ラグビー部での組織貢献と総合商社への道のり
学生時代、私はラグビー部に所属し、大学日本一という目標に向かって日々汗を流していました。120人を超える大きな組織の中で、自分の役割を見つけ、それをやり切ることの大切さを学んだ経験は、今でも私の中に深く刻まれています。1軍から5軍まで存在するチーム構成の中で、私は決して1軍の常連選手ではありませんでした。3年時までの1軍での試合出場はわずか2試合。それでも、3年生の春シーズンに1軍で試合に出場できたときの喜びは忘れられません。幼少期からの夢が叶った瞬間で、メンバーに名前を呼ばれたときのことは今でも鮮明に覚えています。
4年次には委員という役職を任されました。委員会は主将、副将、主務、副務、そして6名の委員で構成される10人の組織です。通常、委員には1軍で継続的に試合に出場する選手が選ばれます。しかし主将は私に、チームの一体感を生むためには1軍から5軍まで経験している私の力が必要だと言ってくれました。唯一の1軍経験の少ない委員として、私は組織のパイプ役を担うことになったのです。委員会で決めた方向性を2軍以下に浸透させること、そして2軍以下の選手の思いや考えを1軍選手に伝えること。この役割を通じて、組織における多様な視点の重要性を実感しました。
学業では、スポーツ政策に関するゼミに所属していました。ラグビーを通じて成長させてもらった恩返しを、「するスポーツ」から「みる、ささえるスポーツ」という違う形でできないかと考えたことがきっかけです。スタジアムビジネスやオリンピック、主要スポーツのワールドカップのレガシーについて研究し、将来スポーツビジネスに携わる仕事への興味を深めていきました。
就職活動では、特定の業種にこだわるのではなく、大きなフィールドで幅広いものに関わりたいという思いがありました。自分の力で人やモノを繋げて社会貢献をしたい。そんな漠然とした思いを持ちながら、総合商社を志望するようになりました。最初のきっかけは、お世話になっていたラグビー部の先輩が総合商社に勤めていたことでした。
御社については、自動車関連産業に強みがあり、他商社とは異なる独自のポジショニングで事業を展開しているというイメージを持っていました。そして実際にOB訪問を重ねる中で、その印象は確信に変わっていきました。面談させていただいた社員の方々は皆、親身に私の話を聞いてくださいました。コツコツと小さなことを積み重ねて大きなことを成し遂げる姿勢、粘り強くビジネスに本気で向き合う姿勢を、学生ながらに感じ取ることができたのです。個人を大切にする会社であること、そして他社があまり目を付けていない領域に早くから着目し、独自のポジショニングでビジネスを幅広く展開していること。これらの魅力に惹かれ、私は入社を決意しました。
オンライン研修からスタートした社会人生活と、事業の広がりへの驚き
入社したのはコロナ禍の真っ只中でした。そのため新入社員研修のほとんどがオンラインで実施され、フィジカルな研修はほとんどありませんでした。印象に残っているのは、他の同期たちの電話応対の慣れ具合です。学生時代にアルバイトの経験があまりなかった私にとって、同期が自然に電話対応している姿は新鮮でした。社会人としての基礎を学ぶ場面でも、それぞれのバックグラウンドによる違いを感じたことを覚えています。
入社後、私は一貫して鉄スクラップのリサイクルに関わる事業に従事してきました。組織再編はありましたが、部署は変わらず、自動車産業をリサイクルの立場から支える役割を担っています。具体的には、自動車メーカーやそのサプライヤーから発生する鉄スクラップを回収し、加工して需要家に納入するという、サプライチェーン全体をマネジメントする仕事です。
入社1年目から2年目にかけては、使用済み自動車関連のビジネスの中で、HVバッテリーの活用という視点から災害時等に活用できる給電キッドの営業やマーケティングを担当していました。そして3年目にグループ異動となり、自動車メーカーからのスクラップを扱う業務へと変わっていきました。同じ部署ではありますが、担当する領域が変化していったのです。
