経験と判断力で、大規模プロジェクトを前に進める
──所属しているSE・全体設計部の役割と、西須さんの業務内容を教えてください。
私たちの部署は、主にソフトウェア開発における計画の運営や管理を行う組織です。直接コードを書くわけではなく、プロジェクトが計画通りに進んでいるか、もし遅延が発生しそうな場合はどのようなリカバリー策が打てるかを検討・実行する役割を担います。
その中で私は、IVI(※)のソフトウェア開発において、お客さまであるカーOEMとの計画調整や、不具合が発生した際の窓口対応、予算管理などを担当しています。品質と納期を守り、開発予算を最適化してプロジェクトを完遂させることがミッションです。
──チームのメンバー構成や雰囲気はどのような感じですか。
管理を担う部署の特性上、長年開発に携わってきた中堅からベテランのメンバーを中心に構成されています。全員がしっかりとしたバックボーンや知識を持っているため、その点ではとても仕事が進めやすいです。ただ、大規模開発においてトラブルが起こらずに進むことはまずありません。
そんなタフな環境ではありますが、チームの雰囲気はとてもフランクで、言いたいことを率直に言える風通しの良さがあります。お互いの専門性を尊重し合える空気感があるからこそ、困難に直面してもチーム一丸となって乗り越えられています。
──IVIのソフトウェア開発ならではの特徴を教えてください。
まず、車載機器として求められる品質の要求レベルがきわめて高いという点があります。その上で、近年のIVIシステムは多機能化しており、それに伴って開発が大規模化していることが特徴です。
プロジェクトに関わるソフトウェア開発のメンバーだけでも、少なくとも数百名規模にのぼります。これだけ規模が大きいと必要とされる知識も多岐にわたり、複雑な課題に対応しなければならないため、プロジェクトの難易度はとても高いと感じています。
──難易度の高いプロジェクトを管理する中で、どのような時にやりがいを感じますか。
計画通りにプロジェクトを進める中で予想外のトラブルが発生した際、影響が出ないようにうまくコントロールできた時には達成感があります。また、これまで培った経験や勘所を活かしてリスクを予測し、「不具合が頻発する懸念がありそうなので、今のうちに手を打っておこう」と、先回りして軌道修正ができた時もうれしいですね。自分が管理したことでプロジェクトが円滑に進むと、大きなやりがいを感じます。
それはもちろん自分1人の力ではなく、豊富な経験を持つプロフェッショナルなメンバーがいるからこそです。大まかな方向性を伝えるだけで意図を汲んで行動してくれますし、状況を伝えて指示を出すと、すぐにチームが一丸となって解決へ向かってくれます。そんな優秀なメンバーたちにいつも支えられています。
※ IVI:In-Vehicle Infotainment(イン・ビークル・インフォテインメント)
専門性を発揮できる環境を求めて転職
──入社するまでの経歴を教えてください。
私はこれまでに4社でソフトウェア開発やプロジェクトマネジメントに携わってきました。キャリアのスタートは家庭用AV機器メーカーで、ソフトウェアの設計から開発チームリーダー、そしてプロジェクトマネージャーへとステップアップしました。
その後、会社の事業撤退を機に、新しい領域への挑戦を求めて総合電機メーカーへ転職し、IVI領域で数百名が関わる大規模な開発管理を経験しました。さらに知見を広げるため、車載ベンチャーや車載用半導体メーカーでもプロジェクトマネジメントの経験を重ねてきました。
──転職を考えたのは、どういうきっかけがあったのでしょうか。
直近の職場のカルチャーが、自身のめざすマネジメントのスタンスと異なっていたことがきっかけです。そこでは、開発の中で問題が発生した際に個人の責任が問われ、1人で解決することが求められました。
自分がマネジメントスキルを発揮できるのは、困難なプロジェクトにチーム一体となって挑み、みんなで建設的に解決策を模索できる環境だと考えていたため、転職を考えるようになりました。
──数ある企業の中から、最終的に当社を選んだ決め手は何ですか。
これまでの転職経験を通じて私が学んだのは、「面接の第一印象は入社後も変わらない」ということです。そうした中で当社の面接で感じたのは、フラットに意見が言える社風でした。そして選考を通じ、問題が生じた場合にはどうすれば解決できるか、誰と協力すれば乗り越えられるかを、チーム一体となって考える文化が根付いていることがわかりました。
また、前職も車載業界にいたので、業界内における当社の強みや立ち位置をあらかじめ理解していたことも決め手の1つです。この会社なら、自分の経験を活かしてパフォーマンスを最大限に発揮でき、長く腰を据えて働くことができると感じたため、入社を決めました。
──新しい環境へのキャッチアップで苦労した点や、工夫したことはありますか。
車載業界の共通ルールやトレンドには馴染みがありましたが、やはり会社が変われば、固有の文化や仕事の進め方は完全にゼロからのスタートになります。入社当初は、誰がどのような役割を担っているのか、自分が何をすればいいのかすらわからず、手探りの状態でした。
でも周囲のメンバーが、最初はわからなくて当然だと、温かく迎え入れてくれたことがとても心強かったです。社内独自の文化やルールには教科書があるわけではないため、そこは開き直って周囲を頼ることにしました。自分が知らないことをオープンにして質問を重ねても、それを許容し、快くサポートしてくれる風土があります。そのおかげで、スムーズに業務を覚えていくことができました。
部門を超えた連携で、難局を乗り越える
