考古学から商社へ。「アフリカに強い」豊田通商との運命的な出会い
私は学生時代、文学部の考古学コースに所属していました。数ある歴史系の学問の中でも考古学を選んだのは、第一に歴史に興味があったこと、そして手触り感のある学問として魅力を感じたからです。ただ年表を覚えるだけではなく、実際に遺跡や遺物に触れながら過去を紐解いていく作業は、私にとって非常に刺激的でした。
専攻は東南アジア考古学で、現地調査にも赴きました。印象に残っているのは、現地のスタッフとのコミュニケーションです。最初は言葉の壁もあってうまくいかず、歯がゆい思いをしていました。しかし調査を経るにつれて、言葉を超えて友人となることができたんです。この経験は、異文化の中で人と関わることのおもしろさを教えてくれました。学業と並行して、塾講師のアルバイトでは小学生から高校生まで幅広い世代の生徒を教えていました。
グローバルに活躍したいという思いを持ち始めたのは、中学時代に沢木耕太郎の「深夜特急」という小説を読んだことがきっかけです。漠然と海外への憧れを抱くようになり、大学時代に実際に海外を訪れたことで、異文化のおもしろみをより強く感じるようになりました。そのため就職活動では、グローバルに活躍できるという軸で企業を探していました。
私は中途入社なのですが、前職でアフリカに駐在していた時、一番名前を聞く日本の商社が豊田通商でした。「豊田通商と言えばアフリカ」というイメージを持っていたんです。入社を決めた理由は、そのイメージ通りアフリカに強いという点でした。そして面接を通して社員の人柄に惹かれたことも大きな要因です。面接で会話をする中で、私がめざしている姿である「ビジネスを通してアフリカに貢献したい」という気持ちが社員の方々から伝わってきました。この会社でなら、自分の思いを実現できると確信したんです。
中途入社で即現場へ。複雑な社内システムと向き合いながらつかんだ実務感覚
私は中途入社ということもあり、研修期間を設けずにすぐに現場に立ってプロジェクトに参画することになりました。入社後は一貫してアフリカ電力インフラ部で業務を行っており、自分が関わるプロジェクト全般について実務を通じて学んでいきました。
入社当初はケニアとナイジェリアを担当していました。その後、2年目、3年目はナイジェリアを含む西アフリカを中心に担当するようになり、今年度からは東アフリカの担当となります。このように、同じ部署に在籍しながらも、担当する地域は年次を重ねるごとに変化してきました。
入社後に感じたギャップとしては、前職の小さな会社に比べると社内システムが複雑で、キャッチアップするのに時間がかかったことが挙げられます。システムの使い方や社内の手続きなど、覚えなければならないことが想像以上に多く、最初は戸惑うこともありました。
この課題を乗り越えるために意識したのは、とにかく数をこなすことでした。実際に何度もシステムを使い、手を動かすことで少しずつ慣れていきました。また、わからないことがあればすぐに同僚や上司に教えを乞うことも心がけました。周囲のサポートを受けながら、一つひとつ丁寧に学んでいくことで、徐々に社内システムにも慣れていくことができました。今振り返ると、この時期に基本的な業務の流れをしっかりと身につけられたことが、その後のプロジェクト推進において大きな土台になったと感じています。
利害を調整し、完工の瞬間に労いあう。プロジェクト管理で得た柔軟性とバランス感覚
私は現在、アフリカ電力インフラ部に所属しており、主に案件履行管理や部全体の数値管理を担当しています。具体的には、ナイジェリア、セネガル、ベナンなどのプロジェクトに関わっています。部署のミッションは「Creating Green Energy Value Chain for Low-carbon growth & E-mobility infrastructure」および「Sustaining project development with profitability」で、グリーンエネルギーのバリューチェーン創出と収益性を両立させたプロジェクト開発をめざしています。
プロジェクトの案件履行管理では、さまざまな問題が発生します。プロジェクトものという性質上、想定外の事態は日常茶飯事です。そうした中で、関係各所と細かい調整をしながら、1チームとして完工という目標に向かって進むことができている点に、大きなやりがいを感じています。
ただ、正直に言えば、プロジェクトに関わる人数が多ければ多いほど利害も異なるため、それを調整しながらプロジェクトを進めることは毎回非常に苦労します。とくに難しいのは、利害関係者の中にもその社内や組織内で利害関係があることです。表面的な意見だけでなく、その背景にある組織の事情まで考慮しなければなりません。それぞれの意見を聞き、話し合い、丁寧に進めることで乗り越えていますが、毎回の客先との会議等で臨機応変な対応を求められます。
こうした経験を通じて、学生時代と比べて大きく成長したと感じています。さまざまな利害の人をまとめ上げる経験により、考え方の柔軟性と臨機応変な判断力が身に付きました。それぞれに利害があるので、それを想像し、かつ自分の想像を常に疑うようなバランス感覚も培われました。自分の見立てが正しいとは限らない。そう考えながら、常に複数の可能性を念頭に置いて動くようになったのです。
そして、現在の仕事の中で最もやりがいを感じる瞬間は、プロジェクトが完工し、各社の利害を超えて労いあうときです。困難を共に乗り越えたからこそ生まれる一体感は、何物にも代えがたいものがあります。
新規案件組成への挑戦と、アフリカの魅力を深掘りできる仲間との未来
今後挑戦したいこととして、新規案件の組成に積極的に取り組んでいきたいと考えています。新規案件が今後長いスパンでの売上利益の柱となるため、ここに注力することは組織にとっても非常に重要な意味を持つと感じています。現在の履行業務で培った経験を活かしながら、新しい価値を生み出す仕事にも携わっていきたいです。
長期的には、履行と新規案件組成の両面で組織を引っ張る存在になることを目標にしています。そのためには、ひとつずつ丁寧に確実に仕事をこなしていくことが何より大切だと考えています。目の前の業務に真摯に向き合い、着実に実績を積み重ねていくこと。それが将来的に組織の中核を担う人材になるための土台になると信じています。
採用候補者の方々にお伝えしたいのは、当社では一人一人の裁量が大きいということです。風通しもよく、若いうちでもチャレンジできる環境が整っています。自分の考えを発信し、実行に移せる機会が豊富にあるのは、大きな魅力だと思います。
こうした環境で活躍できるのは、周りをまきこみながらやり抜く力を持っている人だと感じています。一人で完結する仕事はほとんどなく、チームや関係者と協力しながらプロジェクトを前に進めていく必要があります。そのため、コミュニケーション力と最後までやり遂げる粘り強さが求められます。
今後どんな人にジョインしてもらいたいかというと、いろいろなことに興味を持ちながら自分の仕事をやり抜ける人と働けると光栄です。アフリカはとてもおもしろいマーケットだと思います。一緒にDeep Dive、つまり深く掘り下げて取り組める方をお待ちしています。新しい価値を一緒に創造し、アフリカという可能性に満ちた市場で共に成長していきましょう。

