支店の風土創生のため、全員参画で「OneTube」活動に取り組む

安田は、出光興産中部支店の販売企画課に所属しています。販売企画課は本社との窓口を担い、主に年間計画の策定と達成に向けて進捗を管理する部署です。そのなかでも安田は、販売促進のサポートや債権管理などの経理を担当しています。それに加えて、システム担当としてパソコンやIT関係のサポートを行なう役割も担っています。

2006年に昭和シェル石油株式会社に入社した安田は、潤滑油製品の製造販売を行う技術商品部に所属していました。

安田 「3年半、潤滑油の営業担当として中部で勤務した後、東京本社へ転勤となり7年ほどソーラーフロンティア株式会社という太陽電池を生産・販売する子会社で営業担当をしていました。入社後、合計10年ほど一貫して営業を担ってきたことになります。その後、出向から戻り、中部支店の企画課に配属されました」

安田が勤務している中部支店では、経営統合した2019年から「OneTube(ワンチューブ)」という風土創生活動に取り組んでいます。

安田 「中部支店では2019年の統合を機に、ビジョン「屈指の収益力を誇り成長し続けるグループになる」を制定、ワークショップを重ねたのち、風土創生のための「OneTube」を始動させました。

2020年5月より「あらゆる会議が見直されている」や「新たな発想を創出する場が設けられている」などの9つのテーマで分科会を編成し、オフィス全員参加で活動を実施しています」

中部支店だけではなく、オフィスを共にする部室や関係会社も含め、100人超の全員参画で「OneTube」に取り組んでいます。

安田 「全社的な働き方改革であるDTK(だったらこうしよう)活動が2019年7月からはじまりましたが、その前から「OneTube」の中でも業務改善活動を行なっていたので、中部支店では2つのプロジェクトをコラボレーションしながら進めています。

中部支店のメンバーは、自ら風土改善に取り組んでもっと強い組織になりたいという想いをみんなが持っていて、それに基づいて日々の業務に当たっているのです」

デジタルによる業務改革を進めるため、役職者を巻き込みメンバーをサポート

安田は「OneTube」に最初から積極的だったわけではありません。通常の分科会の一員として関わっていたものの、引っ張っていく立場ではなかったのです。変化が訪れたきっかけは、「OneTube」と並行して中部支店でもDTK活動を進めると決まったことでした。

安田 「私は中部支店のシステム担当者で、DTK活動はシステムと切り離せない関係にあるので、ちょっと入ってほしいと招集されたのです。そこから、DTK活動の打ち合わせや勉強会に参加するようになり、少しずつ関わっていきました。

当初はDTK担当者が2人いて、私はメンバーではなかったのです。しかし、打ち合わせや勉強会に参加し懇親会にも出席していたら、いつの間にか3人目のDTKメンバーになっていました(笑)」

「OneTube」でカバーしきれず、DTK活動として進めた取り組みのひとつが、OutlookメールからTeamsへの移行でした。しかし、「Teamsを使いましょう」と訴えるだけでは、移行は思うように進まず、困った安田はDTK推進室に相談しました。その結果、進め方のアドバイスを受けるとともに他部署の推進具合を知ることができたのです。

安田 「まず、役職者が率先して行動する必要があるとアドバイスいただきました。DTK推進室は室長が積極的にTeamsでメッセージを送ることで、すぐにTeamsを使う雰囲気になったそうです。

『DTK推進室では既にTeamsでのコミュニケーションが主で、Outlookは時々確認する程度』という話に、すごく衝撃を受けました。同じ社内でもこんなに進んでいる部署があると驚くと同時に、早急に中部支店も追いつかないと、と思いました」

アドバイスを受けた安田は、DTKのリーダーである中部支店の副支店長に働きかけました。副支店長もOutlookメールのほうが便利だと考えていたため、まず状況の説明をしたのです。

安田 「リーダーである役職の皆さんに率先して使っていただくことがポイントだと伝えました。そして、『LINEが登場する前は携帯でメールしていた皆さんも、今はLINEしか使いませんよね』と話し、腰を上げてもらい、全員参加のキックオフを2回開催しました。

