マーケティングは顧客や社会が求める製品やサービスを、求める人に購入してもらうための仕組みづくりと言えます。マーケターの仕事は幅広く、市場調査やデータ分析をもとにした製品・サービス企画から、プロモーション施策、営業施策の検討なども含まれます。
本記事では、マーケターの中でもオンライン上でマーケティング活動を行うWebマーケターの仕事内容について、また実際にWebマーケターとして働く人々のやりがいをご紹介していきます。就職活動の情報収集にぜひ活用してみてください。
「Webマーケター」の仕事とは?
製品やサービスを購入してもらうための仕組み作りということで、マーケターはあらゆる企業に存在しています。消費者として私たちが見ているホームページ、広告、SNSなどにも携わっており、画面を隔てた向こう側と考えると身近な存在にも感じられるのではないでしょうか。
もちろん、普段私たちが目にしているものは、業務の一部でしかありません。また、Webマーケティングといっても、製品やサービスが企業向けなのか、消費者向けなのかによっても行う施策は異なります。ここでは、Webマーケターが担当することの多い業務をご紹介します。
▶︎Webマーケターの業務
・マーケティング戦略の策定
買い手が購入に至るまでの仮定を分析する「AIDMA」や市場、競合、自社の視点で製品やサービスを分析する「3C分析」などのフレームワークなどを用いて、どのような製品やサービスを誰に、どのような手段で届けるのかを調査結果やデータ分析を元に検討し、具体的なスケジュールや施策などに落としこんでいきます。
・コンテンツマーケティング
製品やサービスに関するコンテンツを作成し、製品やサービスを知ってもらったり、購買意欲を醸成したり、ファンになって再購入につなげていきます。コンテンツマーケティングにおいて作成されるコンテンツは、ブログやホワイトペーパー、導入事例などがあります。
・SEO(Search Engine Optimization)
コンテンツマーケティングの一環とも言えますが、検索エンジンで製品やサービスに関連するキーワードを検索したときに、上位表示されるようにコンテンツを作成したり、調整したりします。製品やサービスのWebサイトなどのコンテンツに触れてもらうことで、製品やサービスを知ってもらい、購入につなげる足がかりをつくります。
・広告の運用
検索エンジンに表示される「リスティング広告」やWebサイトなどに表示される「ディスプレイ広告」の他、SNS広告、記事広告などの出稿、運用に携わります。広告を配信するプラットフォームや広告主への出稿を取りまとめる広告代理店に運用を依頼するケースもあれば、自社内で出稿、運用を行うこともあります。
・Webサイトのアクセス解析
SEOや広告などをきっかけにWebサイトの来訪者を分析します。どの経路で、どのページに来訪したのか、また何回目の来訪なのか。そしてその来訪者は会員登録や、商品を購入したのか、資料を請求したのかなどのアクションを確認していきます。何もせずにWebサイトを離脱してしまうことが多いページなどがあれば、文言の修正やサイトの改修など改善に着手します。
・SNSの運用
広報部門が担うこともありますが、マーケティング部門が担うケースもあります。製品や商品にまつわる投稿をするだけでなく、キャンペーンを行ったり、フォロワーとコミュニケーションを取ったりと接点を創出します。
・メールマガジンの配信
商品やサービスを購入してくれたユーザーに対してや、購入に至らなくとも会員登録をしてくれたユーザーに対して、メールマガジンの配信を行います。定期的な情報提供やお得な情報を提供することで、ファンになってもらったり、購入を促したりします。
・イベントの開催
消費者向けであれば既存の販売店でのイベントやポップアップストア、ファン参加型のイベント、企業向けであればセミナーや展示会、ユーザー会などを開催し、買い手になり得る人やすでに購入経験のある方との接点を設けます。製品やサービスを新たに知ってもらうだけではなく、実際のユーザーからのフィードバックを受け、製品やサービス、マーケティング施策の改善に生かすことも多々あります。
いずれの業務、施策も一度実施すればいいものではありません。市場やトレンド、ユーザーの声に耳を傾けながら、また新しい知識を身につけながら改善を繰り返していく必要があります。
「Webマーケティング」の仕事の魅力
・反響や成果が数値で可視化される
オンライン上でのマーケティングでは、施策の結果やユーザーの反応が数字として現れてきます。その数字もリアルタイムでわかるものもあり、施策の良し悪しが判断しやすく、PDCAが回しやすいのです。しかし、その数字の向こうにいるのは人間です。数字に囚われすぎることなく、買い手の本音を見出すことが重要なのです。
・専門知識を習得できる
Webマーケティングのトレンドは非常に速いスピードで移り変わっていきます。常に学び続ける大変さはありますが、その積み重ねが専門性を高めることにつながります。また、Webマーケティングではアクセス解析ツールやマーケティング活動をサポートするマーケティングオートメーションなどのツールを使用する機会も多くあります。複雑なツールも多いため、そういった面での専門性を高めることもできるでしょう。
