45店舗を統括するマネジャーの使命。できるルールでお子さまの“えがお”をつくる
――現在のPGマネジャーとしての仕事内容を教えてください。
主な業務は、当社が展開する時間制プレイグラウンド施設(PG)の統括です。お子さま(3歳以上)が保護者の付き添いなしで遊べる「スキッズガーデン」や、「ちきゅうのにわ」「キッズーナ」「ダイナレックスチャレンジ」などの施設を運営しています。私は現在、西日本エリア45店舗の責任者として、現場のマネジャーやトレーナーと共に、円滑な施設運営とサービス向上に努めています。
具体的には、各遊び場のオペレーション改善、スタッフ教育、新店舗の立ち上げ準備などがあります。売上確保のために、人件費の最適化やイベントによる客単価向上といった施策を打ちますが、大切にしているのは数字だけではありません。
例えば、最近注力しているセルフレジの導入もその一つです。スムーズな会計でお客さまのストレスを減らすと同時に、スタッフの負担を軽減する。それによって、スタッフが一番大切にすべき「お子さまとの関わり」という業務に、100%の力を注げるようにすることが真の目的です。
――仕事をする上で大事にしている考え方を教えてください。
常に「複数の視点で考える」ことを意識しています。何か新しい施策を実施する際には、まずはお子さま目線で「これは本当にワクワクするか?」を考えます。次に、保護者さま目線で「安全面や教育面で安心できるか」を、そして現場スタッフ目線で「無理なく実現可能か」「やりがいを持って取り組めるか」を考えます。この3者の視点は、私自身が大切にするのはもちろん、部下や現場スタッフにも常に持ってほしいと伝えています。
また、私たちは「できるルール」という考え方も非常に重視しています。長年現場にいると、「それはルール上できない」「前例がない」と保守的になりがちですが、「できない」で終わらせるのではなく「どうやったらできるか」をポジティブに模索する──このマインドを持つことで、接客の質が上がり、新しいビジネスのアイデアにもつながると考えています。
――その考え方を現場に浸透させるために、どのような工夫をしていますか?
直接店舗を訪問してスタッフと話すことはもちろんですが、仕組みとしては研修制度をフル活用しています。例えば、スキッズガーデンだけでも、対象者別に年間10回近い研修を用意しています。
具体的な指導方針として徹底しているのは、お子さまへの「肯定的なアプローチ」です。何かを制限する際に「〇〇しちゃダメ」と否定するのではなく、「〇〇してみようか」と前向きな言葉を選びます。
例えば「戦いごっこをしたい」というお子さまがいた場合、危険だからと一律に禁止はしません。安全を確保した上で、どうすればその「やりたい気持ち」を叶えられるかを考え抜く。こうした「できるルール」の実践例を研修で繰り返し伝え続けることで、全スタッフが同じ方向を向けるようにしています。
9年間の店舗経験を糧に上位職へ挑戦。現場を知る自分だからこそ、できることがある
――これまでのキャリアについて教えてください。
大学は幼児教育を学ぶ学科で、幼稚園教諭や保育士の資格を取得できる環境でした。ただ、就職を考えたときに、保育園や幼稚園という枠組みとは少し違う形で、お子さまと関わりたいと思ったんです。飲食店でのアルバイト経験があり、接客の楽しさも知っていたので、その両方を叶えられる場所を探して出会ったのが「スキッズガーデン」でした。
2010年5月に「スキッズガーデン京都五条店」にフレックス社員として入社し、そこから9年間、現場一筋で経験を積んできました。毎日お子さまと向き合い、成長を間近で見守れる現場の仕事は、本当に楽しくて大好きでした。
――フレックス社員から正社員、そして上位職をめざしたきっかけは何ですか?
正直なところ、「いつかは正社員に」と強く願っていたわけではありませんでした。9年間、現場が一番楽しいと思っていましたし、周りからも「やまださんは現場向きだね」と言われていましたから(笑)。転機は、当時のマネジャーから契約社員の試験を勧められたことでした。当初は戸惑いもありましたが、期待に応えたいという気持ちで挑戦し、2019年に契約社員を経て正社員に、役職も店舗マネジャーから複数店舗を管理するトレーナーへとステップアップしました。
上位職をめざす決め手となったのは、「自分の経験を広める意義」に気づいたことです。自店でうまくいったアイデアを他のお店に共有し、そこで新しいえがおが生まれるのを見たとき、自分の役割を「一店舗」から「エリア全体」へと広げることの価値を実感しました。それが、トレーナー、そしてPGマネジャーという道を進む大きな動機になりましたね。
――キャリアアップ後、とくに大変だったエピソードはありますか?
