1.なぜ始めたのか?
──ランスタッドのリファーラル採用数が1年間で2倍になったという話ですが、具体的な数字とそもそもなぜこの取り組みを始めたか教えてください。
小原:具体的な数字についてですが、リファーラル経由での入社数が2022年は79名となりました。求人媒体・エージェント・ホームページなどさまざまな採用チャネルがありますが、2021年から1年で2倍に増やすことができました。
瀬戸 :私が入社する前からリファーラルの制度はあったと思いますが、実際の浸透度合いはどうだったのでしょうか。
小原:2019年にリファーラル制度がスタートしました。当初はまったく紹介がありませんでした。
リファーラルという言葉自体が浸透しておらず、「リファーラルって何?」という感じでした。紹介プロセスがわかりずらかったり、社内でどんなポジションがあるかもわからない状況でしたね。
瀬戸:本格的にリファーラル採用に力を入れ出したのは2021年からですよね。2021年のリファーラル経由の入社者は32名でした。一定の成果が出たのではないでしょうか。
小原:そうですね、リファーラルのプロモーション1年目ということで、そこまで大きな施策を打たなくても社員の皆さんから紹介してもらえたことはありがたかったです。ただ、一定の成果が出たのは1年目だからとも思いました。2年目以降はリファーラルカルチャーを創っていかないと成果が出ないという危機感がありました。
瀬戸:たしかに!「カルチャー創り」が私たちのミーティングでもよく出るワードでしたよね。
2.実際に何をしたのか
──実際、どのような取り組みをしたか教えてください。
瀬戸:取り組み1つめは、社内全体へのアナウンスですね。
人事からお願いしトップからリファーラルに関するメッセージ動画を作成したり、TA Directorへリファーラルに関するインタビューを実施するなどして、これらを全社配信しました。また1.5~2カ月に一回のタウンホールでも、毎回リファーラルに関するお知らせを配信しました。
小原:ランスタッドのCEOは社内のミーティングなどで、いつも人が大事というメッセージを発信しているので、そういった方向性を活用してトップ層の“人材”に対する想いも一緒に話してもらいましたよね。
瀬戸:リファーラルで発信する際のバナー作成もして、全社配信のときに皆さんの目に留まるような工夫もしましたね。
小原:「幸せ×リファーラル」というキャッチーなコピーも良かったと思います。
カルチャーミスマッチなどが起きない=候補者・紹介者がハッピー、かつ採用するランスタッドとしても離職率が減ることなどで、みんながハッピーになれるということで、この文言にしました。
瀬戸:そして取り組み2つめは、個人アプローチですね。
人事が行っている入社後3カ月研修で、「リファーラルあぶりだし」ワークショップを実施したほか、採用が苦戦している拠点向けにも個別でこのワークショップをしました。
小原:ワークショップでは、“これまで出会った人の中で一緒に働きたいと思う人を3人あげてください”というような質問を問いかけて、声をかけられる人がいないか一緒に考える時間をつくるというのがポイントなんですよね。
やっぱりなかなか自分1人で考えても出てこないのが、ワークショップを開催すると意外と名前があがったりして、そこから声かけにつながる、ということもありましたね。
瀬戸:そのほか、コツコツした取り組みもいろいろやりましたね。
・オンラインミーティングの壁紙を2カ月に一度作り変えて人事部で使用
・再入社者もリファーラルで迎える“オカエリファーラル”のネーミングづけをして、実際にかえって来た人にインタビューをし社内に配信
・リファーラル紹介者数の発表を配信
・人事部主導のシニアマネジメント向けミーティングで、リファーラルのセッションを設けて、リファーラルを増やすためのクレイジーなアイデア出しのディスカッションをする
全部が全部成功したわけではありませんが、とにかくいろいろなことにチャレンジさせてもらった1年でしたね。
小原:トライ&エラーを繰り返して少しずつカルチャー創りをしていった感じでしたね。
瀬戸:そうですね。オンラインミーティングの壁紙の文言も、インパクトを大きくしたいという想いで作ったものが、挑発的に見られてしまったこともありましたね。
▲挑発的と見られてしまった壁紙のメッセージも中にはありました……
3. 学びと課題
──リファーラルカルチャーの醸成や採用人数の倍増という結果が出ましたが、取り組みを通して学びや課題に感じていることはありますか?
小原:1年におよぶリファーラルカルチャー創りのプロジェクトを通して感じたのは、やっぱりコツコツした取り組みを長期的に行うことが大事だということです。
短期間のキャンペーンだけではカルチャー創りはできないですし、1年間を通してやり続けたからこそ、少しずつカルチャーが醸成されたんだと思います。
瀬戸:もう1つ思うのは、周りを巻き込んでやることの大切さです。2022年最初の半年は、私が1人でオーナーシップを持っていたのですが、後半は、TAチーム2人でオーナーシップを持つことになり、そこからプロジェクトメンバーも増えて2023年3月現在は、4人でこの施策に取り組んでいます。
周りを巻き込むことで、アイデアも増えれば、発信力やプロジェクトを動かしていくスピードや力も全然違うので、こちらも大きな学びだったなと感じます。
──これからリファーラル採用を始めようとしている企業の担当者にメッセージをお願いします。
小原:「うちの会社が採用しているけど興味ない?」と伝えたら、「え!?興味があるし誘ってくれてすごく嬉しい」と言われるような会社になることが理想ですが、そこまでの道のりは多くの企業にとって長いと思います。
ネームバリューやブランドだけではなく「なんだかあの会社で働く人たちって楽しそう、幸せそう」と言われるような会社になることが近道だと思います。私たちも、全社員が本気で「ランスタッドって良い会社だよ」と言えるようになりたいですね。リーダーが発信すること、私たちがカルチャーを創るということに加えて、社員一人ひとりが本気でそう捉えられる会社になることが重要だと思います。
瀬戸:リファーラル採用は、まずカルチャーを創っていくことがやっぱり一番大事だと思います。
カルチャーができるまでが大変だと思いますが、いろいろなことにチャレンジして、トライ&エラーを繰り返す中で、少しずつそのカルチャーを形成できれば良いと思います。それに、取り組んでいることは必ず成果につながると思います!周りの方をたくさん巻き込んで、さまざまなことにぜひ取り組んでみてください。
またランスタッドも、これからもっとカルチャーを広げていく必要がありますので、いろいろな企業と情報交換の機会を設けたり、他社から学んだりして、新しい取り組みにも広げていければいいなと考えています!
