学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」の代表例が部活での経験です。部活においてどんな経験をしたのか、そのときに何を考え、どんな取り組みをしたのかなどを、どのようにビジネスで活かせるのか思い巡らせながら考えている方が多いのではないでしょうか?
では、実際に社会に出て働いている人々は、学生時代の部活の経験がどのように活かされていると考えているのでしょうか?本記事では、部活動で得られる経験の一例と、部活の経験が活かされている方、仕事に影響を与えていると考えている方々の声をご紹介します。
部活動で得られるものといえば?
部活にはさまざまなものがありますが、いずれの部活でも次のような経験を得られたという方は多いのではないでしょうか?こうした経験は、ビジネスに限らず役立ち、経験自体が背中を押すものとなるでしょう。部活で得られる経験の一部をご紹介します。ぜひご自身の経験を思い出しながらチェックしてみてください。
・人間関係を学べる(コミュニケーション能力)
同じ目標を目指し、部を円滑に運営する上で、どのようにコミュニケーションを取るべきなのかを学ぶ機会が多いのではないでしょうか。
また、部活では同級生だけではなく、先輩後輩や教師、外部の指導者、他校の生徒や指導者とも接することもあるため、礼儀・礼節を学ぶ機会にもなるでしょう。
・継続力
一つのことを継続することは容易いことではありません。その上、目標に対して努力や試行錯誤を重ねた経験は今後役立つ機会も多いのではないでしょうか。
・忍耐力
継続力にも通ずるところがありますが、新しい練習や、新しい知識を得たからといってすぐに結果が出るわけではありません。ハードな練習や地道な練習などの積み重ねが結果につながったという経験を持っている方も多いと思います。
・目標に対して行動する力
大会での勝利、コンテストへの入賞、技術力の向上など、何かしら目標を置いて部活に取り組む方が多いのではないでしょうか?やみくもに練習に打ち込むのではなく、どんな練習が効果を発揮するのか、思考したり、行動を起こしたりという経験はまさにビジネスの基礎となる力です。
また、自分一人で考えるのではなく、ほかの部員や顧問、コーチなどにアドバイスをもらって取り組むという経験も大切な行動です。
・マネジメント能力
部長や副部長など、何かしらの役職で部員をまとめる役割を経験した方も少なくないのではないでしょうか。部をまとめるだけではなく、チームや部員のモチベーションを上げながら部活に取り組んだり、状態に合わせて練習メニューを考えたり、ときには部員の相談に乗ったりと、ビジネスにおけるマネジメントに通じる経験をされた方も多いと思います。
・成功体験/挫折体験
試合に勝ったり負けたり、練習の成果がでたり、逆に思うように上達しなかったり、場合によってはもう辞めてしまおうかと考えることもあったのではないでしょうか。成功体験だけでなく、挫折や失敗を乗り越えた経験も自信につながります。
選手としてだけでなく、マネージャーとして取り組んだ経験や、大学の部活で会計や広報、企画などの経験もビジネスにおいて役立つことが多いでしょう。
社会に出た、部活経験者の声
ここからは、部活動での経験がビジネスの場においてどう役立っているのか、また影響しているのか、働く人の実際の声をご紹介していきます。
※掲載内容はストーリー公開当時の内容です。
▶︎株式会社グロービス
事業内容:グロービス経営大学院、企業内研修、スクール型研修、ベンチャーキャピタル、BLOBIS学び放題、出版・発信
・業務内容:コンサルタントとして、企業の人材育成と組織開発支援に携わる
・部活動:ハンドボール
・部活動での経験が活かされたこと
児玉 「入社4年目で部署異動をし、素晴らしい上司や職場のメンバーがいる環境に身を置くと、成果が出るようになりました。私の能力自体はそんなに変わってないはずなので、改めて環境の重要性を痛感しましたね。ハンドボールでの経験とも重なって、人が成果を出す上で一番大きな影響を与えるのは『人』や『環境』なんだという思いが強くなりました」
→ストーリー:周囲の人や環境の重要性を痛感した。トップチームで活躍したハンドボーラーの礎
▶︎デル・テクノロジーズ株式会社
事業内容:個人・法人のお客様を対象に、パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティサービスに至るまで包括的な ITソリューションを提供
・業務内容:カスタマーセンターでクオリティリードとして働く
・部活動での経験が活かされたこと:
杉本さん 「私は、学生時代から部活のマネージャーをしたり、前職でも接客業を行ったり。周りの人の役に立ちたい想いはその頃から持っていたかもしれませんが、デルに入社してからより一層強くなりました」
→ストーリー:お客様満足度92%超えを目指す、カスタマーサポートのプロフェッショナル
▶︎株式会社デンソー
事業内容:自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカー
・業務内容:次世代モビリティに欠かせないセンサー類を製造するAD&ADAS製造部で製品を検査する設備の立ち上げを担当
・部活動:躰道
・部活動での経験が活かされたこと:
