一筋縄ではいかなかった3年間
私は現在入社4年目なのですが、現在所属しているデータソリューションカンパニーが3つめの部署となります。
入社後最初に配属されたのはIoT製品の設計を行う部署で、海外の重工業メーカーに納める予知保全用センサを担当していました。当時、それほど得意ではなかった英語でのお客様とのやり取り。コミュニケーションがうまくとれず、認識の齟齬が出てしまいお客様にご迷惑をかけることもありましたが、英語ができないと泣き言を言っても何も解決しないため、必死に勉強してなんとか乗り越えました。会議の内容を再び聞き直すなど時間を要する進め方にはなってしまったものの、そこで踏ん張ったからこそ今の自分があるのだと思います。
入社3年目には、所属していた部署が他の部署と合体し少し大きな部隊に。そこでは、何社かのお客様と新しい製品・サービスを一緒に作り上げる仕事をしていました。どれもがおもしろい製品やサービスなのですが、まだ公表されていない製品のため詳しくお話できないのが残念です。
新しい製品を作り上げることは大変なことで、失敗を通してたくさんのことを学びました。たとえば、あるお客様と新製品を開発中、ソフトウエア関係の開発を初めて担当したときのことです。知識の不十分さから、OSごとの仕様の違いを意識しなかったためにうまく作動せず、お客様からご指摘を受けてしまいました。今思えば、慎重さが足りなかったように思います。
たとえ相手がお客様でも、疑問に思ったことはすぐに挙げること。そして、一つひとつ検証して慎重に進めていくことが結果近道になるということは、教訓として自分の中で生きています。
お客様の潜在ニーズと向き合う新カンパニー
2023年4月より、当社に「データソリューションカンパニー」という社内カンパニーが誕生しました。当社のセンサ技術を活用することで、これまでデータ化が困難であったり、データ収集に手間を要していたりした情報を容易に取得できるようにし、加えてデータの集約・分析などにより社会全体の課題解決につなげるサービスの展開を目的としています。
たとえば、当社製品のひとつにアナログメータ監視モジュールという、アナログメータに取り付けデータを数値化するモジュールがあります。この製品により、今まで人が一つひとつのメータ数値を測定しデータ収集しなくてはならなかった作業を、一括でデータ収集できるようになりました。
ただ、従来の当社はこれを製品ラインナップの一つとしてお客様に伝えるだけでした。一方で、私が所属する新カンパニーではニーズありきで提案します。たとえば、お客様の困り事を聞いた上で、ソリューションのひとつとして最適だと思えばアナログメータ監視モジュールを提案します。そして、収集すべきデータ、収集したデータの見やすい表示方法、データの活用方法にまで幅広くお客様と一緒に検討していきます。
私は、このデータソリューションカンパニーに設立と同時に異動してきました。この部署での業務内容は、部品や車載製品など「モノ」ではなく、ソリューションという「コト」を提案・提供することです。お客様から発せられる要望の一歩先や、お客様自身も気づいていない潜在ニーズを探り、一緒に解決することをめざします。
潜在ニーズを探るとひと言で言っても、そのためには頭も、足も使います。所属してまだ3カ月ほどですが、何度もお客様のもとへ通い、信頼関係を築きながらヒアリングを重ね、お客様の気持ちに寄り添ってどうしたらお客様の役に立てるかを探っています。
過去の自分の仕事を振り返ると、思考がつい技術中心になってしまいユーザー視点のものづくりができていなかったと反省することもありますが、現在の仕事はユーザー中心の考え方が強く求められるので、今までとは違うおもしろさがあり、やりがいがあります。
同僚は、社会人経験が長く多角的な視点から考察できる先輩方がほとんど。その中で、唯一の20代として若者ならではの視点を取り入れながら、日々お客様の困り事と向き合っています。
好きだから苦にならない。「考える」が中心にある日々
じつは、データソリューションカンパニーにおけるセンサにより収集したデータを活用したソリューション提供という業務のほかに、2つの「新しいことを考える」場所を持っています。
1つは社内の有志活動です。若手メンバー数名で新しいビジネスを考え、実現化をめざしています。現在は子ども向けのビジネスを検討中で、子育て中の社員にヒアリングをしながら、お父さんお母さんの困り事に対するソリューションを考えています。これが成功したら、当社にとって新しい市場とお客様を開拓できるのではないかと期待しています。
もう1つは、ある大学でのプログラムです。「デザイン思考」を学ぶため、1年間大学に通っています。デザイン思考とは、今まで当たり前だったものにとらわれないユーザー中心の課題解決方法を考える思考方法です。前期は同大学院1年生と一緒に机を並べ授業を受けていたのですが、8月からは当社メンバーがメンターとして生徒に課題を与えて授業を行う予定です。
現在は、大学院生と一緒にデザイン思考を用いて訪日外国人のオーバーツーリズムに対する新しいソリューションを考えています。外国人観光客や、外国から多くの観光客が訪れる浅草付近に住む日本人にインタビューを行い、課題をピックアップしてアイデア出しをしています。
コロナによる閑散期がひと段落したと思いきや、オーバーツーリズムという新たな課題が現れ、観光客当事者も観光地周辺の人も困り事を抱えています。彼ら、彼女らの問題を解決し、お互いが楽しめる観光地づくりをめざし、日々頭を絞っています。
このように、日々新しいことに思考を巡らせているので、寝る直前までアイデアを考えてそのまま寝落ちするなんてこともしばしばあります。考え続ける大変さはありますが、苦痛に思ったことはなく今の部署や生活にはとても満足しています。新しいものを創造することが好きという気持ちと、自分が生み出したもので誰かに笑顔になってもらいたいという気持ちが原動力です。
考えるという作業においては、自分の好奇心が旺盛で多趣味なところが役立っていると感じます。趣味は、洋服やカメラ、クルマ。あとは、就職して宮城に来てからサーフィンも始めました。私の仕事は、携わる人や業界がその時々で変わるので、これからもさまざまなことに興味を持って挑戦し、視野を広げていきたいと思います。
多くの人の幸せの一助になること。それが、自分と会社の成長への道
私は入社したときに「株価をぶち上げる!」と所信表明をしました(笑)。しかし、現在は株価についてそこまで重視していません。もちろん、会社として株価は重要だとは理解していますが、アルプスアルパインがどれだけ社会課題に向き合えるか、そこに自分はどう携われるかということの方が私にとって重要なんです。
自分自身の働く目的についてもそう。お金を稼ぐことよりも、社会に貢献しながら楽しく働けられることを重視しています。
学生時代、祖母が晩年に認知症を患い、加えて骨折をしたり膝を悪くしたりして動けなくなり、自由が少なくなっていく姿を目の当たりにしました。少子高齢化が進む今、祖母のように病気やケガに自由を奪われ、悲しい想いを抱える高齢の方が増えることが懸念されます。そんな悲しみを少しでも減らすため、アルプスアルパインの強みであるたくさんのコア技術と、私の武器である考えることが好きという気持ちを組み合わせて、高齢者の方を笑顔にできるような製品・サービスを生み出していきたと思っています。
また、高齢者だけの話に止まりません。自分のアイデアを通して、子どもや病気・障がいがある方たち。どんな人でも、みんなが幸せになれるような社会を作る一助になりたいと思っています。
そして、アルプスアルパインが社会課題に対して貢献している魅力的な企業だということを、自分が生み出した製品やサービスを通して広く伝えていきたいと思っています。そうすれば株価もついてきて、入社時の目標も達成できるのではないでしょうか。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです
