安全・安心・高品質な商品の価値を武器に、スピード感あふれる広州市場を切り拓く
現在、私は中国・広州で業務用商品の営業を担当しています。2025年4月に業務用商品の営業組織が新設され、その立ち上げメンバーとして広州に赴任しました。チームは私を含めて3名。ローカルスタッフ2名と共に、マネージャーとして日々奮闘しています。
私たちが扱う業務用商品は、牛乳やクリーム、チョコレート、チーズ、アイスなど多岐にわたります。お客さまは主にカフェチェーンが多いのですが、その他洋菓子店やレストランといったお客さまに提案するのが主な仕事。単に一つの商品を売るだけでなく、お客さまのニーズや課題に合わせて組み合わせて提案するなど、お客さまに深く入り込み、共に新しい価値を創造していくプロセスは、大きなやりがいを感じます。
現在のお客さまは中国のローカル企業が多く、商談はもちろん中国語。私はまだ流暢に話せるわけではないので、日本語が少しわかるスタッフにサポートしてもらいながらコミュニケーションを取っています。心がけているのは、日本のやり方を押し付けず、現地の文化や商習慣を最大限尊重すること。その上で、日本ならではの付加価値を提案していくことです。
日本と中国では、仕事の進め方が大きく異なります。日本が緻密に計画を立てて石橋を叩いて渡るスタイルなら、中国はまず行動し、走りながら修正していくスタイル。そのスピード感には目を見張るものがあります。街のカフェが、あっという間に新しいお店に入れ替わっていることは日常茶飯事。ITサービスが目覚ましいスピードで浸透しているため、日々の買い物はスマホ決済により一度も現金を使っていません。
このダイナミズムの中で、いかにして「安全・安心・高品質」という明治製品の強みを伝え、競合他社との差別化を図っていくか。今はまさに、手探りで市場を切り拓いている段階です。
憧れをかなえた海外トレーニー制度。見るもの、聞くもの、出会う人、すべてが楽しい
学生時代から海外で働くことにずっと憧れを持っていました。2011年に入社後、最初の3年間は業務用のカレーやフルーツ缶詰、冷凍フルーツなどの輸入販売を行っていました。中国やアジアから輸入をして 国内に販売するといった仕事を約3年間行い、海外と関わる仕事の楽しさを実感。その後、国内営業を10年ほど経験する中で、「日本で培った経験を、海外で活かしたい」という想いが日に日に強くなっていきました。
これまで一貫して、社内のキャリアデザイン自己申告では海外勤務を希望し続けていました。そんな時、2024年度から「海外トレーニー」制度が始まると知ったんです。これは、本格的な駐在の前に、まずは長期出張者として海外での業務や生活を経験できるというもの。これはグローバル化を推進する会社方針の一環として設けられた制度で、トレーニー終了後は、そのまま駐在に移行する場合もあれば、一度国内に戻ったのち、あらためて駐在に赴任する場合もあります。
この制度を知った瞬間、「絶対に挑戦しよう」と。そこに迷いは一切ありませんでした。海外トレーニー制度があることで、海外の新しい環境での生活と仕事をすぐ始めなければならない駐在に比べ、挑戦へのハードルが下がったことはもちろんですが、当時の上司が「この制度に応募してみないか」と背中を押してくれたことも大きかったです。チームのメンバーが減ることは、上司にとっても大きな負担のはず。それでも私の挑戦を応援してくれたことには、今でも感謝しています。
唯一懸念があったとすれば、家族のことです。研修期間の1年間は単身赴任が条件で、妻と子どもと離れて暮らすことになり、そこは少し悩みました。しかし以前から「海外で働きたい」と話していた私の想いを妻は理解し、「ぜひ挑戦してきてほしい」と応援してくれました。
こうして、私は上海での1年間のトレーニー生活をスタートさせました。当時の中国語レベルは、ほぼゼロ。「行けばなんとかなるだろう」という楽観的な気持ちだけが頼りでしたね。トレーニー期間は、半分が語学学習、半分がOJT。ローカルスタッフに同行し、商談の進め方やお客さまとの関係構築の重要性を肌で感じることができました。異国の地で、見るもの、聞くもの、出会う人、そのすべてが新鮮で、何をやっても楽しい1年間でした。
「やってやるぞ」──トレーニーから駐在員へ、強い決意の中での新たな一歩
1年間のトレーニー期間を終え、正式に海外駐在が決まったことは、まさに希望通りでした。せっかく現地での生活や仕事に慣れ、これから本格的に貢献したいという想いが強かったので、本当に嬉しかったですね。
同時に、広州で新しい業務用商品の営業組織を立ち上げるという状況で、喜びとワクワクと不安という、 いろんな感情を味わいながら、「やってやるぞ」という強い決意と、成果を出さなければならないというプレッシャーで身が引き締まる思いでした。
海外トレーニーと駐在員の最も大きな違いは「責任」の有無。今はマネージャーとして日々スタッフとコミュニケーションを取り、自分の提案や決定が、事業の成長に直結する。その緊張感は、駐在員ならではのものだと感じています。
トレーニーとしての1年間があったからこそ、今の自分があるのは間違いありません。生活面はもちろん、仕事の進め方や社内外の人間関係など、すべてにおいて1年間の「助走期間」があったことで、気持ちに余裕を持って駐在員としてのスタートを切ることができました。いきなり駐在となっていたら、生活や言葉に慣れることと仕事を覚えることの両立で、もっと大変だったかもしれません。
中国での仕事の醍醐味は、チャレンジャーとしてどんどん新しい仕事を進められること。とくに広州の組織は立ち上がったばかり。自分の考えや戦略をスピーディーに実行に移せる環境は、日本ではなかなか経験できないでしょう。もちろんこれから失敗を重ねることも多いと思いますがそれを恐れずに挑戦し続け、事業の成長・会社の成長に貢献できるよう邁進していきます。
中国では、事業運営を限られた少ない人数で対応しています。原料の調達から工場での製造、物流、そしてお客さまと、サプライチェーンの川上から川下までしっかり把握しておかないと、トラブルがあった時にどこに問題があり、なにを解決しないといけないのか判断ができません。そのため事業全体を俯瞰して見る視点が身につき、日本にいた頃よりも格段に視野が広がったと実感しています。
プライベートでは、もうすぐ日本から呼び寄せて帯同を開始します。子どもたちには、小さいうちから異文化に触れ、多様な価値観を知ってほしい。海外での生活が世界を広げるきっかけになってくれたら、親としてこれほど嬉しいことはありません。
助走期間がくれた力。一歩を迷うよりも、後悔しない海外キャリアの始め方
今後の目標は、まずこの広州で明治の商品のプレゼンスをしっかりと高めていくこと。業務用の市場はまだまだ開拓の余地があります。中国のお客さまに「おいしい」をお届けし、事業の成長に貢献していきたいですね。
また、広州では標準語とは別に広東語が話されているのですが、これが標準語とは発音がまったく異なり、難しい……。これから現地のスタッフやお客さまとより深いコミュニケーションをとっていくためには、広東語の習得にも力を入れていきたいと思っています。
もし今、海外でのキャリアに興味がありながらも一歩を踏み出せずにいる方がいるなら、ぜひ手を挙げてほしいですね。間違いなく自分の力になるので、後悔することはないと思います。とくに海外トレーニー制度は、語学力に自信がなくても、マネジメント経験がなくても、私たちのような挑戦したい社員にとってまたとないチャンスです。私自身、中国語の語学力ゼロからのスタートでしたし、部下を持ったのもここが初めてです。
大切なのは、会社に自らの想いを伝え続けること。そうすれば、きっと道は拓けるはずです。海外での経験は、必ず自分を大きく成長させてくれます。これが誰かの新たな一歩を後押しするきっかけになれば、嬉しく思いますね。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです

