近年、耳にすることが増えた「カスタマーサクセス」という仕事。サブスクリプション型のビジネスモデルである「SaaS」の増加もあり、カスタマーサクセスの活躍の場も増えているだけでなく、会社運営の中でもカスタマーサクセスに重点を置く企業が少なくありません。
本記事では、カスタマーサクセスという仕事について、また実際にカスタマーサクセスとして働く人々の仕事内容ややりがいをご紹介していきます。就職活動の情報収集にぜひ活用してみてください。
「カスタマーサクセス」の仕事とは?
カスタマーサクセスはSaaSというサブスクリプション型のビジネスを行っている企業を中心に活躍しており、顧客を成功に導くことが大きなミッションです。
サブスクリプション型のビジネスの場合、継続的にサービスを利用してもらうことで安定した収益を上げていくビジネスモデルのため、顧客にしっかりとサービスを活用してもらい、満足度を上げることが必要になるからです。
そのため、カスタマーサクセスのチームは「解約率」「アップセル/クロスセル率」「顧客満足度(NPS)」等を指標と定めていることがほとんどです。ではこうした指標を達成するために、どのような業務をしているのでしょうか?
▶︎カスタマーサクセスの業務
実は、企業によってカスタマーサクセスの業務範囲や顧客との関わり方は大きく異なります。提供しているサービス内容や企業・サービス提供後のフェーズによって変化をさせていくこともあります。ここではカスタマーサクセスがカバーすることが多い仕事内容をご紹介します。
・オンボーディング(導入支援)
サービスの導入が決定したあとはスムーズに利用が開始できるよう、サポートを行います。内容としては、サービスの説明や機能の紹介に限らず、顧客の状況や課題をヒアリングし、その内容に合わせたサービス・機能の紹介や研修などを行うこともあります。
・利用状況の確認やフォロー
サービスを定期的にまた適切に利用しているのかを確認したり、困り事や課題の改善状況などをヒアリングしたりしながら、顧客の求めている成果が出ているのかをみていきます。必要に応じて、再度オンボーディングを行ったり、セミナーやイベント等に案内したりと顧客とのコミュニケーションを取ります。
・顧客向けセミナーやイベントの開催
同じサービスを利用している企業の成功事例や、成果を出しやすいサービスの活用方法などをテーマにしたセミナーやイベントを企画・運営します。
・顧客コミュニティの運営
同じサービスを利用している方々を集め、コミュニケーションの場や情報交換の機会を設けることで一体感やサービス利用に対する安心感を醸成します。オフラインやオンラインでのイベントの他、SNSやコミュニケーションツールを使ったコミュニティなどがあります。
・サポートページの運営
顧客の疑問に対して、全てをカスタマーサクセスのメンバーが対応する場合、顧客の増加に伴って人員が必要になってしまいますし、対応に時間がかかってしまうこともあります。そこで操作方法やノウハウなどをサポートページで紹介し、疑問をスムーズに解決できるようにします。
・メールマガジンの配信
サービス・製品のアップデートや成功事例など顧客にとって有益な情報などを配信します。
・契約の更新
SaaSの場合自動更新のサービスも多くありますが、更新前のタイミングで顧客とコミュニケーションを取り、活用状況などをヒアリングし、解約リスクを抑制します。
・アップセル/クロスセル
アップセルは利用しているサービスや商品の単価をアップすること、クロスセルは別の商品と組み合わせて販売したり、別の商品を単品で購入してもらう営業手法です。
契約の更新やアップセル・クロスセルなどは営業担当が行ったり、サポートページの運用はカスタマーサポート担当が行ったりすることもあります。
なお、カスタマーサポートとの違いとしては、カスタマーサポートは顧客からの疑問や相談を受けてから対応するのに対して、カスタマーサクセスは事前に継続に向けて積極的に顧客とのタッチポイントを増やしたり、解約のリスクを事前に抑制したりするといった部分が異なります。カスタマーサクセスはサービスや製品、カスタマーサクセスとの接点を積極的に増やしていくことで、信頼関係を築き、サービスの利用継続につなげていくのです。
「カスタマーサクセス」の仕事の魅力
・顧客の声を直接聞くことができる
顧客と伴走しながら、顧客を成功に導くのがカスタマーサクセスの仕事ですから、良い声も時にはサービスに対する指摘なども直接聞くことができます。そうした声はサービスの改善やフォロー体制や仕組みの改善、時には新たなサービス開発などにも活用できます。PDCAを回しやすい仕事とも言えるのではないでしょうか。
・顧客の成功を直近で見ることができる
サービスや製品によりますが、何かしらの課題を解消するためにサービスや製品を導入していることが多いものです。自社のサービスや製品を導入することで、課題が解消されたり、改善されたり、顧客の喜びを一緒に分かち合えるシーンも多くあります。
・サービスや製品の開発に携われる
組織体制によりますが、顧客の声を元に新サービスや新製品の開発に関わることもあります。時には顧客へベータ版等を提供しながら、サービス・製品のローンチに向けて改善に取り組むこともあるでしょう。
「カスタマーサクセス」として働く方々の実際の仕事とやりがい
実際にカスタマーサクセスとして働く方々は、具体的にはどのような業務をしていて、どんなやりがいを感じているのでしょうか?実際に働く方々の声をピックアップしました。
※記載の情報は記事公開当時の内容です。
▶︎freee株式会社
事業内容:「クラウド会計ソフト freee会計」と「freee人事労務」の提供
