女性が管理職として活躍する姿が着実に増えている昨今。女性管理職の登用を推し進める企業は多く、ライフイベントにキャリアが左右されやすい女性も活躍しやすい制度や仕組み、環境の整備が進んでいます。
一方で、管理職になることへ不安や心配事がある場合や、管理職へ登用を望まない人もいます。もちろん、男女問わず管理職になることがすべてではなく、プロフェッショナルとして活躍したり、プライベートにより重きを置いたりと、個々人にあったワークライフバランスを実現することが大切です。
そんな中で、管理職となることを決意した女性たちは、どのような思いで今に至っているのでしょうか?本記事では、女性管理職の実態を紐解くとともに、管理職として活躍する女性たちは、管理職となることでどんな変化があったのかを、実際のビジネスパーソンの声を通してご紹介していきます。
女性管理職を希望した人、希望しない人、その理由は?
キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営する株式会社ライボ(本社:東京都渋谷区、以下「ライボ」)の調査機関『Job総研』が、585人の社会人男女を対象に「2023年 女性管理職の実態調査」を実施。
同調査結果から、女性管理職経験の有無、また経験後の満足度や継続意欲とその理由、さらに管理職未経験者の希望有無や女性活躍へのイメージが明らかになっています。
まず最初に、現在管理職の女性46人に、希望して管理職に就いたかを聞くと、「希望してなった」が58.7%、「希望せずなった」が41.3%と、“希望した”が過半数を占める結果となりました。
同質問の婚姻状態及び子どもの有無別の回答では、「既婚・子なし女性」が66.7%と最多になり、次いで「既婚・子持ち」が61.5%と、既婚女性ほど希望して管理職なった割合が高い結果になりました。
さらに、希望して管理職になった女性27人にその理由を聞くと、「仕事の幅を広げたいから」が59.3%で最多になり、次いで「収入を上げたいから」が48.1%、「社会的/社内的地位を上げたいから」が44.4%で上位3つの回答になりました。
また希望せず管理職になった女性19人にその理由を聞くと、「管理職に興味がないから」が47.4%で最多回答になり、次いで「ワークライフバランスが崩れそうだから」「責任が重い仕事をしたくないから」が同率で31.6%となりました。
管理職女性の46人に満足度を聞くと、「満足」23.9%、「どちらかといえば満足」54.3%を合算した78.2%が“満足派”で過半数を占めました。一方“不満派”は21.8%でした。
また、管理職の継続意欲を聞くと、「とても続けたい」6.5%、「続けたい」21.7%、「どちらかといえば続けたい」50.0%を合算した78.2%が“続けたい派”の回答をしました。一方“続けたくない派”は21.8%でした。
管理職女性のうち継続意欲があった36人にその理由を聞くと、「仕事の幅が広がったから」が43.5%で最多になり、次いで「収入が上がったから」が41.3%、「社会的/社内的地位が上がったから」が34.8%で上位3つの回答になりました。
また管理職の継続意欲がなかった10人にその理由を聞くと、「責任が重いから」が80.0%で最多回答になり、次いで「仕事の幅が広がりすぎたから」が60.0%、「年収の増加幅が期待値以下だったから」が50.0%で上位3つの回答となりました。
管理職未経験女性179人に管理職に就きたいか聞くと、「全く思わない」22.9%、「思わない」20.1%、「どちらかといえば思わない」20.7%を合算した63.7%が“思わない派”で過半数を占めました。
管理職を希望すると回答した66人にその理由を聞くと、「収入をあげたいから」が75.8%で最多回答になり、次いで「仕事の幅を広げたいから」が43.9%、「マネジメント業務に挑戦したいから」が39.4%で上位3つの回答となりました。
■調査概要
・調査対象者:現在職を持つすべての社会人
JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
・調査条件 :全国 / 男女 / 20~50代
・調査期間 :2023年8月9日~8月14日
・有効回答数:587人(男性6 / 女性4)
・調査方法 :インターネット調査
管理職として活躍する女性の声
アンケート結果では、管理職を経験した人は管理職に対して、ポジティブな印象を持っている人が多いようです。ここからは、より具体的なエピソードをご紹介していきます。管理職としての難しさを乗り越え、どのようなものを得たのでしょうか。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎朝日放送グループホールディングス株式会社
事業内容:グループ会社の事業内容:テレビ放送事業、ラジオ放送事業、CS放送事業、TV番組の企画制作、ライセンス事業など
20代のころに得たノウハウを活かし、異動直後から即戦力として活躍。1年が経過したタイミングで、予想外の打診を受けます。
堤さん 「『部長になってほしい』と、上司から声をかけられたのです。イベント事業部に戻って1年で管理職になるなんて、まったく想像していなかったので、驚きました。『いつか自分が管理職向きの人間に熟成されたら、そのときに声がかかることもあるのかな』と漠然と思っていたくらいで、私にはまだ早いのでは……。と思ったりして。