木村さん 「努力を継続する大切さを教えてくれたのは、大学に進学してからはじめた躰道(たいどう)でした。躰道とは武道の一種で、体軸の変化を使って攻防を展開する武道です。簡単に言うと、空手にバク転やバク宙などの三次元の要素を組み合わせた比較的新しい武道です。はじめたきっかけは先輩からの勧誘で、断りきれずに何気なく部活に参加したという感じでした。そういうこともあり、モチベーションも低く、しばらくはまともに稽古にも参加していませんでした。(中略)
だからこそ、社会人になっても何かの“一番”になりたいと思っていました。一番を目指せる環境、自分の限界を押し上げてくれる環境。そんな環境が、世界初を何度も実現してきたデンソーにはあり、ここでなら自分自身を高め、挑戦の幅を広げていけるはずだと思い、入社を決めました」
→ストーリー:大切なのは自分自身を信じること──本気で世界一を目指す木村が語るデンソーの環境
▶︎東洋製罐株式会社
事業内容:製缶・製蓋機械や飲料充填設備などの製造販売、飲料充填品・エアゾール製品・一般充填品(液充填製品)の受託製造販売、貨物自動車運送業や倉庫業など
・業務内容:生産管理課SCMグループで、お客様からの注文に応じて生産計画の立案から資材調達、製品供給と幅広い業務に携わる
・部活動:サッカー
・部活動での経験が活かされたこと:
高校ではサッカー部に所属していた高野さん。コミュニケーションを大事にした部活動が仕事に活きているといいます。
高野さん「全学年で16人と少ない部員数で活動していました。人数が少ない中、下の学年でも上の学年でも、勝利という目標は同じ。目標を達成するためには、しっかり言い合える関係を築くことが必要でした。
具体的には、高い目標設定を達成できるように、日々コミュニケーションを欠かしません。チームワークを良くすることによって目標達成確率は上がっていくと信じています。おかげさまで、目標も達成できました。
高校サッカー選手権の予選大会では、一次予選の4回戦を勝ち二次予選出場を目指した結果、6回戦まで進めました。ベスト16には一歩及びませんでしたが、それでも経験したことは確かに今へつながっていると考えています」
→ストーリー:製品を通して人のためになることを──生産管理の若手社員が「工場の要」になるまで
▶︎株式会社日立製作所
事業内容:金融ビジネス、社会ビジネス、サービス&プラットフォームビジネス、ディフェンスビジネス、鉄道ビジネス、ヘルスケアビジネス、産業・流通ビジネス、水・環境ビジネス、原子力ビジネス、エネルギービジネス、パワーグリッドビジネス、研究開発
・業務内容:産業システム本部DXクラウドソリューション部に所属し、産業系・流通系のお客さまのインフラシステムを担当
・部活動での経験が活かされたこと:
豊富な人財や製品、サービスなど、豊富なリソースを有効活用できる人が日立には向いていると言う田中さん。次のように続けます。
田中 「人やモノを動かしたり、組み合わせたりしていくためには、製品知識などのハードスキルよりも、柔軟さや発案する力、コミュニケーション力といったソフトスキルが欠かせません。まったく知らない領域のことでも、進んで学ぶ意欲があるかどうかの問題だと思います。
また、チームとして結果を残す上で鍵となるのは、メンバーのモチベーションをどう奮い立たせるか。私自身は学生時代、部活のキャプテンを務めていたときに組織マネジメントをかじった記憶がありますが、そうやってリーダーシップを発揮してきた経験がある人が活躍できる場面は多いと思います」
→ストーリー:大きな裁量と豊富なリソースで新領域を開拓。自分だから、日立だからできることを
▶︎CCIG Unity(旧:北國FHD社員組合)
事業内容:地方銀行
・業務内容:丹南支店に配属され、当地の法人取引先を担当
・部活動:陸上
・部活動での経験が活かされたこと:
池上さんは富山大学の人間発達科学部(教育学部)卒業で、保健体育分野を専攻。スポーツ心理学やコーチングを学ぶ中、海での遠泳など集団で臨む実習も多かったといいます。目的達成のために各自が役割を分担し、当時の体験から「頼られること、それに応えること」の喜びや価値を知りました。
そして、この経験が就職活動時の自己分析につながり「お客さまに頼られ、夢の実現を手伝うことができ、そこに働く喜びを見いだせる仕事は銀行だろう」という考えに至ります。
池上さん 「学業と並行して陸上部にも所属し、1500mや駅伝といった中長距離を走っていました。100名ほど部員がいる中で、ありがたいことにキャプテンにも選んでいただいて。陸上は個人競技ですが、部員は集団への帰属意識が高く『リーダーシップとは何か』を実感できたことが非常に大きかったです」
記録を伸ばそうとストイックになる者、結果はともあれみんなで頑張ることが好きな者、入部したものの練習に参加しない者もいるなどメンバーは多種多様。自転車やアニメ、電車などを趣味にしている個性あるメンバーも多く、それぞれの良さは保ってもらいつつ統率するのは独特の苦労があったと笑います。
→ストーリー:「真のお客さま主義」の実現を目指して業務に励みつつ、キャリアプランに向き合う
「経験をした」という事実も大切ですが、その経験で学んだことを今後どのように活かすかが何よりも大切です。社会に出て働いている方々が経験をどのように、どんなときに活かしているのかを知ることで、いざというときに経験で学んだ力を発揮しやすくなるかもしれません。ぜひそういった視点でも、働く人の声に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか。