・仕事内容:オンボーディング(有償導入支援)を利用しないお客様を支援する(セルフサクセス)部隊でガイドブック作成やセミナー開催を担当
・やりがい:
黒田さん 「freeeは自らを『マジ価値(=ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えること)を届けきる集団』であるとコミットメントしています。さまざまな規模のお客様がいる中で、全員が自分たちにあった使い方をできることが、本当の意味で『価値を届けきること』だと思うので、責任感を持って挑戦していきます」
→ストーリー:マジ価値を届けきり、成功を支援する──カスタマーサクセスという「天職」
▶︎THECOO株式会社
事業内容:一般ユーザー向けのファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供を行う「Fanicon事業」、クライアント企業向けにインフルエンサーを用いたマーケティング施策支援やオンライン広告コンサルティングを行う「法人セールス事業」
・仕事内容:Fanicon事業本部のオンボーディングチームとカスタマーサクセスチームのキャプテンを務める
・やりがい:
白川さん 「カスタマーサクセス/オンボーディングチームには、自ら立案した企画を自ら実践し、最後まで見届けられる環境があります。
アイコンによってこだわりも強いし、ファンの年齢や属性も違うので、同じ企画を単純に横展開はできません。一方で、プラットフォームとしての成長を推進するためには、応用しやすい “型” を追求する必要もある。そのアイコンだからこそ、そのファンだからこそできるものという固有性と、ビジネスを促進する応用性の両立、こんなクリエイティブな営業に関われるところはそうないと思いますね」
→ストーリー:目指すのは、誰もが輝ける組織。カスタマーサクセスの現場から見通すTHECOOの未来像
▶︎株式会社SmartHR / SmartHR, Inc.
事業内容:SmartHR の企画・開発・運営・販売
・仕事内容:運用方法の提案をしたり、相談窓口となったりすることで、お客様が抱えている課題解決をサポート
・やりがい:
杉浦さん 「結果を近くで実感できるという経験は、なかなかできないことだと思うんです。提案して終わり、売って終わりという関係性ではなく、お客様に継続して利用していただくことが仕事なので。お客様の成功に向けて一緒に走って、コミットして、喜んでいただけることはCSならではの魅力だと思っています」
→ストーリー:大切なのは“挑戦“と“伴走”──型にはまらない施策でつくるカスタマーサクセス
▶︎アドビ株式会社
事業内容:ソフトウェアおよび関連サービスの提供
・仕事内容:
▶︎和久井さん
カスタマーサクセスマネージャー ビジネスサイドからお客様の製品活用を支援し、満足度を追求。
▶︎朝倉さん
技術面での製品活用を中心にお客様の成功を支援するカスタマーサポートの本部長。技術的な側面からアドビ製品の活用方法をお伝えしたり、複数のDX製品を連携させることで実現できる施策・成果を提案。
・やりがい:
朝倉さん「どんどん新製品が生まれたり、機能が追加されたり、どこまで突き詰めても技術革新はまだ先にある。勉強し続けなければならないことばかりです。
DX自体がすさまじい発展途上にあり、日々アップデートされる世界でもありますよね。グローバルとの連携に加え、お客様とのやり取りから学ぶことも多く、アドビだけでは見えない世界まで見られることが、仕事の魅力を感じるポイントです」
→ストーリー:DXの最先端でお客様に寄り添う。アドビがめざすカスタマーサクセス
▶︎株式会社ギャプライズ
事業内容:海外マーテックツールの導入支援および、それらを活用したWeb改善コンサルティングサービスを日本市場で展開
・仕事内容:ツールを導入している顧客の課題解決に向けて活用方法の提案や定着を行い、顧客と密に関わる業務を担当
・やりがい:
山屋さん 「最近カスタマーサクセスっていう言葉やポジションにフォーカスが当たっているのですが、カスタマーにサクセスしていただくことって、すべての役割の人が当たり前に持つべき思考だと思っているんです。単純に更新率を ○○%にしたらカスタマーサクセスだ、みたいなことではなく、パートナー・マーケティング・セールスなどが、一貫して顧客のサクセスを考えて行動できるような環境を構築していきます!」
→ストーリー:カスタマーサクセスのその先へ。最新テクノロジーをクライアントが使いこなすために
▶︎株式会社セールスフォース・ドットコム
事業内容:クラウドアプリケーション及びクラウドプラットフォームの提供
・仕事内容:ポストセールスを担当
・やりがい:
坂内さん 「弊社にはカスタマーサクセスマネージャーという役割を担う社員がいます。Salesforceのサービスを導入いただいた後に成功事例などをご紹介しながら、より弊社の製品を活用していただけるよう、お客様に寄り添ってアドバイスを提供しています。お客様が真に達成したい目標とはなんなのかを、お客様と一緒になって考えていきます。お客様のビジネスの伴走者といったところでしょうか」
→ストーリー:セールスフォース・ドットコム独自のモデルから生まれた「カスタマーサクセス」
企業により、カスタマーサクセスの定義や業務内容は異なります。どのようなサービス・製品で、またどんなスタイルで顧客を成功に導くのか──。実際のストーリーを通して、自分自身に合う企業を見つけてみてはいかがでしょうか?
talentbookには他にもカスタマーサクセスとして働く方々のストーリーや、カスタマーサクセスのマインドを大切にしている企業のストーリーが多々あります。カスタマーサクセスという仕事に興味を持たれた方はぜひあわせてご覧ください。
