店舗運営の経験を糧に、長く働ける「一生モノ」のキャリアを求めて
──現在の業務内容と、そこに至るまでのキャリアについて教えてください。
現在は、2つのプロジェクトに携わっていて、一つはマーケティング会社のプロジェクトで、アンケートの作成準備から集計、報告書の作成までを一貫して担うものです。もう一つはスタートしたばかりの支援プロジェクトで、特殊な部品の輸出入に伴う受発注業務を担当しています。取引先が数百社を超え、会社ごとに納品書の仕様が異なる煩雑な作業ですが、スタッフと一緒にマニュアルを確認しながら、一歩ずつ手探りで進める毎日です。
これまでの歩みを振り返ると、銀行の窓口やサービスカウンター、そして直近15年間は小売業での販売・店舗運営に長く従事してきました。店長代行として売り場を作るだけでなく、累計で3桁を超える人数のスタッフの採用面接や教育、さらには複雑なシフト管理を担った経験も。転機となったのは、入居していた商業施設の閉館でした。「これが最後の転職になるだろう」という予感もあり、これまでの経験を活かしつつ、腰を据えて長く働ける環境を求めたのです。
──数ある企業の中で、リクルートスタッフィングを選んだ決め手は何でしたか。
一番の決め手は、求人票に記載されていた「長年続けているSVがたくさんいる」という一言に尽きます。仕事は長く続けるほどに愛着が湧き、深く理解することでより楽しくなっていく。そんな価値観を持つ私にとって、長く続けていける仕事は、まさに理想的な環境でした。
面接を通じ、店舗運営で培った「人と向き合い、組織を動かす力」がBPOの現場でも通用すると確信できたことも大きな後押しとなりました。契約社員という雇用形態に長期的に働けるか、不安を抱いた時期もありましたが、面接担当者から「10年以上活躍している人も大勢いる」と直接聞き、安心しましたね。晴れやかな気持ちで入社を決めました。
リモート下での葛藤と、クライアントからの厳しい指摘を乗り越えて
──入社後に直面した壁や、苦労したことはありましたか。
入社したのは新型コロナの影響が色濃い時期で、対面中心だった仕事が急にリモートになったことに戸惑いを隠せませんでした。画面越しではスタッフの表情が見えず、「今、どういう気持ちで作業をしているのか?」がつかみきれない。目に見えないコンディションをどうコントロールすべきか、模索が続く毎日でした。
実務面でも、立ち上げプロジェクトゆえの大きな壁にぶつかりました。用意されていたのは派遣スタッフ向けマニュアルのみで、そこには「不明点は社員に聞く」との記載が。しかし業務委託となった以上、自分たちで判断し、プロとして完結させなければなりません。さらに、作業履歴をすべて可視化して納品する工程を加えた結果、今までは5分で終わっていた作業が10分かかることに。月次報告会では、クライアント担当者から「スピード」に対して厳しいご指摘をいただき、プレッシャーで追い込まれた時期もありました。
──その困難を、どのようにして乗り越えられたのでしょうか。
一人で抱え込まず、周囲を頼る大切さに気づいたことが大きかったですね。上司であるPM*1に相談し、「作業の早さを大切にしながら、BPOとして付加価値を付ける重要性」を再認識しました。また、他のSV仲間とも事例を共有し、客観的な視点を取り戻せたことも救いとなりました。
*1. PM(プロジェクトマネージャー): 複数プロジェクトの全体管理やSVのマネジメントを担う
スタッフへの接し方も工夫を凝らしました。リモートだからこそ毎朝の朝会を徹底し、一人ひとりの声のトーンや話し方から「声色(こわいろ)」を察するようにしたのです。「今日は声が少し低いな」と感じたら、すぐさま個別に声をかける。不満や疲れが見えたら、作業量の調整や期限交渉といったフォローを徹底してきました。かつての店舗運営で培った、トラブルになる前の予兆をつかむ力は、このスタッフマネジメントにおいて、何よりの武器になったと感じています。
チェックの可視化が生んだ品質への信頼。チームでつかんだ「プロ集団」への進化
──SVの仕事をする中で、成長を実感したポイントはどこですか。
何よりも嬉しかったのは、当初フィードバックを多くいただいたクライアントが、今では「リクルートスタッフィングさんのチームをもっと広げたい」と公言してくれるほど、評価してくれたことです。当初は「スピード」についてご指摘いただいた作業も、どこをどうチェックしたか一目でわかる資料を添えて納品し続けた結果、「ここまで丁寧に見てくれるのか」という品質への圧倒的な信頼へと変わりました。今では「そのやり方をうちのスタッフにも教えてほしい」と言われるほど、私たちの手法が現場のスタンダードとして根付いています。
依頼の仕組み自体も改善しました。以前は「何を頼めるかわからない」という心理的なハードルがありましたが、依頼フォームを作成し、1作業の目安時間を提示するなど、クライアントが依頼しやすい環境を整備。その結果、現在では全社から依頼が殺到し、毎月200時間分ものキャンセル待ちが発生するほどになりました。この実績が認められ、PJT規模の拡大につながりました。こうしたマネジメントの成果は、SVならではの醍醐味と言えるでしょう。
──SV職のやりがいや、嬉しかったエピソードを教えてください。
スタッフが「自走するプロ集団」へと育ってくれたことに尽きます。私はあえてスタッフの前で自分の弱点を開示するようにしています。スタッフが「自分がしっかり支えなければ」と主体的になり、自らマニュアルを改善したり、新しい提案をしてくれたりする文化が育ちました。
朝会では、クライアントからいただいた感謝の言葉や、「皆さんの頑張りのおかげでPJT規模の拡大が決まったよ」という喜びを必ず共有しています。認められる経験の積み重ねは、スタッフのプロ意識をさらに高いものへと変えました。「仙頭さんは忙しそうだから、ここは私たちがやっておきますね」と、チーム全体が助け合い、高いパフォーマンスを発揮してくれている今の状態は、何よりの誇りです。
先輩に支えられた新人時代、だからこそ今度は誰かを支える側へ
──仕事をするうえで、大切にしている「こだわり」は何ですか。
「どんなときも落ち着いて、ゆっくりと話すこと」をモットーにしています。話し方のスピードを意識的に落として、さらにトーンは穏やかな湖のような、接する相手の心をスッと落ち着かせる調子に。こちらが慌てて早口で話すと、相手に威圧感や不安を与えてしまいがち。だからこそ、相手のペースが速いときほど落ち着いて、理解を深めるための対話を重ねます。相手が心から納得できるまで丁寧に向き合うこと。それこそが、強固な信頼を築く第一歩だと考えています。
かつてクライアントからフィードバックを多くいただいたときも、真摯に受け止め、実務上の改善だけではなく信頼関係を築くための日々の行動も心がけていました。こうした前向きな姿勢を維持できたのでは、周囲の支えがあったからです。新人時代、リクルートスタッフィングならではのルールや提出物の出し方一つわからなかった私を、チャットを通じて丁寧に助けてくれた先輩や同僚がいました。その「誰かが必ず手を差し伸べてくれる」という安心感があるからこそ、困難な状況でも「なんとかなる」と前を向けるのだと思います。
──リクルートスタッフィングの魅力と今後の目標を教えてください。
プロジェクトごとに、その企業の習慣や文化を肌で感じられることは、この仕事の醍醐味です。私のように新しい発見を好む人間にとって、未知の領域に触れられるこの環境は、まさに最高の仕事と言えるでしょう。
加えて、SV同士が悩みを共有し、精神面からも支え合える文化が深く根付いている点も、誇れる魅力です。私自身、上司であるPMが定期的に顔を見に来てくれたり、1on1を通じて困りごとを聞いてくれたりする手厚いフォローに何度も救われてきました。一人ひとりの主体性を尊重しつつ、決して孤立させない温かさがあるからこそ、責任を背負うSVという役割も前向きに楽しめているのだと感じています。
今後は、自分がこれまでに支えてもらった分を、次の世代にお返ししていきたいと考えています。SVという仕事はやりがいが大きい反面、責任も重く、時に一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくありません。そんな仲間たちにとって、些細な悩みも気軽に話せる、精神的なフォロー役になりたい。
実際、新人メンターを担当した際、対話を通じて「気持ちが楽になりました」と言ってもらえたことが、私自身の大きな励みとなりました。複数のプロジェクトを横断的に回りながら、「仙頭さんが来てくれるなら安心だ」と思ってもらえるような存在を目指したい。そんな「支え、支えられる循環」を社内に広げていくことで、誰もが自分らしく挑戦し続けられる未来を、仲間と共に手繰り寄せていきたいです。
