木造建築の可能性を広げる現場主任として、日々の判断と共有を大切に
私は現在、不動産事業本部建築事業部建築部工事グループに所属し、主任として現場管理全般を行っています。木造商業施設の現場で、主に工事の品質・安全・工程を担っており、図面の製作・確認、製品の発注、各協力会社の書類・手配関係の取りまとめなど、多岐にわたる業務を担当しています。
私たちのミッションは、中大規模建築の魅力を高め、多くの人に共感してもらい、建築という側面から木材の可能性を広げ流通量を増やしていくことです。木材という素材が持つ温かみや可能性を、商業施設という形で多くの人に届けていく。そんな仕事に日々携わっています。
現場主任としての私の役割は、全体工程の調整・周知を行い、その工程が予定通り進むように計画書を作成し、図面を確定させ、人と物の手配を行うことです。特に大切にしているのは、当日作業する職人さんが困らないよう方針を決め、整えることです。現場は生き物のように刻々と状況が変化します。だからこそ、先を見据えた準備が欠かせません。
[鈴木 歩1]私たちのミッションは~ 後続のミッションの内容は建築事業部だけのミッションではないかと思いますので、部署は省略しても良いかと思いました。
私が仕事をする上で最も大事にしているのは、「現場をどう進めたいか」という思いを、短期・中期・長期の視点に分け、関係者に幅広く周知し、更新することです。実は私は現場監督の経歴が浅く、監督歴5年目でまだまだ知識・経験が不足していると実感しています。立場上、現場をどのように進めていくか、小さいことから大きなことまで判断をする場面が多くあるのですが、この判断には必ず職人さんの時間と努力が発生しています。建物は、この日々の判断、職人さんの時間と努力が積み重なって完成されているのだと強く実感しています。
ただ、正直に言えば、私の判断が常にベストかというと、決してそうではありません。良い判断もあれば間違うこともあり、試行錯誤の連続です。だからこそ、「良い建物を作りたい。そのためには私はこう進めたい」という思い、つまり方針を共有することで、私が間違った判断をしても上司であったり職人さんから意見をもらい、方針を更新し、最終的には良い建物ができていくと実感しています。これは大きなきっかけがあったわけではなく、日々の積み重ねの中で学んできたことです。
未熟な監督だからこそ、私はとにかく早く発信し意見をもらうことを大切にしています。早ければ早いほど修正は容易になりますし、発信し意見をもらい協議することで何をすべきか、仕事の中身が見えてくるのです。
日々の業務の中で最もやりがいを感じる瞬間は、計画通りに現場が進む時と、綺麗に建物が納まった時です。協力会社や職人さんとのコミュニケーションでは、とにかく挨拶と話しやすい雰囲気づくりを意識しています。職人さんの疑問や気になることを何でも話してもらえると、私たちが見落としていた点に気づいたり、進め方を見直す必要があることに気づくことができます。現場のチェック機能として大変重要なので、この雰囲気づくりは欠かせません。一つひとつの現場を大切に、木造建築の可能性を広げていく。それが私の仕事です。
防水工事のプロフェッショナルから、未知なる領域への挑戦へ
私のキャリアは、防水工事の専門工事会社からスタートしました。そこで8年間、新築工事と改修工事の両方に携わり、スーパーゼネコンの大型現場を主に担当してきました。品質管理から安全管理、計画立案、見積もり、コスト管理まで、現場におけるすべての業務を経験させていただきました。改修工事では見積計画から竣工まで、一気通貫で責任を持って担当する日々でした。
今でも鮮明に覚えているのは、入社1年目のことです。2億円規模の新築工事を任されたのですが、その現場は竣工遅れが発生するなど、多くの問題を抱えていました。今日は作業員10人、明日は50人必要といった具合に、現場工程に合わせて人員を手配し、職人さんへの指示を無我夢中で出し続ける毎日。それでも何とか無事に竣工まで並走しきったとき、現場所長から名前を覚えてもらい「よくやった」と褒めていただきました。あの瞬間、やりきることの楽しさを心から知ることができました。
2年目にも大きな転機がありました。先輩社員が急遽退社することになり、その引継ぎで新築と改修を兼務することになったのです。莫大な業務量と、何もわからない環境の中に放り込まれました。それでも一つひとつ案件を完工させ、予定より多くの利益を残して各工事を終わらせることができました。この経験は大きな自信となり、私の技術者としての基盤を作ってくれたと思います。
新築工事では、防水工事のプロフェッショナルとして図面から漏水のリスクを読み取り、元請と納まり協議を重ねながら、工程に沿った職人さんの手配管理と予算調整を行います。図面読解力と手配力が何より求められる仕事でした。一方の改修工事では、専門工事以外も受注するため、営業から見積作成、専門工事会社の調整、予算管理まで、包括的な現場運営能力が必要とされました。同時に10から15現場が稼働している状況で、時間配分を考え、受注予定次第では派遣社員を雇用するなど、先を見据えた人員配置のスキルも磨かれていきました。
1年目から4年目までの修行期間で多くのことを学び、業績表彰などの評価もいただくようになりました。環境には満足していた一方で、4年目以降は直面する困難が既知のものとなり、業務がルーティン的に感じられるようになっていきました。オフィスビルの内装解体工事という社内で前例のないチャレンジや、専門的な資格取得は進めていましたが、成長を感じにくい環境に対する漠然とした不安を抱えるようになっていました。
そんな中、コロナ禍を迎えました。この先10年を考えたとき、建物全般を知る技術者になれば社会でより必要とされ、会社に依存しなくても生きていける人材になれるのではないか。そう考え、転職活動を開始することを決意しました。中堅ゼネコン以上、都心勤務、給与水準という軸で企業を探す中で、候補となったのは大手ゼネコン1社と住友林業でした。