入社後に感じたギャップは、ポジティブなものでした。自分の担当業務以外にも、当社独自の視点での事業展開が数多くあることに驚きました。一つの会社の中に、こんなにも多様な視点とアプローチがあるのかと。それは入社前には想像していなかった発見であり、自分のキャリアの可能性の広がりを感じさせてくれるものでした。
失敗から学んだ対話の重要性と、無災害を実現した安全文化の醸成
現在私は、インドの鉄スクラップ加工事業体でのマネジメント業務と、OEM新工場向けの総合資源循環事業の提案という2つの大きな仕事を担っています。事業体ではシニアゼネラルマネージャーとして、社長の意向を管理職やチームメンバーへ伝える、またその逆も担うという組織のパイプ役を務めています。海外現地法人では一担当のマネージャーとして、提案活動に従事しています。
この仕事の中で、最も大きなやりがいを感じたのは、安全活動の推進です。出向している事業体では、これまで1年に1回程度、休業災害が発生するような状況でした。まずは自分が率先して実行することを心がけ、毎日の安全パトロールで気づいた点を写真とともにグループで共有しました。改善案を提示したうえで、スタッフにも意見を求め、社内外の工場訪問者のフィードバックをすべて記録に残すことで、改善の進捗を見える化しました。はじめは私からのやや一方通行な提案でしたが、徐々にスタッフ側からも提案が来るようになりました。彼らの積極性が増し、成功体験を重ねることで自信をつけていく姿を見て、安全活動が文化として根付きつつあることを実感しました。結果として、2025年2月から2026年3月末時点で無災害を継続できています。
一方で、失敗から学んだこともあります。OEM向けの資源循環ビジネス提案活動において、顧客の真のニーズや困りごとを正確に把握しないまま提案を進めてしまいました。思うような反応が得られず、結果としてプロジェクトが遅延する原因の一つとなってしまったのです。この経験から、相手のペインを正確に把握するために対話を心がけること、そして広くアンテナを張り小さなことも拾えるように過去事例や知識を蓄えることの重要性を痛感しました。
学生時代と比べて、計画通りにいかない時にどうするか、常に2つ以上の選択肢を持っておくマインドを身につけることができました。現在の仕事の中で最も大切にしている価値観は、うまくいかない時こそどう振舞うかということです。この考え方が、日々の業務における私の行動指針となっています。
グローバルな資源循環の舞台へ、そして未来を担うリーダーへの挑戦
短期的には、日本とインド以外の国々で資源循環事業に携わりたいと考えています。とくに鉄スクラップのリサイクル事業を中心に、新しい市場での挑戦に興味があります。これまでの経験を活かしながら、まだ手をつけていない地域でどのようなビジネスモデルが構築できるのか、自分の目で確かめ、形にしていきたいのです。
また、資源循環領域で培った知見を活かして、動脈事業にも携わってみたいと思っています。原材料の調達や製品の販売といった、これまでとは異なる角度からビジネスを見ることで、より広い視野を持つことができると考えています。具体的な商材はまだ明確に決まっていませんが、一見関係なさそうな領域にもアンテナを広く張り、新しい可能性を探っていきたいですね。
中長期的には、事業体のマネジメント業務、つまり社長として組織を率いることをめざしています。比較的若いうちから裁量のある仕事を任せてもらえる環境だからこそ、早い段階から経営者的な視点を養うことができると感じています。時には難しさもありますが、問題解決能力や対人折衝能力を身をもって習得できる機会は、将来のマネジメント業務において必ず役立つはずです。
採用候補者の皆さんにお伝えしたいのは、この会社では他の総合商社があまり目を付けていない領域でビジネスを展開しており、それらがまさに花開き始めているということです。風通しの良い組織で、コツコツと積み上げることができる人、明確なビジョンを持ちながらも目の前のタスクに全力で取り組める人であれば、きっと活躍できる場があります。革新的なアイデアを持ちながらも、決めたことを何とかやり切る姿勢、そして相手目線で常に先手で考動することを大切にしてほしいですね。資源循環事業に興味のある方、共に未来を創っていきましょう。

