「こうでなくてはいけない」という自分の枠を作らず、周りの人を受け入れる
Hondaのモノづくりを物流領域から支えるホンダロジスティクス。Kは、幅広い年代のベテラン従業員たちに囲まれながら、積極的にコミュニケーションをとり、今ではプライベートでも一緒に出かけるまでに溶け込んでいます。
そんなKですが、もともとは人前に出ることも、競争することも好きではないシャイなタイプだったと話します。
「周りが流行のゲームに熱中している時も、興味が持てずに一歩引いて見ているような子どもでした。『仲の良い友達だけで遊んでいればいいや』と思っていたんです」
しかし、年を重ねるにつれていろいろな人と接するようになり、徐々に社交的になっていったと振り返ります。
「中学生になって剣道を始めたのですが、初対面の人と勝負するという経験が刺激的で。年配の方と一緒に稽古することもあり、関わる人が広がったんです。また、剣道部の部長がすごく明るいタイプだったので、彼に影響を受けた部分もあるかもしれません」
高校では水泳部に入部して部長も務めるなど、集団の中心的存在も担うように。大学時代は塾講師のアルバイトを通して、さらに多くの人と関わるようになります。
「年上の人も多いですし、出身地も経歴もさまざま。自分と違うタイプの人と仲良くなるうちに、その人たちの良いところを自然と吸収していた気がします」
もともとは社交的ではないと言いながらも、周りの人の魅力を見つけ、受け入れることができる柔軟性を持つK。その理由を、「こだわりがないから」と話します。
「自分の中で、『こうでなくてはいけない』というこだわりがないんです。最低限、自分の軸はありますが、それ以外の部分に飛び込んできたものは受け入れます。
だって、自分の裁量でどうにかできるのは、自分のことだけですから。相手に変わってほしいと思って働きかけても変わる保証はありません。そこに時間を割くなら、自分が思い描くものに向かって進んでいきたい。とはいえ、大きなビジョンはないんですけど(笑)」
人生で一番熱中できる趣味に出会ったことが就職先を決めるきっかけに
「飽きっぽい性格で、熱中できるものがなかった」と話すKは、その時その時で一番興味のあるものを指針に道を進んできました。大学で情報系の学部に進学したのも、当時パソコンやスマートフォンをいじるのが好きだったことが理由です。
しかし、大学時代に「人生で一番飽きずに続いている」という趣味に出会います。それが、クルマとバイクでした。
「私の父は、レースに出場していた程クルマとバイクが好きなんです。子どものころから話は聞かされていたのですが、自分が乗るわけではないので興味が持てませんでした。けれど祖母が、20歳になったお祝いに費用を援助してくれると言うのでクルマの免許を取ってみたら、運転の楽しさに気づいてしまって。行動範囲が圧倒的に広がるんですよね。
それをきっかけにバイクの免許も取ったら、バイクもおもしろくて。3台乗り継いだバイクがたまたま全部Honda製だったことが、ホンダグループに興味をもつきっかけになりました」
その時に一番ハマっていたバイクをきっかけに就職活動でHondaグループの会社を調べていたところ、ホンダロジスティクスのインターンシップを見つけて参加することに。当時の印象をこう話します。
「半日くらいのインターンシップに3〜4回参加して、物流ゲームなどのグループワークをしたり、会社についての説明を受けたりしました。ただ正直、インターンシップだけで仕事について理解できるとは思っていなかったので、会社や人事の人の雰囲気に注目していたんです。
他にもHondaグループを何社か選考を受けましたが、Hondaグループの会社は従業員同士が上下関係なくフランクに話している印象を受けました」
数社の選考が同時に進む中で就職先にホンダロジスティクスを選んだ決め手は、規模感と物流というインフラの強さでした。
「どれだけ自動化が進もうとも、物流が消えることはありません。また、自動車業界の規模の大きさと、グローバルに拠点を持つホンダロジスティクスの規模感も魅力でした。
拠点がたくさんあるため、転勤があるかもしれないということは聞いていましたが、むしろ私には好都合。こだわりがないぶん、与えられた環境で揉まれながら成長するほうが自分には向いています」
