全国から集結した精鋭チームで挑むバイオマス発電所建設
日鉄テックスエンジは現在、和歌山県御坊市においてバイオマス発電所の建設プロジェクトを推進しています。発電容量5.0万kWを誇る大規模なプロジェクトで、2025年9月の営業運転開始をめざして工事が進行中です。
「本案件は、当社として建設工事だけでなく、機械および電気工事も一括して請け負う複合的なプロジェクトです。機械・電気・建設の各部門が同じ事務所内で緊密に連携できる環境が、今回のプロジェクトの特徴であり、すべてを一社で対応できることが当社の強み。また、複数企業が参加しているため、組織間の調整も行いながらプロジェクトを推進しています」
再生可能エネルギーへのさらなる期待が高まる中で、環境配慮型のエネルギー源として注目を集めるバイオマス発電。この大規模プラント工事に関わる小野はチームのメンバーとともに日々、新しい取り組みに邁進しています。
現在、建設工事を担当するのは6名。全国各地から結集した精鋭チームです。
「本社所属の工事所長を筆頭に、全国各地の支店からメンバーが集まっています。工事現場全体では約400名、建設部門だけでも50〜60名の作業員が働いているため、それらを統括管理する6名の責任は大きいです。私も、工事主任として安全・品質・工程管理を行っています。
具体的には、施工計画の確認、他業種を含めた作業打合せ、施工図チェック、元請け会社との調整、工事品質検査、安全パトロールなど、現場業務が円滑に進むように、日々さまざまな業務を並行して行っています」
チームのミッションは、無災害で工事を完遂すること。工事主任として現場の安全・品質・工程を管理する上で、小野には大切にしていることがあります。
「技術力を磨くと同時に、現場での直観的な判断を重視しています。たとえば、図面と実際の施工状況の整合性を確認したり、作業員の顔色や行動を観察したりしながら、違和感を覚えたときはすばやく適切に対応することを心がけてきました。こういった、現場での感覚の鋭さや正確さは、プロジェクトの成功と安全性の確保につながると信じています」
現場志向に惹かれ、日鉄テックスエンジへ。構造工学の知識を強みに、多様な現場を経験
大学院で構造工学を専攻した小野。日鉄テックスエンジを選んだのは、現場への強い想いがあったからでした。
「構造系の学生の多くは設計分野に進みますが、私は現場に直接的に携わる仕事に魅力を感じていました。
私が所属していた研究室の先輩方が多く就職されていたことをきっかけに、当社の存在を知りました。ハウスメーカーなども検討していましたが、職場見学に参加してさまざまな建築現場を視察する機会があり、当社が多様なプロジェクトを手がけていることを知り、幅広い経験が積めると感じたことが、入社を決めた理由です。仮設計算、足場設計、鉄骨構造など、現場で直接活用できる知識があることは、構造系出身の私の大きな強みだと考えています」
入社後、小野はさまざまな現場で建設工事に携わってきました。
「最初の数年は主に建屋に関連する整備の現場を経験しました。たとえば、日本製鉄名古屋製鉄所で工場内のクレーンを走行させるレールの更新工事を行ったり、同社の東日本製鉄所君津地区で設計業務に従事したり、その後、炉廻りの防熱板補修工事や屋根葺替工事も担当しました。
3年目に室蘭支店へ配属されてからは、独立した建設プロジェクトを担当するようになりました。具体的な案件として、日本製鉄の独身寮の新築工事や工事詰所の新築工事など、大規模な案件も任されるようになりました。
そして、6年目に現在所属する八幡支店に異動してからは、日本製鉄九州製鉄所八幡地区を中心とした新築工事プロジェクトを、年間約1件のペースで手がけています」
現場監督としての13年間で体得してきた、挑戦することの意義と成長の軌跡
小野にとってとくに成長につながった出来事がありました。それは、室蘭支店時代に初めて担当した独身寮新築工事のプロジェクトです。
「9階建ての鉄骨構造で、ピーク時には300人以上の作業員が出入りすることになる独身寮の建設。当時、社内でも比較的大規模な案件でした。
当時3年目だった私は、配属されたばかりの現場で右も左もわからない状態。先輩から受けた指示を協力業者のスタッフの方々に伝えるのですが、皆さんから投げかけられた質問にうまく回答ができないというジレンマに悩まされました。その場ですぐに答えられない申し訳なさや悔しさを抱えつつ、持ち帰って先輩に繰り返し質問し、一つひとつ仕事を覚えていきました」
当時小野が経験したことは、現場を主導する立場となったいまも貴重な財産になっています。
「たとえば、協力業者のスタッフに当日の作業範囲を指示する際には、品質管理の項目など必ず守るべき決まり事があります。現場で指示通りに実施されていない場合はやり直しを求めますし、こういった細かい管理を一つずつ積み重ねることの大切さや、それを実行するための一連の知識を習得できたことが、今でも私の基礎であり、原理原則となっています」
また、同プロジェクトでは、工事の作業中断を余儀なくされるという経験もあったと振り返ります。
「安全設備の不備が原因で災害が発生し、1〜2カ月の作業中断を余儀なくされた経験があります。この経験は、安全確保の大切さと災害防止の重要性をあらためて痛感しましたし、今もこれを最大の重要事項と捉えています。
また、自身の発注ミスで必要な備品を“12個”のところを“12ダース”も注文してしまい、納品時に愕然とした経験もあります。それからは、発注時の数量や単位の厳密なチェックを習慣化していますね」
その後も現場を重ね、小野は5年目から工事主任や工事所長を任されるようになり、現在はキャリア13年目を迎え、大きな成長を実感していると言います。
「入社時と比べ、責任感は格段に向上しました。工事担当者のころは上司の指示に従うだけでしたが、いまはプロジェクトの中軸として現場を統括する必要があります。そのため、年齢が離れた上司と後輩とのあいだの橋渡し役も担うなど、責任の重さを実感しています。
また、以前はお客さまと直接対話する機会はほとんどありませんでしたが、現在のバイオマスの現場では頻繁にコミュニケーションを重ねていく必要があります。環境の変化により、自分の取るべき行動も大きく変わってきていますね」
そんな小野がもっともやりがいを感じると話すのが、プロジェクトの竣工時。建物を引き渡すときの達成感は格別だと言います。
「現場管理には唯一の正解はなく、条件に応じて柔軟に対応しなくてはなりません。進め方は人それぞれですが、試行錯誤しながら完成をめざす点では同じ。その意味で、現場というのはジグソーパズルのようなものだと考えています。
パズルのピースを配置する順序は自分次第。それが効率的な工事進行につながることもあれば、停滞を招いてしまうこともあります。自らの采配で現場をコントロールし、プロジェクトを完遂したときの喜びは何物にも代えがたいものです」
向き不向きよりも、前向きに。長く携わる仕事の中で、何事も学びと実力に
個人と会社がともに持続的に成長できる組織であるために。小野には、現場のリーダーとしてめざす姿があります。
「後輩たちから目標とされるような存在になることをめざしています。そのために、技術力に磨きをかけ、新しいことにチャレンジし続ける姿を示していきたいです。
『向き不向きよりも、前向きに』が私のモットーなんです。得意なこと苦手なことを問わず、どんな課題にも前向きに取り組んでいきたいと思っています」
現場責任者として成長を遂げてきた小野。最後に、未来の仲間に向けて次のような言葉を投げかけます。
「これから入社される方々に伝えたいのは、継続的に自己研鑽することの大切さでしょうか。高校や大学の卒業はひとつの区切りに過ぎず、社会人としてのキャリアはそこからスタートします。これまでの人生の2〜3倍の時間を、仕事に費やしていくことになるのです。
ですから、これから長い年月を過ごすことになる職場の中で、現状維持で満足せず、ぜひポジティブに新しい技術の導入を提案し、自身の専門性を磨くための学びを重ねていってください。当社にはそれを応援してくれる環境があります。私自身も、後輩に簡単に追い越されないように、日々努力をしていきたいと思います」
※ 記載内容は2024年9月時点のものです
