AI時代の新たなフェーズを牽引する。エンタープライズ事業を支える3チームの役割
組織の急拡大を続けるNotion。2026年8月、日本市場およびエンタープライズ領域のさらなる成長を推進する体制変更として、青木は日本のゼネラルマネージャーに就任しました。大企業向け市場を牽引するエンタープライズセールスの責任者も引き続き兼務する青木は、チームの立ち位置をこう語ります。
青木:エンタープライズセールスチームが担当するのは従業員数3,000名以上の大企業です。これまでスタートアップ中心だったフェーズから、大企業における顧客ポートフォリオが急拡大しています。
大組織におけるNotionの導入価値、とくにAI時代における「コンテキスト基盤」としての価値を伝え、ビジネスをスケールさせることがミッションです。 現在のチームメンバーは約7名ですが、今年中には2倍ほどに増える予定です。
さらに、桐谷率いるパートナーセールスチームが、市場への普及を加速させる役割を担っています。
桐谷:日本におけるパートナービジネス全般を統括しています。新たなパートナー開拓に加え、各パートナー企業との関係維持、目標設定や戦略的な営業・マーケティング計画の策定などを担当しています。日々進化するNotionを客観的に評価してくれ、共にビジネスをスケールさせて成長できる関係性を築くことを大事にしています。
グローバルで見ても、日本はパートナービジネスが先行しています。現場の課題をアメリカ本社にフィードバックし、世界共通の基準を作る役割も担っているんです。
こうした展開に合わせ、有償でお客さまの業務変革に伴走するプロフェッショナルサービスを率いるのがサービス(FDE) アジア太平洋地域担当の坂本です。
坂本:プロダクトの進化やAI活用のニーズに伴い、2025年5月にチームを立ち上げました。お客さまの業務理解や戦略策定を行う「フォワードデプロイドアーキテクト(FDA)」と、Notionと外部ツールの連携やデータ移行を担う「フォワードデプロイドエンジニア(FDE)」の2つの機能を持ち、全社導入やAI活用といった個別ニーズに一気通貫で応えています。
私は2026年8月よりアジア太平洋地域担当を統括しており、日本のチームは私を含め3名で対応しています。
「AI-Ready」な組織を創る。AIファースト時代に、各チームが描く戦略
AIファーストの波の中で大企業が直面している課題について、青木は次のように語ります。
青木:今、大企業では、内製AIエージェントの開発やAIチャットツールを全社展開して業務自動化を行うAI戦略が最優先課題です。
しかし一方で、日常業務の現場には落とし穴があります。資料作成やミーティング調整などのやり取りのファイルがクラウドストレージ内に散在していて、どれが最新かわからない、AIが理解できない。その結果、エージェントをつないでも「既存のAIツールがうまく機能しない」といった現場の不満が上がっているのです。
つまり、業務が「AI-Ready(AIがすぐ動ける状態)」ではないということ。これを解決するには、未整理の非構造化データを、AIが理解できる構造に整理する必要があります。たとえば日々のプロジェクトに議事録や報告書、タスクが紐づき、すべて1つのデータベースに集約される。それによって初めて「会社のための知識」が構造化されるのです。
Notionは、柔軟で使いやすいデータベースと、AIコネクター(チャットやメールなど他ツールをベクトルデータベースで連携する機能)で、この非構造化データを構造化します。意味とコンテキストをつなぎ、人とAIが協働する「エージェントOS」として価値を発揮するのです。その点をご評価いただき、さまざまな大企業や教育機関での全社採用事例が増えています。
こうした中で、共にNotionを広めるパートナー選びの視点も変化していると、桐谷は言います。
桐谷:これまでは能動的なファンが草の根的に魅力を広めてくれましたが、数万人規模の組織になると、空のデータベースを渡して「これで頑張ってください」だけでは通用しません。「こんな仕組みを作ったら見やすくなって手間も省けますよ」と価値を丁寧に伝える必要があります。
一方で、青木が説明したような「情報をつないでコンテキストを作る」という価値に、最近は経営トップが真っ先に賛同してくれます。だからこそ、現場主導のボトムアップにトップダウンのメッセージも組み合わせた“サンドイッチ構図”が必要になります。
Notionのさらなる定着には、こうしたアプローチを理解し、お客さまに価値を届けられるパートナーが不可欠です。単にライセンスを仲介する代理店モデルではなく、同じ絵を描き、共にビジネスを回していく。私たちと組む必然性を伝える重要性が高まってきているんです。
さらに、実装に落とし込むプロフェッショナルサービスについて、独自の戦略を語る坂本。
坂本:既存の業務に合わせてツールを細かくカスタマイズする従来の導入プロセスから脱却し、これからは「お客さまの業務を変革する」ことに主眼を置き、お客さまが自走できるコンサルティングの提供をめざします。
つまり、プロフェッショナルサービスを長くご契約いただくのではなく、最初の基盤をしっかりと作り込み、あとは自然と広がるエコシステムを作る。そのために、最先端のプロジェクトにあえて挑戦し、そこで得た学びをパートナーやお客さまに還元していく戦略を考えています。
最終的には市場で「Notionを使えば、AI時代の業務設計やエージェントの使い方が身につき、AIネイティブになれる」という価値観を作っていきたいですね。
エンタープライズ営業に必要な人材も大きく変わってきています。
青木:かつてのような関係性構築や、複数部門のキーパーソンを網羅するマルチスレッディングの手法だけでは、経営層がAI戦略を本気で推進する今の市場には通用しません。