・幅広い知識を習得できる
専門性を高める一方で、マーケターは幅広い知識が求められます。ユーザーの行動心理を理解し、施策を考えようと思えば心理学的な知識も必要ですし、Webサイトの改修を行おうと思えば、エンジニアやデザイナーとのコミュニケーションが増えますから、技術などへの理解も求められます。また、購入が見込まれる顧客には営業担当が営業をするとなれば、営業とのコミュニケーションも発生します。
Webマーケターとして働く方々の実際の仕事とやりがい
実際にWebマーケターとして働く方々は、具体的にはどのような業務をしていて、どんなやりがいを感じているのでしょうか?実際に事業会社でマーケターとして働く方々の声をピックアップしました。
※記載の情報は記事公開当時の内容です。
▶︎freee株式会社
事業内容:「クラウド会計ソフト freee会計」と「freee人事労務」を提供
・仕事内容:新設法人向け事業 マーケティング部門のジャーマネとしてプロダクトの改善・セミナーやキャンペーンの企画と実施・メールマーケティングを中心に担当
・やりがい:
若江さん 「まずは『freee会社設立』を知っていただき、お客様に価値が届いたと言える経験を積み重ねていくこと。ゴールはないので、1つでも多くの価値を提供することが目下の目標です。
そこでお客様に良い体験をしてもらったあとは、スモールビジネスを始めたことを後悔しないような環境、サポートにつながる取り組みにつなげていく。そんな経験の総量が増えれば、世の中にスモールビジネスが増え、たくさんの生き方の選択肢が提供できるようになると思います」
→ストーリー:スピード感と創造性──大企業から転職したマーケターが語る、freeeの働き方
▶︎THECOO株式会社
事業内容:一般ユーザー向けのファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供を行う「Fanicon事業」、クライアント企業向けにインフルエンサーを用いたマーケティング施策支援やオンライン広告コンサルティングを行う「法人セールス事業」
・仕事内容:Faniconのマーケティングを担当
・やりがい:
長谷川さん 「まずは『Fanicon』をさらに世の中に広げ、よりたくさんの人に使ってもらえるサービスにしたいです。
電車に乗っていてTwitterやInstagramを見る感覚で、『Fanicon』を開いてくれたら嬉しいじゃないですか。BtoCサービスの醍醐味は、身近にいる人たちが利用しているかどうか、肌感でわかる点だと思っているので、周囲の人たちからの『Fanicon良いよね』『Fanicon使ってるよ』という声が耳に入ってくるようになったら最高ですね」
→ストーリー:もっと多くの人が使うサービスに。マーケ担当が語る「Fanicon」で作り上げたい世界観とは?
▶︎朝日放送グループホールディングス株式会社
グループ会社全体の事業内容:テレビ放送事業、ラジオ放送事業、CS放送事業、TV番組の企画制作、ライセンス事業など
・仕事内容:マーケティング局マーケティング戦略部で営業部門のメンバーに対して、マーケティングデータを用いた広告バイイングをレクチャー
・やりがい:
平田さん 「データを活用したことでクライアントに喜んでもらえた、発注をもらえたという声が増えてきている印象があります。営業メンバーと一緒に動いた案件が形になったという報告を受ける瞬間は、一番やりがいを感じられますね」
→ストーリー:テレビ局にも、データの考え方を。テレビCMに関わる日々の中で見えてきた思いとは
▶︎デル・テクノロジーズ株式会社
事業内容:個人・法人のお客様を対象に、パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティサービスに至るまで包括的な ITソリューションを提供
・仕事内容:コンシューマーオンラインビジネスマネージャーとして、自社ECおよび外部ECの戦略策定・販売計画・販促企画・運用改善を担当
・やりがい:
渕上さん 「マーチャンダイジング、マーケティング、オペレーション、ファイナンスなどあらゆる部門の101%を積み重ねる。そこに私たちオンラインチームの改善を加え、すべてのチームの力を掛け算することで120%の成果を出していく。このチームワークこそ、オンラインビジネスの醍醐味です」
→ストーリー:26歳から始めた英語で、外資系企業に転職。eコマースを起点に築いたキャリア
▶︎株式会社トゥエンティーフォーセブン
事業内容:Webメディア運営、パーソナルトレーニングジム「24/7Workout」運営、パーソナル英会話教室「24/7English」運営、アプリやツールの開発
・仕事内容:マーケティング本部CRM部で販促企画と実行を担当
・やりがい:
生田さん 「お客様のデータをもっとフルに使っていきたいと思っています。パーソナルトレーニングジムの事業では、お客様とトレーナーの間に介在するものがなく、直接的に多くの情報が得られています。
それにも関わらず、まだすべてのデータを使い切れていない、活かしきれていないなと感じています。
