めざしたのはスタッフ一人ひとりと長く向き合うこと。異業界から踏み出した一歩
──現在の業務内容と、これまでのキャリアについて教えてください。
現在は、大手自動車メーカーのメール事務や総務事務を行うプロジェクトにてSVを務めています。郵便物の届け先を間違えることは許されないため、徹底したダブルチェックの仕組みをつくり、細心の注意を払っています。チームのメンバーは約8名で、50代から70代の方が中心で私よりも人生経験が豊富な大先輩ばかり。和気あいあいとした温かい雰囲気だからこそ、「一人の人間」として深く向き合い、信頼を築くことを重視して日々コミュニケーションをとっています。
私のキャリアの土台にあるのは、長く経験してきたイベント業界での仕事です。当時はプレイヤーとして現場を動かす傍ら、リーダーとしてスタッフのマネジメントも行っていました。ただ、この業界は日ごとにスタッフが入れ替わることが多く、1日限りの関係になることも珍しくありません。スピード感と効率を最優先した「短期間で人が入れ替わる現場運営」が当たり前の世界だったのです。
──転職を考えたきっかけと、リクルートスタッフィングを選んだ決め手は何でしたか。
プレイヤーとして一通りのことをやりきった実感がある一方で、年齢を重ねるにつれ「人を育て、導くためのマネジメント力」を身につけたいという想いが強まりました。同じ仲間として長くスタッフの成長を支え、それぞれの力を引き出す方法を学びたい、そう思って転職活動を始めたのがきっかけです。
多くの会社がある中でリクルートスタッフィングを選んだ決め手は、面接担当者の誠実な姿勢とわかりやすい説明。私の「マネジメントスキルをきちんと学びたい」という想いに対し、マネジメントの定義や必要なステップを論理立てて語ってくれ、「リクルートスタッフィングならそれが学べる」と背中を押してくれました。また、社内には業務設計・プロジェクト立ち上げの専門家である「プロジェクトデザイナー」がいて、組織全体で支えてくれる体制が整っている点も、私の理想にぴったりでした。
迷い続けた私を救ったアドバイス、判断基準を持つという覚悟
──入社後、SVとしてどのような壁にぶつかりましたか。
私が今携わっている大手自動車メーカーのプロジェクトは、立ち上げから関わってきた案件です。最初は仕事の流れをゼロから組み上げる必要があり、自分もプレイヤーに近い立場で手を動かしながら、現場を安定させることに必死な毎日でしたね。しかし、しだいに運用が落ち着くにつれて、次にぶつかったのが「自分より年上の、長く一緒に働くスタッフとどう向き合うか」という課題です。
とくに苦労したのは、スタッフ一人ひとりとの距離感。以前のようなドライなマネジメントへの反省から、当時の私は「スタッフを大事にする=要望をすべて受け入れること」だと思い込んでいたのです。チームの決まりごとが守られなかったときでも、相手の言い分に寄り添いすぎてしまい、管理者として伝えるべき指導が揺らぐ場面もありました。スタッフへの共感と、プロジェクトを正しく進めること。その「線引き」をどこに引くべきか、一人で悩む日々が続きました。
──その壁をどのようにして乗り越えたのでしょうか。
大きな支えとなったのは、身近にいたマネジャーや先輩SVたちの存在。悩みを打ち明けた際、「自分で判断できることと、ルールとしてできないことを明確に分けなさい」と、迷いのないアドバイスをくれました。単に感情面で寄り添うだけでなく、根拠を持って可否を伝えることが、結果としてスタッフが迷わずに働ける環境につながるのだと教えられたのです。
具体的には、規律に関するデリケートな相談に対しても、まずは相手の話を最後まで聞いた上で、「事情はよくわかったけれど、プロジェクトのルールとしては認められない」とはっきり伝えるようにしました。この姿勢を貫くことで、当初は反発もありましたが、しだいにチームにはまとまりが生まれていきました。今ではベテランスタッフが自ら新人に理由を説明しながらルールを伝えるようになってくれて、チームの結束を日々実感しています。
