品質へのこだわりと挑戦を大切にする車載ソフトウェア開発の現場
私が所属する部署のミッションは、これまで培ってきたノウハウを活かして開発プロセスをスマートかつ効率的に進化させるサービスを提供し、お客様業務の変革を支援することです。日々、このミッションを胸に業務に取り組んでいます。
現在の私の主な業務は、車載ECUの組込ソフトウェア開発をお客様から受託することです。製品の開発プロセスに準拠しながら、ソフトウェアの要件定義から設計、コーディング、テストまでを一気通貫で対応しています。また、私のチームはプロジェクト推進の役割も兼ねており、関係部署を含めて納期までに品質を落とすことなく製品を納入できるように、日程調整やリスク管理、進捗管理を行っています。
組織的な役割としては、車載ソフトウェア開発の受託業務全4チームのうちの1チーム、約10名のリーダーとして各メンバーが担当するプロジェクトの進捗管理、品質保証、リソース管理、そしてお客様との日程調整を担当していました。現在は事業所責任者として、約40名の事業所メンバーのマネジメントと売上管理という、より広い範囲での責任を負っています。
仕事をする上で私が何より大事にしているのは、品質を第一に考えることです。私たちが開発している組み込みソフトウェアは製品の一部品にすぎませんが、その品質がエンドユーザーの満足度に直結することを常に意識しています。そして、私のモットーは「何事もまずは挑戦すること」です。このモットーは、私のキャリアを形作ってきた大切な価値観となっています。
運用保守からものづくりへ──挑戦を求めて決断した転職
前職では、銀行系のDBサーバの運用・保守を担当していました。24時間3直交代勤務という特殊な環境の中で、直責任者としてサーバ監視オペレータの業務を取りまとめ、サーバ稼働スケジュールを管理する役割を担っていました。通常時はサービス提供スケジュールに合わせたサーバの起動作業、処理負荷や容量の監視、サーバ終了作業といった日常業務を行い、トラブル発生時にはサーバ障害の復旧対応やサービス終了後のバックアップ処理、災害発生に備えたBCP対応など、銀行システムという社会インフラを支える重要な業務に従事していました。
この仕事を通じて、システムの安定稼働を守ることの責任の重さを実感していました。サーバー保守という仕事は、すでに作られたプログラムを運用・監視する業務です。もともとJAVAプログラミングのスキルを持っていた私は、自身のスキルを活かし、効果や成果が目に見えるものづくりに挑戦したいという思いが強くなっていきました。そんな時、前職の同僚からの社員紹介でトランスコスモスを知りました。やりたかったものづくりの領域に多数の取引先を持ち、海外へもグローバル展開している企業だと知り、学べることが多く今までにない経験を積めると考え、転職を決断しました。新たな挑戦への期待を胸に、私は次のステップへと踏み出したのです。
トランスコスモス に入社後、ある出来事が私の中に変化をもたらしました。遠方のECU工場の生産ラインで発生したエラーの解析をお客様から任せていただいた際のことです。ハードウェアの知見がなく、当初は大変苦労しました。回路図の見方を一から調べながら、スイッチングハーネスを作成したり抵抗をはんだ付けしたり、試行錯誤を重ねながら工場ラインを模擬した環境を立ち上げました。その環境を使ってソフトウェアの観点から原因を特定し、問題を解決することができたのです。この経験を通して、未知の領域でもやればできる、そして挑戦するからこそ成長できると実感しました。
受託化の成功と失敗から学んだプロジェクト推進の本質
現在の業務における最も大きな成功体験は、組み込みソフトウェア開発業務の受託化を実現できたことです。これは単なる契約形態の変更ではなく、お客様との信頼関係を構築し、より価値のあるサービスを提供するための重要な転換点でした。受託化を進めるにあたって、私は委託する側と受託する側、双方の視点に立って考えることを心がけました。お客様が納得して業務を発注できるよう、要件定義を丁寧に行い、透明性の高いコストテーブルを作成して提案しました。この取り組みが実を結び、2021年に受託化を成功させることができました。お客様からの信頼を獲得し、より責任のある立場で業務を遂行できるようになったことは、大きなやりがいとなっています。
一方で、プロジェクト推進において痛感させられた失敗もあります。ある案件で、ソフトウェア領域内の各チームの保証範囲を十分に理解しないまま開発をスタートさせてしまったのです。プロジェクトが進行し後工程に入った段階で、どのチームも保証対象外となっている領域で不具合が発覚しました。この時は本当に焦りましたし、自分の確認不足を強く反省しました。関係者全員で緊急対応を行い、なんとか問題を解決することができましたが、この経験は私にとって大きな教訓となりました。それ以降、プロジェクトを推進する際には、必ず製品全体の保証範囲と関係者の役割を明確に把握してから進めるようにしています。
入社後を振り返ると、前職と比べて自分が大きく成長したと実感しています。特に、お客様と直接折衝する機会が増えたことで、コミュニケーションスキルが飛躍的に向上しました。お客様の要望を正確に汲み取り、それを技術的な要件に落とし込んでいく力が身についたと感じています。また、マインド面でも変化がありました。お客様目線でどういったサービスを求められているのかを常に考え、要求以上の成果を提供できるよう努力する姿勢が自然と身についてきました。前職で培ったスケジュール管理能力やリスク管理能力は、現在のプロジェクト推進において確実に活きています。これらの基礎力があったからこそ、新しい環境でも着実に成果を上げられているのだと思います。
組込技術の専門性を磨き、自律的に成長するチームを目指して
今後の展望として、まず短期的には車載系の一部品だけでなく、これまで培ってきたノウハウをさまざまな製品に横展開していきたいと考えています。一つの分野で積み上げてきた技術やマネジメントの経験は、必ず他の製品開発にも活かせるはずです。そうすることで受託規模を拡大し、より多くのプロジェクトに関わっていけると信じています。
中長期的な目標としては、現在担当しているアカウントの受託規模をさらに拡大し、課として取りまとめていく立場になることを目指しています。そして、その課をリードしていく存在になりたいと考えています。そのために今まさに取り組んでいるのが、後継者の育成です。自分一人でKPIを管理するのではなく、チームメンバーが自律的にKPIを回せる体制を構築することが何より重要だと感じています。
具体的な取り組みとしては、業務内容を整理してマニュアル化し、ノウハウを組織の資産として蓄積しています。また、毎日予定工数と実績工数を振り返り、売上改善や利益率向上に向けた業務改善につなげるマネジメントサイクルを設定して継続的に取り組んでいます。こうした地道な活動の積み重ねが、自律的に動けるチームづくりにつながると考えています。
将来的には、組込分野に専門性を持ち、継続して業務改善に取り組める競争力のある組織を作っていきたいです。AIなどの最新デジタル技術や日々蓄積される技術ノウハウがあり、資格奨励金制度も整っているこの環境は、組み込み開発未経験者でも成長できる場所です。
入社を検討されている方には、ぜひ新しい技術に興味を持ち、それを周囲に発信できる姿勢を持ってほしいと思います。そして、目標に向かって粘り強くチャレンジを継続できる方に、ぜひジョインしていただきたいです。責任感を持ち、他者との連携を大切にしながら、何事にも興味を持ってチャレンジできる方であれば、必ず活躍できる環境が整っています。一緒に組込技術の可能性を広げていきましょう。

