好奇心が導いた、ものづくりへの最初の一歩
私は幼いころから「やってみたい」と思ったらすぐに動くタイプで、ピアノ・水泳・バスケットボールと、いくつも習い事をしていました。特にバスケットボールは小2から中3まで、気がつけば長く続けていました。自分が努力した分、結果につながる感覚が好きで、辛い練習にもくじけず頑張ってきました。
小学生のころから図工の授業では立体物づくりが好きで、手を動かすことはもともと得意だったと思います。転機は中学生のとき、技術の授業で取り組んだラジオづくりでした。基板に部品をはんだ付けして音が鳴った瞬間、「自分の手で動くものを作るって、すごく面白い」と感じました。こうした経験から工業高校の電子科に進むことを決めました。電子科のクラスは女性が少ない環境でしたが、そのぶん結束は強く、楽しい学生生活を送ることができました。部活動では弓道部に所属し、県の総体で2位になったことも高校時代の良い思い出です。毎日の朝練はきつかったけれど、狙いを定めて一本に集中した経験は、仕事の集中力を保つことにも繋がっているのではないかと思います。
初めての業務を経て、“次に挑戦したいこと”を見つけた
就職先を考える中で、母からアルプスアルパインを勧められ、企業見学やインターンに参加しました。現場の空気を肌で感じて「ここなら学校で学んだ電子の知識を活かせるし、成長できそう」と思えたこと、そして地元である福島県いわき市で働けることが背中を押し、就職を決意しました。 入社後は、1年間の実習を経て、スマートフォンのカメラに使用される製品を担当することになり、工程ごとに外観検査などを行う検査員としての業務に就きました。自分が担当になる工程ごとに良品と不良品の特性を覚えるのは大変でしたが、しばらくすると良品か不良品かの区別が曖昧な時に、自分に判定を任せてもらったり、不良品が出てしまった際には、製品の選別作業を任せてもらったりしました。1年ほど経過するころにはリーダーを務め、派遣スタッフの方への指導係なども経験し、担当範囲が広がるにつれて、責任の重さとやりがいを実感していきました。業務に慣れてきたころ、もともと高校で勉強していた電子や機械に興味があったこともあり、次は製品のみならず、製造設備に関わる仕事もしてみたいと思い始めました。そんな折、上長に「設備に関わる仕事がしてみたい」と正直に伝えてみたんです。少し勇気がいりましたが、おそらく、それがきっかけの一つとなり、後に設備保全の業務に携わることができました。
現場で鍛えられた“判断力”と“伝える力”
現在は、小名浜・平製造部1グループに所属し、 設備保全を行っています。以前の検査業務でも扱っていたスマートフォンのカメラに使用される部品を製造する設備の保全を担当しています。約100台ある設備の月次点検、定期メンテナンス、作業手順書の作成・更新などを行っています。稼働している設備の状態は、PCのアプリでリアルタイムに可視化されています。稼働中に異常が発生すると、作業者がアプリ上で報告してくれるので、私はすぐに現場に向かいます。どこに異常が起きているのか、問題の大きさを見極め、迅速に対処する必要があります。以前の検査経験で培った「不良の見極めや原因分析を行う力」は、設備の異常を見立てるときにも確実に活きていると思います。
初めは分からない事だらけでしたが、先輩が教育してくださり、一つずつ学んでいきました。最初は忙しそうな先輩につい遠慮してしまい、分からないことがあってもすぐに質問できない場面もありました。そんな様子に気づいてくれた先輩が「何でも聞いてね」と優しく向き合ってくれて、今では不明点はすぐに解決し、業務に取り組むことができています。 作業手順書の作成・更新の業務では“新入社員が見てもわかるように作る”ということを意識しています。ベテラン社員が当たり前に使っている専門用語も、初めての人には難しい。だから私は、一つ一つの作業の意図や、つまずきやすいポイントを言葉にして、誰が読んでも同じ手順を再現できるよう、心がけています。簡単そうに見える作業ほど文章での説明が難しいんです。それに気づけたことも、今の設備保全の業務で得た大事な学びです。
設備保全は常に緊張感があり、集中力が求められる仕事です。だからこそ気持ちを整える時間も大切にしています。そんな日々の中での気分転換は、昔から大好きなテーマパークに行くこと。家族や友人と一緒に訪れることが多いです。季節ごとに変わる園内の雰囲気が大好きで、時間を忘れて楽しみ、「また明日からも頑張ろう」と前向きになれます。私にとって大切なリセットの時間です。
技術の“内側”へ踏み込み、頼りにされる技術者へ
これからの目標は、現在行っている設備保全の業務を、「私に任せれば安心」と周囲に思ってもらえるレベルまで引き上げること。トラブルが起きても、根本原因を捉え、速やかに復旧まで導ける人になりたいです。さらに将来的には、高校で学んだ電子系の知識を生かし、設備関連のシステム開発など、技術の“内側”に踏み込む仕事にも挑戦してみたいと思います。以前、設備プログラムを設計している製造技術の方々と一緒に仕事をしたときに、「自分が設計した設備が動いて製品を作るということは、すごく達成感があるし、面白そう!」と思い、私も目指したいと思いました。
私個人の課題としては、コミュニケーション能力を磨きたいと思っています。自分から人に話しかけるのが得意な方ではありませんが、業務の相談だけでなく、私生活の事、趣味の話などから関係を育てていくように心掛けています。周りにいる先輩方のように、私も「困ったときには古川さんに相談してみよう」と思われる存在になりたいです。
技術への探究心、丁寧に伝える姿勢、人との関係を自分の手で築いていく勇気。これらを積み重ねて、いつか私が関わった設備で、誰かの日常を支える製品づくりに貢献したいと思っています。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
