絶対に忘れられない、人生で一番苦しんだ一年
転職先を探していた時、知人にランスタッドの前身である人材会社を紹介されたのがきっかけで入社したという荒井。それ以来、大きく変化を遂げていく会社でドラマチックな22年の歳月を過ごすことになります。
「最初はコンサルタントとして栃木の支店に入社し、3年で当時の最年少支店長として大抜擢していただきました。後から笑い話として聞いたのですが、あまりうまくいっていなかった支店に若くて勢いのある荒井を行かせて、ダメだったらクローズしようという算段だったようです(笑)」
最年少支店長として支店立て直しという重責を果たした荒井。そこから、東北エリアで支店長としての実績を積み、栃木のエリア長へと昇進しました。
しかし、そんな折に世界中を激震させる出来事が起こります。それは、世界経済に大きな深手を負わせたリーマンショック。ランスタッドも、多くの派遣社員が契約を打ち切られる事態に直面しました。
「エリア長から支店長に降格しましたが、それは楽な方だったと思うぐらい。退職を余儀なくされる仲間もいて、人生の中でも一番きつい時期でした。絶対に忘れることのできない一年だったし、それが今の礎になっています。部下を退職させるようなことは、もう絶対にしたくありません」
その後、東海エリアで再びエリア長に昇格した荒井は、東海と関西エリアを束ねる名阪地区の本部長にまで駆け上がりました。そこで、再び大きな困難が立ちはだかります。今まで誰も経験したことのない、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発出です。
歴史に学び、日本から世界を拓く
コロナ禍直前まで、人材市場は完全に売り手市場。そこから事態は一変し、市場には仕事を求める求職者が溢れ返りました。
「リーマンショックの時のように、メンバーを辞めさせることは絶対にしたくないという同じ想いが上層部にありました。だからこそ、厳しい指示を現場に出すことができたし、本当にメンバーたちが踏ん張ってくれました。過去に学ぶことができるのは、その当時のメンバーがまだ多く勤めているから。あのころつらい想いをしたメンバーがもういなくなっていたら、今回も同じ轍を踏んでいたと思います」
大きなリストラクチャリングに至る事態を防ぐことができたのは、過去の経験から早めに施策を打ち出し、大きく活動量を増やしていった成果でした。
ランスタッドは、外資系でありながら20年以上の長きにわたり勤続しているメンバーも多く存在しています。荒井は、それが企業風土の形成や事業運営に大きな影響を与えていると考えています。
「ジョブ型でそれぞれの専門性を高めつつも、社内公募などで自分のキャリアを構築できるので長期的に働ける会社だと思います。
このハイブリッド型雇用を実現していけたら、日本のリーダシップを取る人事制度になるのではないでしょうか。ハイブリッドの体現と若いメンバーたちのロールモデルになるためにも、私は輝いたまま定年退職を迎えたいと思っています」
ネガティブな出来事が多く巻き起こったコロナ禍。しかし、そんな中でも荒井はなるべくポジティブな出来事に焦点を当てて物事を捉えようとしています。
「新型コロナウイルス感染症が急拡大したとき、ランスタッドは業界内で先駆けて在宅勤務に踏み切りました。全員にノートPCを支給して、在宅勤務に切り替えるというスピーディーなジャッジとフレキシビリティさは素晴らしかった。
在宅で働けるというのは、日本中のどこででもグローバルにつながれるということ。グローバルにいろんな人と接しながら活躍できる形を作り、人材サービスで世界一というランスタッドの確固たるポジションを築けたらと思っています」
事業成功の達成が目標──それを支えるランスタッドの働き方制度
在宅勤務をさらに進化させ、今後はワーケーションもできる文化にしていきたいと荒井は考えています。次の家族旅行の際には、家族とは別行動の1日を設けてワーケーションにチャレンジする計画があると語ります。
「『在宅勤務』『スーパーフレックス』『外資』などのワードは注目を集めやすいので、ランスタッドの採用面接に来る方は、そういう点にフォーカスしている方が増えている印象です。しかし、そういうところばかりを見ている人は採用しても早期に退職してしまう。目標の達成や責任を果たす約束というのは大前提としてあります」
企業である以上、追い求めるのは事業の成功。その目標を達成するためにランスタッドは働きやすい環境を整え、結果が残せなければ淘汰されていくこともまた事実。そんなランスタッドには“いい人”が多く、人の足を引っ張るよりも「みんなで上がっていこう」という人が多いと荒井は話します。
「ただ、いい人だけじゃダメだということは本部長としての自分への戒めとしています。たとえば、意見を出してきたメンバーがいれば、負荷をかけてそれをどんどん尖らせていくように促す。『障がい者雇用をやっていきたい』とか『女性活躍を推進したい』なら、通常の業務+αでその勉強をしてもらうとか、それが成り立つビジネスプランを描いてもらうとか。そうやって、難局を乗り越えていかないと成長しませんから」
関わる人の成長にやりがいを感じる荒井は、学生時代には教員の道も考えたほど。部下の成長は喜びでもあり、それ以上に自身の成長の原動力にもなっていると言います。
「成長してくる部下に負けないよう、自分にストレッチを掛けるために部下を育成しているという側面もあります。『もう荒井さんに教わることはない』と言われたくないし、自分も勉強して何かしらのアドバイスをし続けられる人材でいたい。
下克上はいつでもあると思っているので、本部長になっても派遣社員の方と同じように有期雇用のつもりでやっています」
上司と部下としてではなく、共に成長を続けていく仲間
上司と部下としてではなく、人と人としてコミュニケーションを取っているという荒井。優秀な部下たちを「たまたま今は自分がまとめている」という感覚を持っていると語ります。
「本部長のアセスメントを受けた時も、『何か叶えたいことはない?』とみんなに相談しながら意見を聞きました。半分は部下のおかげで受かったんじゃないかというほど。メンバーたちからの意見は、すごく正解に近いことが多いです」
現場の意見を尊重する荒井は、部下に相談したり新しい意見をもらったりすることも多くあると言います。いざという時に頼れるメンバーが北海道から九州にまでいるのも、全国を異動しながらチャレンジを続けてきたからこそ。
「人材ビジネスに限らず、会社は人の集まり。会社は、社員一人ひとりが成長することで成長していくという個々の集合体というイメージで捉えています。何をするかよりも誰とするかという点に、私は重きを置いています。
今までさまざまな拠点でいろいろなメンバーと仕事してきましたが、ずっと人に恵まれてきました」
人の成長に携わる仕事がしたいと入社したランスタッドで、荒井は現在本部長という立場として人材育成と事業成長をけん引しています。
「自分がこんなキャリアを積むとはまったく予想していませんでした。何よりも会社がどんどん変わっていっている。北関東の栃木県の出身で、地元の会社に入社したつもりが日本全国に異動になり、いつの間にか青い目の上司になっていました(笑)」
もともと得意ではなかった英語も、CEOやCFOと通訳なしで会話したりオランダ本社と円滑にコミュニケーションが取れたりできるよう努力を続けています。
「せっかく外資系の企業で英語の勉強も補助してもらえているので、リタイア後は海外でビジネスを立ち上げたい。人に関することや、もともと海外旅行が好きなので、それがミックスしたセカンドライフが送れるといいかななんて思っています」
※ 記載内容は2022年7月時点のものです