あとは、LTV施策、特にメルマガ施策についてはもっと強化したいと考えています。競合が増えている中で今後はこれまで以上にLTV向上に向けてのアプローチがより重要になってくるのではないかと考えています」
→ストーリー:「当事者意識」が価値観を変える――若手社員の軌跡と成長
▶︎パーソルキャリア株式会社
事業内容:人材紹介サービス、求人メディアの運営、転職・就職支援、採用・経営支援、副業・兼業・フリーランス支援サービスの提供
・仕事内容:P&M本部のサービスデザイン部でサブマネジャーを務める
・やりがい:
花田さん 「生まれてはじめてマーケティングオートメーションツールを扱い、そのシステム導入からマーケティングデータの分析・集客施策の立案、開発部門や情報システム部を巻き込んだ施策の実行・検証・改善まで、一連の業務に携わったことで、サイトを利用してくださる方の気持ちをデータから読み解き、行動変容を促すことのおもしろさに気づいたのです。
それ以来、デジタルマーケティングを突き詰めたいという想いが途切れたことはありません。35歳にしてはじめて本気で向き合える仕事に出会うことができました」
→ストーリー:デジタルマーケティングの世界に魅了されて。ベストな顧客体験を演出するためにできること
▶︎株式会社ポニーキャニオン
事業内容:音楽、教養、文芸、スポーツ、映画、娯楽など各種オーディオ・ビジュアルコンテンツ、及び書籍の企画、制作、販売、映画配給、イベントの企画制作、地方創生事業
・仕事内容:マーケティングクリエイティブ本部デジタルマーケティング部でアニメや声優アーティストの音楽配信業務を担当
・やりがい:
宮治さん 「マーケティング部署に所属する社員として当たり前のことではあるんですけど、売り上げやSNSのエンゲージメントなど【数字を追う】ということを意識するようになりました。すぐに結果が出なかったり目標数値になかなか届かなかったりすると、この施策でよかったのかな、という迷いが生じたり申し訳ない気持ちになったりもします。次に新たな施策を打つにしても成功事例がないと説得力に欠けてしまいます。
でも、社を挙げて配信業務に力を入れている今、まずはやってみよう、もし思うようにいかなくてもその経験を次に活かせばいいよ、というポジティブな空気があるおかげでチャレンジがしやすいんです」
→ストーリー:アーティストをより大きく羽ばたかせるきっかけに──音楽配信サイトは可能性の宝庫
▶︎株式会社みずほフィナンシャルグループ
事業内容:銀行業務、信託業務、証券業務、その他の金融サービスに係る業務を事業ドメイン(事業活動を行う領域)とする総合金融グループ
・仕事内容:個人マーケティング推進部CXデザインチームで、ウェブメディア「未来想像WEBマガジン」の企画運営を担当
・やりがい:
新たに接点を持つようになったのは〈みずほ〉のブランドマネジメントをしている部署や予算の管理部署など、異なる部署のメンバー。時には意見が相違する場合もあります。
武藤さん 「企画の裏付けとなるデータを分析できることがマーケティングの専門性と思っていました。けれど、データ分析は当たり前で、その結果を生かして関係者にいかにわかりやすくプレゼンできるか、こうしたスキルも含めて専門性を磨くことだと考えるようになりました」
→ストーリー:どんな経験も専門性を広げる糧に。熱意と努力でキャリアを築いたマーケティングの世界
▶︎株式会社リクルートスタッフィング
事業内容:人材派遣、人材紹介(紹介予定派遣)、アウトソーシング
・仕事内容:デジタルコミュニケーション部でセールスマーケティング担当としてメールマガジンやWebコンテンツを通して社外への情報発信などを担う
・やりがい:
松森さん 「営業時代に担当していたクライアントの数は多くても100人ほどでしたが、今配信しているメールマガジンは一度で約20万人に配信されます。
一度の配信に対して多くの反響を頂き、ご依頼に繋がることもあれば、もちろんうまくいかないこともありますが、持ち前の粘り強さを活かして、改善を続けています。特に印象に残っているのは、ある企画がヒットし通常の2倍以上のご依頼を頂けたこと。
その反響を見て、お客様が求めている情報は漫然としたものではなく、『今これを知りたい』という具体的なものであると再認識しました。同時に長年携わった営業経験から得た現場感を活かし、私がここで実現したいことが明確になった気がしました」
→ストーリー:チャレンジに年齢や環境は関係ない。長年の営業経験を活かして活躍するデジタルマーケティング担当
知ってもらう、購入してもらう、ファンになってもらうといった、ユーザーのアクションのきっかけ作りや長期的な関係を築くための取り組みをWebを通じて行うマーケター。
PVや会員数、購入数、メールマガジンの開封率などの数字やユーザーから寄せられる声などの反響をもとに新たな施策を練ったり改善したりと、買い手に対してより良い購買体験を提供していくその仕事はある意味コミュニケーションと捉えることもできます。
また、そのコミュニケーションの形や手法は企業によってもさまざまです。Webマーケターとして働く方々のストーリーを通して、自分自身に合う企業を見つけてみてはいかがでしょうか?
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