正直に言えば、転職活動中は不安もありました。前職で評価されており自分の能力に自信はあったものの、ゼネコン経験がないことへの評価は厳しく、本当に新しい領域に踏み込むのが正解なのか、今の環境で経験を積んでいく方が良いのではないかと悩んだ時期もありました。
それでも最終的に住友林業を選んだ理由は、実はまったく知らない会社だったからです。この会社で働いている自分が想像できなかったこと。そして当時、大規模木造建築の話題を耳にする機会が増えていた中で、RC造、S造、SRC造は経験していても、木造はまったく知らなかった。未知が多い方がおもしろそうだと思ったのです。それが私の新しい挑戦の始まりでした。
小平の現場での学びと失敗を糧にした、施工管理者としての成長の軌跡
入社して2件目に担当した小平の現場は、私にとって施工管理者としての原点となる経験でした。所長の下で図面から工程、品質、安全まで、本当に基本的なことからすべて教えていただきました。最初から最後まで携わり、竣工した建物を見た瞬間の達成感は今でも鮮明に覚えています。現場監督として必要な基本を体系的に学べたこの経験が、今の仕事のベースになっています。具体的なエピソードというよりも、あの現場で学んだことが私の施工管理の考え方そのものを形作ってくれたのです。
しかし、成長の過程には必ず失敗が付きものでした。外構工事での出来事は、今でも自分への戒めとして心に刻まれています。図面では建物と平行に基準が設定されていたのですが、職人さんとの会話の中で敷地なりでいいと簡単に考えてOKを出してしまいました。その時は問題ないと思っていたのですが、施工が進むにつれて納まらない部分が発生し、大きなやり直しが発生してしまったのです。この失敗から学んだのは、建物には必ず基準があり、その基準が何なのかを理解することの重要性でした。それ以来、各工種が始まる前に図面をよく読み取り、確認するようになりました。そして何より、この判断が施工が進むとどうなるのか、先をイメージしてから判断する癖をつけるようになりました。
入社後に経験した中で印象に残っているのは、木材の伸び縮みです。想像以上に変化することを現場で実感し、材料の特性を理解することの大切さを学びました。こうした一つひとつの経験が、知らず知らずのうちに自分を成長させていたのだと気づいたのは、主任として大きな現場を担当した時でした。現場は数億円程度でしたが、それより6倍も大きい現場を担当しても、予想していたほど苦労が少なかったのです。その時、自分が確実に成長していることを実感しました。
前職と比べると、仕事への向き合い方も大きく変わりました。日々着実にコツコツと積み重ねることの大切さを理解するようになったのです。スキル面では幅広い知識が身につき、マインド面では自分の判断で多くの人が動くことを自覚し、軽率に判断しない姿勢が身についてきました。前職で培った業務スピードと図面読解の能力は今も活きていますが、それに加えて施工管理者としての慎重さと先を見通す力が身に付いたと感じています。失敗を通じて学んだ教訓と、小平の現場で培った基礎が、今の自分を支えているのです。
無事故無災害の現場運営から、大規模木造建築のプロフェッショナルへ
まず短期的な目標として掲げているのは、所長として担当することが決まった現場を、無事故無災害でやりきることです。現場責任者として初めて臨むプロジェクトですから、何よりも安全を最優先に、確実に完遂させたいと考えています。そのために具体的に取り組もうと思っているのは、計画段階から早めに関係者と連携し、さまざまな意見をいただくこと。そして責任者として熱量を持って、職人の方々とのコミュニケーションを密に取っていくことです。現場は一人で完結するものではありません。経験豊富な先輩方の知見を借りながら、現場で働く職人の皆さんと信頼関係を築いていくことが、安全な現場運営の基盤になると信じています。
そして中長期的には、現場所長として建物規模や難易度を上げていき、家子に任せれば現場は大丈夫と言われるような技術者になることをめざしています。そのためには、今の自分にはまだまだ足りないものがあります。とくに様々な工法に対する経験です。RC造やS造とのハイブリット造も経験したいですし、地下ピットが大きい工事にも挑戦したいと考えています。建築の技術者として成長していくには、多様な現場を経験し、それぞれの工法や条件に応じた対応力を身につけることが不可欠です。この会社では、そうした成長機会が豊富にあると感じています。
採用候補者の皆さんにお伝えしたいのは、この会社の大きな魅力です。組織としての型が決まっていないので、自分の色を出しやすい環境があります。各所で自分らしさを発揮できる場面があり、自分のアイデアや工夫を形にしていける自由度の高さは、他ではなかなか得られないものだと思います。
そしてこの会社で活躍できるのは、何でも楽しめる人です。実際に活躍している人たちに共通しているのは、楽しそうに仕事をしていることです。そういう人の周りには自然と人が集まり、良いチームが形成されていきます。だからこそ、今後ジョインしてもらいたいのは、楽しそうにやりきる人です。困難な状況でも前向きに取り組み、その過程を楽しめる姿勢を持った方と一緒に働きたいと思っています。
最後に、この会社に入社することで得られる成長機会についてお伝えします。大規模木造の経験と、現場責任者としてのキャリアアップを早めに実現できる環境がここにはあります。木造建築の可能性が広がる今、その最前線で経験を積めることは、技術者として大きな財産になるはずです。そして若手のうちから責任あるポジションを任せてもらえることで、成長スピードは格段に上がります。自分の色を出しながら、楽しく成長していける。そんなキャリアを一緒に築いていきましょう。

