サッカー部キャプテンの経験が教えてくれた、誰も置き去りにしないリーダーシップ
私は外国語大学で英語と言語学を専攻していました。実は英語の先生になって、サッカー部のコーチをすることをめざして入学したんです。もちろん勉強にも力を入れていましたが、それ以上に注力していたのがサッカー部での活動でした。
サッカー部ではキャプテンを務めていました。ただ、この役割は想像以上に難しいものでした。部員の中でサッカー経験や実力の幅がとても広くて、目標設定やモチベーション維持が簡単ではなかったんです。経験豊富な選手もいれば、大学から始めた選手もいる。そんな多様なメンバーを一つのチームとしてまとめていく必要がありました。
私が常に心がけていたのは、プレーでも運営でも自分が先頭に立ってけん引することでした。でも同時に、誰も取り残さずに背中を押してやらなければという思いを強く持っていました。実力差があっても、全員が同じ目標に向かって進めるチームにしたかったんです。
就職活動では、英語を話して広い世界にチャレンジしたいという軸で企業を探していました。この思いが芽生えたのは、留学中に訪れたマンハッタンでの経験がきっかけです。さまざまな人種の人たちが一緒にイキイキと働いている姿が、強烈に輝いて見えました。そんな世界に自分も挑戦したいと思うようになったんです。</p><p>そこでめざした
そこで目指したのが商社でした。商社で働く人たちのアクティブで広い世界に挑戦する姿、自分の仕事にコミットしてとことんまでやり切る姿、そして完全に振り切って遊ぶところに強く憧れました。そんな生き方をしたいと思い、商社への就職をめざすことにしたんです。
ネパール、パプアニューギニア、ドバイ。世界を舞台に積み上げた実践の日々
2006年の入社後、最初に配属されたのは南西アジア地域でした。ネパールとブータンのマーケティングや出荷を担当することになったのですが、当時のネパールは政変で国が大混乱している状況だったんです。現地とのコミュニケーションもままならない中、なんとか電話でやり取りをしながら業務を進めていきました。想像していた以上に厳しい環境でのスタートでしたが、これが私のキャリアの原点となりました。
その後、2009年からはパプアニューギニアを中心とした南太平洋市場の担当となり、翌年にはオーストラリアに駐在することになりました。資源に恵まれた美しい国であるパプアニューギニアですが、部族社会特有の難しさや未整備のインフラと格闘する日々でした。急成長する販売を実現するため、物流、決済、ITなどあらゆる問題に現地のメンバーと一緒に取り組みました。パプアニューギニアでは、ビジネスパーソンの基礎をみっちり勉強させてもらいました。
正直に言うと、入社当初は自分への期待と現実のギャップを感じていました。担当業務の仕組みを理解したつもりで準備をしてパートナーと話しても、理解が浅く相手とWin-Winとなるような交渉はできなかったんです。英語力もまだまだでした。そこで、豪州駐在時代には毎日英語のトレーニングを行いました。また、アカウンティングやファイナンスの理解が足りず事業経営の話についていけないことに気づき、独学で勉強したり、ビジネススクールに通ったりして知識を補っていきました。
2014年に帰国してからは、アフリカ市場の担当となりました。そこで最初に任されたのが、ドバイの砂漠にゼロからアフリカ向けの車両供給プラットフォームを作るという大きなプロジェクトでした。まったく何も知見がないところから現地パートナー候補探しを始め、灼熱のドバイで業者を周り、ビジョンを伝え、粘り強く交渉していきました。何とか開始にこぎつけて供給を始めた後も、大小の問題が続出しましたが、一つひとつ向き合って対応し、積み上げていったんです。今、ドバイのプラットフォームはアフリカ事業の根幹となるインフラにまで大きくなりました。
「ロジックでは人は動かない」失敗から学んだリーダーシップの本質
現在私はアフリカ本部のモビリティSBU(Strategic Business Unit)でグループリーダーを務めています。モビリティSBUとは、アフリカの現地販売代理店の販売活動を支える商品企画、マーケティング、供給を担う部門です。その中で私は全体の企画統括を担当する企画グループのグループリーダーとして、方針策定、人材育成、予算策定、アフリカ会議の開催などを主体的に進めています。グループが担当する業務の責任者として、進捗管理、問題発生時の対応、交渉などを行う立場です。
