異なる領域をつなぐ「通訳」としての使命感、好奇心を軸に選んだSVという選択
──現在の業務内容と、そこに至るまでのキャリアについて教えてください。
現在は、大手建設会社の大規模開発プロジェクトを支えるバックオフィス業務の立ち上げにSVとして携わっています。以前から希望していた業界で、今回その願いがかなう形で配属が決まりました。現在は立ち上げ期ということもあり、何もない状態から生み出していく、まるで小さな会社を立ち上げているような感覚で、上流からの情報を徹底的に集め、課題を整理して50~60人に及ぶスタッフが誰も迷わないような業務フローや仕組み作りに奔走しています。
これまでの私のキャリアを振り返ると、医療事務から始まり、不動産営業や建築系の事務リーダーなど、多種多様な業界を渡り歩いてきました。一見すると統一感がないように見えるかもしれませんが、私の中では「常に新しい刺激を求め、挑み続けたい」という好奇心こそが原動力。SVという領域を選んだのも、一つの場所に留まるのではなく、多様なプロジェクトを通じて新人のような新鮮なワクワク感をずっと味わい続けられると考えたからです。
──数ある企業の中で、リクルートスタッフィングを選んだ決め手は何でしたか。
一番の決め手は、自分の「好奇心」をポジティブに捉えてもらえたこと、そして多様な背景を持つ人たちが個性を活かして活躍している環境に惹かれたことです。面接では過去の職種そのものよりも、立場が異なる人たちの情報を丁寧に汲み取りながら物事を円滑に進める「調整力」という私の強みを、しっかりと評価してくれました。
また、かつて病院でシステム刷新に携わった際、開発者と現場の専門用語が噛み合わずにプロジェクトが停滞してしまうもどかしさを経験しました。そのとき、独学で半年間勉強して資格を取得し、両者の架け橋となる「通訳」として立ち回ることでプロジェクトを成功させた経験があります。現場の運用から対外的な交渉まで、あらゆる要素を仕組み化するSVの現場に、自分の「通訳」としての力を捧げたいと確信したことが入社の決定打になりました。
課題は謎解きであり攻略するもの。そして周囲を頼る大切さに気づくまで
──SVとしての仕事で、大変だったことはありますか。
入社直後に直面した壁は、まさに「困難の連続」でした。配属されたのは、立て直しが必要なプロジェクトでした。引き継ぎもままならない中、残された膨大なデータから探偵のように推理し、滞っていた業務を動かしていく日々はきわめてタフなものでした。
SVの仕事は、クライアントの要望、現場スタッフの不安、自社の目標……あらゆる方向から相反する「声」が一気に流れ込んでくるポジションです。とくにこのときは業務フロー自体が未整備で、メンバーへの教育と実務の遂行を同時に進めなければならず、精神的にも余裕を失いかけた時期がありました。自分がまだ完全に理解できていない仕事をスタッフに展開しなければならない状況に、どこがゴールなのか見えない霧の中を歩いているような感覚でした。
──その大変な状況を、どのようにして乗り越えられたのでしょうか。
つらかったのは、周囲の要望や期待に応えようとするあまり、自分一人ですべてを抱え込み、身動きが取れなくなってしまったことです。SVという責任ある立場だからこそ「あれもこれも自分で何とかしなければ」というプレッシャーが強く、全方位に対してバランスを取ろうとすればするほど、出口が見えなくなっていました。
ただ、私自身「課題はクエストや謎解きのようなもの」と捉えており、前向きな好奇心に変えて乗り越えてきました。問題をゲームのように“攻略する”という視点に切り替えることで、過度な重圧を背負い込むのではなく、冷静に一つひとつ取り組む余裕が生まれました。
実際、仲間のSV・PM(プロジェクトマネジャー)と一緒にプライベートでも謎解きイベントに行くほどで(笑)、そうした「どうやって解こう?」と楽しむ感覚が、仕事の課題にも自然と生きていたのだと思います。
