若手の個性を活かすことがミッション──成長を引き出す育成の工夫
現在、私は第8法人営業部で営業部長を務めています。札幌市の西区・手稲区エリアを担当し、6つの支店エリアの法人取引先を一つにまとめて管理する体制で業務を行っています。この組織体制になってから約3年が経過していますが、私自身は昨年10月に着任したばかりで、まだ半年程度です。
担当エリアには約750社の取引先があり、自身を含む18名の部員と共に営業活動を展開しています。部長職として統括的な役割を担っていますが、店舗内での業務よりも、若手職員と一緒に外回りをすることが自分のミッションだと思っています。部員の年齢層は、今年入社した新人から銀行経験10年程度までと比較的若く、私を含めた部長2名と管理職3名で若手の指導や育成にあたっています。
そのため、顧客訪問の際には若手職員が自身の個性やキャラクターを活かせるよう、積極的に私からも紹介を行っています。また、趣味や仕事への思いなども深く理解するよう心がけています。
北海道銀行に入ってくる方は採用試験を通過した魅力溢れる方ばかりですから、私たち上司の育て方次第で必ず成長できると確信しています。それぞれ、営業が得意な人もいれば、机上業務が得意な人もいます。各々のタイプに合わせた育成を心がけ、その人の持ち味を最大限に引き出せればと、こちらも尽力しています。若手職員とのコミュニケーションでは、まず私のほうから自分のことを開示するようにしていますね。
また、業務を行うにあたっては「嘘をつかない」そして何より「自分で考える」ことを特に重視してもらえるように伝えています。「嘘をつかない」は何かトラブルが起こった時に私が間違った情報を得ていると、未然に防ぐことや、守ることが出来なくなるということで、「自分で考える」については、突き放すという意味ではないですし、必要な支援は惜しまず行います。
大切なのは、自分の意見を持って能動的に提案できる人に育ってもらうこと。お客さまへの対応でも、ただ言われたことをこなすだけでは満足いただくことは望めませんから。常に能動的な体勢でいてもらいたいなと思っているんです。
組織は「人」でできている──外回りでの経験と職場の密なつながりが教えてくれたこと
2000年に新卒で入行した私の銀行員としてのキャリアの中で、特に印象に残っているのは若手時代の経験です。最初の配属先である篠路支店では個人顧客中心の業務を担当していましたが、次の異動先となった苫小牧支店は工業都市であり、法人顧客が中心となる環境でした。その環境の変化に戸惑い、融資案件の対応が後手に回ってしまう日々が続きました。
当時は本当に悩み、会社を辞めようかと考えるほど追い詰められていました。そんな時、上司から「君の個性はきっと外に出てお客さまと話すことで活かされるから、店の中にいることに固執せず、思いきってどんどん外回りに出ていくといいよ」という言葉をかけていただきました。その言葉をきっかけとして積極的に外回りを始めたことで、状況が好転し始めたのです。
当時の経験によって、お客さまを理解するためには、単に数字だけを見ているのでは不十分なのだと痛感しました。どのような事業を展開しているのか、社長はどういった性格の方か、これからどのようなことをやっていきたいと考えているのか。そういった情報を得るためには、実際にお客さまと会って話を聞くことが不可欠でした。外回りを重ねる中で、お客さまの思いを理解できるようになり、融資案件の審査書類を作成する際も、「このお客さまはこういう思いがあるから、このような融資を希望されている」といった背景まで含めて各所に説明できるようになったのです。
また、自分が若手時代の上司との関係には本当に恵まれていたと感じています。当時は、今ほど残業時間や働き方が重視されている時代ではなかったのもあり、家族よりも長い時間を過ごすことになる月などもありましたが、深い思いを持って接していただきました。1店舗目、2店舗目の上司たちには、仕事の基礎を教えてもらっただけでなく、一緒に自転車で外回りをしてくれた上司の方もいました。
また、これは想像もしていなかったことですが、北海道銀行に入ってから本当の親友と呼べる存在に出会うことができたことも大きかったです。後輩ですが、会社の話も率直に言い合える仲ですし、一緒に旅行にも行く間柄です。お互いが体調を崩した時には気遣い合うなど、気の置けない存在にこの職場で出会えたこと自体が宝物。苦楽をともにした同期や職場の先輩・後輩との出会いなど本当に人に恵まれた職場だと思います。