そこで副支店長から明確に『今日から全てOutlookメールからTeamsに切り替えます』と号令をかけていただいたのです。このことによって、その日からガラッと切り替わり、皆さんがTeamsに移行しました。

また、Teams移行のキックオフの際、Outlookのほうが良いと言われないよう、Q&Aを丁寧に説明しました。さらに、その場でもその後でもいいから、小さなことでも相談してくれれば何でも親切に回答しますと約束したのです。実際、たくさん相談をもらいました。そうしていくうちに2カ月ほど経ち、ベテランから若手まで皆さんTeamsの利用が普通になりました」

2021年現在も、日頃の支店内のコミュニケーションはTeamsで行なうことが前提となっています。

モチベーション高く、楽しみながらDTK活動を実施

安田が出向していたソーラーフロンティアでは、社内決裁や社外コミュニケーションにデジタルシステムや営業支援ツールを活用していたこともあり、新しいツールに触れるのが好きでした。さらに、新しいツールの使い方を周りに教えることも好きだったことから、Teams移行を推進するため周囲のサポートをするのも苦ではなかったのです。

それだけに、出向から戻り中部支店に配属となったときは、デジタルの活用度合いに差があると感じました。

安田 「支店内では紙とハンコの文化が根付いていて、承認を得るにも役職者が支店に帰ってくるのを待たなければならないこともありました。かと言って、支店独自にデジタル化を進めることも難しいと思っていたとき、DTK活動がはじまり、いろいろなことを変えられるチャンスだと感じたのです」

デジタル化できていない非効率さを味わったからこそ、DTK活動に取り組むモチベーションが高まりました。

安田 「デジタル関係が得意なわけではないのですが、それが業務効率化につながって、よりいろいろな仕事に取り組む時間を作れることにはすごく興味関心が高いですね。そんなすごいことができるのだと、すごくワクワクします。簡単な操作方法でも、教えることでメンバーから『こんなことができるんだ。ありがとう』と言われることがうれしいです。DTK活動は、自分の志向とぴったり合うプロジェクトですね」

無事Teamsへの移行ができたのは、中部支店に「One Tube」という基盤があったからこそと安田は考えています。

安田 「Teamsへの移行のきっかけとしては仕掛けが必要でしたが、もともと「OneTube」でコミュニケーションを活性化させようとしていたので、そこに関してはみんなでやろうという意識は高いですね。「OneTube」があったからこそ、DTK活動が上手く進んでいるという面が大きいです」

支店の課題を解消しつつ、関係会社も巻き込んだ全員参画の改革を目指して

2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク化やDTK活動によるデジタル化が進み、業務のやり方が急激に変化した1年となりました。通常業務で忙しいなか従来のやり方が変わることに抵抗を感じるメンバーも少なくありませんでした。

安田は抵抗感があることを理解しつつ、取り組みを進めることによる良い面にも気付いてほしいと考えています。

安田 「出光興産の競争力を維持してもっと高めていくために、新しい働き方やシステムをどんどん取り入れて効率化を進め、生まれた時間を将来のことに使っていく必要があります。

取り組みによってこれだけ時間が浮いたから、こんな前向きな取り組みができたと体感してもらえるといいと思います。現実には、時間を生み出したそばから埋まっていき、なかなか効率化を体感しづらいこともあるので、確かに効率化してよかったと、皆が感じられるといいですね」

今後の改革の課題として、安田は特約販売店も巻き込んだデジタル化を考えています。

安田 「支店の役割は特約販売店を巻き込みながら共に進めていくことであり、出光興産と特約販売店のグループとしてどんどん競争力を高めていきたいと考えています」

周りを巻き込むだけでなく、巻き込んだあとのサポートも手厚く行なうことで現場の協力を促し、業務や風土の改善に取り組んでいる安田。

これからも周囲をリードしながら、より良い未来を創るために働きかけ続けます。