復興支援から海外志向へ――学生時代に描いた成長の軌跡
2011年、私が大学に入学した年に東日本大震災が発生しました。同じ日本に生きる人々が非常に苦しんでいる現状を目の当たりにして、時間はあるけれどお金のない学生として何かできないかと考えていたんです。そんな時に出会ったのが、「お金はあるが時間はない社会人からの金銭的支援」と「お金はないが時間はある学生の人的リソース」を繋ぐモデルを実現している復興支援団体でした。メンバーや理念にも共感し、運営側に参画。派遣プロジェクト管轄の副代表として、毎月2回ほど夜行バスで40人程度の学生を現地に派遣する0泊3日の弾丸ボランティアツアーを実施しました。現地の方々と酒を飲みかわし、年齢や性別、属性を超えた幅広い方々と一緒にプロジェクトを進めた経験は、今でも印象に残っています。
一方で、高校のころから漠然と海外への興味を持っていた私は、人口減少が進む日本において海外で働けるスキルが必要だと確信していました。世界の中心とされるNYを体験してみたいという思いから留学を決意し、語学を身につけました。就職活動では、海外で活躍できること、自らが主体となり事業を推進できること、現場感があることを軸に企業を探していました。そして出会ったのが、現地主義で人が熱く、アフリカに強くフランス語を活かせる今の会社だったんです。学生時代最も力を入れていたフランス語が活かせることも魅力でした。
入社10年、不動産事業一筋で積み上げたキャリア
入社後の研修を経て、私は不動産事業本部に配属されました。入社以来10年間、一貫して不動産事業を担当しています。最初の3年間は国内不動産を担当し、名古屋市の大型複合再開発事業に携わりました。5社JVで当社が幹事企業となる大型案件で、商業施設の開業イベント企画を任されたのです。他の共同事業者が関わる複雑な意思決定プロセスの中、大きなプロジェクトを推進し、開業が実現した時に協力会社の方と握手を交わした瞬間は、今でも忘れられません。
その後、7年間は海外不動産を担当することになりました。実は商社に入社した最大の理由が海外で働きたいという思いだったので、国内不動産時代からずっと希望を出し続けていました。思いを持ち続け、それをことあるごとに主張し続けたことが実現につながったのだと思います。
入社後に感じたギャップもありました。当社はまだまだ自動車関連事業、トヨタ関連事業に偏重しているという現実です。当社ならではの、そこだけではない強みをもっと実現していかなければならない。まさに自分がいる本部が、その先頭に立っていくべきだと感じています。
国境を越える交渉の日々―現場から学んだプロジェクトマネジメント
現在、私はファシリティソリューション部で新規プロジェクトのプロジェクトマネージャーとして、海外不動産におけるホテルレジデンス「AXIA」の開発に携わっています。インドネシアには既存物件があり、私自身もそこで駐在経験を積みました。今はその経験を活かしながら、他国において同事業を展開するプロジェクトをマネジメントしています。
この仕事で最もやりがいを感じているのは、パートナーや現地の土地オーナーと信頼関係を構築し、多くの方と思いを共有しながらプロジェクトを前に進めている瞬間です。とくに印象に残っているのは、現地の土地オーナーとのハードな交渉を乗り越え、土地購入の方向性について同意を得られた時のことです。外国人相手のネゴシエーションでは、実現困難な要求や高いハードルを突きつけられることも少なくありません。そんな時、当社として対応できない事項については、できない理由や代替案をロジカルに説明することで乗り越えてきました。双方の立場を理解し、妥協点を探ることを常に心がけています。
国内外の多くの関係者を巻き込んでプロジェクトを推進する中で、協創機運を醸成するために国土交通省の表彰に申し込み、見事受賞できたことも忘れられません。授賞式や祝賀会を通じて、チーム全体の士気を高めることができました。インドネシア駐在で現場を知っているからこそ、自信を持って語ることができる。学生時代と比べ、プロジェクトマネジメント力や語学力、そして人間力が大きく成長したと実感しています。
新たな事業分野への挑戦で、会社をもっとカラフルに
短期的には、新規国での案件立ち上げやファシリティ関連の新たな機能創造に取り組んでいきたいと考えています。そして中長期的には、これまで培ってきたスキルを活かせる新たな事業分野に挑戦したいという思いがあります。具体的には、ライフスタイルに関わる不動産以外の事業や、アフリカにおけるライフスタイル関連事業をイメージしています。豊田通商をもっとカラフルにするべく、会社を代表するような事業を推進していきたいですね。
その目標を達成するために、今はどこでも活きるプロジェクトマネジメント力を磨いています。インドネシアでのコロナ禍を乗り越えた経験が、現場の力を信じる根幹となっていて、この豊通DNAや現場へのこだわりをこれからも大切にしていきたいと思っています。
これから豊田通商への入社を考えている皆さんには、Humanityのある人、現場を大事にする人、前向きな人にぜひジョインしてもらいたいです。一緒にこの会社をもっとカラフルにしていきましょう。

