天井走行搬送システムの制御開発と品質保証へのこだわり
私は現在、エンジニアリングトランスフォーメーションサービス本部に所属し、組込開発における設計業務や検証業務の品質保証をミッションとして日々業務に取り組んでいます。具体的には、天井走行搬送システムの搬送制御開発を担当しており、上位工程から下位工程まで、設計、実装、検証の全工程に携わっています。
このシステムでは、数百のビークルが同時に稼働します。それらが安全に、そして効率よく搬送できるように制御設計を行うことが私の主な役割です。チームリーダーとして、設計内容をお客様と協議しながら、最適な搬送制御を実現するための設計を進めています。同時に、チーム全体の調整やメンバーへのアドバイス、ナレッジの構築など、業務改善にも積極的に取り組んでいます。
仕事をする上で私が最も大事にしているのは、品質保証です。もちろんお客様の要件を満たすことは重要な位置づけですが、安全性や品質面が保証できない場合は、お客様と協議して要件の見直しを行うこともあります。この姿勢を持つようになったきっかけは、過去に流出不具合が発生した業務での経験です。その際、原因究明や解決策の検討、対策に大きく時間を要したことがありました。目視確認などには限界があるため、不具合を出さない仕組みづくりこそが大事であると実感したのです。
お客様と要件を協議する際には、まず聞き役に徹することを心がけています。お客様が求めている真の要件を理解するために、本当に実現したいことをQAやミーティングを通してしっかりとヒアリングします。その上で、本当に実現したいことと品質保証できる点をお客様と一緒に考えていくのです。
チームリーダーとしてメンバーと接する際には、業務説明や依頼内容を伝えるだけではなく、その背景も必ず伝えるようにしています。メンバーが業務の意図や意義を理解して取り組むことができるからです。メンバー自身が考えて行動できるようになることを目指して、日々コミュニケーションを大切にしています。
多様な技術領域に挑戦し続けた、学びと成長のキャリア
入社直後から私は、光電話通信端末開発に携わることになりました。主に検証業務と開発業務に従事する中で、Linuxの知識やネットワークの知識を一から習得していきました。この経験が、その後の私のキャリアにおける大きな基盤となったのです。技術者として必要な基礎知識をしっかりと身につけられたことは、後々の業務対応において何度も助けられることになりました。
次に担当したのは、リアカメラのセンシング開発でした。具体的にはオプティカルフロー制御を担当することになったのですが、正直なところ画像処理や画像解析の知識は全くありませんでした。未知の領域に飛び込むことへの不安はありましたが、業務を成し遂げるためには必要な知識です。そこで一から画像解析を勉強し、業務に活用できるレベルまで習得度を上げることに全力を注ぎました。あきらめずに取り組んだ結果、最終的には業務を成し遂げることができたのです。
その後、AGL準拠のプラットフォーム開発にも携わりました。ここでは無線通信部分とエアコン部分を担当し、また新たな技術領域に挑戦することになりました。そして四つ目の大きなプロジェクトとして、半導体工場向け天井搬送システムの高周波電源装置に関わる仕事を経験しました。温度電力監視モニタアプリの要件定義から結合テストまで、開発の一連の流れを担当したのです。
こうして振り返ってみると、私のキャリアは常に新しい技術領域への挑戦の連続でした。知らない分野に直面するたびに、必要な知識を一から習得し、業務に活かせるレベルまで引き上げる。その繰り返しが、技術者としての私を成長させてくれたのだと実感しています。
顧客の潜在ニーズを引き出したシステム開発と、課題解決で学んだ慎重さ
私にとって最も印象に残っている成功体験は、バーコードリーダーを利用した出荷パレット情報のデータ照合システムの開発です。この案件では、要件定義からシステム検証まで、すべての工程を一貫して担当させていただきました。完成したシステムにより、お客様の毎月の工数を約70時間も削減することができ、高い評価をいただくことができました。納品後も不具合はなく、今も継続してご使用いただいているのは、技術者として大きな誇りです。
このプロジェクトで特に印象に残っているのは、お客様との直接的なやり取りの中で、潜在的なニーズを引き出せたことです。当初、お客様からの要件は「バーコードリーダーを使用して効率化してほしい」という、比較的簡易的なものでした。しかし私は、照合結果などをデータベースに保存して後から確認できるようにした方が良いのではないかと提案しました。お客様からも同意していただき、想定していなかった機能を追加することで、満足度をさらに向上させることができたのです。お客様から直接評価をいただけたことが、何よりのやりがいとなりました。
一方で、現在担当している天井搬送システムの搬送制御開発では、多くの苦労を経験しています。主に課題解決対応を行っているのですが、課題内容が多岐にわたるため、原因を特定するには全体的な処理の流れや仕組みについての理解が必須であり、難易度が高いのです。また、目の前の課題解決だけではなく、影響範囲を考慮した解決が求められているため、より慎重な対策が必要となります。
実際に、影響範囲の調査不足により根本解決できていなかったこともありました。この経験から、デザインレビューの方法を変更したり、有識者への相談を強化するなど、改善に取り組んでいます。前事業所での経験、特に流出不具合が後工程で発覚すると大きく工数がかかってしまうという苦い経験が活きています。上流工程で不具合を混入しないようデザインレビューを強化するなど、品質保証につなげる取り組みを行っているのです。業務上で知識が不足しているときも諦めずに、積極的に知識習得を行うことで課題解決に導く姿勢は、前職から培ってきたものです。
お客様目線で考え、チャレンジし続ける仲間へのメッセージ
短期的には、担当しているお客様の業務拡大に力を入れていきたいと考えています。具体的には、工場内の電流量や稼働状況をIoTを活用して取得し、予防保全するためのスマートメンテナンス開発を推進していきたいです。取得したデータを仮想環境で確認し、故障になる可能性をシミュレーションすることで、保守工数の大幅な改善が見込まれると考えています。これはお客様の業務効率を飛躍的に向上させる取り組みになるはずです。
中長期的には、バックオフィスの業務など部内のDX推進を行っていきたいと考えています。まずは、現場のメンバーが困っていることなどをヒアリングして現場のDXを実施し、その経験を活かしてお客様にDX提案を実施することで業務拡大を行っていきたいです。そのために、ネットワークの知識は必要不可欠になりますので、現在はネットワークの勉強を行っています。
これまでのキャリアを振り返ると、新しい業務に携わった際、今までの知識では太刀打ちできないこともありました。ただ、他のメンバーや上司と相談、連携することで乗り越えることができています。だからこそ、これから入社される方には、気負わずにチャレンジしてほしいと思います。
この会社で働くには、常に勉強が必要になります。現状に甘えずに新しいことに取り組んで知識の向上を目指していく必要があることを理解しておいてほしいです。私たちが求めているのは、お客様のことを第一に考えて開発やサービス提供できる人です。お客様からの要望は表面的な内容であることが多いため、根底にあるお客様の要望を実現するには、とことんお客様目線で考えて行動する必要があります。未経験の業務を担当することも多いので、変化を恐れずにチャレンジできる人と一緒に働きたいと思っています。

