メンバーとの会話は常にトライアンドエラー。相手に合わせたコミュニケーションを
高橋が所属するのは、Webインテグレーション部 第3グループ。大手通販会社の情報システム部門として企画の立案や検討を行うかたわら、アスノシステム大阪オフィスで後輩の指導にあたります。
「今私が常時勤務している大手通販会社では4名、別の環境に4名の合計8名のマネジメントをしています。同じ業務に携わるメンバーは、ある程度会話をすれば伝わることも多いですが、別の環境にいるメンバーは彼ら、彼女らに合ったフィードバックや説明をしないといけないので、その人に合わせた個別のコミュニケーションが必要になります。
常にトライアンドエラーですね。業務や立場、役割でアドバイスも変わってきますし、中には自身の技術に強い自信を持っている職人気質なメンバーもいるため、何度か話してみて、その人の人柄や性格を理解してから指導や提案をしています。また、同じ環境にいないと、業務の内容や彼ら、彼女らが直面している課題を正しく理解できないため、把握には少し時間を要します」
高橋が現在勤務している大手通販会社は、現在も活躍しているアスノシステムの部長が前任者でした。その後任として、当時若手であった高橋がお客様の期待を満たすというミッションで参画しました。
「後で述べますが、ベトナムでのプロジェクトが終わり、次はどのような案件かと思っていた矢先にこのお話をもらいました。当時は、上流工程の経験がなく右も左もわからない中で苦労も多かったのですが、あのときの経験があるからこそ今があると本当に感謝しています」
今まで経験がない領域の挑戦。仕事を進めるにあたって、苦労はあったと語ります。
「ものすごい苦労しました。今の情報システム部門に2011年に入ったのですが、まったく違う業務だと感じました。ITに携わるという意味では一緒ですが、いわゆるプログラミングやシステムエンジニア(以下、SE)のような仕事はせずに、ユーザー部門のように利用者の会話の中で何か新しいことを企画提案するといった手法にギャップを感じたのを覚えています」
苦い経験を通して気づかされた、会話することの大切さ
高橋は、入社して間もなくはエンジニアの業務委託先として大手空調事業を手掛ける会社でプログラマー(以下、PG)、SEをしていました。
「若手にも関わらず機能の中心を任せてもらえ、PG、SEとして従事していたのですが、システムの切り替えのときに計画段階で確保していた予算や開発期間と整合性が取れなくなり、苦労したことが良い経験になりました。大変でしたが、得られたものも多かったなと思います」
当時の苦い経験は、情報システム部門の担当者も正しい仕様を作っていたのにも関わらず、もともとの要求から漏れていた、お客さまの理解が不十分だったことが原因だと語ります。
「たとえば、お客さまの要望をそのまま形にしたらタイヤが3つしかないのに羽がついている車だったとしましょう。そのとき『羽がついていますが、それは本当に必要ですか?タイヤが3つしかないですが、もう1つつけないと安定しませんよ』といった話ができたら良かったのですが、本質となる目的は何か?という踏み込みが足りないままお客さまの言う通りのものを作った結果、抜け漏れがあって修正に大幅に時間がかかってしまう、ということが起きたんです。
しかし、その経験をしたことで、お客さまと同じ目線で考え推進する立場で会話をし、漏れなく実現したいことをしっかりと聞き出し一緒に考えて創り上げる姿勢が、物事をうまく進める秘訣なんだということに気づかせてもらえました」
国や文化は関係ない。お互いを知ることの重要性を学んだベトナムでの日々
大手空調事業会社でのSE経験の後、ベトナムでのプロジェクトの打診に二つ返事で答えた高橋。
「ベトナムでは、2名の担当マネージャーを通して20名のメンバー全体をコントロールしていました。人数が多く苦労もありましたが、土地や環境も変わっていろいろとポジティブにとらえることができました」
ベトナムで感じたコミュニケーションの課題は日本人においても同様で、ベトナムでの経験は現在の仕事にも活きていると語ります。
「業務で課題に感じたのは、細かな報告をしてくれる関係構築でした。信頼関係を構築しないと、問題も気づきも報告をしてくれないということ。それまでは『ベトナムとの文化の違いかな』と思っていましたが、あとで考えると日本人相手の場合と意識することは変わらないなと。
私からコミュニケーションを取るように心がけていましたが、『最初は話しかけづらかった』『厳しそうだった』という声を後々聞きました。そこで、相手が本当にスッキリするまで『何か気になることや心配事はないか』『内容は伝わっているか』ということを繰り返し確認するよう意識しました。
そうすると、逆に向こうから相談や質問をしてくることが多くなったんです。信頼関係が成り立てば、隠し事をせずストレートにいろいろな話をしてくれたり、気になったことは教えてくれたりする。一緒に働いていたベトナムのメンバーは、超一流の技術者ばかりでみなさん地頭がものすごく良いんです。コミュニケーションを取れば取るほどそういった部分を感じたし、それぞれの得意分野も見えてきました。
関係構築まで時間はかかりましたが、こちらが知っている業務知識やクライアントの要望を伝え、解決方法を一緒に考えていくという流れができると、お互いがそれぞれの役割を理解して物事がとてもスムーズに進みだしました。相手を知り、得意なことを認識して、任せるところと自分がやるところを明確にしていったのがよかったのかなと思います」
長く、そして楽しく働いていくために必要なこと
これまでの経験を通して得られた、仕事を円滑に進めるためのポイントがあると語ります。
「役割の上ではSEがいくら頑張ってもできることは限られているので、要求を取りまとめる段階で『クライアントは何をめざしているか』『クライアントが本当は何をしたいのか』ということを正しく把握して合意すること。そして、要求をどう実現させるかをきちんと考え確認することがスムーズに仕事を進める一番の秘訣だと思います」
高橋がよくメンバーに言っているという例え話があると言います。
「たとえば、大阪のクライアントから『北海道に行きたい』と相談があったとして、すぐに『北海道への飛行機のチケット、手配しましょうか?』と提案するのではなく、『北海道に行って何がしたいんですか?』と、もう一歩二歩踏み込んでみる。
その答えが『美味しい味噌ラーメンが食べたいです』『動物園でペンギン見たいです』であれば、『大阪でも美味しい北海道の味噌ラーメンが食べられるお店がありますよ』『近隣の○○動物園ならペンギンに会えますよ』といった提案も可能になり、『北海道に行かなくても大阪で日帰りで全部行けますね』というコミュニケーションができれば、クライアントも開発ベンダーもみんなが幸せになれますよね。
クライアントの『北海道に行きたい』という希望は、単純に美味しい味噌ラーメンのお店やペンギンのいる動物園がじつは近くにもあるということを知らないだけで、それを教えてあげるとクライアントも僕らもみんな幸せになれるという話をしています」
他にも、メンバーから相談を持ち掛けられたとき、高橋はこう伝えるようにしています。
「メンバーからの将来を見据えた相談で『どんな技術を身につけたらいいか』『どの言語を勉強したらいいか』と聞かれることがありますが、今後ずっと安泰な言語というのはないと思っています。最新のAI技術を勉強すれば食いっぱぐれないかというとわからない、それよりも自分でいろいろなことに興味を持ちましょうと話しています。
興味を持ってアンテナを広げ、いろいろなものを吸収できれば、それが自分自身の知識にもなりますし、武器にもなります。興味を持ったことであれば、仕事も楽しくなると思います。
もちろん、清濁合わせ持ってどうしてもやらないといけないこともあるので、すべてを楽しめるわけはないとは思うのですが、やらないといけないことを嫌々やるよりも楽しんでやったほうが絶対うまくいきます。
そして、少しでも楽しんでできることを増やすためにも、アンテナを広げていろいろなことに興味を持つようにする。その結果が自分を楽にして、成長し続けられる秘訣なのかなと思ってメンバーにも話していますし、僕自身もそう心がけています」
終始笑顔で、楽しそうに仕事の話を聞かせてくれた高橋。広い視点でいろいろなものに興味をもつことを意識しているからこそ、顧客への提案やメンバーとの会話にも幅が出ているということを、これからも言葉だけでなく姿勢で見せていきます。
※ 記載内容は2023年6月時点のものです