そして、その前向きさを“次の一歩”につなげてくれたのが、上司のひと言でした。「大変だな、と下を向くのではなく、大変だね、と笑いながらやれたらいいよね!」という言葉で肩の力が抜け、1人で抱え込まず周囲を頼ることへのハードルがすっと下がったんです。
相談できる環境と、仲間と知恵を出し合うカルチャーに後押しされて、孤独に押しつぶされることなく、前を向き続けられたのだと思っています。
意見の違いを力に変える、チームでつかんだ「三方よし」の成果
──困難を乗り越えた先で見つけた、SVの仕事の喜びについて教えてください。
チーム運営においては、スタッフ一人ひとりの「正義」を否定せず、まずは徹底的に話を聞くことを大切にしました。個々の特性を認め合うことで、「意見が違うのは当たり前」という前提で対応。たとえ全体の方針とズレがあったとしても、その人の立場に立てば正しいこともあるはず。そこをきめ細やかに、しっかりと汲み取った上で、「ではどうすれば全員が納得して動けるか」を一緒に考える姿勢を貫きました。
こうした積み重ねが実を結び、プロジェクトが次第に安定。最終的にはクライアントから「宮本さんたちのチームなしでは業務が回らない」と信頼をいただけるまでになりました。プロジェクトを離れる際、スタッフ全員が書いた寄せ書きを贈られたときは、これまでの苦労が報われた思いで胸が熱くなりました。そこには「寄り添ってくれてありがとう」という言葉が綴られており、自分の介在価値を確信でき、SVをやっていて一番うれしい瞬間でしたね。
──SVの仕事を経験する中で、ご自身が成長したと感じるポイントはどこですか。
SVの仕事を経験することで、現場の運営や人員管理はもちろんのこと、クライアントとの折衝やパートナー企業との連携、ときには収支管理や見積もりの調整まで、プロジェクト全体を俯瞰するマネジメント力が実体験として身についたと感じています。以前はプレイヤーとしての視点が強かったのですが、今は「どうすれば価値を最大化できるか」という視点で、能動的に動けるようになりました。受け身で指示を待つのではなく、何がリスクでどこにボトルネックがあるのかを上流から把握し、自ら打ち手を探っていく。そのたくましさが備わったことが、自分にとって大きな成長です。
単に業務を回すだけでなく、クライアントも、現場のスタッフも、そして自社も利益を得られる「三方よし」の状態を自らの裁量で築き上げること。それこそがSV職の醍醐味だと学びました。1人では限界があることも、チームの多様な個性を組み合わせることで、想像以上の成果を生み出せる。そう強く実感しています。
未来の自分がなんとかしている。一人で抱えなくていい、仲間がいる自己効力感が原動力
──大切にしている価値観と今後の目標について教えて下さい。
私が大切にしているのは、「未来の自分はきっとなんとかしている」と信じられる感覚です。それは根拠のない楽観ではなく、これまでの経験から育まれた自己効力感に近いもの。ただし、決して“自分一人で解決する”という意味ではありません。私は常に、仲間がいるからこそ前へ進めると感じていますし、後輩たちにも「一人で抱え込まなくていい」と伝えています。
多様な仲間の力を借りながら、泥臭くもクリエイティブに挑戦を続けられる環境。主体性を尊重し合い、背中を押し合える安心感。精神面でも支え合える文化があるからこそ、SVとして正解のない問いと向き合う重責の中でも、前を向きながら走り続けることができます。
今のプロジェクトでは、専門的な属人化しやすい業務を「誰にでも再現できる価値ある仕事」に書き換えることをミッションにしています。自分が離れても高品質な成果を生み続けられるモデルケースを確立することで、組織全体を底上げしたいと考えています。
そして将来的には、これまでの多角的な経験を活かし、誰も正解がわからず立ち止まってしまう局面で、確かな道筋を示せる存在になりたいです。「これならわかるよ」と仲間を導き、自分の知見を循環させることで、組織全体の課題解決力を高めていくことを目指しています。
