リスク管理の要は現場との信頼関係。「気軽に相談できる身近な存在」をめざして
──まず、所属されている部署とお仕事の内容を教えてください。
業務リスク管理部は、日本道路グループ全社のリスク管理体制の維持やコンプライアンス活動の推進を担い、会社と社員の安心を根底から支える部署です。
当社はコンプライアンスを経営の最優先課題に掲げ、毎月の勉強会や、毎年7月30日を「コンプライアンスの日」と定める取り組みなどを通じて、法令遵守の意識を全社に浸透させています。その中で私は主に法務業務を担当し、契約書のリーガルチェックや法律相談、近年の法改正に伴う対応策の社内展開、若手向けのハラスメント研修のほか、内部通報窓口の担当者として実際のヒアリング対応などにも従事しています。
とくに法改正対応では、他部署と連携して方針を練り上げ全国の支店へ共有するため多くの方々と力を合わせています。こうした横断的な業務のため、1日の予定は規則的なルーティンに収まらないことも多いです。
──日によってスケジュールが大きく変わる、変化の多い業務なのですね。
定期的な会議もありますが、基本的には社内からの相談や依頼にその都度対応するため、決まった型はありません。契約書のチェックに集中する日もあれば、突発的な相談で当日の予定をすべて変更することも珍しくありません。だからこそ、予期せぬ出来事にも臨機応変に動くことを常に意識しています。
──そうした中で、大切にされている思いはありますか?
リスク管理を担う部署だからこそ、いつでもオープンで相談しやすい場所でありたい。現場のリアルな情報がタイムリーに集まることこそ、トラブルを未然に防ぎ、会社や社員を守る第一歩だからです。だからこそ、迷いや困り事が生じた時に真っ先に思い浮かべていただける──そんな声をかけやすい雰囲気づくりを、何より重視しています。
時には、リスク管理の観点と現場の要望のバランスに悩む局面もあります。そうした場面で、判断基準や背景を共有し、お互いが納得できるまで丁寧に説明を尽くす。日頃のコミュニケーションを積み重ね、意見を言い合える風通しの良い関係を築くこと。それこそが、当たり前の日常を守り、現場の道づくりを背後から支える土台になると確信しています。
紛争解決の終点から、未然防止の最前線へ。創立100年を控えるインフラ企業への転身
──これまでのキャリアについて教えてください。
前職は都内の法律事務所で10年以上、パラリーガルを務めました。民事や不動産など幅広い案件で、訴状の下書きや内容証明作成手続き、強制執行の立ち会い、依頼者面談の同席などを担当。中でも、多くの方の声に真摯に耳を傾けてきた経験は、大きな財産です。人の話を丁寧に聴く姿勢が、相談を受ける今の仕事に活きています。
──そこからなぜ一般企業への転職を志し、日本道路への入社を決めたのでしょうか。
裁判という、すでに起きてしまった争いの終点に向き合う中で、トラブルを未然に防ぎ、根本から企業を支える仕事に就きたいと考えたのがきっかけです。将来のライフステージも見据え、より腰を据えて働ける環境への転身を志しました。
日本道路を選んだのは、前職での不動産関連の経験から、目に見える形で成果が残る“ものづくり”に惹かれて建設業界に目を向けたこと、そして同社がコンプライアンスを経営の最優先課題に掲げていたからです。
さらに、2029年に創立100年を迎える歴史の重みも決定打でした。長い歴史の中で堅実に事業を積み重ねてきた組織だからこそ、働く人を大切にする風土が根づいている。ここなら安心して長くキャリアを築けると感じました。
──実際に入社されてみて、仕事の環境や働き方の面はいかがでしたか?
当初は建設業独自のルールや重層下請構造の仕組みに戸惑い、前職とのギャップを感じる瞬間もありました。しかし、業務リスク管理部だけでなく、他部署の方々や現場の技術者など、部署の垣根を越えて誰もが手厚く教えてくれたおかげで、新しい知識もスムーズに吸収し、理解を深めていくことができました。
働き方の面でも、残業も法令の範囲内に収まって前職の約半分にまで減りました。旅行などプライベートに合わせて自分のペースで有給休暇を調整でき、心身ともに大きなゆとりを持てています。
業務内容も、最初は契約書チェックからスタートしましたが、現在は法改正対応や内部通報窓口業務まで、任せてもらえる領域が段階的に広がっており、日々大きなやりがいを感じています。
対話が生んだ、確かな自信。当たり前の日常を、仲間と守り抜く
──これまでで、印象に残っているお仕事はありますか?
とくに大きな経験となったのは、法改正対応をテーマにした全国会議の主催です。企画から準備、運営まで、初めて主担当として一連のプロセスを牽引しました。何度も事前会議を重ね、参加者同士が活発に意見を交わす場を実現できました。多くの人の支えがあってこそ仕事は回るのだと実感し、大きな自信になりました。
また、内部通報窓口の信頼性獲得にも注力しています。制度の利用をより身近なものにするため、各現場の勉強会で直接発信したり、各支店で女性従業員との座談会を企画したりしました。ハラスメントなどのデリケートな課題や、利用への心理的なハードルを本音でヒアリングする前例のない取り組みですが、自ら提案して改善を重ねながら実施しています。
今後も会社としてハラスメント対策や相談しやすい環境づくりに前向きに取り組む姿勢を、現場へ直接届けられたと考えています。
──2026年4月に課長へ昇格されましたが、何か変化はありましたか?
役職が付いたからといって、日々の業務自体が劇的に変わったわけではありません。ただ、目の前の仕事をさらにブラッシュアップし、これまで以上に強い責任感を持って向き合う意識が深まりました。また、将来部下を持った時に自分の経験やノウハウをどう伝えるか、という後進への視点も少しずつ芽生えてきました。
──現在の仕事の魅力や、やりがいについてはどのように感じていますか?
トラブルを未然に防ぎ、何事もない当たり前の日常を守り続ける。そこにこの仕事の大きな魅力があります。契約書を介した日々の小さなやり取りにも、会社を足元から守る確かな手応えがある。そして何より、現場の仲間から「相談してよかった」と声をかけてもらえる瞬間は、この仕事ならではの喜びです。
多様な人材が活躍できる組織へ。変革期を迎えた日本道路で、次なる100年を共に
──今後、挑戦していきたい目標を教えてください。
まずは現場との信頼関係をさらに強め、現場の皆さんが安心して相談できる体制を整えたいです。困った時に真っ先に顔が浮かぶ、身近で頼れる存在をめざします。
また、課長という役割を任された以上、実務を安定させるだけでなく、業務の効率化や仕組みづくりにも力を入れたいです。これまで培ってきた経験やノウハウを体系化し、次代を担う後進が迷わず進める道筋を整えることも、これから取り組むべき大切な使命だと感じています。
──その道を共に歩む仲間には、どんな想いを持っていてほしいですか?
法務や管理部門は専門性が高く、覚える法律やルールも多岐にわたるため、決して簡単ではありません。私自身、実務を理解し組織の動きに落とし込むまで必死に勉強する日々です。ですが、完璧な知識はなくても学ぶ姿勢を持ち、地道に積み重ねれば知識は必ず身につくと思います。
日本道路には、そうした挑戦を温かく見守り、根気強く並走してくれる先輩や上司がいます。そして何より大切なのは、目の前の課題に誠実に向き合う姿勢と周囲への感謝です。社内で活躍するメンバーも、こうしたひたむきさを共通して持っています。相手を思いやり、人と人とのつながりを大切にできる方なら、きっと自分らしく活躍できるはずです。
──そうした仲間と、これからどんなことをしていきたいですか?
法律事務所からの転職でしたが、丁寧に支えてくれる仲間と、日々の積み重ねを見守ってくれる環境があったからこそ、ここまで歩んでこれました。この温かい風土をさらに育て、性別や入社の経歴を問わず、誰もが「ここでなら長く働ける」と思える組織を、同じ想いの仲間と共に築いていく。それが、これからの私の一番の願いです。
※ 記載内容は2026年6月時点のものです