グループリーダーとしてのやりがいは、メンバーにチャレンジングな仕事を任せて、信じて最後までやり切らせて、そのたびに成長を見せてもらえることです。新卒で入社したメンバーも3カ月、半年と経つにつれてどんどん成長していく姿は本当に頼もしいです。仕事を任せる際には、なぜその仕事を任せるのかについて、その重要性を自分の言葉で伝えることを大切にしています。そして、その仕事を通じて何を身に付けてほしいか、なぜいまその仕事に挑戦してもらいたいのか、自分の考えを具体的にしっかりと伝えます。もう一つ意識しているのは、うまく進んでいなくてもすぐに軌道修正せずに、致命的にならない程度に失敗して気づきを得るまで口を出さないことです。
実は、こうしたリーダーシップのスタイルは、大きな失敗経験から学んだものです。フランス駐在中、アフリカ事業を拡大するために必要だと思っていた仕事を、自分のやり方、考え方で指示しても誰もついてきてくれませんでした。どうしてよいのかわからなくなり、そこまで行ってようやく自分を振り返り、客観的に見つめることになりました。このままでは何も成し遂げられないと気づき、相手の立場で見直して、目標、なぜそれをやりたいのか、何に困っているのかを話し合って理解しあうことで、驚くほど協力的になり、最後まで自分をサポートしてもらえました。
上司から「人はロジックでは動かない。人は周りからは変えられない、できることは気づきのきっかけを与えるだけ」と教えられたことも大きかったです。正しいロジックでは人は動かず、背景のストーリーから自分のミッションを伝える。そのうえで相手の考えること、困ることも話してもらい理解する。学生時代は自分が正しいことを言って、一番頑張り先頭に立って走り、周りを引っ張ればよいと思っていました。今は大きなチャレンジには仲間とお互いを理解し合い、一つの目標を共有し一緒に歩むことが必要だと理解しています。
自分の成長を実感する瞬間は、自分とは違ったタイプの仲間を作れた時です。自分の考えを押し付けて作った仲間ではなく、相手に自分のやりたいことを理解してもらい、相手を理解して、同じ一歩を踏み出せたとき。それが何よりも嬉しい瞬間です。
アフリカの未来を変えるために。志ある仲間と社会課題に挑み続ける
短期的には、アフリカの課題を解像度高く理解して、何をすべきか、そのために何ができるのかを本部メンバーとたくさん議論して次の戦略を作りたいと考えています。そのために、アフリカで1次情報に触れる機会を増やすことを意識しています。多様な側面のアフリカに触れるためアンテナを高く情報を収集し、広い視野と個別の事象をバランスよく見て、多くの人を巻き込んで一緒に考える機会を作っていくつもりです。
中長期的には、アフリカのモビリティ環境を改善するための仕事をしたいと思っています。アフリカには学びや仕事の機会に恵まれない多くの人たちがいて、今のままではそのような人たちも増え続けてしまいます。モビリティ環境の改善を通じてそんな社会課題解決に向けた一役を担っていきたいのです。具体的には、もっと多くのアフリカの人たちが今よりもいい生活ができると希望を持てる社会にすることです。誰でも必要なモビリティへのアクセスを得て、劣悪な環境の通勤に何時間もかけなければならず健康を損なったり、移動のコストが高くて勉強や仕事への機会、また医療へのアクセスが得られない人を減らすことをめざしています。
こうした大きなチャレンジに向かっていくため、もっと多くの多様な人たちをまとめて大きな力として前に進んでいくリーダーシップを身に着けたいと思っています。これが今の私に足りないと感じているスキルです。
最後に、採用候補者の皆さんへメッセージをお伝えしたいと思います。豊田通商では、世界中でいろいろな社会課題に挑戦し、将来の子どもたちにより良い地球を残すための仕事にチャレンジすることができます。一緒に挑戦する仲間たちが待っています。志をもって入社してもらえれば大きくビジネスパーソンとして、人間として成長できる環境です。素直で、前向きで、チャレンジ精神がある人、社会課題の解決を通じて一緒に豊田通商を次元上昇させていける人にぜひジョインしてもらいたいです。冷静に状況を判断しつつ、チャレンジ精神をもち、現場でリアリティを感じて、大胆に行動できる人と一緒に働きたいと思っています。

