新規事業を伴走支援。プロジェクト成功の鍵を握るのは、密なコミュニケーション
新規事業の開発を行うNiterra Venturesカンパニーの環境エネルギービジネス部のなかでも、三井は主に省エネ空調機の事業開発を担当するチームに所属しています。
チームメンバーは8名。プロジェクトを横断的に俯瞰する立場から、円滑な推進に向けてさまざまな業務に携わっています。
「思うように進んでいない仕事にドライブをかけるアクセラレータ(accelerator, 加速させるもの)を務めることもあれば、営業担当として新規顧客に提案を行うことも。さまざまなことを手がけながらプロジェクトに伴走しています」
当社の新規事業や製品への認知度はまだまだ低いのが現状。これを向上させていくことが目下の課題です。
「展示会に出展したり、他社さんが主催する共創プログラムに応募したり。当社の事業や新しい製品の価値を知っていただくために、さまざまな取り組みを行っています」
業務上、社内外を問わず交流範囲が広い三井。人と人とをつなぐことを重んじ、積極的な情報交換を意識してきました。
「仕事は人同士の情報のやりとりをもとに進んでいくため、コミュニケーションが滞れば、それだけ進行が遅れてしまいます。困ったことがあったときも、まず心がけているのが情報発信。すると、手を差し伸べてくれる人がおのずと現れるもの。もちろん、誰かから発信された情報を受け取ることも大事にしています。
たとえば、社内に滞っているプロジェクトがあったとすれば、現状を絵に描いて見せて課題意識の共有を促し、メンバーに対してどうすべきかと問いかけます。相手がお客様の場合も同じです。私たちの考えを積極的に伝えることでお客様の本音を引き出し、最適解を探り出します」
人ともの、人と人をつなぐ役割を果たすために。経験と知識を活かせる日本特殊陶業へ
三井が大学で学んだのは感性工学と人間工学。前者は、人の感性を製品やサービスなどの設計に取り入れる技術分野であり、後者は、人の身体や能力の特性に合わせたシステム設計を行う技術分野。三井の興味と関心はずっと、一貫して「人」に向けられてきました。
日本人間工学会認定人間工学専門家の資格も三井は取得しました。これは人間工学の知識や技術、問題解決能力を持ち、実践できる人物を指します。
HCDの知見もある三井。HCDのアプローチのポイントとなるのは、よく人を観察すること。観察することで、その周りで何が起きているのか、本質的な課題を見つけ出すことが重要となります。
このような人に対する豊富な知識を強みに、「人ともの」「人と人」のつながりを軸として三井はキャリアを重ねてきました。
「大学院を卒業後はエレベーターメーカーに就職しました。ユーザーインターフェースデザインとユーザビリティ評価を長く担当し、人とものの関係構築に携わりました」
その後、三井は新しい手法を軸にしたビジネス展開をしていた企業に転職。人間工学を応用した定性調査によるリサーチやコンサルティング業務の経験を通じて思い知ったのは、ビジネスにおいて人と人をつなぐことの重要性でした。
「営業成績に差が生まれる原因を調査してほしいと依頼され、営業担当に同行してその行動を詳細に記録したことがありました。また、展示会では人が集まるブースとそうでないブースの違いを解明しようと、人の流れを注意深く観察したこともあります。
これらの経験から学んだのは、お客様のニーズと自社のソリューションがマッチすることが、人と人とのつながりを生み出す鍵であるということ。ビジネスの本質が理解できた大切な時期でした」
三井が第3のキャリアとして選んだのは、大手自動車メーカー。ユーザーインターフェース開発に取り組む中で、たくさんの人が関わるものづくりの難しさとおもしろさを知ったと言います。
「自動車の製造過程では、意見が大きく割れてなかなか結論が出ないことがあります。しかし、製品をつくり上げる難しさと、それを乗り越えたときの喜びがあるから、自動車が完成して街を走り出すころには、対立していた人たちもおたがいを称賛し合っているんです」
そしてつぎに三井が辿り着いたのが、日本特殊陶業。その経緯をこう振り返ります。
「子どものころからの夢だった自動車づくりに前職で関われたことで、つぎの目標が見えなくなっていました。そんなときに出会ったのが、人を中心にしたものつくりの専門家を募集する日本特殊陶業の求人。ここでなら、これまでの経験と知識を活かして、人ともの、人と人をつなぐ役割が果たせると思ったんです。
40歳を超えて、これが転職する最後のチャンスになるかもしれないと、挑戦を決意しました」
チームの心の導火線に火を。内に秘めたメンバーの熱い想いをかたちに
2022年4月に入社した三井。周りがどんな能力を持った人たちなのか、どんな課題を持っているかもわからなかったため、周囲を観察しながら、「私はこんなことができる人間です」と情報発信をしていたと言います。
しばらく部下と関わるうちにメンバーにある共通点があることに気づいたと話す三井。
「メンバーたちと交流するうちに、彼ら彼女らが内に秘めた熱い想いを持っていることがわかりました。中には、『何か行動しなければ』と焦りに近い感情を抱えている者も。上司としてその気持ちを引き出し、発揮する機会を提供することができれば、大きな成果に結びつくのでないかと感じました」
一方、その想いは必ずしも行動に伴っていませんでした。そこで、三井はある策を講じます。
「新しいものやサービスを創っていくためには、小さな失敗や成功を経験することが重要です。そこで、展示会のようなイベントを目標に設定し、各業務に対して、それまで観察してきた各人の仕事ぶりなどから向いていそうだと思う人を想像しつつ、メンバーに自分は何を担当するかを選んでもらいました。すると、皆が仕事に意欲的に取り組んでくれた結果、イベントは成功しました」
約半年後、部下の意識に少しずつ変化が見られるようになったと言います。
「展示会では、成果が数字としてはっきりと示されるわけではありません。しかし、つぎの取り組みを考える際に積極的に意見を出してくれるようになったり、失敗から学んだ教訓を他メンバーと共有するようになったり。彼ら彼女らが確かな達成感を抱きながら、仕事に積極的に向き合っているのがわかりました」
誰もが楽しいと思えて、世の中のためになるような人や組織づくりをめざして
入社しておよそ1年半になる三井。感性工学や人間工学の知見を活かして人を育て、組織づくりに力を入れていくことが今後の目標です。
「どのような製品やサービスであれ、それを楽しみながらつくり、それを使ってくださるお客様にも喜んでいただけるようなものであってほしいと願っています。そして、それが会社や社会全体の利益にもつながる。そんなポジティブなサイクルを生み出せるような人材を育成し、組織を築いていきたいと考えています」
それを実現するのに必要なのが新しい仲間。三井がいま求めるのは、情熱を持ちそれを追求できる人材です。
「大企業は、ときに柔軟性を欠くことがあります。それに対して不平を言うのではなく、制約をチャンスに変えて、自分の目標を推進できるバランス感覚に優れた人と出会えることを心待ちにしています」
そんな三井が考える日本特殊陶業の最大の魅力は、想いを内に秘めたメンバーが多いこと。可能性は未知数だと言います。
「大学院時代の恩師がよくこんなことを言っていました。『部品にはそれをつくった人の心が込められている。たとえば、数万点の部品からなる自動車なら、数万の心の集合体だ』と。
いまもこの言葉を大切にしています。組織もまた、それぞれストーリーを持った人々が集まって形成されるもの。一人ひとり育ってきた家庭環境や背景が違う。それぞれのストーリーに想いを馳せながら、一人ひとりの言葉に真摯に耳を傾けながら、すべての人にとって価値ある組織にしていけたらと考えています」
新しい事業や価値を創造していくには、新たな視点や考え方、アプローチが不可欠となります。尽きることのない人への好奇心と、人を中心にしたものつくりに関する豊富な知識と経験を活かして、三井は内に秘めた社員の熱い想いに火をつけていく。これからどんなソリューションを、そして組織をつくっていくのか。その未来に期待を寄せずにはいられません。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
