テクノロジーとビジネスの架け橋として
私は現在、Upstage AIでエンタープライズプロダクト総括責任者として、最新のテクノロジートレンドと企業ニーズを結びつける仕事をしています。具体的には、UpstageのAI技術と市場インサイトを活かし、クライアントの要望に合わせた製品開発を推進しています。
実際の業務では、シニア・テクニカル・プログラム・マネージャーとしても活動しており、製品チーム、AI技術チーム、エンタープライズソリューションチームなど、複数の部門間をつなぐ役割を担っています。開発パイプラインの安定化やボトルネックの解消など、プロジェクト全体の円滑な進行をサポートすることも重要な責務です。
私が常に大切にしているのは「『Connecting the dots』(点と点をつなぐこと)」という考え方です。長期的な計画に縛られすぎるのではなく、目の前の仕事を一つ一つ丁寧にやり切ることを心がけています。テクノロジーの目標とエンタープライズ向けのユースケースを結びつける「橋渡し役」として、日々新しい価値の創造に取り組んでいます。
大手企業からAIスタートアップへ ─ 転機となった決断
ソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートし、NAVERでは機械学習とソフトウェア開発を組み合わせたプロダクト開発に携わってきました。その間、HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の分野で研究論文を共同執筆する機会にも恵まれ、5~6本の論文を発表することができました。
その後、Appleに転職し、韓国における技術パートナーシップを担当することになりました。政府機関や通信会社、スタートアップ企業との連携を推進し、Appleの技術普及に努めるとともに、ハードウェアとソフトウェアの両方にまたがる戦略的なプロジェクトを進めてきました。
しかし、AI技術が急速に進化する中で、より最前線で仕事がしたいという思いが徐々に強くなっていきました。また、Appleでは研究発表に制限があり、論文執筆の機会が限られていたことも、転職を考えるきっかけとなりました。「今このタイミングでAIの世界に飛び込まなければ、一生後悔するかもしれない」という危機感も感じていました。
そんな中で出会ったのがUpstageでした。最先端のAI技術に携われることはもちろん、研究者としても、そしてプロダクトリーダーとしても成長できる環境が整っていることに魅力を感じました。これまでのキャリアで培ってきた経験のすべてを活かせる転機になると確信し、安定した大企業の道を離れ、急成長するAIスタートアップへと飛び込む決断をしたのです。
スタートアップでの挑戦と変化
Upstageに入社してから、最も印象に残っている成功体験は、タイの企業と取り組んだタイ語言語モデルの開発プロジェクトです。このプロジェクトは、当社にとって初めてのグローバル収益案件という意味でも大きな挑戦でした。私は終盤に深刻な問題が発生した際にリーダーとして参画することになりましたが、2カ月という短期間で課題を解決し、無事にプロジェクトを完遂することができました。この経験を通じて、以前の職場では味わえなかったような大きな責任と裁量を実感しました。
また、とくに注力したのが社内の開発体制の改善です。プロダクト部門、AI技術部門、エンタープライズソリューション部門の間に存在していた構造的なボトルネックを特定し、より効率的な開発プロセスを確立しました。
Apple時代のパートナーシップ構築やステークホルダー対応の経験、NAVERで培ったソフトウェア開発の基礎知識も、技術的な判断を下す際の重要な基盤となりました。
大企業からスタートアップへの環境の変化は大きな挑戦でしたが、それは同時に自分自身の成長機会にもなりました。研究活動を再開できたことも、私にとって大きな喜びとなっています。
グローバルで戦えるチームを作り、持続可能な成長をめざす
短期的な目標として、日本市場での本格的なエンタープライズ顧客の獲得に注力していきたいと考えています。これは、Upstageが日本で事業を拡大していく上で重要なマイルストーンとなります。中長期的には、韓国市場で築いたような強固な地位を日本でも確立することをめざしています。
とくに力を入れたいのは、少人数のチームで大きな収益を生み出せる、効率的なビジネスパイプラインの構築です。スタートアップとしての機動力を維持しながら、持続可能な成長を実現することが私たちの課題です。
またUpstageの大きな魅力は、個人の目標と会社の目標が見事に調和している部分です。一人ひとりの意思が尊重され、望む方向への成長が奨励されています。AI研究者やソリューションアーキテクト、テクニカルプログラムマネージャーなど、さまざまな専門性を持つメンバーから学べる環境も魅力の一つです。
今後は、この変化が激しい環境に適応するテクノロジーへの好奇心と適応力はもちろん、グローバルなチームとして共に歩んでいくために必要な、オープンマインドやリスペクトを持った人にぜひジョインして欲しいです。互いを尊重し合いながら、AIの未来を共に創造していける仲間を心待ちにしています。

