特約販売店のために次なるビジネスを構築する
2003年に出光興産に新卒入社し、2020年で17年目を迎えた周藤 伸次郎。
リテールマーケティング部に所属する周藤は、当社が全社員で取り組む業務フロー・働き方改革「DTK活動」を部内で推進する一人です。
特に周藤は、デジタル技術を活用したDTK活動に注力しており、自らが所属するリテールマーケティング部に留まらず、販売部や支店など、販売部門全体での課題解決に取り組んでいます。
周藤「入社後すぐに販売部に配属されまして、東京だけでなく茨城、京都、北海道、広島などの支店に転勤を重ねながら販売店の皆さんと仕事をしてきました。2016年度より本社に異動し、特約販売店やサービスステーション(SS)に関わる窓口として働いています」
リテールマーケティング部は「エネルギーの安定供給と地域に生きるお客様一人ひとりの暮らしと移動を支えるライフパートナーになること」をミッションに掲げ、特約販売店やサービスステーションで働く一人ひとりの力を高めながら、先進的なデジタル技術を活用して価値向上に努めています。
周藤「今後、化石燃料の需要が減退していく中で、社会に対して新たな価値を提供していくには、燃料以外のビジネスも構築していくことが求められています。我々自身はもちろん、特約販売店のためにも「次」に繋がるビジネスを構築していくことがミッションです」
2021年4月の新サービスステーションブランド「apollostation」立ち上げに向けて準備を進める周藤。コロナ禍においても各地域の特約販売店の方々に向けた役員による説明会をオンラインライブ中継で実施するなど、デジタルを活用した精力的な取り組みを推進しています。
周藤「特約販売店の皆さんに新ブランドを分かりやすくご説明する映像資料を作成したり、中継の運営にあたる事務作業を担当しています。初の試みであるため、通信が途切れないかとびくびくしながら取り組んでいます(笑)」
新ブランドの立ち上げに向けた準備を進める周藤。そんな彼の仕事におけるモットーは「メンバー一人ひとりの力を高めながら仕事をすること」にあるといいます。そんなスタンスは、過去の経験に紐づいていました。
最終面接に遅刻。でも、「人の温かさ」を感じた
「人の力」を高めていくことが仕事──
入社後、先輩の姿を見て学んでいく中で、「人の力を高めることに寄与したい」と考えるようになったと販売店を回りながら関係構築していった過去を周藤は振り返ります。
周藤「今の時代、新しい施策や戦略を打ち出してもすぐに模倣できますが、人の成長は、一朝一夕では成すことはできません。だからこそ、人を育てることが仕事の中心であると考えています」
会社の収益向上や地場の特約販売店のネットワーク維持など、ビジネス上のミッションはありますが、自分自身の成長だけでなく、関係する方々、仕事を通じて出会う人を育てることが、自分の仕事の軸になっていると感じています。また、周藤自身、就職活動の最中に「出光に救われた」と今も感じているエピソードがありました。
周藤「出光の最終選考を受けていた頃、正直に言うと『燃料を扱っている会社』くらいの認識でした。当時は山口県に住んでいたのですが、東京で行われる最終面接のタイミングで寝坊し、遅刻してしまったんです。朝の8時の飛行機に乗らないといけないところ、目覚めたのが8時。慌てて新幹線に飛び乗ったものの、それも逆方向の新幹線に乗ってしまい……面接には到底時間通りに辿り着けそうにありませんでした。
もう諦めて音信不通になろうかとも思ったのですが、それまでの選考過程で、出光の九州支店の方々にとても親身にしてもらい、『最終面接、頑張っておいで』と励ましをもらっていたので、まずそちらにお詫びをしようと思って連絡を入れました。
すると、電話口で『とりあえず九州支店に来なさい』と言われたんです。きっと怒られるんだろうなと思って行ったら、替わりの飛行機の往復チケットを手配してくれていました。『最終面接を受けさせてもらえるかはわからないけど、とりあえずこれで東京に行ってきなさい』と言って頂き、そのまま飛行機に乗って、午後に最終面接を受けることができたのです」
最終面接では、遅刻に対する厳しい指摘がありました。しかし、選考過程からこうした厳しい指導をもらったことで、九州支店の方はもちろんのこと、「出光は自分のことを思ってくれている」と肌で感じた周藤。「人の温かさ」を知った上で出光で頑張りたいと入社を決意したと同時に、「人の力を高める」という原体験がここにあったのかもしれません。
大事なのはコミュニケーションが闊達に行われる風土づくり
統合新社における施策の一本化を進めるリテールマーケティング部のDTK担当として、周藤は部署内の推進役として働き方改革・テレワークの活用を進めています。
周藤「経営統合により、重複する業務を行う担当者がいる状態をいち早く解消し、業務の一本化に取り組みたいと考えていますが、まだまだ思うように進んでいない部分もあります。特約販売店も今は出光・シェルの2ブランドに分かれている状況であるため、リテールマーケティング部のDTKメンバーで話し合い、まずは働き方改革を中心に活動を進めていこうという方針が決まりました」
そこで周藤が着手したのは全社的な取り組みとして掲げられている「デジタル化」でした。いかに早く部内で浸透させていくかを考えて行動を重ねてきたことで、2020年2月にモバイルPCや携帯電話の全員への貸与が完了。緊急事態宣言下の在宅勤務へもスムーズに切り替えることができました。
しかし、決して「貸与して終わり」ではありません。細やかな配慮と気遣いを忘れずに改善・改良の手を休めないのも周藤の持ち味でもあります。
周藤「コロナ禍で在宅勤務が徹底されるようになりましたが、初めてのことなので部内コミュニケーションがうまく出来ないこともあり、コミュニケーションルールをつくったり、自ら動画を製作してTeams活用のガイドラインを定めたりしました」
こうした施策一つひとつも大事なことではありますが、周藤は「重要なのはコミュニケーションが闊達に行われる風土づくり」であると断言します。
周藤「若手が積極的に意見を言える風土と、上にいる役職者がその雰囲気作りに取り組むことが何より大事です。自由に意見を出せる空気をつくり、たとえ全ての意見を取り入れることが難しくても、出された意見に対して何らかの反応ができる仕組みが必要です。
私も若手の思いは非常に大事だと思っており、問題意識をどんどん持って意見を言ってもらいたいと考えています。「周り」や「慣例」に流されず、疑問は自分の口で伝え、かつ口にした本人が率先して解決に向けて動いていくことができるよう、サポートをしたいと思っています」
在宅勤務の徹底やデジタルツールの促進。それらが形として見えるようになったことで、従業員の「働きがい」にも繋がっていると周藤は感じています。
世の中のスピードに合わせ、自分たちも変化することに対し、社内からはポジティブな声が上がっています。「レジリエンス」という単語を使うだけでなく、実行動を体感することで、働きがいが高まっているのです。
新しい働き方をスピード感をもって模索し続ける
デジタル化の取り組みはモバイルPCや携帯電話の貸与、Teamsの導入などを通じてスムーズに進んでいったものの、「出社しないとできない業務がある」という声があるのも事実です。そうした声を集め、一つずつ改善のきっかけを作っていくことを進めています。
周藤「8月から9月にかけて「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方「ABW(Activity Based Working)」の取り組みも他部門に先駆けて開始しました。
社内アンケートの中で、まだツールを使いこなせていない部分や、わからない部分があるといった声も拾うことができたのですが、その点は反省であり課題だと思っています。メール一本で周知して終わらせるのではなく、各課のオンライン会議などに入っていきながら、上期の取り組みの趣旨や内容を丁寧に伝えていきたいと思っています」
なぜ新しい取り組みをしているのか、目的を理解してもらうことが大事なので繰り返し伝えることも重要だと付け加えます。
周藤「ABWを打ち出したものの、自分の席にこだわっている人が多いという状況です。個人のものを机に置きっぱなしにしない、出社して席を使ったらきちんと除菌するというルールをもっと徹底させていく必要があります。せっかく根付いた文化が後戻りしないよう、取り組みの概要だけでなく、趣旨をしっかりと伝えていきたいですね」
DTK活動にはスピード感を持って取り組んできた周藤。早く取り組むことができれば、改善点や問題点もその分早く見つけることができる。DTKプロジェクトにおいても、仕事においても、この意識をさらに部内へと浸透させていきたいと考えています。
周藤「DTK活動を始めたことで、DTKのメンバーとしてアサインされていなくても、手伝ってくれる人々がいたことはとても嬉しいエピソードだと思っています。他の部門を含め、普段は仕事で接することがないメンバーとも活動を通して関わることができました。
“人を育てる”という観点で見たとき、DTKプロジェクトはとてもいい取り組みだと考えています。若手が率先して参加することができ、問題意識を持って、周りを巻き込みながらひとつのゴールを目指すことができるからです。仕事の中でもそうした経験を積むことはできますが、DTKは着手しやすい取り組みだと思います。一時的な業務改善活動ではなく、今後も継続して、担当メンバーを変えながらやっていけたら理想ですね」
誰もが当事者になること。
周藤自身も推進役を任されることで、見えてくる部分が変わっていきました。
部全体を巻き込み、他部署へも活動が広がれば、会社の中での存在感を示すことができ、働きがいが増えていくはず。
たとえDTKというプロジェクトが終わっても、この精神が出光興産の企業文化として根付いていくことを周藤自身切に願っているのです。
