特殊鋼トレーディングの最前線で営業に従事。自ら手を挙げ、組織開発にも挑戦
特殊鋼や鋼管を取り扱い、自動車分野やエネルギー分野でのサプライチェーンをグローバルに構築している条鋼鋼管事業部。その海外事業グループに所属する日比野は、鋼材輸出トレーディングの営業に従事しています。
「私は主にタイとインドネシアのお客様を担当し、特殊鋼の棒鋼と線材の受発注管理を中心として営業活動を行っています。また、人口増加に伴い市場の成長が見込まれるインドにおいて、新規の投資案件を検討することも重要な業務の1つです。地域の特性に合わせてさまざまな事業への出資を検討することで、需要を取り込むための活動を行っています」
営業担当として見積もり作成からデリバリートラブル対応まで、幅広い業務をこなす日比野。とくに短納期の対応が求められる場面では、取引先との関係性が重要になると話します。
「たとえば輸入企業の在庫が不足して急ぎの発注が入った場合、輸出企業に短納期での製造を依頼し、船積みや輸送の手配を迅速に行わなければなりません。
そこではタフな交渉が求められますが、取引先に承諾してもらえるかどうかは信頼関係にかかっていると言えます。営業として普段から良好な関係性を構築することで、協力を得やすくなると感じています」
こうして営業の最前線で活躍しながら、日比野は組織開発の活動にも従事。条鋼鋼管事業部では、2つの取り組みを展開しています。
「『条鋼鋼管+(Plus)ミーティング』では、経営知識や外部環境の理解に役立つ情報を収集し、ディスカッションを行っています。また、『Power Up Meeting』では部全体で集まり、組織としてめざすべき方向性について議論しています。どちらも役職や社歴に関係なく、対等に議論できる風土をつくることが目的です」
こうした組織開発の活動に、自ら手を挙げて参画した日比野。その背景には前職の経験がありました。
「前職でチームリーダーを経験した際、メンバーの多様な価値観を理解するためにも、衝突を恐れず本音で対話することの重要性を実感しました。本音で対話すれば、一人ひとりの強みや仕事に対するモチベーションの源泉が見えてきます。すると個々に合った役割を与え、チーム全体の生産性を高めることができるようになります。
キャリア入社した人材として前職で培った経験をチームに還元し、メンバーが安心して本音を話せる場をつくりたいと考えています」
大手鉄鋼メーカーから豊田通商へ転身。生産管理とマネジメントの知見を活かして
前職は大手鉄鋼メーカーに勤務していた日比野。製鉄所で生産管理に従事し、デリバリー業務や生産計画の立案を経験した後、4年目からはチームのマネジメントも担いました。
「製鉄所では、幅広い業務を経験できました。とくにチームリーダーとして担当した工場の閉鎖プロジェクトでは、お客様にご迷惑をおかけすることなく操業を終えることができ、キャリアを広げる貴重な経験となりました」
その成果が評価され、製鉄所全体の生産計画を担うなど、より責任のある業務に従事することに。しかし、30代を前に転職を考えるようになります。
「前職の職場環境や人間関係に一切不満はありませんでした。ただ、製鉄所という1つの世界に閉じてしまい、外の世界を知る機会が限られていることに危機感を覚えるようになったのです」
そうした想いを抱き、日比野は豊田通商への転職を決意。面接でのコミュニケーションが決め手となりました。
「印象的だったのは、当時の企画部長や人事部長が、私の考えをしっかりと聞いてくださったことです。話しやすい雰囲気の中、高炉から電炉へのシフトが進む中でどういう勝ち筋があるのかなど、率直な意見交換ができました。その中で豊田通商の将来性を強く感じ、入社を決めました」
2023年2月に入社した日比野は、条鋼鋼管事業部のパワートレイングループに所属し、商社のデリバリーを学ぶため国内顧客を担当。その後、インドネシアでの投資案件の検討など、海外案件も手がけるようになりました。
「前職と基本的な知識や業務内容が共通しているため、これまで培った経験はすべて現在の業務に活かされています。生産管理も、現場と商社、お客様をつなぐ役割という意味では同じです。交渉力や人間関係を構築するスキルが大いに役立っています」
初めての転職で感じた豊田通商の印象については、こう語ります。
