グローバル顧客と販売店をつなぐ、産業車両海外営業の最前線
私が所属しているのは、トヨタL&Fカンパニーの海外営業部で、グローバルに事業展開する大手顧客を担当するグループです。私たちのミッションは、世界中に拠点を持つ重要顧客に対して、豊田自動織機の総合力を活かした最適なソリューションを提案し、お客さまのビジネス成功に貢献することです。同時に、当社のグローバルプレゼンスを高めていくという役割も担っています。
日々の業務では、大手飲料メーカーや物流会社といったグローバル顧客に対して、フォークリフトの提案や商談対応を行っています。具体的には、各国の販売会社と連携しながら、お客さまの運用状況やニーズを把握し、最適な車両仕様や契約条件を提案しています。また、グローバル購買担当者との関係構築や、新規商談につながる「ドアオープン」活動、現地での顧客訪問、ニーズの収集なども重要な業務です。お客さまから得た情報は商品企画部へフィードバックし、将来のビジネス拡大につなげています。
フォークリフト以外にも、海外の空港向け牽引車の自動化プロジェクトに携わっており、技術部門や海外関係会社と協力しながら、お客さまの窓口として要件整理、実証試験、顧客調整などを進めています。グローバルキーアカウントグループのグループ長として、チーム全体の方針づくりと業務推進も担当しており、北米や欧州のチームと連携しながら、グローバル顧客向けの戦略立案、活動計画の策定、商談のサポート、戦略の実行管理などを行っています。
仕事をする上で最も大切にしているのは、メーカーの代表として、お客さまからいただく信頼に必ず応えることです。そのために、お客さまの声を誠実に受け止め、約束したことを確実に実行する姿勢を常に心がけています。また、私たちの仕事はメーカーだけでは完結しないため、各国の販売店と一丸となり、One Teamとして最適な商品とサービスを提供することも大切なモットーです。メーカーと販売店が同じ方向を向くことで、お客さまにとって本当に価値のある提案ができると考えています。
半導体営業からの転身、より大きな舞台を求めて
前職では、日系半導体メーカーの海外営業部に所属し、欧州市場向けマイコン製品の販売業務に携わっていました。現地販売会社への販売支援から市場動向の分析、関連部門との連携強化、拡販戦略の立案、さらには未参入分野や潜在顧客の洗い出し、顧客訪問および製品提案まで、一連の営業・マーケティング活動を幅広く担当していました。
その中でも強く心に残っているのは、大手家電メーカー向けカスタム製品の量産立ち上げを主導した経験です。要求仕様が極めて厳しく、欧州の開発チーム、国内設計、工場を巻き込んで何度も調整を重ねる日々でした。立場の異なる多くの関係者をまとめ、顧客の真意を読み取りながら仕様、価格、スケジュールを一つずつクリアしていく過程は本当に大変でしたが、最終的には競合を置き換える形で大型採用を獲得することができました。この経験を通じて、グローバル案件における調整力と巻き込み力の重要性を深く学び、それが今のキーアカウント業務の基礎となっています。
キャリアを重ねる中で、次第に「より大きな裁量を持ち、自分の力で市場を切り拓いていきたい」という思いが強くなっていきました。それが転職を考えたきっかけです。転職活動では、製造業であること、海外拠点があり駐在のチャンスがあること、海外営業職であること、首都圏勤務が可能であること、安定した企業基盤があること、そしてワークライフバランスが保てることを軸に企業を探していました。
豊田自動織機を選んだ決め手は、世界中にネットワークを持ち、フォークリフト分野で圧倒的なシェアを誇る、その事業規模と事業推進力でした。複数の国や地域を跨ぎ、文化も商習慣も異なる市場で戦略を描き、グローバルな事業を動かしていく。その規模感に強く惹かれ、「ここでなら、自分の可能性をさらに広げられる」と確信しました。より大きな舞台で、自分の力を試したい。その想いを実現できる環境が、豊田自動織機にはあると感じたのです。
現場に飛び込んだ経験と、失敗から学んだグローバル営業の本質
シンガポール駐在時代、私の営業スタイルを根本から変える出来事がありました。東南アジアの日系製紙メーカーから作業者検知システムについて問い合わせをいただいたことをきっかけに、フォークリフト向け安全システム「SEnS+」の提案活動に取り組んだことです。
それ以前は、地域マネージャーとして販売店の営業活動を後方から支援し、案件を円滑につなぐことが主な役割でした。しかしこの案件では、単なる案件支援ではなく、メーカーとして価値をどう届けるかを自ら考え、実行することが求められました。そこで私は、自らお客さまと直接向き合い、販売店スタッフとともにマレーシアやベトナムの現場に入り込み、製品説明からデモ車による実演、販売店との調整、そして納車立会いまで、一連のプロセスをすべて自分の手でやり切りました。
とくに印象に残っているのは、 現場のオペレーターやマネージャーの声を直接聞きながら、お客さまの懸念点や要望を一つひとつ拾い上げ、デモ内容や提案資料を改善し続けたことです。安全性向上に直結する商品だからこそ、現場の「生の声」には重みがありました。そして納車当日、日本人責任者の方から感謝の言葉をいただいた瞬間、営業としてこれまでにない大きな達成感を覚えました。
さらに、この活動を通じて気づいたことがありました。普段、販売店は最前線でフォークリフトを販売し、メーカーである私たちに代わってお客さまと真正面から向き合ってくれています。しかし、自分自身が実際に「売る側」として現場に立ってみて初めて、販売店がどれほど入念に準備を重ね、強い責任感と情熱を持って提案しているのかを実感しました。
この経験は、単に SEnS+ の提案が成功したという成果にとどまらず、「販売店への敬意と深い理解があってこそ、真の One Team が成り立つ」という大きな学びを私に与えてくれました。
シンガポールでのこの体験は、私自身の営業スタイルを根本から見直す転機となり、現在の業務にも確かな糧 となっています。
グローバルに挑む人材を求めて――成長と挑戦の場がここにある
短期的には、グローバル顧客対応の基盤づくりに注力したいと考えています。現在、地域ごとに業務プロセスが統一されていないため、同じお客さまに対しても地域によって対応がバラバラになってしまうことがあります。お客さまにとっては、どの地域でも同じ品質で対応してもらえることが大きな安心につながるはずです。まずはこの基盤をしっかり固めることで、その後のトップリレーション強化や自動化提案といった取り組みもスピード感を持って進められると考えています。
中長期的には、「グローバルで戦えるリーダー」として海外駐在や現地組織の経営に関わりたいという思いがあります。シンガポール駐在時、自分の判断がお客さまや販売店のビジネスに直結する手応えと責任感を強く感じました。もっと権限を持った立場で現地組織の運営や人材育成に携わることができれば、お客さまの期待により早く応えられると考えています。
今の自分にとって次の課題は、グローバル事業を経営レベルで構想し、意思決定できる力だと考えています。 個別案件や売上・台数の最大化にとどまらず、財務・投資・リスク・人材配置を含めた事業全体の最適化を、長期視点で判断できる経営感覚をさらに磨いていく必要があります。
また、異なる文化・価値観・成熟度を持つ組織を束ねながら、現地組織が自律的に成果を出し続ける仕組みをつくるマネジメント力も、より高いレベルで求められていると感じています。 単に指示・統制するのではなく、現地の強みを引き出し、人材を育て、組織としての再現性ある成長を実現できるリーダーシップを身につけていきたいと考えています。
将来的には、そうした経営視点と組織マネジメント力を土台に、グローバル顧客と長期的なパートナーシップを築きながら、会社としての競争力そのものを高められる存在になることをめざしています。
採用候補者の方には、特別なスキルよりも、素直に学ぶ姿勢と変化を受け入れる柔軟性、そして周囲を巻き込みながら前に進めるコミュニケーション力を持っていただきたいと思います。グローバルな仕事は大変なこともありますが、その分、自分の成長を実感できる機会が非常に多いです。国や文化の違いを楽しみ、自ら課題を見つけて動ける方、新しいことに挑戦し続けられる方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。分からないことを楽しめる姿勢で、ぜひ飛び込んできてください。

