放送・通信の世界へ。「幅広いフィールドで成長できる」と確信した就職活動
大学では画像工学を専攻し、ニューラルネットワーク(大量のデータから特徴を学習する人工知能技術の一種)を活用した「カテゴリカルカラーネーミング」の研究に取り組んでいました。カテゴリカルカラーネーミングとは、画像の中に含まれる色を「赤」「青」「緑」といった基本的な色名に分類する技術です。
従来は、単一の色を対象にした心理視覚実験の結果が活用されていましたが、実際に人間が色を認識するときは、周囲の色の影響を受けることが知られています。そこで私は自然画像を使った心理視覚実験を実施し、その結果を学習データとして活用することで、人間の感覚に近い色名の推定手法を検討しました。地道な実験と試行錯誤の繰り返しでしたが、データと向き合い続けた経験は、現在の業務にも活かされている論理的思考力や課題解決力を養う機会になったと感じています。
学業と並行して、飲食店でのアルバイトにも取り組みました。多くのお客さまや仲間と関わる中で、責任感を持って行動することや、周囲と協力して物事を進めることの大切さを学びました。この経験は、さまざまな関係者と連携しながら業務を進める現在の仕事にも通じています。
就職活動では、「安定した事業基盤を持つ企業で、放送・通信分野の技術職として専門性を高めたい」という軸を持って企業研究を進めていました。専攻が工学系だったこともあり、大学で学んだ知識を活かしながらエンジニアとして成長できる環境を求めていました。
一方で、企業ごとの違いや具体的な仕事内容を理解することには苦戦しました。企業ごとの違いや具体的な仕事内容を理解するために、説明会やOB・OG訪問を通じて丁寧に情報収集を行い、「本当に自分がここで働くイメージが持てるか」を大切にしながら就職先を探していました。
J:COMとの出会いも、そうした情報収集の中でのことでした。説明会やOB・OG訪問を通じて印象的だったのは、社員の方々の気さくさと話しやすさです。仕事のやりがいだけでなく、職場の雰囲気や日々の働き方についても率直に話してくださる方が多く、「ここなら実際に働く姿をイメージできる」と感じました。
入社を決めた理由は大きく二つあります。1つめは、放送・通信インフラを支える事業規模の大きさです。J:COMは放送・通信サービスにとどまらず、さまざまな事業を展開しており、幅広いフィールドで経験を積みながら成長できる環境に魅力を感じました。二つ目は、人材育成に力を入れている点です。研修制度やサポート体制が充実していることに加え、さまざまな業務に挑戦できる環境が整っており、「ここならエンジニアとして着実に成長できる」と確信したことが、最終的な入社の決め手になりました。
お客さまに最も近い現場で学んだ放送・通信インフラの仕組み
入社後、まず約9カ月間の研修期間がありました。ビジネスマナーといった社会人としての基礎から、放送・通信に関わる技術的な知識まで、幅広く学びました。また、技術センター内の複数グループでのOJT(実際の業務を通じた実践研修)に加え、運用・企画本部での研修も経験し、入社直後からさまざまな現場に触れる機会がありました。
その研修期間の中で、とくに印象に残っているのがお客さま宅への端末設置工事の経験です。テレビや通信サービスを利用するための端末を設置した際に、お客さまから直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただきました。自分の仕事がお客さまの生活を支えていることを実感すると同時に、責任の大きさも強く感じた経験でした。入社間もない時期にこうした体験ができたことは、今振り返っても本当に良かったと思っています。
研修終了後は技術センターに配属されました。技術センターは、技術部門の中でもとくにお客さまに近い立場で業務を担う部署です。放送や通信の信号を送出するヘッドエンド(信号を受信・変換し、各家庭へ届けるための拠点設備)の運用・管理、伝送路の工事管理、集合住宅向けの工事管理など、複数のグループを経験しながら知識と経験を積み重ねました。
こうして上流から下流まで一連の業務を幅広く経験できたことは、非常に大きな財産になっています。サービスがお客さまに届くまでの流れを体系的に理解できただけでなく、それぞれのグループが担う役割や立場を肌で知ることができたからです。現在の業務でも、関係する部署や工程を多角的な視点で考える習慣が自然と身に付いているのは、この時期の経験があってこそだと感じています。
入社4年目の途中で、放送技術部のマスターヘッドエンドグループへ異動しました。マスターヘッドエンドとは、全国へ向けて放送サービスの信号を送出する中核設備です。技術センター時代には地域のお客さまに近い現場を経験していましたが、異動後は全国規模のサービスを支える設備を扱うことになり、業務のスケールは大きく変わりました。
実はこの異動は、自ら希望していたものでした。以前から放送サービスに直接携わる仕事に就きたいという思いがあったため、異動が決まったときはとてもうれしかったことを覚えています。一方で、実際に業務を始めると、必要とされる知識の幅は想像以上に広く、当初は戸惑うことも少なくありませんでした。
入社前は、技術職というイメージから個人で黙々と専門的な作業を進めるような仕事を想像していました。しかし実際には、ベンダー(機器や設備を提供する外部企業)や関連部署、チームメンバーなど多くの人と連携しながら業務を進める場面が非常に多く、コミュニケーションの重要性を強く感じています。技術的なスキルだけでなく、人との関わりがこれほど大切な仕事だったということは、良い意味でのギャップでした。
