顧客が少しでも多くの価値を感じられるように。仕事に向き合う真摯な姿勢

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株式会社グロービス(以下、グロービス)でコンサルタントとして、企業の人材育成と組織開発支援に携わる児玉 純平。新卒で入社した総合電機メーカーでの営業職として8年勤務したのち、2020年1月にグロービスに入社しました。

児玉 「最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成や、次世代リーダーの育成、『マネジメント層に部下育成の手法を学ばせたい』というご要望など、お客様のニーズに応じたご支援をするのが私の仕事です。泥臭い、細かい作業もありますが、単なる作業だと捉えず、『何のためにやっているのか』、その仕事の意味を意識するように心掛けています」

顧客目線で、価値を見出してもらえるよう日々励んでいる児玉。

児玉 「人材育成の場では、私たちが時間をかけ、熱も込めて仕事しているのはもちろんですが、顧客企業の人材育成担当者や、実際に研修を受ける方々にも貴重な時間を投下していただく必要があります。だからこそ、ひとつでも多く『グロービスの研修やサービスに関われてよかった』と思えるポイントをつくりたいと考えています」

葛藤も栄冠も経験したハンドボール。ここで学んだことが、人生の糧に

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今や仕事に邁進する児玉は、幼い頃からスポーツ少年として育ちました。

児玉 「3歳からずっとスポーツをやっています。水泳、野球、ドッジボール、ミニバス、陸上のほか、格闘技やテニスを少しかじるなど、色々やってきました。とはいえ、突出した成果は出せなかったし、あまり長く続かなかった。

そんな幼少期を経て入学した中学校は、一番強い部活がハンドボール部で、そこは全国大会にも出場する強豪だったんです。部員はハンドボールに没頭して輝いて見え、興味を引かれました。友達にも誘われたこともあり、ハンドボール部に入部したのです」

児玉は入部してすぐに監督から「すごくセンスがある」と褒められ、自分の強みが生きるハンドボールにのめり込みます。それでも才能だけに頼らず、人一倍練習。めきめきと頭角を現しますが、歩んだ道のりは決して平坦ではありませんでした。

中学時代、県の選抜選手に選ばれて全国大会にも出場した児玉。ところが補欠選手にとどまり、試合はプレーできませんでした。その結果は、全国優勝──

児玉 「全国大会でプレーできなかったというこの悔しさが、後の原動力になっています。相当努力しないと次のステップに行けないし、今の環境だと活躍できないだろうなと思いました」

実力が足りていなかったということもある。でも、指導者の求めるスタイルになじめず葛藤を抱えることもあったといいます。

児玉 「評価軸をどこに置くかは監督やコーチによってスタイルが違います。例えば、足が速い選手を評価する方もいるし、シュートスピードが速い選手の方に価値を見出す方もいる。なので、自分の強みとフィットしない環境でプレーをしていると、納得できない評価を受けることもあったのです。

また、それぞれの選手で持っている能力が全然違うにも拘わらず、単純に比較されることにも違和感がありました」

成果を出す中で、周囲の人と環境の重要性に気づいた

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転機となったのは、自分がより活躍できる場を求めて県外に進学した高校時代のことでした。

児玉 「優れた指導者に出会えました。指導者が韓国の方だったのですが、それまで経験した日本の指導スタイルと全く違う教え方をしていたんです。強みに目を向け、その能力を伸ばすというスタイルで、その考え方が自分にフィットしていました。自分の強みに対して評価をもらえたことが、私の成長に良い影響を与えてくれたと思います」

強豪校ゆえに優秀な選手が集まるため、勝ち残るのは容易ではありませんでした。部活内の上下関係は厳格で、練習も厳しく、さらに親元を離れての寮生活。生活指導も含めて常に休まる場所は無かったものの、児玉は誰よりも真面目に練習に取り組んでいました。

毎日寮から体育館まで約10kmの距離を走って通い、監督やコーチが見ていようといまいと、更に高みを求めてひたすら努力を続けたのです。

その結果、高校では主力メンバーとしてチームを牽引。大学ではコーチを兼ねるキャプテンとして活躍し、社会人になってからは自らチームを立ち上げて8年ほど活動しました。児玉は、選手として試合で結果を出す経験だけでなく、強豪を率いるリーダーの経験も積んでいました。

児玉 「自分が色々決めてチームを引っ張っていく中では、失敗もたくさんあります。一番苦労したのは、大学でキャプテンとコーチを兼ねていた時でしょうか。立場上言わないといけないことが多く、かつ自分でも行動で示さないといけないという、言動を一致させることが大変でしたね。

また、チームメンバーと理想とするハンドボールのスタイルが違った時に、お互いの主張をすり合わせながらまとめていくことも難しかったです。勝ちたいという思いは一緒だったので、チームとしてまとめられたのですが、最後まで折り合うことはありませんでした。

摩擦を回避するために妥協してしまった時もありましたが、それでは問題が解決しないんです。後々軌道修正しようとしても上手くいかない、そんなジレンマの連続でした。トップにいる立場としてまとめられてないという思いから、一時期は問題から逃げてしまった時期もありましたよ。

でも、自分ができないことに多く気づけたので良かったです。キャプテンやコーチの大変さを経験せずにハンドボールで成果を出していたら、天狗になっていたかもしれません。それから、信頼してくれる仲間にも恵まれました。本当にたくさん支えられたと感謝しています」

大きな責任を負う中で、児玉はメンバーが活躍できる環境を作ることを心掛けていました。それは、強みを生かすということ。「不得手に目を向けて無理をさせるのではなく、得意な部分をより伸ばす」という自分の能力を花開かせてくれたスタイルを、児玉自身もコーチという立場で発揮したのです。

大学卒業後、児玉は新卒で総合電機メーカーに入社。環境を変えることでより良い成果を出してきた経験もあることから、挑戦の幅が広く、多様性がある会社を選びました。そしてここでも、周囲の環境が変わることで大きな成果を出す経験をします。

児玉 「入社4年目で部署異動をし、素晴らしい上司や職場のメンバーがいる環境に身を置くと、成果が出るようになりました。私の能力自体はそんなに変わってないはずなので、改めて環境の重要性を痛感しましたね。ハンドボールでの経験とも重なって、人が成果を出す上で一番大きな影響を与えるのは『人』や『環境』なんだという思いが強くなりました」

そうして人や環境に結びつく仕事に携りたいと考え、後にグロービスの門をたたくのです。

人の成長ステップを描くには、深い人間理解が欠かせない

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入社して1年半が経つ現在、グロービスでの業務の特徴として「深い人間理解が求められる」点を挙げます。

児玉 「『どういうステップで人が成長するか』というポイントは顧客企業や部門ごとによっても異なり、そのメカニズムを解像度高く捉えた育成プログラムを設計すれば、人の成長を加速させることができます。

その、企業ごと、部門ごとに異なる変革の阻害要因をあぶり出し、その要因を乗り越えて人を変えていくプログラムを設計すること、これこそが私の仕事なのですが、それがすごく大変です。

抽象化された研修目的に沿ってプログラムを提案するだけなら、おそらくそれほど深い企業・人間理解がなくてもできる。でも、それが本当にその企業にとって有効かどうかを考えるときには、人間理解が重要になってくるんです」

児玉にとって、仕事のやりがいと、人間理解の重要性を改めて感じられる場面が結び付いている様子が垣間見られます。

児玉 「『人はこういうステップで成長していき、成長する上ではこういう壁、課題がある』という仮説を、社内で議論しながら形に落として提案していて、先方の担当者が感じている課題意識と仮説が合致したときには大きなやりがいを感じます」

自分だけで立てた仮説が本当に正しかったと実感する場面に立ち会うのは「まだまだです」と控えめに語る児玉。しかし、それを感じ取れる場面が増えれば、もっとやりがいを得るはずだと前を見据えています。

ハンドボールの世界や仕事の中で葛藤を乗り越えながら成果を出す経験を経て、周囲の人や環境の重要性を感じ、また人や環境を大切にするという自身の価値観を確固たるものに磨き上げた児玉。その価値観に根ざした行動は、顧客に限らず多くの人々から信頼を集めています。

今後も数々の企業にベストな人材を育て、ベストな環境をもたらすべく、ひたむきに挑戦し続けます。