ただ私、予想外のことが人生に起こったときは『迷ったらやってみる』って、決めてるんです。出産をして思ったのですが、人生って、計画通りに進むものじゃない。ほとんどの物事が、突然起きる。まるで隕石が空から降ってくるみたいな感じで、“万全の体制”が整うのなんか待ってくれはしないんです。だから自分のポリシーに従って、部長になるというお話も、ありがたく引き受けることにしました」
思い切った決断ではあったものの、部長になってからは「良いことばかり」だと言います。
堤さん 「自分で目標を設定して、それに向かって周りを巻き込みながら働くというスタイルは、ワークライフバランス的にも今の自分に合っているように感じます。もちろん、管理職として調整しなくてはいけないことは多いし、大変なことも多いですが……。それでも、自分で裁量権を持てる今の仕事を、意外なほど楽しめていますね」
→ストーリー:迷ったときはやってみる!女性の一生をフルパワーで楽しむ事業部長の流儀
▶︎エムスリーキャリア株式会社
事業内容:医師・薬剤師を対象とした総合的なキャリアサービスを展開
入江さん 「15人ほどを率いることになり、正直、自分に務まるのかと不安でしたが、そこはシンプルに期待に応えたいと思って引き受けました。始まってみると、やって良かったと思いましたし、むしろとても楽しいとすら思えてきました。特に比較的早い段階で成功体験を積み、自分でチームを作っている感覚を持てたことが大きかったからです」
→ストーリー:業界未経験で入社しマネージャーになった私が大切にすること
▶︎株式会社コメ兵
事業内容:中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売
塚原さんが女性社員に伝えたいのは、「多少の不安があってもチャレンジしてみる一歩が大切」ということ。
塚原さん 「コメ兵で働いている、あるいはこれから働く女性には『来るもの拒まずで何でもやってみたほうがいい』とアドバイスします。私もキャリアを振り返ると、自分で仕事を選べるようになったのは管理職になってから。
それまではとにかく一生懸命、会社に任された業務に取り組んでいました。ときには仕事を楽しめなかったり『なぜ自分だけ?』と思ったりもしましたが、振り返るとすべてプラスの経験です。いまの私を構成する良い要素になっているので、自信がなくてもまずはとにかくトライすることをおすすめしたいですね」
トライをして、弱音を吐きたくなったときは、相談をして欲しいと語る塚原。かつての自分がそうであったように、周囲の人に頼ることも生き生きとした社会人生活を送るために必要なことだと話します。
→ストーリー:社員教育や女性の意識改革にも取り組んできた「KOMEHYO GINZA」店長
▶︎パーソルキャリア株式会社
事業内容:人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援、副業・兼業・フリーランス支援サービスの提供
山根さん 「エキスパート職で入社したこともあり、もともとマネジャーになることはあまり想定していませんでした。しかし、当社は社員のWillをとても大切にする社風があります。そういうWillをめざしている人たちを組織にするマネジャーならやってみようかなという気持ちでお引き受けしました。
一人でつくれる価値より、みんなで笑いながらやりがいを持って価値発揮ができて、お客様にとっても大きな価値になるなんてとても嬉しいことですよね」
→ストーリー:HR業界で「インフラレベルのモノづくり」。必死で積み上げてきたキャリアを活かすには最高のフィールド
▶︎富士フイルムシステムサービス株式会社
事業内容:全国の自治体および企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの提供
課長となっても仕事を進める上での考え方は以前と大きく変わることはないという林田さんですが、マネジメントする立場となり、仕事への向き合い方にこんな変化が。
林田さん 「私自身は指示されるよりも主体的に考えて行動するタイプ。そのため、メンバーには『まず自分で考えてみて』と言ってしまうものの、今の私に求められているのは、チームをどう動かし、成長させていくのか。メンバーの中にはレールを敷かれたほうが仕事をしやすいと思う人もいます。
個の力を組織の力に変えていくためには、それぞれのタイプを見極めた上で、うまく促していくことが必要だと日々感じています」(中略)
林田さん 「課長となって、若手の成長を見ることに喜びを感じるようになってきました。仕事へのモチベーションを高める意味でも、規模に関わらずメンバーには早いうちから成功体験をできるだけたくさん積んでほしいと思っています。
『あの行動がこう作用した』『このタイミングでお客様との関係が構築できた』と経験を振り返ることで、自分が得意な営業プロセスが見えてくると考えているからです」
すべての社員が自分らしいキャリアを実現できるよう、いずれは社内の制度やしくみをつくる仕事にも関わってみたいと話す林田。ここから始まる次の10年を組織にとっても自分にとっても価値あるものとするために、新たな一歩を踏み出します。
→ストーリー:挑戦を後押しする環境と成功体験が主体性を育む。若き女性管理職の成長の軌跡
管理職になることの不安を感じながらも、挑戦し、活躍している女性たちのストーリーをご紹介してきました。ライフスタイルやめざすキャリアは人それぞれであるため、必ずしも管理職をめざさなければならないというわけではありませんが、興味を持っている人、めざしたいと思われている人は、自分らしいキャリアをつかみ取るためのヒントにしてみてはいかがでしょうか?
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