。この状況に対しては、導入商品を見直し、新規モデルの導入を要望するという対応を取りました。想定外の出来事に直面しながらも、柔軟に戦略を見直し、前に進む方法を模索することの重要性を実感しました。
アフリカと共に成長し、最高のチームを作る。現地代理店社長という目標に向けて
今後の短期的な目標として、現地代理店に出向し、より現場に近い目線で販売台数の最大化をサポートしたいと考えています。本社から遠隔でサポートするのではなく、実際に現地に入り込むことで見えてくる課題や機会があると思います。現場の最前線で働く方々の声を直接聞き、代理店の皆さんと一緒になって販売を伸ばしていく。そういった経験を積むことが、次のステップへの重要な基盤になると信じています。
そして中長期的には、現地代理店の社長に就任したいという目標を持っています。ただ販売台数の最大化を追求するだけでなく、会社で働く方々が生き生きと働けるような施策を講じ、最高のチームを作りたいです。ビジネスの成果はもちろん大切ですが、そこで働く一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じられる環境を整えることが、結果的に組織全体の成長につながると考えています。
私たちの会社は、アフリカ事業については日系ナンバーワン企業として、With Africa For Africaの精神でアフリカと一緒に成長することができます。この理念に深く共感していますし、この精神を体現できる人材になりたいと思っています。
当社で活躍する人の特徴としては、現地の課題に対して真摯に向き合い、解決に向けて周囲を巻き込みながら舵を切れる人です。アフリカでのビジネスは、想定外のことが次々と起こります。そんな環境だからこそ、失敗した時も成功した時もPDCAを回し、常に向上心をもつ人が活躍できると思います。失敗を恐れず、そこから学び、次につなげていく。そういった姿勢を持った方と一緒に、アフリカの未来を創っていきたいです。
私自身も現地代理店もまだまだ成長の途中です。With Africa, For Africaの精神を胸に、一歩ずつ着実に経験を積み重ねていきたいと思っています。

