風力発電の電気を直接お客さまへ。新規事業立ち上げを実現し、本格的な運用を担う現在
2025年4月、日本風力開発に「再エネ運用部」が新設されました。これまで主軸だった風力発電所の開発に加え、自社グループの風力発電所で発電した電気をお客さまへ直接提供する小売電気事業へ足を踏み入れたのです。この立ち上げと同時に入社したのが、主任のN氏です。
「これまでの当社の事業スタイルは、開発した風力発電所を売却するというものでした。しかし、インフロニア・ホールディングスのグループ傘下に入ったことで、発電所を保有して直接供給する方針へ転換。そのミッションを担うべく立ち上がったのが再エネ運用部です」
N氏の仕事は、事業基盤の構築から日々の安定運用まで多岐にわたります。
「最初の1年間は経産省の小売電気事業のライセンス取得に向けて、半年に及ぶ審査や資料作成を進めました。並行して、お客さまへの電気サービスのご案内や契約手続きも行いました。
事業開始した現在は、引き続きお客さまへのご案内・契約手続きに加え、お客さまの日々の電気使用量の予測を立ててシステムへ登録する需給管理、毎月の請求書発行まで幅広く担当しています」
新たに開始した小売事業を円滑に動かすため、N氏は社内外の多様なステークホルダーをつなぐハブとして活躍しています。
「社内でも初めての手続きだったため、お金の出し入れについて経理部署に相談したり、将来の発電見込みを技術部署へ確認したりと自ら動きました。インフロニア・ホールディングスのサステナビリティ推進室とも連携し、グループ内でのサービス活用も推進しています」
多くの関係者の協力のもと動き始めた事業の醍醐味を、N氏はこう語ります。
「風力発電は風が吹けば24時間発電できて発電量が多いので、お客さまも、工場や研究施設、上下水道施設といった多くの電気を必要とする企業さまが中心です。お客さまを通じて、たくさんの人の生活を支えているのだというやりがいがありますね」
不動産・BPOでの経験を活かし、チームでより良い形をめざせる環境に惹かれて入社
これまでのキャリアにおいて、N氏は一貫して人と関わりながら、チームで成果を出すおもしろさを追求してきました。
「新卒で入社した不動産会社で新築マンション営業を5年間担当し、人生で最も大きな買い物という、お客さまの人生の分岐点に立ち会いました。
その後、質の高い業務プロセスの確立をめざしてBPO業界へ転職。5年間にわたり業務構築やチーム運営に携わりました。とてもやりがいがあったのですが、組織の方針変更により求められる役割が変わっていって。自分が理想とする働き方とのギャップを感じて再び転職を決意したんです。
軸としたのはチーム運営に関わる仕事か、大好きなExcelを活用して社内の仕組みを構築できるポジション。その中で出会ったのが日本風力開発でした」
当初は募集要項にあった「Excelでのツール制作業務」に興味を持ったと言うN氏。しかし、面接が進む中で提示されたのは、小売電気事業立ち上げの中での実践的な役割でした。
「面接で『営業経験はありますか?』『契約書は作れますか?』など、これまでのキャリアについていろいろ聞かれました。事業開始に向けてやることがたくさんある状況で、私の経験を活かせそうだとワクワクしました。
私は、指示通りに行うことが求められる仕事に対しても『こうすればもっと良くなるのに』と考えてしまう性分で、いろいろな人の意見を取り入れながら改善していく仕事の方が得意です。面接官や上長、先輩の話を聞いて、当社の『より良いものを』という価値観はすごく私に合いそうだと直感しました」
こうして風力発電という未知の領域へ飛び込んだN氏は、これまで培ったスキルを、現場のさまざまな場面で発揮させていきます。
「不動産時代に分厚い契約書を読み込んでいた経験を話すと、入社後はまず電力網の利用ルールを定めた『託送供給等約款』を読み解くことから実務が始まりました。結果的にそれが、発電した電気がお客さまに届くまでの仕組みを学び、業界や事業への理解につながりましたね。
さらにお客さまへのサービス提案時には、知識と経験が豊富なベテランの先輩社員とタッグを組んで営業に回りました。先輩が専門的な内容や制度面について丁寧に説明し、私は実際の運用イメージや実務上のポイントをお伝えする。そんな役割分担が自然とできていたと思います。お客さまにより具体的なイメージを持っていただけたときは、『自分の強みが活かせたんだ』とすごく嬉しかったですね。
そのほか、不動産時代に学んだ、状況やリスクを考慮しつつ、お客さまに誠実に対応する姿勢も役立ちました」
新たな事業立ち上げの緊張を超えて。ゼロから作った仕組みが結実した瞬間
さらに、小売電気事業の本格稼働をめざす中でN氏を待ち受けていたのは、社内でも前例のない業務フローを一から構築していく挑戦でした。
「当社にとって小売電気事業は初めての挑戦でした。そのため、契約書や約款の整備、請求書発行の仕組みづくりなど、これまで社内になかった業務を一つひとつ構築していく必要がありました。法務・コンプライアンス部や経理部をはじめとする関係部署と何度も協議を重ね、事業開始後に問題が生じないよう、石橋を叩いて渡るような気持ちで準備を進めました。
誰も正解を持っていないからこそ、皆で認識を合わせながら試行錯誤を重ねていく。その過程は大変でもありましたが、とてもおもしろかったですね。そして、苦労して作り上げた仕組みが形になったときには、プレッシャーが達成感へと一気に変わるんです。そんな瞬間を日々感じていました」
手探りの準備から1年。ついに事業がスタートし、構築した仕組みが初めて稼働した時のことをN氏はこう振り返ります。
「2026年4月に電力供給を開始して、お客さまに請求書をお渡しし、お金を振り込んでいただいて、初めて“実績”が出たんです。その時、この1年間の積み重ねがついに実を結んだのだなと、じわっとこみ上げるものがありました」
答えのない課題へ挑む中で、N氏が大切にしてきたのは、全体を俯瞰し、リスクを的確に振り分けることだと話します。
「まずはチームのゴールを全員で把握します。そこへ至るプロセスのうち、リスクが低く自分なりに作れる部分はどんどん進めますが、リスクが高そうな部分は周りと細やかに認識合わせを行うなど、適切に振り分けることを心がけていました。
それができたのも、過去の仕事でいろいろ経験したことで習得した危機管理意識のおかげ。これまでの経験に無駄なものは何一つないと実感しました」
一方で、新規事業立ち上げは初めてだったと言うN氏。この1年の経験が視野を大きく広げました。
「自分のできる範囲を超えて、どんな役割ならプロジェクトに貢献できるかを常に考え続けました。多彩なプロフェッショナルがそろう中で自身の強みと弱みを把握し、チームのすき間をうまく埋めながらプロジェクトを回す視点が身についたと感じています」
事業拡大に向けて、挑戦に終わりはない。創られた風力発電所を、会社の誇りにしたい
事業立ち上げをやり遂げたN氏の視線は、すでに次なるフェーズへ向けられています。一度構築した仕組みに安住せず、さらなるスケールを見据えた再構築に着手しています。
「作り上げたから終わりではなく、誰がやっても同じ成果を出せる仕組みを作るため、さっそく見直しを進めています。将来は電源規模を拡大し、社内の開発陣や若い世代が『自分が携わった発電所がここで生きている』と誇れる象徴的な部署にしたいですね。
また当社グループは、一般的な運転期間にとどまらず、適切な保守・メンテナンスを通じて風車の長期運転をめざしています。開発から運営、保守までをグループで一貫して担ってきた強みを活かし、再生可能エネルギーを長く有効活用しながら、持続可能な電力供給を実現していきたいと考えています」
組織の基盤を強固にする中で、N氏自身が掲げる理想像と、それを支える働き方にも明確な軸があります。
「『Nがチームにいてくれて良かった』『小売のことはNに聞けばいい』と言われる存在になりたいです。自身の業務だけでなく他部署のさまざまな知識も取り入れながら、会社全体に貢献する仕事をしていきたいですね。そのためにも、業務の生産性を高めて勤務時間内でしっかりと成果を出して行こうと思います。
また、学生の頃からダイビングが趣味で、休日はよく海に行っています。毎年付与される5日間の連続休暇も活用していて、今年の2月には念願の野生クジラにも会うことができました。国内外のいろいろな海に潜ってみたいという夢があるので、これからもオンオフのメリハリを大切にしていきたいです」
最後にN氏は、自身の1年間の挑戦をもって、未来の仲間へ向けて温かいエールを送ります。
「この分野のプロフェッショナルの方も、未経験の方も大歓迎です。当社はバックグラウンドの異なる多様な人材が集まっているからこそ、互いの強みを活かして業務をより良くしていける魅力があります。
再エネという社会に必要な領域で誇りを持って働ける手応えと、自分の提案が業務にすぐ反映される楽しさ。その両方を味わえるこの仕事はとてもやりがいがあります。私自身が異業種・未経験から挑戦した立場ですので、心配せず飛び込んできてほしいですね」
※ 記載内容は2026年8月時点のものです