これからはお客さまのビジネス課題を聞きながらその場でプロトタイプを作り、コンテキストやエージェントの設計レベルまで提示できるビルダー的な人材が必要です。自らAIを使い倒した上で、実動するものをその場で見せながら改善していく。こうした人材戦略も重要視しています。
3チームの連携がもたらすNotionの価値と、大手コンサルファームとの協業
複雑な大組織への導入を成功に導くために社内でどう連携すべきか。3人は実務における協力体制を語ります。
坂本:ライセンスとAI使用料という、成長への推進力を最大化できるのがエンタープライズ領域です。だからこそ、営業チームがここぞという時に使える「武器」として、どのタイミングで私たちプロフェッショナルサービスが介入すれば最もお客さまの定着と活用を加速できるか、青木のチームと戦略を練っています。
青木:企業における実際の情報や知識のネットワーク構造は本当に複雑です。営業側でプロトタイプを作り価値を証明できても、本番運用に耐えうる実装へ落とし込むには、坂本のチームと膝を突き合わせて試行錯誤を繰り返すことが欠かせません。
さらに各産業へ深く入り込むには、こうした動きに加え、各業界への知見を持ったパートナーの力が不可欠。その意味で、桐谷たちパートナーセールスとの密な連携も重要です。
桐谷:営業面ではパートナー企業が持つ豊富な顧客接点に助けられています。デリバリー面でも、他ツールの知見を持ちながらNotionも支援できるパートナー企業を増やす必要があります。だからこそ坂本とは、パートナーに求められるスキルセットを絶えずすり合わせています。
また、私たちメーカーは、ついお客さまの仕事が自社ツールのみで完結する世界を描きがちですが、実際には他のさまざまなツールと併存しています。その意味で、業務コンサルティングファームのような俯瞰的な視点を持つ外部の方々と協業することは、私たちの目線を正し最適化していく上でもすごく大事なこと。
Notionの仕様に業務を合わせるのではなく、お客さまの業務にツールを最適化するために、プロフェッショナルサービスチームや営業チームがどう動き、パートナーと協業していくべきか。窓口になる立場として、常に意識していますね。
こうした連携を体現する取り組みの一環として、大手戦略コンサルティングファームとの協業も見据えています。
青木:導入や活用支援の枠を超えて、お客さまにとってのNotionの真価を追求するため、このたび、大手戦略コンサルティングファームとの協業を新たにスタートし、アライアンスを強化しています。
ありがたいことに、協業先の皆さんご自身が、自社を「最初のクライアント」としてNotionを本気で使い倒し、そのリアルな体験価値をお客さまの課題解決へと還元しようとしてくださっています。
坂本:各社が持つ業界知見や、プロダクトに縛られない幅広い目線から、私たちが考えつかないような提案やデリバリーができると期待しています。私たちも技術支援や事例共有などを惜しまず、共同実験のような形でNotionの可能性を共に広げていきたいですね。
桐谷:今回の協業のように、当社の提供価値に本気で共感し、一緒に伴走していただける関係がアライアンスの大前提です。
お届けするクオリティを妥協なく担保するため、営業サイドから提案されたパートナー候補であっても、時には一歩立ち止まって議論を重ねることもあります。それがアライアンスを仕切る立場としての責任だと考えています。
第三創業期の荒波をも楽しみながら、スピード感を持って新たなマーケットを開拓する
Notionがめざす、エージェントOSとしての未来。今後のさらなる展開に向けて、3人はそれぞれのチームに求める人物像を語ります。
青木:これからは「個人の便利ツール」だけにとどまりません。お話ししてきたように、非構造化データを、AIが正しく理解できるコンテキストとして機能させ、新たなマーケットを開拓していく。そこに可能性を見出し、共にビジネスを作ってくれる方を求めています。
坂本:AIエージェントという武器を得た今、Notionはまさに第三創業期と言えます。私たちプロフェッショナルサービスも、誰もやったことのないところに飛び込んでいく状況で、うまくいかないこともたくさんあります。
だからこそ、当社のバリュー「Why Not Today(今日できることをやってみよう)」に共感し、荒波での挑戦を楽しめる方に来てほしいですね。
また、最先端の技術を導入するだけでなく、実際に業務をされるお客さまが喜んで使ってくれなければ意味がありません。人間の心理や本質に向き合い、行動変容を促すことにも心を配れるバランス感覚が必要です。
桐谷:パートナーシップはお互いの都合が交錯し、思い通りにいかないことも少なくありません。両者の間に立って、客観的かつ利他的に調整を楽しめる方は活躍できるはずです。サービスの訴求ポイントが大きく変化している今だからこそ、事業開発的な観点でいろんなことに挑戦したい方には最高のフィールドだと思います。
社員数が100人規模へと拡大を続ける中でも、Notionにはメンバー同士の温かい距離感があります。
桐谷:部署の垣根を越えたコミュニケーションが非常に活発です。お互いへの関心が高いので、新しい方もすぐに馴染める温かさがあります。
青木:すごくわかります。手探りの状態だからこそ、自分がスピード感をもって動くことで、チームや事業の成長に貢献している実感を持てることが、何より楽しいですね。
坂本:当社のバリューに「Direct and Kind(率直かつ親切に)」があります。困ったことがあればすぐに相談でき、成果があればみんなで喜び合う。「みんなで解決しよう」という一体感があるからこそ、高いスピード感でも全員で突き進めるのだと思います。
社内の有機的な連携、そして社外のアライアンス。AIエージェントがもたらす新しい未来への情熱を媒介にして、Notionの進化はこれからも加速していきます。
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
