制作と配給、その両方を学んだから見えた進路
学生時代は、「制作」と「配給」という二つの軸から、実体的に映画業界を学ぶことに注力してきました。大学では映画を専攻し、その中でもシナリオ分野を専門として学びました。短編・長編あわせて約25本の映画脚本を執筆し、1年次には映像表現や映画理論、脚本の基礎を幅広く学び、2年次にシナリオ専攻を選択しました。
当時は映画プロデューサーを志しており、作品の世界観を形づくるうえで「映画の設計図」ともいわれる脚本を深く理解しておくことが不可欠だと感じていました。また、面白い脚本は才能だけで生まれるものではなく、理論的なロジックの積み重ねによって支えられていることを学びました。良い脚本を判断できる力を身につけたいと考えたことも、シナリオを専攻した理由の一つです。
制作の現場にも積極的に関わり、映画やドラマの撮影に制作部や装飾部として参加しました。実際に作品が完成していく過程を間近で体験できたことは、映画づくりを立体的に理解する大きなきっかけになりました。
一方、配給の側面については、映画館でのアルバイトを通して学びました。興行成績の週報作成や映写業務を担当し、一本の映画がどのような流れで劇場公開に至るのかを実務として知ることができました。学生という立場で、制作と配給の両面に関わった経験は、結果的に深い業界研究につながっていたと感じています。
就職活動では、幼少期から音楽・演劇・映画・ドラマといったエンタメに親しんできたこともあり、「エンタテインメントに関わる仕事がしたい」という軸が明確でした。映画学科で制作、映画史、映画ビジネスを学んだことで、最終的には映画業界に絞って就職活動を進めました。中でも、企画段階から作品づくりに携わりたいと考えていたため、配給専業の会社ではなく、自社で企画・製作を行っている企業を中心に応募していきました。
アスミック・エースについては、映画館勤務時代から業務を通してやり取りする機会があり、アジア映画や洋画の名作から、『さがす』『岬の兄妹』といった重厚な社会派作品まで、幅広いジャンルを手がけている会社という印象を持っていました。また、CINEMUNIのような創り手目線の企画にも取り組まれており、挑戦的で多角的な姿勢に魅力を感じていました。
J:COMについては、実家で利用していたこともあり、地元での加入率が高く、生活の中で身近な存在でした。ケーブルテレビという枠にとどまらず、インターネットやモバイルなど複数のサービスを展開し、人々の生活基盤を支えている点が印象に残っていました。
最終的な入社の決め手となったのは、インフラという側面から生活に密着しながら、映画事業や番組制作といったエンタテインメントを各家庭に直接届けられる点に大きな可能性を感じたことです。テレビ、インターネット、モバイルをまとめて提供できることや、テレビ視聴と動画配信サービスの連携がスムーズであることなど、エンタメの「出口」が充実している点にも強い魅力を感じ、ここで働きたいと考えるようになりました。
実務を通して身につけた、ビジネスの基礎体力
入社後はまず、会社理解や基本的なビジネスマナーの習得、コンプライアンス研修などを行いました。そのほか、グループワークを通した営業研修にも取り組み、同期とともに学ぶ時間が多くありました。社会人としての基礎を一から身につけることができた、非常に貴重な期間だったと感じています。研修を通して同期と仲良くなれたことも、人生において、大きな財産となっています。
研修終了後、私はアスミック・エースの配信セールスを担当する部署に配属されました。配属から最初の半年ほどは、TVOD運用や売上分析レビュー、告知・プロモーション対応、権利を保有している作品の運用管理など、幅広い業務を任されていました。TVODとは、映像コンテンツを作品ごとにレンタルする形式の配信サービスのことです。配属直後は、業務一つひとつが新鮮で、目の前の仕事を必死に覚えることに集中していたのをよく覚えています。
部署には年次の近い先輩が多く、話しやすく風通しの良い雰囲気がありました。困ったことがあればすぐに相談に乗っていただけますし、業務以外でもフランクにコミュニケーションを取る機会が多くあります。一方で、それぞれが高いプロ意識を持って業務に取り組んでおり、そうした姿勢から学ぶことも多くありました。タスク管理やスケジュールの組み立て方といった基本的なスキルをはじめ、仕事に対する向き合い方そのものに大きな影響を受けています。
業務中は、作業の合間に自然とコミュニケーションを取り合うほか、週に一度の定例会議で進捗共有や意見交換を行っています。また、年に数回の食事の場では、仕事中とは異なるリラックスした雰囲気の中で交流することができます。それぞれが自分の業務に集中しながらも、必要なときにはしっかりとコミュニケーションが取れる環境が整っており、適切な距離感で仕事が進められていると感じています。
入社後に感じたギャップとして挙げられるのは、想像以上にマルチタスクが求められる点です。複数の業務を同時に進めるだけでなく、作業の合間に急な依頼や調整が入ることも少なくありません。そのため、一つの業務に集中するだけではなく、状況に応じて優先順位を判断し、柔軟に対応する力が必要だと実感しました。学生時代は一つのことにじっくり取り組む環境だったため、最初は戸惑うこともありましたが、先輩方の仕事の進め方を参考にしながら、少しずつ自分なりのやり方を身につけてきました。
データと裁量で切り拓く、配信ビジネスのやりがい
現在、私はアスミック・エース セールス本部 国内事業部に所属しています。私たちの部署では、劇場公開によって高められた作品の価値を、配信という二次利用セールスを通じて、さらに収益を最大化していく役割を担っています。
具体的には、レンタル配信(TVOD)を主な担当領域とし、複数の配信事業者を担当しています。1年目から引き続き、配信開始時のプロモーション施策の検討や売上分析、作品の運用管理など、幅広い業務に携わっています。
この仕事の魅力は、若手のうちから裁量を持って業務に取り組める点だと感じています。自分なりに工夫や提案をしやすい環境がある一方で、成果を出すためにはゴールを意識した計画立案が欠かせません。チームの中では、主にレンタル配信の売上分析や売上推移の把握を担当しています。
仕事をする中で特に手応えを感じたのは、セール対象作品の売上を約15%向上させることができた経験です。毎月の売上分析レビューを通じて、配信事業者ごとの特徴や、作品別の売上推移を丁寧に確認してきました。そこで得たデータをもとに、数字に裏付けられた運用や施策を行ったことで、実際の売上向上につなげることができました。 データを読み解き、その結果を具体的なアクションに落とし込み、成果として表れたときには、この仕事ならではのやりがいを強く感じました。
一方で、苦労する場面もありました。特に課題だったのは、タスクの進捗状況を十分に可視化できていなかったことです。複数の業務を同時に進める中で、進捗管理が曖昧になると、優先順位がぶれてしまい、業務全体に余裕がなくなることを実感しました。そのため、進捗管理表やスケジューラー、タスク管理ツールを活用し、業務を整理するようにしています。この経験を通じて、計画的に仕事を進めることの重要性を改めて学びました。
社会人になってから特に成長したと感じているのは、「責任感」と「課題解決力」です。学生時代は、自分自身の成果や目標に集中することが中心でしたが、社会人になると、自分の判断や行動が会社やチーム全体の成果につながるという視点で物事を考えるようになりました。一つの業務やプロジェクトが、どのように全体へ影響するのかを意識しながら行動するようになった点は、大きな変化だと思います。
また、日々新しい課題や予期しない事態が発生する中で、状況を冷静に整理し、優先順位をつけて対応する力も身についてきました。複数の業務を同時に進めることが求められる環境だからこそ、「誰かの期待に応えること」「チーム全体の成果を高めること」への責任が、自分自身を大きく成長させてくれていると感じています。
実写作品の企画を目指して。セールスで培う「配信目線」の戦略思考
今後挑戦していきたいことについて、まずは短期的な目標からお話しします。現在、配信事業者の担当を引き継いだばかりということもあり、まずはセールスとしての実践スキルをさらに磨いていきたいと考えています。事業者とのコミュニケーションを密に取りながらニーズを正確に把握し、具体的かつ効果的な提案ができる力を身につけることが目標です。
また、個人的に実写作品が好きということもあり、旧作のセールスにも挑戦してみたいと考えています。チーム内では、過去作品の魅力を掘り起こす施策も行われているため、それらに加え、より幅広いPR案を検討し、効果的なプロモーションにつなげていきたいです。旧作には、まだ十分に届けきれていない魅力的な作品が数多くあります。そうした作品を再び多くの人に届けられるような提案ができるセールスを目指しています。
中長期的な目標としては、実写作品の企画に携わることを考えています。学生時代に企画書の作成やシナリオ執筆に取り組んできた経験を活かし、将来的には作品の企画段階から関わっていきたいです。現在のセールス業務を通じて、配信事業における売上の重要性を強く実感しており、データ分析や数字に基づく視点を持ったうえで、配信目線からも収益性を意識した企画・製作ができるようになりたいと考えています。
最後に、採用候補者の皆さんへメッセージをお伝えします。当社の魅力の一つは、業務内容が非常に幅広く、多様な人と関わりながら仕事ができる点です。社内にはさまざまなステークホルダーが存在し、何かに挑戦しようとした際には、社内だけでも多くの知識やスキルを吸収できる環境があります。異なる分野の人と協働する中で、新しい視点やアイデアに触れられることは、自身の成長に直結していると感じています。こうした多様性のある環境こそが、社員一人ひとりの挑戦を後押しする大きな強みであり、業界の中でも際立った特徴だと思います。
どのような人が活躍できるかという点では、積極的にコミュニケーションを取りながら、データに基づいて戦略的に考えられる人だと感じています。また、自分のやりたいことや挑戦したいことを主体的に発信できる姿勢や、複数の業務を効率よく進められる柔軟性も大切です。
映画に興味を持ちつつ、柔軟な発想で新しいアイデアを提案できる方、そしてデータを活用しながら戦略を描ける方であれば、当社の環境で大きく活躍できると思います。コンテンツビジネスは感性だけでなく、数字に基づいた視点も欠かせません。その両方を大切にしながら、私たちと一緒に成長していける方と働けることを楽しみにしています。

