「それなら自分で作れば良い!」サークル立ち上げと海外経験が育んだ行動力
学生時代は外部の大学と一緒にバスケットボールサークルを立ち上げました。30人ほどの多くないサークルではありましたが、メンバー集めや場所の確保など、一から作ることの難しさを感じました。元々あったサークルは曜日が予定と合わなかったり、活動場所が遠かったりとなかなか参加が難しいことがありました。「それなら自分で作れば良い!」と気づき、声を掛け合い周りの大学にも広めて人を集めることから始まりました。今思えば、仕事をする上で必要な「巻き込み力」が発揮された瞬間でした。
また、カナダへ2回ホームステイに行った経験も印象に残っています。それぞれ1カ月ほどの短期ではありましたが、初めて行った際は、それまで自身の長所は「誰とでもすぐに仲良くなれる、コミュニケーション力があるところ」だと考えていたにも関わらず、言葉でスムーズにやりとりできないとこんなにも内気になってしまうのだと自分自身に驚きました。身振り手振り、表情でどうにか伝えようと努力することで、ホストファミリーや学校の友人たちとも打ち解けることができ、言葉はツールのひとつでしかないと感じることができました。
就職活動では「海外と関わって働きたい」という思いがありました。大学時代に英語英米を学んでいたこと、またホームステイ時に海外で食べる日本食があまり美味しいと感じず、他にも同様に日本の素晴らしいものが知られていない可能性があると思い、「もっと日本のものを知ってほしい!広めたい!」と思ったからです。
豊田通商株式会社はトヨタグループの総合商社として自動車部門に強い印象でした。愛知・名古屋で生まれ育った私としてトヨタグループとして地元のために働けると感じられること、また海外と関わりたい、日本の素晴らしいものを海外へという私の希望がつながる唯一の会社でした。会社説明会でお会いした社員の皆さんがすてきな方ばかりで、憧れを持ち、「こういう人になりたい!こういった方々と一緒に働きたい!」と強く感じたのが一番の決め手です。ご自身の仕事を楽しそうに話される方々ばかりでした。「豊田通商は人が良い」とよく聞きますが、入社前後でその印象は変わっていません。就職活動ではどの企業の面接でも「今日はどんな方とお会いできるのか」と楽しみでした。面接を受けるというより、面接官との会話を楽しめていたと思います。
「現地・現物・現実」の徹底と、天津爆発事故で身に付いた乗り越える力
入社後、私は7年間にわたって中国向けの自動車部品の輸出業務を担当しました。日々の業務は、受発注の調整、つまり客先と仕入先のオーダーをすり合わせたり、不具合が発生した際の原因調査、そして輸出書類の作成といった仕事が中心でした。最初の頃は、電話で話す相手の言葉を聞き取ることさえ難しく、苦労の連続だったことを覚えています。
ただ、デスクに座っているだけでは仕事は前に進みません。「現地・現物・現実」という考え方を大切にして、仕入先の工場や倉庫に足を運び、実際にモノを見て、人と対面で話をすることを心がけました。中国への出張も重ね、現地のスタッフと直接コミュニケーションを取りながら、一つひとつ信頼関係を築いていったのです。
印象に残っているのは、2015年8月に中国の天津で起きた大規模な爆発事故です。この事故によって通関所が機能停止し、近隣の工場や倉庫も被害を受けて、現地は大変な混乱状態に陥りました。当時入社4年目だった私は、すぐに現地の応援のために2週間の出張に向かいました。何が正しい情報なのかわからない中、客先の工場のラインを止めないために、現地スタッフと一緒になって休みもなく毎日深夜まで必死に対応しました。この経験を通して、「どんなに大変でもいずれ落ちつくから今頑張ろう!」と思える根性が身に付きました。
その後、輸入グループへ異動して1年所属した後、4年間、2人連続での産休・育休を取得しました。そして2024年4月に仕事復帰し、現在の部署へ配属となりました。部署が変わっても、ヒトとヒトを繋ぐという商社としてすべきことは変わらないと考えています。
具体と抽象を行き来する力を磨きながら、育成の輪を広げていく
私は現在、ビジネスアライアンス事業部ニューモビリティグループに所属し、役員秘書及びグローバル部品SBUの人材育成プロジェクトメンバーとして活動しています。当SBUでは特に1〜2年目の若手社員に焦点を当て、SBU独自の研修や外部講師を招いての講演やワークショップの実施、社外と連携した若手交流研修などを企画・運営しています。育成プロジェクトでは事務局として、本部企画部と連携した研修の企画・運営はもちろん、各定例会の実施や若手社員の研修出張の調整、講演実施のための外部講師の選定・交渉なども行っています。
とくに達成感を感じたのは、社外のA社との若手交流研修です。A社でも入社研修を終えた後の人材育成は各部署のOJTにゆだねられており、部署やOJTによって向きや求めるものにバラつきがあるという状況は当社と同じでした。そこで、「視野を広げること」「他者視点で物事を見る力を養うこと」「ネットワーク形成」を狙いとした交流研修会を企画しました。成功の要因は、プロジェクトメンバーで考えたものを、当日の交流会に参加しない社員に協力してもらいプレ研修を行ったことです。そこで見えてきた問題点を改善して当日臨めたことが一番の成功理由だと思います。何事も考えて終わりではなくトライすることで見えてくるものがあると考えます。結果、参加者満足度4.8点(5点満点)、本研修を後輩へ進めたい率100%という高評価を得られ、今後も継続が決まりました。この実績には大きなやりがいを感じました。
一方で、苦労した経験もあります。若手社員の長期出張先として下調べをした上で決定した国が、手配を進める上で「ビザはやはり取得すべき」「ビザを取得するためには労働許可が必要」「労働許可を取得するためには認証を受けた証明書が必要」などと、下調べの際は出てこなかった話が後からパラパラと出てきたときは出発までの期限もあったので焦りました。結果、出張期間を無査証で渡航できる期間へと短縮することになったのですが、代理店や現地にメールで聞いて終わりの下調べではなく、複数箇所やもっと踏み込んだ確認が必要だと学びました。今回得た情報をリストとして残しておくことで今後のためになると思いますし、代理店や現地駐在員との確認だけでなく、現地側のコーポレート部門とも選定前からコンタクトを取ることで、ビザ取得の難しさなどを知ることができると考えます。
社会人になって成長したと感じるのは、物事を抽象的に見る力が付いたことです。学生のときは目の前にあること、「具体」だけを見て過ごしていたと思います。社会人になり、自分のしている業務が何につながっているのか、他のことに置き換えることはできるのか、具体と抽象を行き来することを意識づけています。現在の仕事で大切にしているのは、研修をして終わり、機会を作って終わり、ではなく、最後までフォローすることです。必ずアンケートを取ることで、内容はどうだったか、研修時期は今のタイミングで良いのかなど実際の声を今後に反映して良いものを皆で作っていきたいです。また「育成」という言葉は時におこがましく感じます。一方的ではなく、一緒に作り上げる・成長できる場としていきたいです。そしてプロジェクトメンバーだけが育成に携わるのではなく、SBU全体、また本部にも今後育成の輪を広げていきたいと考えています。
「種まき」の先に描く未来。若手を育て、チームで前に進む組織をめざして
短期的な目標として、現在私が所属するSBUで行っている育成プロジェクトを、他のSBUも巻き込んで本部全体のプロジェクトに発展させていきたいと考えています。地域で近所の人も一緒になって子どもを育てるような、皆で若手社員を育てる風土を、SBU単位だけでなく本部全体でも作っていきたいです。そのためには本部企画部や他SBUの巻き込みが必要です。すでに本部企画部とは連携して研修を企画・実施していますが、今後は他のSBUにも説明を実施し、向かう方向性をすり合わせながら巻き込んでいく必要があると考えています。
中長期的には、今まさに行っているアライアンス業務や人材育成など、さまざまな種まきを続けていきたいと思っています。将来その種が育ったときに、私がリードできる存在でありたい。そんなキャリアイメージを描いています。
これから豊田通商にジョインする皆さんには、まず入社後の心構えとしてお伝えしたいことがあります。最初は目の前の業務に集中してしまうと思いますが、何のためにしているのか、この業務はどうつながっているのか、前後工程も含めた全体像を考える意識を最初から持ってもらえたらいいなと思います。聞きづらい、質問しづらいなどの遠慮はまったく不要です。周りに疑問はすべてぶつけて、どんどん吸収していってほしいです。
入社前の準備としては、会話の引き出しを増やせるよう、どんなことでも良いのでいろんな経験をされたら良いと思います。旅行でも勉強でも推し活でも良いです。会話の引き出しが増えるほど、今後関わっていく人たちとの接点も増えていくはずですから。
最後に、仕事は一人ではできませんし、完璧な人もいません。人それぞれ得手不得手があるので、補い合って仕事はチームで前に進めていくものだと思います。入社前は不安もあるかもしれませんが、得意な部分を磨いて、楽しく一緒に仕事をしましょう。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