「聞く力」でひき出す成長。属人化をなくし、自律したチームへ
──SVとして働くなかで、どのような成長を実感されていますか。
一番の変化は、「傾聴力」が飛躍的に向上したことです。以前の私は、話好きということもあり、相手の話の途中で自分の結論を急いでしまう傾向がありました。しかし、現在の環境で多様なスタッフの相談に応じるなかで、「まずは相手の思いをすべて受け止め、その上で自身の解釈に相違がないかを確認する」という対話のプロセスが自然と身につきました。
この姿勢が定着したことで、スタッフの細かな変化や悩みにもいち早く気づけるようになりました。以前、業務の難しさに自信を失い、相談してくれたスタッフがいました。以前の私なら即座に解決策を提示していたかもしれませんが、今回はじっくりと耳を傾け、不安の要因を一つずつ紐解いていくことに。根気強くフォローを続けた結果、そのスタッフは現在、自ら新人の育成を担うまでに成長しています。「あの時、諦めずに続けて本当に良かったです」という言葉をもらえた瞬間は、喜びを感じましたね。
──実務面での成果や、工夫しているマネジメントの方法を教えてください。
運営面で最も力を入れたのは「仕事の属人化をなくすこと」。当初は特定の人しか知らない業務が多かったため、すべての業務を書き出し、マニュアルを一から整備。さらに独自の習熟度管理表を作り、3段階のレベルで「誰が・どの仕事を・どこまでできるか」を一目で把握できるように改善したのです。この成長度合いをクライアントに毎月報告することで、「リクルートスタッフィングに任せて本当に良かった」という信頼の言葉をいただけるようになりました。
最近では、スタッフが自ら判断できる領域を広げるため、あえて「まずはここまで、ご自身で進めてみてください」と少しずつ任せる工夫をしています。以前は私の方でアドバイスや回答をすぐに出してしまいがちでしたが、現在は勇気を持って「手放す」ことを意識しています。私がいなくても現場がスムーズに、かつ高い品質で回り続ける状態を築くこと。チームの自走を支える役割にやりがいを感じています。
寄り添い、長く伴走することこそ、成長を支えるマネジメント
──これから挑戦したいことについて教えてください。
私にとってのマネジメントとは、スタッフ一人ひとりに寄り添い、その成長を後押しするアドバイスや対応を徹底することです。前職では関係が短期的で実現しきれなかった「長い期間の伴走」が、今、リクルートスタッフィングでは当たり前のようにできていると感じています。だからこそ、今後はこのプロジェクトをより確かなものにし、クライアントの期待を超える「プラスアルファの価値」を提供し続けていきたいと考えています。
また、リクルートスタッフィングには“相談すれば必ず誰かが手を差し伸べてくれる”という、心強い文化があります。先輩たちの知識は思いつきではなく、膨大な経験に裏打ちされた「確固たる答え」として共有されており、業界未経験だった私にとっても大きな支えでした。この安定した土台があるからこそ、自ら動ける人には無限のチャンスが広がっていると実感しています。
とくに、イベント業界などで現場を仕切ってきた方々の経験はSVの世界でも大きな強みになります。元気よく笑顔で挨拶できること、丁寧な立ち振る舞い、そして「昨日の失敗を今日どう立て直すか」という改善マインド。これらはすべて、クライアントから信頼をいただくための大切な基礎です。
リクルートスタッフィングは、そうした“現場で培った力”を「本当の意味でのマネジメントスキル」へと育ててくれる場所です。受け身ではなく、自ら課題を見つけてチームをより良くしていく過程を楽しめる方なら、きっと大きな成長と達成感を味わえるはず。私自身も、誰かの力になれるSVをめざし、その先頭に立って走り続けたいと思っています。