トレーナーになりたての頃は、苦労もありました。管理職は、現場のスタッフに会社の方針に沿った厳しいお願いをしなければならないときがあります。でも、新たに担当する店舗だと、信頼関係ができていないので言葉がうまく浸透しません。
とくに忘れられないのは、コロナ禍での全店休業期間にある店舗スタッフから「休業中の現場の不安や大変さを、直接経験していない本部の人たちはわからないでしょ」と言われたこと。このとき、現場を知らない人、わかろうとしない人の言葉は届かないのだと痛感しました。
この経験があったからこそ、マネジャーになった今でも、できる限り店舗へ足を運ぶことを意識しています。スタッフと同じ目線に立ち、現場の小さな変化や声に耳を傾けることを今後も大切にしたいですし、「元パート社員として9年間現場にいた」という私のキャリアは、今ではスタッフとの強固な信頼関係を築くための、かけがえのない財産になっています。
めざすのは「ものより人」で選ばれる店舗。スタッフの主体性が最高の遊び場を生み出す
――これまでで印象に残っている成功体験を教えてください。
とくに心に残っていることが2つあります。1つは、現場で働いていたときにお客さまからいただいた言葉です。当社には「ものより人」という言葉があり、「あの遊具があるから行く」ではなく「あのスタッフがいるから行く」と言っていただけるお店をめざしています。実際、私が異動することになったとき、お子さまが一生懸命手紙を書いてくれたり、保護者さまが「どこに異動するんですか?近くなら、やまださんがいるお店に通います」と言ってくださったりしたことも。数年前のことですが、あの感動は今でも仕事の原動力になっています。
もう1つは、2025年10月に「ちきゅうのにわ」の2つの新店舗を同時期にオープンさせたことです。担当範囲が広がり、チーム全体が非常にタイトなスケジュールでしたが、「エンターテイメントと接客のおもしろさを最大化させる」という目標を掲げ、総力を挙げて準備しました。オープン後、他部署の方から「今までの店舗よりさらに雰囲気が良いね」と評価してもらったときは、自分たちの強みが形になったと確信できました。
――今の仕事のやりがいやおもしろさを教えてください。
新店の立ち上げでは、自分が思い描く「理想の遊び場」をゼロからつくり上げることができます。スタッフも手探りの状態からスタートしますが、想いを共有し、一丸となってオープンを迎えるプロセスには大きなやりがいを感じます。
また、部下の成長も大きな喜びです。以前は指示を待つだけだったスタッフが、「私はこう思うので、こうしてもいいですか?」と、自分の意見を積極的に伝えてくれたり、 「研修にこういう内容を付け加えたい」と現場視点の提案をくれたり。上司・部下という関係を超えて、同じ志を持つプロフェッショナルとして切磋琢磨できている現状が、何より嬉しいですね。
仕事も私生活も。ライフステージが変わっても「自分らしく」輝き続けるために
――ご自身の強みはどんなところにあると思いますか?
私の最大の強みは、「店舗スタッフとしての経験・知見を、現場の皆さんに負けないくらい持っている」ところです。9年間の現場経験があるからこそ、スタッフが何に困っているか、お子さまが何を求めているかがわかり、それを本部や他部署に伝えて改善につなげていくことができます。逆に管理スキルはまだまだですが、現場との信頼関係を築けていることは、マネジャーとしても大きな強みだと思っています。
――今後の目標や挑戦したいことはありますか。
マネジャーになって2年が経ち、ようやく組織全体を俯瞰できるようになってきました。これからは、部下たちがのびのびと、それぞれの理想の店舗をつくれるようにサポート体制をさらに強めていきたいです。
また、イオンファンタジーのPGの価値を、社外へ発信する活動にも力を入れていきたいと思います。実は現在、ある自治体が運営する遊び場のスタッフの方たちへ、当社の遊び方や教育のノウハウなどを伝える研修やレクチャーを実施しています。
「特別な遊具がなくても、遊び方を熟知した人(プレイリーダー)がいればこんなに楽しめるんだ」ということを、全国の遊び場に広げていきたい──それが、子どもたちの未来を豊かにすると信じています。
――イオンファンタジーという会社の魅力を教えてください。
当社には、「やりたい!」という強い意志があれば、何にでも挑戦できる環境があります。「遊び場を提供する」という1つの事業の中にも、接客、遊具開発、デジタル活用など多様な職種があるので、「お子さまが好き」「人と関わることが好き」という純粋な気持ちがあれば、必ず自分らしく輝ける場所が見つかるはずです。
また、昨今は残業や勤怠の管理が整ってきて、ワークライフバランスも取りやすくなってきました。もちろん、繁忙期や異動直後は業務が立て込むこともありますが、全体的には働きやすいと感じます。私はちょうど結婚して1年になりますが、ライフステージが変わっても、プライベートも大事にしながら仕事を続けていきたいですね。
――最後に、イオンファンタジーで働く方たちや、今後入社を考えている方たちにメッセージをお願いします。
私のキャリアは、本当に「人」に恵まれてきたと感じています。これまでの職場も今の部署も、何か問題が起こると「みんなでどうにかしよう」「どうすればできるか考えよう」と助け合ってきました。「楽しむ気持ち」を大事にする人ばかりなので、悩んでいる人や新しい仲間のことも全力で支えます。「楽しい遊び場をつくりたい」「子どもたちのえがおのために何か力になりたい」という方には、ぜひ飛び込んできてほしいですね。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです

