技術の日産。自動車メーカー。機械系の仕事。そんなイメージを持つ人は多いかもしれない。
でも、こんな疑問を抱いたことはないだろうか。
「クルマが大好きじゃないとダメ?」「専門分野と同じ部署にしか配属されない?」「経営が厳しいから、挑戦できないのでは?」
採用担当者にお話を伺うと、意外なリアルがたくさん浮かび上がってきた。
創業91年、「他のやらぬことを、やる」DNAが今でもあらゆるところに根付いている──採用担当者が語る、日産の"リアル"とは?
今回お話を伺った方
萩野谷 剛さん(R&D人事部 人事課 アシスタントマネージャー)
※所属情報は2026年3月公開時点
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【よくある質問Q&A】「クルマ好き必須」「機械系だけ」という思い込みを解く
Q1. 日産って「クルマが大好きな人」じゃないとダメなんでしょ?
A. クルマへの愛情より、技術への探究心を大切にしています。
萩野谷さん:
「私自身、クルマが好きというより、いろんな技術に関わりたいと思って日産に入社しました。実は10年ぐらいクルマを持っていなかった時期もありました。
社内で活躍している人を見ると、確かにクルマにも詳しい方はいるのですが、それよりも『技術的にこういうところが面白い』と突き詰めていく方が多いかもしれません。この技術のこの部分が面白いよね、と自分で積極的に調べたり、担当している仕事の目的は何か、社会的にどういう影響があるか、お客様にどういう価値を届けられるか──そういうことを深掘りしながら把握し、周りとディスカッションできる人が評価されています」
Q2. 機械系の仕事が中心ですよね?
A. 実は、ソフトウェア技術・制御技術など、電気系/情報系の職種が急拡大しています。
「自動車会社=機械系」というイメージは根強いですが、実態は大きく変わっています。
萩野谷さん:
「確かに機械系のイメージが強いと思います。でも実際に働いていると、クルマは電動部品が多く、それらを安全・快適に動かすための制御技術や、車載システムやサービスを支えるソフトウェア技術など、電気系・情報系の職種が活躍する場面がすごく広がっています。社員数も増えていて、今まさに電動化・知能化が進んでいる真っ只中です。
クルマって、今や『動くスマホ』みたいなものになっていて、スマホのアプリで動かせたり、クラウドを使ったデータ活用・開発もしています。機能やコンテンツのオンラインアップデートもすでに一部で始まっています。巨大な機械であるクルマを最先端技術で動かせたり、購入後もアップデートやカスタマイズでクルマが進化していく。そんな未来に携わっていける、そういう面白さを知ってほしいですね」
Q3. 専攻分野と同じ部署にしか配属されない?
A. 専攻分野よりも「論理的思考力」と「やりたいこと」を重視しています。
「機械工学だから機械設計」「生物学専攻だから入れる部署が無い」──そんな固定観念はありません。
萩野谷さん:
「面接で印象的だったのが、昆虫の捕食関係を研究している生物学専攻の方でした。食べる側の虫は、食べられる側のどんな痕跡を手がかりにしているのか。匂いなのか、視覚情報なのか、それとも別の要素なのか。そういうロジックを研究していました。
これって自動車の仕事ではないのですが、『論理的にどう因数分解して、仮説を立てて検証していくか』という考え方は、どの部署でも通用します。この方はどこでも働けるなって感じましたし、実際、面接の評価も高く、私も一緒に働きたいと思いましたね。
その方はSDGsや環境に貢献したいという想いを持っていたので、そういう部署を希望されていました。専門分野が生物だから生物系、ではなく、『本人の考え方』と『やりたいこと』を軸に面接の合否や配属を決めています」
Q4. 経営が厳しい状況が続くと、チャレンジできないのでは?
A. 今こそ、挑戦のフィールドが広がっています。
会社の経営状況から、「チャレンジングなことができない環境では?」と思われがちです。
萩野谷さん:
「確かに、経営状況が厳しいというイメージから、説明会にすら来ていただけないケースもあります。でも、インターンシップに参加した学生の皆さんからは、『社員はこんなに前向きなんですね』『コストという同じ目標に向かって部署の垣根を越えて、新しい技術開発にどんどん挑戦しているんですね』という声をいただいています。
実は今こそ、私たちは「挑戦する人財」を必要としていますし、挑戦できるフィールドも広がっています。日産には『他のやらぬことを、やる』というDNAがあって、社員一人ひとりが情熱的・革新的・挑戦者として取り組む文化があり、大切にしています。そのDNAは今も変わっていません」
Q5. 若手のうちは高級車の担当など、大きな仕事を任せてもらえない?
A. 3年目でスカイラインを担当。質は変わらず、量で調整します。
大企業だからこそ、若手は補助的な仕事しかできないと思っていませんか?
萩野谷さん:
「学生の方からは『高級車はベテラン、軽自動車は若手が担当する』みたいなイメージを持たれることがあるのですが、全く違います。担当車種は業務のアサインタイミングで決まることが多く、私自身も開発エンジニアとして日産に新卒入社し、3年目に今のスカイラインを担当しました。入社年次は関係ありません。
ベテランと若手の違いは『量』がメインだと思います。ベテランはたくさんの仕事をこなせるので担当範囲が広い。若手は担当範囲が狭い。でも、『質』は変わりません。
例えば、若手社員が運転席下のフロア部分を担当する場合、その中の重要な部品だけを任されることもあります。担当範囲は狭いけれど、実験結果を見て、どう改善するかを自分で考え、製造できるかも確認し、上司と相談しながら答えを出していく。そういう意味で、責任の重さは変わりません」
【実は○○の真実】グローバル品質保証、MR工場、60~70職種の多様性
実は、「グローバル品質保証」という仕事があります
認知度はあまりありませんが、最も海外に行く仕事──それがグローバル品質保証です。
萩野谷さん:
「海外での販売台数が全体の86%を占める日産だからこそ、世界中のお客様の声をキャッチアップして、開発や生産に反映させる仕事が重要です。お客様が何に困っているのか、どんな使い方をしているのか、必要であれば、たとえ海外でも実際に見に行く。そして、お客様の声を生産や開発現場のエンジニアが理解できる『技術用語』や『物理量』に変換していく──ある種、お客様の代弁者であり翻訳機のような役割ですね。
品質保証と言うと販売後の車両に対してのイメージが強いかもしれせんが、グローバル品質保証は、新車の企画・開発段階からアフターセールスに至るまで、総合的な視点で品質を担保しています。
生産、開発、販売会社など、いろいろ部署を巻き込みながら、お客様のことも知りながら仕事ができる。すごく面白い職種だと思うのですが、なかなか知られていないのが残念です」
実は、「生産技術開発」工場ではMRで量産工場の技術を伝承しています
「工場=機械系だけ」と思っていませんか?実は、最先端技術が集まっています。
萩野谷さん:
「生産技術開発では、工場のライン設備や組み立て工程をどう設計するだけではなく、働く人がどうすれば疲れにくいかなども考えています。最近面白いなと思ったのが、MR(複合現実)ゴーグルをつけて組み立て作業を学ぶ仕組み。技術やノウハウをどう伝承するかという課題に対して、MRで『ここにこういう部品を、こう組み付けるんだよ』と教えています。機械系だけじゃない、最先端の取り組みをしています」
e-パワートレインの仕上がりを確認する外観目視検査工程のトレーニングへMR技術を活用
(日産ストーリーズ参照:MR技術の活用で工場がさらに進化!)
実は、60〜70職種から選べます
日産の技術系採用では、エントリーシートで60~70職種から2つまで選んで応募します。
萩野谷さん:
「車体設計、衝突実験、自動運転、工場設備──学生の皆さんがイメージしやすい職種は限られていると思うのですが、実は60〜70職種もあります。
例えば:
・生産技術開発:デザイン部門、開発部門と一緒に、『このデザインはかっこいいけど量産や組み立てが難しい』などの問題について、どう量産化するかを考える
※詳細は「生産技術開発 職種紹介ページ」でもご覧いただけます
・グローバル品質保証:国内外のお客様からのフィードバックをクルマへ活かしていくため、必要に応じて国内外の現地に行き、実際に起こっていることを把握&エンジニア視点での分析→設計・実験の改善へつなげている
職種が多く、説明会でも伝えきれないのが課題なのですが、それだけ多様なキャリアを選択できることが魅力だと思ってます」
【日産が求める人物像】論理的思考と、技術への探究心
専門分野より「考え方」を重視
日産が最も大切にしているのは、論理的にどう考えていけるかです。
萩野谷さん:
「専門性が何かではなく、『論理的思考力』と『本人がやりたいこと』を軸に見ています。Q3でご紹介したような、『生物学専攻の学生が研究で培った論理的思考力を使い、環境技術開発に挑戦する』、それが日産です」
「他のやらぬことを、やる」DNA
日産には、「他のやらぬことを、やる」というDNAが脈々と受け継がれています。
萩野谷さん:
「情熱的・革新的・挑戦者として取り組む文化があり、それが日産の社員一人ひとりが持っているDNAです。技術の日産と言われる理由も、そこにあると思っています」
コミュニケーション能力も大切
技術を突き詰めるだけでなく、周りと協力しながら進める力も重要です。
萩野谷さん:
「担当している仕事の目的は何か、社会的にどういう影響があるか、お客様にどう届けられるか──そういうことを周りとディスカッションできる人が活躍しています」
talentbook編集部コメント
取材で最も印象に残ったのは、萩野谷さんの「技術への探究心をもった方が活躍している」という言葉でした。
また、「機械系」「クルマ好き必須」というイメージが強い業界ですが、実際に求められているのは論理的思考力。生物学専攻の学生が環境技術の開発に進む事例を聞いて、専門分野の壁は思っていた以上に低いのだと実感しました。
MRで技術を伝承する工場、世界中を飛び回るグローバル品質保証という仕事、60〜70もの職種──自動車メーカーの仕事の幅広さに驚かされました。
「他のやらぬことを、やる」という創業91年のDNA。それは単なる過去の遺産ではなく、今も日産で働く人たちの中に、確かに息づいているのだと感じました。
【就活中の学生へのメッセージ】技術への探究心があれば、挑戦できる
萩野谷さん:
「クルマが大好きじゃなきゃダメ、ということは全くありません。私自身がそうでしたから。それよりも、『この技術のこういうところが面白い』と突き詰めていける方、自分で調べて、周りとディスカッションできる方に来てほしいですね。
専門分野も関係ありません。論理的にどう考えていけるか、やりたいことは何か──それを軸に配属を決めています。生物学専攻から環境技術に挑戦する、そういうキャリアもあります。
経営が厳しいから挑戦できないのでは、と思われがちですが、実は今こそ挑戦のフィールドが広がっています。『他のやらぬことを、やる』というDNAは、91年経った今も変わっていません。
自分が関わった技術や部品が世の中に出て、街中で走っているのを見る。友人へクルマのうんちく話をする。それが最高のやりがいです。ぜひ、日産で一緒に挑戦しましょう」
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