研究とダンスに打ち込んだ学生生活から、人と可能性に惹かれた商社への道
学生時代は、研究活動とダンス部の両立に力を注いでいました。研究では全固体ナトリウムイオン電池の材料研究に取り組んでいたのですが、世界的な環境課題を解決するためには、エネルギーを貯める手段である電池の存在が非常に重要になってくると考えていたんです。とくに印象に残っているのは、3つの研究テーマを掛け持ちしていた時期ですね。マルチタスクがうまくいかないことも多く、複数のテーマを並行して結果を出すことには本当に苦労しました。
一方でダンス部では、イベントの主催や学校祭の出演、コンテストへの出場など、幅広い活動をしていました。仲間と一つの作品を創り上げるプロセスには苦戦することもありましたが、それ以上に大きな楽しさを感じていたんです。研究とダンス、どちらもまったく異なる性質の活動でしたが、両方に全力で取り組む中で、多様な経験を積むことができたと思います。
就職活動では、主に商社を中心に見ていました。他にはメーカーや金融業界も視野に入れていましたが、いわゆる理系職ではなく文系職をメインに探していたんです。商社に興味を持った理由は、日本というフィールドを飛び越えて仕事ができる点と、あらゆる商材をあらゆる顧客に売ることができる点に魅力を感じたからでした。
この会社については、車に強い総合商社というイメージを持っていました。最近ではアフリカに力を入れていて、特色がはっきりとわかりやすい商社だなと感じていたんです。そして入社を決めた最大の理由は、人でした。面接や面談でお話しした方々で、悪い印象を持つ人が一人もいなかったんです。情熱的な部分と知的な部分のバランスが、自分に合っていると感じました。面接はこちらの話をしっかりと聞いてくれる雰囲気で、面接というより会話に近い感じで終始穏やかでした。また、若手で海外に行くチャンスがあることも大きな魅力でした。
北米工場への電池材料デリバリー業務
入社後、まず3週間にわたる全体研修が始まりました。豊通やトヨタグループの歴史、ビジネスマナー、社内規定など、社会人としての基礎の基礎を学ぶ期間でとても濃い時間でした。
研修を終えて配属されたのは、電池材料グループでした。電池材料を主に扱い、輸出入業務を担当することになります。メイン業務として、出資先でもあるアメリカの工場に電池材料や部品の調達、デリバリー管理業務を行いました。商社として、サプライチェーンの中核を担う仕事にやりがいを感じていました。2年目でメーカーの出向を経て、現在は元の電池材料グループに帰任し、1年目と同じ業務を担当しています。
電池関連事業におけるグローバルサプライチェーン構築というミッションのもと、安定的な材料供給を実現するため、サプライヤと顧客の間で日々調整を行い、滞りない物流をめざしています。また、新規電池開発のための材料提案や試作対応なども業務の一環です。
入社1年目のときは、本当に苦労しました。北米の電池工場のデリバリー業務を担当していたのですが、ちょうど量産に差し掛かるタイミングで注文数量が大きく変動したり、イレギュラーな依頼やトラブルが次々と発生したりして、処理しきれない状態に陥ってしまったのです。さらに慣れない英語でのコミュニケーションで、意思疎通がうまくいかないこともあり、本当に大変でした。業務に関係があるないに関わらず、信頼できる人に相談して気持ちを発散させたり、プライベートで仕事を頑張れるようなモチベーションを作ったりと、リフレッシュすることを意識しました。
正直なところ、入社後にギャップを感じたこともありました。とくに、若手から海外に行けるかどうかは配属された部署によるという現実です。コロナ禍の影響もあり、上が詰まっていて海外の機会がなかなか回ってこない状況でした。また、自分の配属された部署では女性のグローバル職が少なすぎるという課題も感じています。入社前に描いていたグローバルに活躍するイメージと、現実とのギャップに戸惑いを覚えた時期もありました。しかし、このギャップこそが、自分自身が変化を起こすチャンスなのだと、今では前向きに捉えています。
現地現物の精神で乗り越えた、エンジニアとしてのメーカー出向
2年目、大きな転機が訪れます。車載用電池メーカーの材料開発部への出向が決まったのです。1カ年間という期間、技術職として材料開発業務に携わることになりました。ようやく豊通の業務に慣れてきたと思っていた矢先、別の会社へ、さらには技術職としての出向となり正直不安でいっぱいでした。しかし 1年の出向を終えてみてこの経験ができて非常によかったと思っています。出向中で大きなやりがいを感じたことは出向先でサプライヤの工程改善を達成できたことです。サプライヤで異物課題が発生してしまい、その解決に取り組んだのですが、検討は難航しました。それでもトライアンドエラーを繰り返しながら対策まで行き着くことができたのです。現地に何たびも訪問し、サプライヤと協力しながら検討を進めて、結果に結びついたときは本当にやりがいを感じました。
成功できた要因は、現地現物の精神を貫いたことだと考えています。課題が発生したサプライヤに実際に訪問して工程を見ることで、対策への解像度が挙がり、サプライヤとの議論のスピードが格段に上がりました。また、実際に工程を見ることで、今まで気にしていなかった懸念点も見えてきて、全体的なサプライヤの品質向上につながったと思います。サプライヤの工場は海外の田舎にあって、食事などでびっくりすることもありましたが、現地で担当者と面着で会話することにより議論を進めやすくなったこともあり、やはり現地現物は大事だと実感しました。
この出向経験は自分にとって自信につながりましたし、この経験を活かしながら現在の業務に取り組んでいます。
新たな挑戦と次世代への道標──未来を拓くキャリアビジョン
短期的な目標として、まずは北米電池工場の量産案件を一人で取り回せるようになることをめざしています。電池業界は日々目覚ましい発展を遂げており、新規材料の開発も盛んに行われています。こうした業界の将来性を見据えながら、電池メーカーに対して積極的に新しい材料を提案できる存在になりたいと考えています。そして将来的には、そこから量産につながるような大きな案件を獲得することが目標です。
中長期的には、海外経験を積むことでビジネスパーソンとしても人間としても大きく成長したいと思っています。現在担当しているアメリカでの電池ビジネスの拡大に挑戦したいですし、今後さらなる発展が見込める東南アジアのビジネスにも強い興味があります。また、定置用電池、Naイオン電池など、今のビジネスの枠を超えた電池材料を扱っていきたいという思いがあります。これらの分野は、もともと研究室で研究していた内容と近しいこともあり、自分の専門性を活かせる領域だと感じています。同じ本部にある電池リサイクル部門との協業にも挑戦してみたいですね。
そして私にとって大きな目標のひとつが、女性としてのキャリアを築く先駆者的な立ち位置になることです。私の所属する部署は女性が少ないため、キャリアもプライベートも自分のなりたい姿を叶えながら、誰かのロールモデルのような存在になりたいと考えています。
採用候補者の皆さんへ、最後にメッセージをお伝えします。豊通で働くことは、本当に刺激的で楽しいです。明るく元気に働く人が多く、同期ともプライベートで遊ぶほど仲が良い環境です。若手から責任ある仕事を任せてもらえる環境は、大きな成長の機会になります。自分に与えられた仕事に真面目に謙虚に取り組める方、そして置かれた環境を楽しみながら前向きに挑戦できる方には、きっと活躍の場が広がっています。ぜひ一緒に働きましょう。