──入社以降、とくに印象に残っているエピソードを教えてください。
開発プロジェクトの終盤、出荷が目前に迫ったタイミングで重大なソフトウェアの不具合が発覚した時のことです。私たち開発チームが総力を挙げて対応を進める中、工場の製造部門や顧客対応を行う営業部門が、それぞれの役割において何ができるかを懸命に考え、直ちに実行してくれました。
おかげで私たちは不具合の修正に完全に集中することができ、難局を乗り越えられました。1つの目的に向かい、全社が一丸となるのを感じた瞬間です。
──難局を迎えた時、マネジメントで意識していることはありますか。
自分1人では何もできないので、メンバーにいかに気持ちよく動いてもらうかを常に意識しています。そのためにも心がけているのが、単に指示を出すのではなく、「なぜこの作業が必要なのか」という理由や技術的な背景をしっかりと説明することです。プロフェッショナルなメンバーがそろっているので、説明さえすれば意図を汲んで非常にスピーディーに動いてくれるため、本当に良いチームだと感じています。
無事にプロジェクトが完了した後の打ち上げで、メンバーから「プロジェクトを成功させられたのは西須さんのおかげ」と温かい言葉をもらえたことがあるのですが、良い関係性が築けているのだと感じてうれしくなりました。
──当社で働く中で成長を実感したことを教えてください。
メンバーが優秀なため、リスクの洗い出し不足など、私が見落としていた盲点をロジカルに指摘されることが多く、視座をもう一段高いレベルへ引き上げてもらっているのを感じています。これまでプロジェクトマネジメントにおいて相応のキャリアを積んできたという自負があったのですが、メンバーのおかげで自身の成長余地に気づかされました。
これからも周囲のメンバーと切磋琢磨しながら、キャリアの幅を広げていきたいと思います。ロールモデルとしているのは、ソフトウェア領域にとどまらず、ハードウェアや調達など製品開発の全般を統括している上司です。5年、10年先の半導体や技術動向全般の流れを読み、製品開発において進むべき正しい道を提示してチームを導いていける存在をめざしたいと思います。
変革期の開発現場で、次世代へバトンをつなぐ
──入社前と入社後で、会社に対する印象はどのように変わりましたか。
入社前は、歴史ある日本の大企業にありがちな堅い組織をイメージしていました。しかし実際は思った以上に自由で裁量も大きく、良い意味でギャップがありましたね。フラットで意見が言いやすいのは面接の時から変わらず、それが組織の自由な雰囲気を醸成していると思います。
また、入社前から技術レベルが高いメンバーが活躍していると認識していましたが、想像以上にスキルが高度で幅も広いと感じました。
──良いギャップがあった一方、組織として課題を感じている部分はありますか。
スキルが高いことの裏返しとも言えますが、自身の担当領域に集中し、部分最適になりやすい側面があります。製品全体にどう反映され、他領域とどう関連しているかという、システム全体を俯瞰する視点を強化することが課題だと考えています。
ただ、個々の高い専門性をつなぎ合わせ、全体のシナジーを生み出すことは、プロジェクトマネジメントを担う私の役割です。組織の枠を超えた連携を促し、より強い組織にしていきたいと思います。
──仕事をする中で感じる、当社ならではの強みを教えてください。
当社の強みは、長年にわたり車載業界で大規模開発に取り組んできた実績です。これまで培ってきた技術力やノウハウには、同業他社が簡単に追いつけないアドバンテージがあると感じます。とはいえ競争が激しい市場ですので、現状のポジションに甘んじず、次の技術トレンドで必要とされる要素を見据えた先行的な開発も積極的に進めています。
──ワークライフバランスの取りやすさや働きやすさの面ではいかがですか。
とても働きやすい環境が整備されていると感じます。年間休日は130日程度あり、ゴールデンウィークや夏期、年末年始には9〜10連休を取得することが可能です。休むことに対して周囲の反応を気にする必要もありません。長期休暇に有給を組み合わせてリフレッシュするメンバーも多く、フレックスタイムやリモートワークを含め、各自がスケジュールを主体的にコントロールできる風土があります。
──入社後のオンボーディングについてはどのような印象を持ちましたか。
車載開発の基礎を学ぶ短期講座などのプログラムが用意されており、ベースのフォロー体制は整っていると感じました。ただ、シニア層や他業界から挑戦される方の場合、実際の業務に深く入っていくためには、制度だけに頼らず自律的に学ぶ姿勢も非常に大切だと思います。
指示を待つ受け身の姿勢ではなく、自ら情報をつかみにいき、課題を解決するという能動的なマインドを持っている方であれば、周囲の優秀なメンバーも喜んで知識を提供し、全力でサポートしてくれます。
──最後に、当社への転職を検討している方へメッセージをお願いします。
車載業界は今、大きな変革期にあり、解決すべき技術的テーマが数多くあります。これまでの知見を活かして新たな開発に挑戦したい方はもちろん、業界未経験であっても「この領域で何かを成し遂げたい」という強い意欲を持つ方には、理想的なフィールドです。そして当社は、そうした意欲や専門性を持つ方を歓迎し、挑戦を後押ししてくれる会社です。
私のように長年培ってきたスキルや経験に自信を持って入社した場合でも、周囲の技術力の高さに刺激を受け、切磋琢磨できる環境があります。高い志を持つ方が、新たな仲間として加わってくださるのを楽しみにしています。
※ 記載内容は2026年6月時点のものです