自分から輪に入り、「助けてもらえる人間関係」を築けたことが一番の成果
入社後、まずは現場実習で各部署の業務を経験した後、納入代行業務を担当することに。世界各地から輸入した部品を、Hondaの生産ラインに合わせて必要なタイミングで届ける納入代行に携わっています。
「Hondaの担当者と現場に入ってもらっている協力会社の橋渡しをしながら、双方の要望を調整して現場がスムーズに動くようにするのが私の役割。ただ伝えるだけではなく、何を求めているのかを理解し、プラスアルファの提案を追加することを心がけています」
今では自分なりの“流儀”をつかんでいるKですが、人事異動のタイミングもあり、配属当初は引継ぎに十分な時間が取れないまま、仕事を任されて途方に暮れたと振り返ります。
「お客様であるHondaの方、歳の離れた先輩たち、現場で働く精鋭揃いのベテランスタッフの中で、やる気はあるのに、何を聞けばいいのかわからなかったんです。あの時が一番ピンチでしたね」
それでも「やるしかない」と腹を括ると、とにかく「教えてください」といろいろな人に頭を下げて、一つひとつ学んでいきます。
「専門用語もわかりませんから、『そもそもそれは何ですか?』というところから聞いていました。細かいことを何度も確認していたために、もちろん怒られることもありましたが、次第に『あいつも頑張っているじゃないか』と信頼してもらえるようになったんです」
さらに周りの人たちとの距離を縮めるため、Kにはもう一つの秘策がありました。
「方言をめちゃくちゃ練習しました。積極的に輪の中に入っていき、
会話するようにしたんです。先輩たちからすれば、県外からやってきた今時の若者と、どう接していいかわからない部分もあったと思います。だからこちらも、『皆さんとの距離を近づけたいんです』と伝える努力が必要です」
たくさんの人との信頼関係ができたことで、困ったことがあれば「こっちでやっておくから」と助けてもらえることも。こういった経験で、コミュニケーション能力の意味を知ったとKは話します。
「コミュニケーションって面倒くさい部分もありますが、人と人とのつながりで物事が進むということに気がついたんです。先輩にも、『気軽に聞けたり、助けてもらえたりする人間関係を築けたことが一番の成果だね』と言ってもらえました」
与えられた環境の中で取捨選択しながら、人間としての深みを持ちたい
現在の生活も3年が経ち、すっかり仲を深めた先輩たちと、仕事以外も思いっきり楽しんでいます。
「休みの日は、クルマやバイクで九州各地を回っています。事業所のある町からは、九州のどこにでも行きやすい立地なので、旅行や知らない場所に行くことが好きな人にはおすすめです」
仕事もプライベートも楽しみながら成長してきたK。人生の大きなビジョンはないと言いますが、「人間としての深みを持ちたい」という目標があります。
「フットワーク軽くいろいろな事業所に行って、海外転勤も経験してきた先輩の話を聞くと、仕事以外にも得たものがあって、人間としての深みや厚みがあると感じます。そういう人に憧れます」
でも、転勤や海外勤務にこだわっているわけではないというのも、Kらしいところ。どんな道でも楽しむ自信があります。
「ずっと現事業所で働いてほしいと言われたら、仕事ではスペシャリストをめざしながら九州を楽しみ尽くしてやろうと思いますし、海外勤務と言われたら、言葉が通じないのも楽しそうだなと思います。見聞を広めつつ、成長しつつ、仕事に打ち込めたら最高ですよね。そのために、与えられた環境の中で取捨選択しながら、憧れる人物像に近づいて行きたいです」
軸はぶらさず、しかし柔軟に──置かれた場所で輝くKには、「やりたいことが見つからない」と悩む人に伝えたいことがあります。
「当社は、部署も多くて仕事の種類も幅広く、拠点も国内外にたくさんあります。その中で、一つくらいは楽しいと思える仕事があるはずですし、そんな仕事に巡り合えるチャンスがある会社だと思います。
物流のことはよくわからないとか、転勤があるかもしれないという理由で、そのチャンスを手放すのはもったいない。チャレンジする環境さえあれば、ものにできるかは自分次第。まずは飛び込んでみることも大事だと思います」
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
