「止められないからこそおもしろい」。プロとして責任を持って挑み続けるインフラの使命
前田建設工業を中心に、日本工営、NTT西日本、東芝の出資によって設立されたSPC(特別目的会社)の、みおつくし。国や地方自治体が所有する公共施設の運営を民間企業が担うコンセッション事業という方式で、大阪市の工業用水道事業を運営しています。
前田建設から出向し、現在はみおつくしの施設部 浄配水設備グループに務める澤田は、浄配水場設備の管理を担当しています。
「主な仕事はみおつくしが管理運営する施設の電気設備や機械設備などの保守点検、更新・修繕計画の立案、工事監督といった業務を担当しています。
管理運営する施設としては浄水場1箇所、配水場2箇所、ポンプ場1箇所で、浄配水設備グループとして私含めた3人体制で運営しています。日常点検業務や施設の監視業務は外部に委託していますが、それ以外の業務や何か問題が発生した際は3人で対応しています。
前職では電気メーカーに長年勤めており、上下水道施設の現地工事を行う部署にいた経験があります。現在は、その設備を事業者という立場で触れることができていて、とてもやりがい深いです」
浄配水設備の管理・運営を行う際、最も大切にしているのは責任感だと言います。
「前職で現場代理人をしていた時、設計の遅れで納期が遅延した際に設計部門の責任だと考えていました。しかし、先輩から『現場代理人として現場の責任だけでなく、プロジェクト全体のカバーをすることをやったのか?』と、車の中できびしく指導をいただいたことは今でも覚えています。
その時に、部門が違うことを理由に、責任の境界線を引いて他人のせいにしていたことに気づかされたんです。そこから、プロ意識を持って広い範囲で責任感を持つようになりました」
外部に委託する修繕や更新工事であっても、工事に対する責任は、すべて自分たちにある。責任を転嫁することなく、最終的な責任はすべて自分たちが背負うというマインドを、浄配水設備グループのメンバー全員が大切にしています。
「水道設備は基本的には止めることができない設備です。設備をなおすには、必ず何かを止めなければなりません。稼働している設備を止めるということは、工業用水を使用しているユーザーへの影響が発生します。
そのため、設備停止の手順や仮設方法などの綿密な検討が必要になります。“止められないからこそ、おもしろい”んです」
経験が導いた次のステージ──国家規模の水のコンセッション事業に飛び込む
澤田は、鉄道関係の会社に新卒で入社し、20代後半で電気メーカーに転職。そこから14年間、主に下水処理場の電気設備関連の現地責任者として勤務してきました。
「学生時代は電気が専攻で、水の専門ではありませんでしたが、上下水道施設の現地責任者として業務をしておりました。仕事を通じて水処理プラントの立ち上げや更新などに携わり、水処理設備や水分野の仕事のおもしろさに気づき、だんだんと惹かれていったのを覚えています」
そんな中、前田建設のコンセッション事業への取り組みを知り、転職を決意します。
「以前は受注した工事の現場代理人としての業務を担当していましたが、より事業的な部分に携わりたいと考えていました。そんな時、前田建設が近年盛り上がりつつあるコンセッション事業に力を入れており、とくに水事業分野への展開を推進していることを知りました。
国も推進している上下水道事業の官民連携について深く携わってみたい。経験してきた施設の現場感覚を活かし、かつ現地工事以外の分野でも活躍できる可能性と、前田建設の将来的なビジョンが自分の希望とマッチしていたため、応募を決意しました」
入社後、とくに印象的だったのは会社の意思決定の早さでした。
「会議において無駄が少なく、仕事に対してスマートな印象を受けました。前田建設では意思決定のスピード力を感じ、承認などのレスポンスが非常に早くてやりやすいです。あと、現場好きな人が多いという印象もあります。
みなさんと話をすると、自分の経験した現場について、嬉しそうに話をしてくれます。私も自分の現場には思い出などがあり、現場が好きな点で共通の思いがあると感じています」
1年目は前田建設の本社に在籍し、さまざまな提案や自治体へのアプローチを行ったのち、2年目にみおつくしに出向となりました。
「みおつくしは少人数で運営されており、ボトムアップで現場から上げやすい環境でありながら、社長自らが率先してさまざまな配慮をしてくれます。本社とはまた違った仕事のしやすい環境です」
ボトムアップとトップダウンがバランスよく効いた職場で、現場力と知性を磨く
澤田が経験した印象深い出来事として、電気設備の不具合対応があります。
「設備の不具合や故障は、原因を調べ部品の交換や運転の変更などで解決をしていきます。しかし、部品単品で調べても問題なく動作するのに、ポンプの故障が発生するケースがありました。過去事例などを調査した結果、ノイズによる故障が疑われたため、ノイズカット用の部品を手配して、対応したことがあります。
今のところ、原因不明の故障は解消されています。現場管理が主な経験でしたが、電気図面などから原因の絞り込みはできるので、保全の面でもこれまでの経験を活かすことができていると思います」
社長自らが保全に対する取り組みを推進していることも、みおつくしならではの特徴です。
「機器をむやみに改修することは機器を破損させるリスクも伴うため、対応する際は、慎重にチーム全体で議論をして、確認を重ねて取り組んでいます。社長も保全の取り組みに対して積極的に支援してくれていて、そういった環境にもとてもやりがいを感じています。
作業を外注するだけではなく、より生産性を高める方法を模索し、自社で保全を行う姿勢があります。“機器を扱う責任・リスクを、事業者としてどのように対応するか”が、みおつくしならではの醍醐味だと思います」
入社から約2年が経過し、大阪市の水事業に深く関わる中で、チームメンバーの多様性や歴史的な側面での学びも澤田の仕事への意欲を高める要因となっています。
「同じ浄配水設備グループの方で、頭の回転が速く、設備の動きを見るだけで現場を理解できる方がいます。現場で修繕をしながら、水理学などの専門的な話もできる方で、現場力と知的能力の両方を兼ね備えた存在です。私もそういった能力を身につけたいと考えています。
また、工業用水事業の歴史的背景や、現在の水事業に至るまでの経緯についても学ぶことができます。単なる設備管理だけでなく、官として運営されてきた水事業の歴史や背景を理解しながら仕事ができることがおもしろく、さまざまな知識を得ることができています」
「水事業の爪痕を残したい」──官民連携の力で10年という期限に挑む
水事業のコンセッションという注目度の高い事業に携わる今、澤田は明確な目標を持って仕事に取り組んでいます。
「前田建設は、大阪や三浦エリアなどの下水といった全国でも数少ない話題性のある水事業のコンセッション事業を展開しています。みおつくしの事業期間10年と決められており、現在は残り7年。
この限られた期間の中で確実に結果を残したい。『こんなことをやった』と言えるような爪痕を残していきたいという想いがあります」
コンセッション事業では、官民の連携が重要なポイントとなります。
「民間にすべての技術力があるわけではありません。官の方で設備への熱い思いがあり技術力がある方はたくさんいます。官との関わりの中で得られる知識・技術を習得し、民の立場だからこそできることを見つけて、コミュニケーションを通じて課題を解決していく姿勢です。
ですから入社を考えている方々に対しては、周囲とコミュニケーションを取りながら課題解決に取り組んでもらえるような人材を求めています。
また、みおつくしでは多様なバックグラウンドを持つ社員も多いです。これまでのキャリアを活かして新しいアイデアを提案できる発想力と、自己向上心を持った方を歓迎したいですね」
みおつくしでは、ワークライフバランスの面でも充実した環境が整っており、プライベートと仕事の両立についても触れます。
「家族で大阪に引っ越してきて、子どもも関西の環境に馴染んでいます。社内の会議時間などメリハリがあり、内容や時間が明確です。効率よく業務ができ家族と一緒に過ごせる時間が増えました。とても良い環境です。
日々の業務では、浄配水設備グループ内で将来のビジョンを共有しながら仕事を進めています。水事業のコンセッションならではの新しいモデルケースを作っていきたいですね」
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