組合の専従として働いた時期もあり、これは人を大切にするという価値観を深める重要な機会でした。これはちょうど人事制度の改正の時期にあたり、全道の職場に出向き、様々な人と会話をさせていただき、組織全体を考える機会となりました。会社は人がいなければ成り立たないということを、より強く実感しましたね。
5年越しの工場建設プロジェクトが実現──信頼と組織の柔軟性で実現した大きな挑戦
マネジメント職になってからの経験で最も印象に残っている案件の一つが、お客さまの食品工場建設プロジェクトです。このプロジェクトは、お客さまの意向を汲み取って本部を巻き込んで実現に至った大きな案件でした。構想から完成まで約4年という長期にわたるプロジェクトでしたが、組織として柔軟にアイデアを受け入れ、関わる全員で協力して案件を組み立てていける文化が行内にあったからこそ、実現できたものだと思います。
このプロジェクトでは、担当者に主体的な役割を任せることを意識しました。私は上層部との調整や本部への説明など大枠を担当する一方で、実務的な部分のほとんどは担当者に任せていました。海外からの工場設備の輸入や関連会社との調整なども、担当者アイデアを活かしながら進めていきました。完成時にはお客さまから「北海道銀行のおふたりがいなければできなかった」と言っていただき、地元・北海道に対して大きな貢献ができたと実感できる案件となりました。
マネジメント職になってから関わった部下は70〜80人ほどになりますが、若手職員との関わりにおいて、私が最も大切にしているのは一人ひとりの個性を理解し、それを伸ばしていくことです。14年にわたる経験の中で、このスタイルを一貫してきました。
特に法人営業は人と人との商売であり、北海道銀行という看板を背負っていることは大前提としても、個々の担当者との関係性があってこそ、一緒に仕事をしたいと思ってくださるお客さまが多くいらっしゃいますから。
北海道の未来のために。銀行員としての折り返し地点で見えてきたのは人材育成の真価
このような関わり方の根底には、「人は城、人は石垣、人は堀」という武田 信玄の言葉への共感があります。会社の基本は「人」であり、特に銀行としての「北海道への貢献」という大きな使命を果たすためにも、人材育成は不可欠です。部下の成長を見守り、支援することが、今の私の銀行員としての一番のやりがいです。
銀行員としてのキャリアは既に折り返しを過ぎていると自覚していますが、北海道銀行という組織をより良くしていきたいという思いは日に日に強くなっています。特に大切にしているのは、若手が働きやすい組織づくり。そのためには私たちのような経営職層が積極的に変わっていく必要があり、若い世代により多くのことを任せていける体制をさらに整えていかなければなりません。
私は本部の中心にいるというよりも、営業店を中心に活動する立場として、優秀な人材を育成し、組織の中枢で活躍できる人材を育てていきたいと考えています。そして、結果的にそれは会社の発展や地元への貢献につながるはず。
北海道銀行は、組織として柔軟性があり、自分から発信していけば様々なことができる企業だと感じています。また、北海道という環境自体にもまだまだ大きなポテンシャルが確実にあります。現在、インバウンドの観光客で賑わっていますが、それ以外にも今後伸びる要素がたくさんあるはず。これは、私自身が世界中を旅することが好きで様々な場所を見てきた経験からも、北海道の可能性の大きさを実感していることでの確信です。
積極的に旅行などして得られた人との出会いや知見は今の仕事の視座や考え方に活きていると実感しているので、ぜひ若手のうちに、銀行の仕事以外でも様々な経験を積み、人間としての幅を広げてほしいと思っています。
プライベートが充実していなければ、仕事も充実しません。私自身、プライベートと仕事の割合でいえば、正直、7:3くらいの感覚で、趣味の延長線上で仕事をしているような感覚すらあります。つまり、それぐらい楽しんで仕事をしているということです。この考えは一緒に働くメンバーにも共有していて、休暇も積極的に取得するよう促しています。
これまでのキャリアを通じて、人との出会いや関係性が何より大切だと実感してきました。部下との関係も、単なる上司部下の関係を超えて、一緒に旅行に行ったり、ゴルフを楽しんだりする仲間となっています。グループメッセージで近況を報告し合うなど、深い絆で結ばれています。
これからも関わる一人ひとりの個性を活かし、人を大切にする組織づくりを通じて、北海道の発展に貢献していきたいと考えています。
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