「職場の雰囲気がとても良く、コミュニケーションが取りやすいと感じました。社員が仕事とまじめに向き合い、向上心が高いことも印象的だった点です。自分も負けずに成長していきたいという気持ちになります」
組織をより良く変えるために。本音で語り合うことで、目の前の壁を乗り越えていく
豊田通商に入社して約2年。日比野は新たな挑戦を通じて仕事の楽しさを感じていると話します。
「去年担当した、インドネシアの投資案件が印象に残っています。実際に現地に赴き、駐在員と何度も激しくディスカッションを重ねました。
最終的には投資を見送る判断となりましたが、現地のメンバーと議論しながら最適解を探っていくプロセスが非常に楽しかったです。意見の衝突がありながらも、同じ方向を向いて仕事ができたという充実感がありました」
一方、前職の経験を活かして組織をより良く変えていこうとする中で、壁にぶつかることもあると日比野は話します。
「私がめざしているのは、営業とオペレーションの役割分担を明確にすることです。現在は一部の業務が重複している状態です。しかし、営業担当者が本来の営業活動に専念するためには、オペレーション業務を集約する必要があります。
そうすると負荷が増えることになるため、現場の反発は避けられません。鉄鋼業は重厚長大産業であり、変化を起こすのに時間がかかる分野です。何十年と続けてきた慣習を変えることは容易ではなく、どうすれば変化を受け入れてもらえるかを今も模索し続けています。
その中で私がもっとも大切にしているのは、本音で語ることです。きれいな言葉を並べて変化の必要性を語ったところで、何も伝わりません。本音で語ればコンフリクトが生まれるかもしれませんが、お互いに組織をより良くしたいという想いがあるのなら、それは歓迎すべきです。まずは自分が心を開き、相手の内なる想いをしっかりと引き出せるようになりたいと考えています」
キャリア入社してから、まだ自身の力を120%出し切ったと言える実績は残せていないと話す日比野。そう言える日をめざし、挑戦を続けていきます。
「私は、『時を告げるのではなく、時計を作ること』という言葉を大事にしています。これはジム・コリンズの名著『ビジョナリー・カンパニー』の一節ですが、自分にしかできない仕事を追求するのではなく、永続的に誰もが活用できる仕組みづくりをめざすことが大切です。
常にそうした視点に立ち、組織をより良くするために力を尽くしていきたいと思います」
継続的な改善を続けることを信条に。小さな変化を積み重ね、やがて大きな変化を
転職で実現したかった「外の世界を知る」という希望。それは豊田通商にキャリア入社したことでかなえられていると日比野は感じています。
「私が所属している条鋼鋼管事業部だけでなく、豊田通商にはさまざまな組織があり、幅広い事業を展開しています。そこで働く多様な仲間と接点を持ち、新たな知識を得られることは、私が希望していた『外の世界を知る』ことにつながるため、入社して本当に良かったと感じています」
成長できる環境を活かし、日比野は次の目標に向かって進んでいきます。
「メタル+(Plus)本部において、事業規模の拡大に貢献できるような業務に携わることが目標です。キャリア入社のため、社内で私のことを知らない同僚はまだまだ多いと感じています。
今後は組織内で自身のプレゼンスを発揮できるよう、事業の成長につながる実績を積み重ねていきたいと思います」
そして将来的には、マネジメント職もめざしたいと話します。
「前職でのマネジメント経験を活かし、組織をより良くするために自分にできることを実践したいと考えています。そして私のやり方に対する部下からのフィードバックを積極的に受け入れ、チームで成長していきたいです」
仕事は1人ではできないからこそ、チームで相乗効果を発揮したい──そう語る日比野は、これからも組織のために改善を続けていきます。
「前職から一貫して私が大切にしているのは、変化を恐れずに継続的な改善を行うことです。小さくても少しずつ変化を積み重ねていくことで、やがて大きな変化につながると考えています。
そのためにもアンテナを高く張り、さまざまな情報や知見を吸収して改善のヒントを得ることが大切です。そこから新たな発想を生み出して変化を起こし、条鋼鋼管事業部全体のさらなる成長に貢献したいと思います」
※ 記載内容は2025年7月時点のものです

