コロナ禍の中で始まったDTK活動、関西支店ならではの課題

▲北海道支店時代。特約販売店の皆様と一緒にマラソン大会に出場

出光興産の関西支店販売企画課に所属する田中は、2011年に入社しました。北海道支店で特約販売店の営業担当を3年、本社販売部で商社などの担当を2年したのち関西支店に異動し、5年目になります。

特約販売店の競争力強化や新しい施策を推進するサポート、SSブランド統一の取りまとめも担うなど、仕事内容は多岐にわたります。なかでもメインの業務は、価格・数量などの収支管理です。

田中がDTK(だったらこうしよう)活動のメンバーになったのは、2020年夏のこと。以前は別の3名が担当しており、ある程度の土台は完成している状態でしたが、DTKを進めるには難しい課題もありました。

田中 「関西支店が他の支店と少し違うのは、出光興産の支店メンバーだけではなく、関係会社も関西支店と同じオフィスに入っている点です。普段の業務ではほとんど関わらない人たちも含めて活動するので、関係者が非常に多く、何をするにも取り組みが大がかりになってしまうという難しさはあると思います。支店の関係者は、百数十名います」

2019年4月の出光興産と昭和シェルの経営統合により、重複している業務が発生している状況を田中自身感じていました。やるべきことのイメージはできているものの、改善すべき要素はたくさんある状態だったと振り返ります。

田中 「前任まではコロナの影響も大きくなかったので、会議体を軸にして集合形式でDTK活動を進めていました。それで支店全体の共通の課題を解決していましたが、一方で各部や課ごとの固有の課題もありました。そういったものは全体の場ではなかなか課題としては上げにくく、上げたとしても他の人にはどういったことかわかりません。そのような状況をみながら、進め方を変えてみたいと考えていました。

コロナもありましたし、部署毎の推進にした方が効率が良く、細かい業務改善がやりやすいのかなと思ったのです。それが最初に思いついた改善ポイントですね。支店内で支店長や上司の方々にも説明し、その方向で進めていくことになりました」

百数十時間の業務削減に成功するも、状況把握に追われる日々

DTK活動を進めるなかで、まずは田中自身が所属する販売企画課を中心に実績を重ねていきました。

田中 「私が所属している販売企画課では、Excelで管理表を作って1か月半に1回程度レビュー会議をするというサイクルを回しました。半年くらいで課単位でも百数十時間の業務削減ができたので、課のなかでは手ごたえを感じましたね。

販売企画課は総務的なことなど多岐にわたる業務があり、統合直後ということもあって、もともと出身が違う会社の人が多かったのです。例えば、慶弔見舞金を申請するフローがあるのですが、別々の方法で申請していました。

捺印申請も現在はクラウド管理にしましたし、重複や無駄なフローを少しずつ削減していきました。そういう地道な活動が、販売企画のなかではメインでした。そのように課のなかの人の声を聞きながら一つひとつ潰していきました」

販売企画課以外でも、他拠点のDTK活動をうまく取り入れながら自走し、改善効果を出した課も成功事例として上がる一方で、うまくいかなかった事例もありました。

田中 「統合直後ということもあり、日々の業務で忙しい中、新たな負担を増やすわけにはいかないと思っていました。それもあって期限を切りながら進めることはあえてせずに自主性に任せていました。しかし結果的に効果には結び付けられなかったので、そこは反省点です。

各部署にDTK委員が選任されているのですが、その人たちの巻き込みだけではなく、上司や支店長をある程度強制的に巻き込んで、ボトムアップだけではなく、トップダウンでのアプローチも並行していかないと、この手の仕事は進んでいかないのかなと実感しました」

DTK活動による従業員の意識の変化とコミュニケーションの重要性

DTK活動を進めるうちに、関西支店では従業員の意識に少しずつ変化が見え始めました。

田中 「関西支店のなかのDTK活動の一環として、ネットワーク上に目安箱を作って、どんなことでもいいので支店内で改善したいことがあれば出してほしいとオフィスの全員に案内しています。

その投稿が定期的にきちんと来るようになりました。そういう意味では誰でも無駄だと思ったらその思いを発信することができるようになったと思います。気づいたら目安箱に入れようという発想です。そこはみんながDTK活動をすることによって意識が変わった結果なのかなと思います」

成果を実感する一方で、今後は、部署や個人に適したやり方をしなくてはならないと考えています。

田中 「得られた気づきとしては、DTKだけではないですが、相手の部署のことを理解するためにも、もう少し深いコミュニケーションをとる必要があると思いました。それぞれの部署や個人に適したやり方をしなくてはいけませんが、私ひとりではできません。各部署のリーダーにそういう発想で動いてもらえるように働きかけをすることが私の課題だと感じています。

全体での打合せの数が足りていなかったですし、上司の方々ももっと巻き込んでいきたいと思っています。ある程度実験的にでも、強制力をもたせてやってみるのもいいのかもしれないですね。やはりなかなか腰の重い方もいらっしゃると思うので、実際にDTKを体験してもらうというのもひとつの方法なのかなと思っています」

今後の課題は、コミュニケーション機会の創出とブランド統合

来年度の活動についてチームでやるべきことについて、話し合いを始めています。その中には目安箱であがってきている意見も含まれています。

田中 「コロナ禍でコミュニケーションの量が減ってしまったことで、支店内でも顔も知らない人たちが結構いる状況です。なので、オンライン上で仕事ではないコミュニケーションも取る機会を作ろうと検討しています」

田中個人としては出光とシェルの両ブランドが存在することで生じている問題の解決に取り組んでいきたいと考えています。

田中 「ブランドが違うために発生する二重業務が問題だと感じています。というのも、管理帳票もすべて別々なので何かひとつの作業をしようと思ったら両ブランドをまとめるために両方をチェックしないといけません。

ブランドの問題だけでなく、システムの問題もあるので、すぐに解決ができない歯がゆさもあるのですが、それができればいろいろと改善するのではないかなと思っています。今は融和が進んで関西支店のマインドは良い状態にあると思いますので」

マインドとしての融和は進んでいてもシステムの統合がまだまだこれからであり、そこが進めば本当の意味での統合が進むと田中は思っています。

田中 「このDTK活動を通じて一番大事だと考えているのは、やはり最初の入口の設計です。入口がうまく整理できていないと、どこに行くか分からないまま進んでしまうので、そこを考える事に一番重点をおきました。

自分一人で進める業務ではないので、他のDTKメンバー、課長、支店長と打合せをし、慎重に進めていくのは簡単なことではありませんでした。しかし、各部署や各課が主体的に動けるようなチーム体制にしたいという方針に反対する人はいませんでした。全体が目指す方向がずれていなかったことは救いでした」

DTKプロジェクトは一人ひとりの活動や発想、改善したいという気持ちがないと進みません。今後も先頭に立ちながら、支店全員で活動を推進していきます。