地域の発展に向け、既存客を大切にしつつ新規取引を増やすことがミッション

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池上は、企業が抱える課題を融資、決済、経営の健全化に向けたコンサルティングにより解決に導くのが主な業務です。

所属しているのは福井県越前市にある開設3年ほどの丹南(たんなん)支店。ここで地域の既存取引先との関係を深めつつ、地域の発展のために新規取引を拡充させることが大きなミッションです。

現在、池上が任されているのは30社ほどの既存取引先と、新たな取引を提案中の約50社。製造業、建設業、サービス業など多岐にわたり、中には売上が数十億円規模の会社もあります。

池上 「すでにお取引があるお客さまを第一優先とし、その上で新規開拓に挑むスタンスです。私は眼鏡で知られる鯖江地区を担当しているのですが、レンズ専門の会社もあれば鼻に当たるパッドだけを製造する工場もあったりとそれぞれ専門に特化した企業が多いです。また、伝統的な漆器の工房も存在して特色豊かな地域です」

丹南支店はこのようなエリアに開設された新たな支店ですが、開業する以前は、別支店の担当者が車で片道30、40分かけて周辺の取引先を訪ねていました。

池上 「当行は丹南地区の産業とマーケットに価値を感じ、期待をしています。より細やかなサービスを提供するために、そして新規のお取引先を増やすべく、こうして久々の支店開設に踏み切ったようです」

支店に所属する法人RMは、池上のいる鯖江チームが4名、越前市を中心に活動する武生(たけふ)チームが同じく4名。法人RMが8名もいる支店は珍しく、若手がメインで、入社6年目の池上は年齢的に中心的な存在です。また、チーム内には新入社員もいて、お客さま訪問時に同行することも少なくありません。

池上 「新しい拠点を築くためには、柔軟に業務を引き継げてタフさや勢いを持ち合わせた若いメンバーが適任です。私は主力として自らのパフォーマンスを発揮しつつ、支店全体を活気づける役割も担っています。また、『後輩の意見を上司に伝える』『上司がいいづらいことを下に伝える』といった点も意識して業務に臨んでいます」

お客さまとの関係構築にも活きる、陸上部キャプテンとして部員を支えた経験

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池上は富山大学の人間発達科学部(教育学部)卒業で、保健体育分野を専攻。スポーツ心理学やコーチングを学ぶ中、海での遠泳など集団で臨む実習も多かったといいます。目的達成のために各自が役割を分担し、当時の体験から「頼られること、それに応えること」の喜びや価値を知りました。

そして、この経験が就職活動時の自己分析につながり「お客さまに頼られ、夢の実現を手伝うことができ、そこに働く喜びを見いだせる仕事は銀行だろう」という考えに至ります。

池上 「学業と並行して陸上部にも所属し、1500mや駅伝といった中長距離を走っていました。100名ほど部員がいる中で、ありがたいことにキャプテンにも選んでいただいて。陸上は個人競技ですが、部員は集団への帰属意識が高く『リーダーシップとは何か』を実感できたことが非常に大きかったです」

記録を伸ばそうとストイックになる者、結果はともあれみんなで頑張ることが好きな者、入部したものの練習に参加しない者もいるなどメンバーは多種多様。自転車やアニメ、電車などを趣味にしている個性あるメンバーも多く、それぞれの良さは保ってもらいつつ統率するのは独特の苦労があったと笑います。

とはいえ大学の部活動では、メンバーを一定の方向へ向かせる必要がありました。

池上 「キャプテンとして、何人もの部員から十人十色の悩みを聞きました。いずれも真摯に向き合い、一緒になって解決策を考え、それを繰り返しましたね。この姿勢は現在も貫いています」

とくに新規のお客さまからは多種多様な相談を受けます。経営不振から抜け出せずにいるケースが多く、古い習慣に縛られて業務の効率化を図れない経営者も少なくありません。

そんなお客さま一人ひとりと親身になって接し、現状から回復するためのプランを共に練っていく。これは、いずれ社内でマネジメントを担うポジションに就いても、チームをまとめるのに役立つ力です。

 「学生時代で十分に走り切りました」と、もう陸上からは離れたと笑う池上ですが、運動は続けており、スポーツジムの筋力トレーニングで汗を流して気分を切り替え、仕事に臨んでいます。

お客さまのためを第一に。親身に動いた結果として得た嬉しい周りからの信頼

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幅広い業種のお客さまが持つ各々の課題に対し、解決方法をたった一人で導き出すのは不可能に等しいこと。池上は自ら進んで勉強するとともに、より顧客理解と提案内容を深めるため、専門のコンサルティングチームの存在を活用しています。

こうして、同じ支店内のメンバーでなくとも、オンラインのコミュニケーションツールを使えば、すぐに相談できる体制が整えられています。

池上 「丹南の土地に基盤を構築するには、提案先の数を増やすことがファーストステップ。そしてお客さまの話を伺えるような関係を築けたら、先方の事業を正しく理解して対話を重ねることが大切ですね。さらに、相手よりも先に課題を見つけ出し『このような解決策はいかがでしょう』と提案してマッチすれば、その後のお取引につながりやすいです」

また、最近はこんな特徴的なケースがありました。丹南支店は開設して年数が浅く、しかも所在地が越前市であることから、鯖江市の公共料金引き落としに新規参入できずにいたといいます。「せっかく新規開拓で鯖江市のお客さまを増やしても、お手数をおかけすることになる」という課題を抱えていたのです。

池上 「ところが、私のお客さまから紹介されて新規取引を始めてくださった方が『北國銀行は親身になって手助けしてくれる良い銀行だ。自分は市長や秘書課とも認識があるので一度問い合わせてみよう』と働きかけてくれたんです。その結果、指定の引き落とし機関にもうじきなる予定です。これで鯖江市のお客さまの利便性は上がると思います。これは非常に嬉しかったですね 」

初めてのお客さまを訪ねる際、アポイントメントを取ったものの代表者が不在だったり、門前払いになったりすることももちろんあります。

また、せっかく出会えたのにニーズをうまく聞き出せない日もあります。一方で、取引が始まってもまだまだコミュニケーションが不足しているお取引先もあります。お客さまごとに関係性を高め、理解を深めることが大事なのです。

池上 「既存でも新規でも、やはりお客さまに直接会うことが大切ですね。チーム内でミッションを共有し『スケジュールを立ててお客さまとの対話の時間を増やしていく』というマインドを定着させることがポイントになると感じています」

目の前の仕事に励みつつ、今後のキャリアについて専門家に相談

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「今のチームは雰囲気が良く、仕事をしていて本当に楽しいんです」と語る池上。法人RMの8名それぞれが多様な案件を持ち寄り、相談するとアイデアが飛び交うなど活気に満ちています。

また、ミッション達成への想いをメンバーと共有できていることもモチベーション維持の重要な要素。池上自身は丹南支店に来て「ようやく一人前になった」と実感し、お客さま目線で仕事を考えられる環境に感謝しているといいます。

入社6年目になり、人事制度の改定もあって、今後は自分で将来の働き方を決めなければなりません。この点、北國銀行にはキャリアサポートを専門とする部署があり、いつでもアドバイスを受けられる環境が整っています。

池上 「当行は『営業から事務のオペレーションに異動したい』『証券の運用部門を目指したい』『コンサルティングを極めたいのでグループ会社に行きたい』といった声にも耳を傾けてくれます。目標が決まったら、必要なスキルを習得していく環境を与えてもらうこともできるイメージですね」

そう話す池上ですが、自身はまだ明確なキャリアプランを立てられずにいます。だからこそ今は、キャリアサポートを受けながら日々の仕事に集中し、法人RMとして成長すべき段階だと考えています。「法人RMはなかなかスポットが当たりませんが、本当に魅力的なポジション。この記事を機に、社員の方々に知っていただけたら」と語ります。

同期は現在40名ほど。同年代の社員も池上と同じく今後のキャリアで迷っていても、この社内サポートを利用している人はまだあまり多くはありません。「価値観や考え方を整理できるよう支援を受けられ、私自身も真剣に、積極的に利用して将来を考えています。こうした部分も知ってもらえたら」と自分もキャリア模索中でありながら周りにも気遣いが出来る池上。

池上 「そもそも私が北國銀行を選んだのは、誰かに頼られて応えることに価値観を持ったから。この点を軸に考えると、当行は何でもチャレンジできる環境なのかもしれません。目の前の仕事が充実していて、これから挑戦できる環境が用意されている。だからこそ、良い意味で、あらゆる選択肢の豊富さから迷っている最中なんです」

お客さまへの営業とは異なる、本部での業務、専門のコンサルティング部門、地域のデジタル化──これから先、未経験の仕事への挑戦が続くかと思うと期待に胸が膨らむという池上。「どの部署も魅力的に見えてしまうなんて、とても良い会社ですよね」と目を輝かせながら、これからもRMの仕事にまい進していきます。