「なぜその対応が必要なのか」を問い続ける、放送設備エンジニアの今
現在は、放送技術部東日本マスターヘッドエンドグループに所属しています。マスターヘッドエンドは、全国の放送サービスを支える中核的な設備拠点です。私は、地上デジタル放送やBS放送の信号を受信する設備、および各拠点へ信号を伝送する設備の保守・管理を担当しています。障がい対応に加え、設備更改や新機能の導入、構成変更なども行いながら、放送サービスを安定して提供するための設備運用全般を担っています。
入社当初と比べると、求められる役割は大きく変わりました。最初は担当業務を覚え、確実に遂行することに精一杯でしたが、現在は与えられた業務をこなすだけでなく、自ら課題を見つけて改善につなげたり、より良い運用方法を検討したりすることが求められています。
また、現在のグループには若手メンバーが多く、後輩へ業務を教えたり相談に乗ったりする機会も増えています。以前は教わる立場でしたが、教える側になったことで時の流れを感じるとともに、後輩の成長を支えることも今の大切な役割の一つだと考えています。
この仕事を続けてきてよかったと感じるのは、難易度の高い案件をやり遂げたときです。とくに印象に残っているのが、送信拠点の構成変更を伴う案件です。放送信号の状態をより詳細に把握できる仕組みを導入するため、送信拠点の構成変更を行いました。
この案件でとくに苦労したのは、新機能を導入するための検証作業です。どのような状態を異常と判断するのか、どの値を閾値(しきいち)として設定するのかを、検証結果をもとに一つひとつ判断していく必要があり、実際の運用を想定しながら試行錯誤を重ねました。
また、送信拠点の構成変更に伴う切替手順の検討にも時間をかけました。サービスへの影響や作業時のリスクを考慮しながら手順を作成したことは、今でも印象に残っています。事前の検討や検証に多くの時間を費やしたからこそ、無事に完了したときの達成感は大きく、自身の成長も実感できた案件でした。
仕事を通じて成長したと感じる点も数多くあります。入社当初は目の前の業務を覚えることに精一杯でしたが、 業務の目的や背景を理解したうえで、自ら課題を見つけて改善へ取り組めるようになりました。また、複数の案件を並行して進める中で、優先順位を意識しながら計画的に業務を進める力も身に付いたと感じています。
さらに、後輩へ業務を教える立場になったことで、自分の知識や考え方を整理しながら伝える力も養われました。後輩には単に手順を説明するだけでなく、「なぜその対応が必要なのか」「どのような影響があるのか」といった背景や考え方まで理解してもらうことを意識しています。背景を理解することで、想定外の事象が発生した際にも自ら判断して対応できるようになると考えているからです。私自身も多くの先輩方に支えられて成長してきたので、これまで培った知識や経験をチームへ還元し、お互いに成長できる環境づくりに貢献していきたいと思っています。
「安心して挑戦できる環境」で、仕事も家庭も大切にしながら
今後の目標として、まずは現在担当している業務への理解をさらに深め、自ら課題を見つけて改善につなげていきたいと考えています。日々の運用をこなすだけでなく、より安定したサービス提供につながる改善を自ら提案し、実現できる存在になることが今の目標です。
まだ学ぶべきことは多く、業務の全体像を十分に把握できているとは感じていません。だからこそ、一つひとつの業務に丁寧に向き合いながら、「なぜそうなるのか」という背景まで理解することを意識しています。その積み重ねが将来の自分の強みになると考えています。
中長期的には、難易度の高い案件や新たな取り組みにおいて、中心的な役割を担える存在になりたいと考えています。そして、自分が経験を通じて得た知識や学びをチームへ還元し、組織全体の成長にも貢献していきたいです。
具体的には、特定の人しかわからない状態をできる限り減らしていきたいと考えています。経験したことや学んだことを整理して共有し、チーム全体の知識として蓄積できる仕組みづくりにも貢献したいです。後輩へ業務を教える際にも、単なる手順ではなく、「なぜそうするのか」という背景や考え方を伝えることを大切にしています。知識や経験がチーム全体に広がることで、組織としてより強くなれると感じているからです。
また、現在は子育てをしながら働いています。仕事と家庭のどちらも大切にしながら、自分らしいペースで成長を続けていきたいと考えています。両立のうえで意識しているのは、一人で抱え込まないことです。仕事でも家庭でも、周囲の協力があってこそ成り立っていると感じているため、困ったときには相談しながら進めることを心がけています。また、限られた時間の中で成果を出すために、優先順位を考えながら計画的に業務へ取り組むことも大切にしています
J:COMには、ライフステージの変化と向き合いながら長くキャリアを築いていける環境があります。新しい業務や責任のある案件にも挑戦しやすく、困ったときには周囲のサポートを受けながら前向きに取り組めることは、大きな魅力だと感じています。そういった安心感があるからこそ、自分らしく成長を続けていけると感じています。
最後に、就職活動中の皆さんへお伝えしたいことがあります。仕事内容はもちろん大切ですが、実際に働く人や職場の雰囲気も同じくらい大切です。社員訪問などの機会を活用しながら、ぜひ自分の目で確かめてみてください。さまざまな会社を見ながら、自分が働く姿を具体的にイメージできる環境を見つけてほしいと思います。その中で、J:COMにも少しでも興味を持っていただけたらとてもうれしいです。

