お客さまの「我が子」を託す相手を探す。M&Aアドバイザーとしての使命
私は現在、京葉銀行グループでM&A業務に携わっています。京葉銀行のお客さまを中心に、「会社を売却したい」「会社を買収したい」といったM&Aに関するご相談を承り、それぞれのニーズに合わせて支援しています。
具体的には、会社を売却したいというお客さまには、買い手候補先の探索から案件のクロージング、つまり最終的な契約締結までお客さまに寄り添ってお手伝いをします。一方、会社を買いたいお客さまには、そのニーズに合致する案件をご紹介し、案件が進む際には同様にクロージングまで伴走します。M&Aチームの一員として、担当エリアを持ちながら、情報収集、支店担当者との同行訪問、受託案件のエグゼキューションなど、M&A業務全般を担っています。
この仕事をするうえで私が何より大切にしているのは、お客さまの本当のお気持ちに寄り添い、『お客さま第一』という想いを持って応対することです。どのような進め方がお客さまのご要望なのかを面談の中で汲み取りながら、進め方も含めてご提案しています。
※京葉銀行「私たちが大切にする価値観」:https://www.keiyobank.co.jp/aboutus/vision/
この価値観が生まれたのは、初めてM&Aに取り組んだ際に指導いただいた上司の言葉がきっかけでした。「オーナーにとって会社は我が子のようなもの。株式を手放すことは、娘を嫁に出す気持ちに近い。だから、アドバイザーはその“お婿さん探し”の段階から伴走し、売主であるオーナーに心からご満足いただけるよう、丁寧に進めなければならない」—この教えは今でも心に留めています。 業務の枠を超えて、本当にご満足いただけるのかを常に考えながら仕事に取り組んでいます。
そのために具体的に心がけているのは、まずお客さまのお話をよく聞くことです。そのうえで、聞きにくいこともお尋ねせざるを得ない場合が多々あります。その際は、なぜそのようなお話が必要なのか、それが案件の進行上どれほど重要かを、お客さまの目線に立って丁寧にご説明するよう心がけています。
地方銀行での法人営業からM&A業務へ。地元千葉への想いが導いた転職の決断
私は前職の地方銀行で社会人生活をスタートしました。最初は法人営業を中心に、新規開拓や既存取引先への営業を担当し、その後、銀行本部でM&A業務に携わりました。さらに、グループ会社としてコンサルティング会社が設立された際には、そちらへ出向しながらM&A業務を続けてきました。
転職を考え始めたのは、翌年に55歳を迎える頃でした。前職では55歳が役職定年の年齢でした。このまま勤務を続けることも考えましたが、この機に、生まれ育った地元千葉県に貢献できる仕事をしたいという思いが湧いてきました。ただし、M&Aの業務からは離れたくありませんでした。M&Aを通じて地元千葉県へ貢献できればいいなと、ぼんやりながら考えていたんです。
そんなとき、かつてM&Aの案件を通じて知り合った京葉銀行の方(現在の上司)とお話しする機会がありました。自分の思いを伝えたところ、「そんな気持ちを持っているのであれば、ぜひ当行で力を貸してほしい」と声をかけていただき、これをきっかけに転職について真剣に考えるようになりました。
長年勤務してきた銀行を離れることには、正直、一定の抵抗や不安がありました。自分が本当に力になれるのか、期待を裏切ることにならないかという心配もありました。しかし、せっかくの機会でもあり、お声がけいただいたのも何かのご縁だと前向きに考えるようになりました。京葉銀行のM&Aへの取り組みは、同業であった前職時代から耳にしており、地元企業に根差した銀行という印象を持っていました。自分の考えるM&A業務ができるのではないかと考え、転職を決断しました。
転職活動は初めてで、不安ばかりでした。家族に相談した際には驚かれましたが、「やりたいことができるのであれば、挑戦してみたら」と背中を押してもらえました。最終的には、地元千葉県の企業に対してM&A業務で貢献する絶好の機会だと前向きに捉え、決断に至りました。
営業店訪問での小さな喜び。10年のM&A経験が若手担当者の力に
2025年11月の着任以来、まだ日が浅いこともあり、まずは企業文化や風土、業務の進め方を学んでいる段階です。営業店を訪問し、担当者が日頃どのような考えでお客さまに接しているのかを伺い、機会があれば積極的に同行しています。
特に若手の担当者にとってM&A業務は専門性の高い分野でもあるため、難しいと受け取られがちです。その際には、過去の実体験に基づいてアドバイスを行っています。たとえば、お客さまからご契約をいただきアドバイザーとして案件を進める中で、常に『お客さま第一』であることを忘れずに対応することを伝えています。具体的には、M&Aはご契約からクロージング(取引の成立)まで、長ければ1年近くかかるケースもあります。その過程で、お客さまへ時間軸を適切にご説明し、現在の進捗をお伝えすることの重要性を伝えています。そのように取り組むなかで、営業店の若手から、同行訪問をぜひお願いしたいと言ってもらえたことがあり、微力ながら貢献できたとささやかな喜びを感じました。
「M&Aのことなら京葉銀行」と言われる存在をめざして。千葉の地域産業を支える挑戦
短期的な目標としては、まずはM&A業務で京葉銀行の業績に貢献したいと考えています。業績への貢献にあたっては、地元千葉県の中小企業のお客さまに対してM&Aを通じた支援を重ね、京葉銀行の存在感を高めていきたいです。そのためには、より多くのお客さまと接点を持ち、京葉銀行のM&Aをアピールしていくこと、お客さまのM&Aに対するお考えやニーズを丁寧に伺うことが必要だと考えています。
中長期的には、京葉銀行内でM&Aをさらに浸透させていきたいと考えています。その結果、より多くの地域のお客さまにM&Aという形でサポートができるようになるはずです。「M&Aのことなら京葉銀行に相談しよう」と思っていただける、地域企業に根差した銀行を目指していきます。
組織全体としてM&Aを広めていくには、まず行員がM&Aに関心を持つことが重要です。その関心を高めるには、行員が実体験として成功事例に関わることが有効だと考えます。全員が成功体験を持つのは現実的には難しいものの、身近な成功事例を見聞きし体感することで、「今度は自分がやってみたい」という機運が生まれ、徐々に広がっていくはずです。そのためにも、まずは身近な成功事例を創出できるよう、いまは各営業店を訪問しながらお客さまとの面談機会を増やしていきたいと考えています。
M&Aをさらに浸透させたいという思いがある一方、足元では自分自身の力不足も痛感しています。大きな組織の中で自分一人の考えがどこまで浸透していくのか、何ができるのかについて不安を感じる場面もあり、引き続きの課題だと捉えています。
採用候補者の方々には、京葉銀行が地盤とする千葉県のお客さまに対して、「こんなサポートをしていきたい」「こうした提案をしていきたい」といった思いを持つ方に加わっていただけると、他行にはない特色や魅力のある地域金融機関へと一層成長できると考えます。今後、人口減少が進む中で、何もしなければ地域産業の衰退が懸念されます。千葉の魅力を発信しながら、地域産業を支えていきたいという気持ちを持ち続けていただきたいと思います。
自分のこれまでの経験からも、十人十色でさまざまな得意分野を持つ方がいらっしゃると感じています。どんな業務においても『お客さま第一』の気持ちを持って仕事に向き合える方を期待しています。入行後は、ぜひ皆様の得意分野で京葉銀行にそのノウハウを共有していただければと考えています。

