中大規模木造建築の現場で、協力会社とともに築く信頼関係
私は不動産事業本部 建築事業部 建築部 工事グループに所属し、中大規模木造建築の工事現場で施工管理の仕事をしています。部署全体のミッションは、中大規模木造建築を通じて、これからの時代に求められる建物を社会に提供していくことです。その最前線で、私は日々現場に立ち、建築工事の施工管理という役割を担っています。
施工管理という仕事は、ただ工程を管理するだけではありません。私の役割は、現場全員の先頭に立ち工事を進捗させていくとともに、現場所長をサポートすることです。現場にはさまざまな専門性を持った協力会社の方々が集まり、それぞれの技術を結集させて一つの建物を作り上げていきます。その全体を見渡し、工事がスムーズに進むように調整し、時には先頭に立って引っ張り、時には所長を支える。そんな多面的な役割を日々担っています。
この仕事をする上で、私が何よりも大切にしているモットーがあります。それは「win-win」という考え方です。工事現場は、決して一社だけで成り立つものではありません。さまざまな協力会社の方々と一緒に力を合わせて進めていくことで、初めて一つの建物が完成します。だからこそ、自分たちだけがいい仕事をするのではなく、協力会社の皆さまもいい仕事ができるように計画し、実行していくことが重要だと考えているからです。
この「win-win」を実現するために、私がとくに心がけているのは、お互いの納得できるラインを早い時点で見つけていくことです。工事が進んでから認識の齟齬が生まれると、お互いに負担が大きくなってしまいます。だからこそ、早い段階でしっかりとコミュニケーションを取り、双方が納得できる着地点を見出していく。この姿勢が、結果的に工事全体の品質向上につながっていくと信じています。
また、現場所長をサポートする立場として、私が大切にしている行動があります。それは、完成度二割で仕事の成果を迅速に共有することです。完璧をめざして時間をかけるよりも、まずは方向性が正しいかを早期に確認し、必要であれば軌道修正する。このスピード感が、現場の意思決定を速め、結果として工事全体の効率化につながっていきます。
そして、この仕事で最もやりがいを感じる瞬間があります。それは、外部足場が解体されて、建物の全体が道路などから見えるようになった時です。その瞬間、自分たちが携わってきた建物の姿が初めて全容を現します。何カ月もかけて積み重ねてきた仕事の成果が、一つの形として目の前に現れる。その時に感じる充実感と達成感は、何物にも代えがたいものです。協力会社の皆さまと力を合わせて作り上げた建物が、これから長く人々に使われていく。そう思うと、この仕事に携わることができる喜びを実感します。
岩手での施工管理から木造建築への目覚め―転職を決意した理由
私は地元である岩手県の建設会社で、施工管理者としてキャリアをスタートしました。当時携わっていたのは、主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物です。木造とはあまり関わりがなく、むしろ大規模な構造物の建設に従事していました。中でも心に残っているのは、2011年の東日本大震災の復興に伴う災害公営住宅の建設プロジェクトです。被災された方々の新しい生活の場を作るという使命感を持ちながら、現場で汗を流していました。
そんな中、岩手県の大学病院のプロジェクトに携わる機会を得ました。この工事では500トンのクローラークレーンを使用しており、今まで見たこともない大きさのクレーンに圧倒されたことを今でも鮮明に覚えています。口が開きっぱなしになるほどの迫力でした。大規模プロジェクトならではのスケール感に、建設業の醍醐味を感じていました。
そして、私のキャリアの中で最も印象に残っている仕事が、木造の大学・音楽ホールの建設です。現場担当者として、上司が想定した工程通りに施工が進んでいることの確認、そして現場の品質管理に従事しました。それまで鉄骨造や鉄筋コンクリート造ばかりを扱ってきた私にとって、初めて見たCLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)の断面は衝撃的でした。木材でありながら、これほどの強度と美しさを兼ね備えた建材があることに驚きました。中でも、斜め壁の墨出し作業は鮮明に記憶しています。
前職での経験を通じて、私は一つの重要な教訓を得ました。それは、何度も経験した工種であっても、あらためて仕様書の確認をすることが大切であるということです。慣れた作業ほど見落としが発生しやすい。この基本姿勢は、現在に至るまで私の仕事の基盤となっています。
転職を考えたきっかけは、結婚を機に住む場所の変更が伴ったからです。人生の大きな転機を迎え、新しい土地で新しいキャリアを築くことを決意しました。転職活動では、規模の大きな工事ができる企業を軸に探していました。複数の企業を検討する中で、私の目に留まったのが住友林業でした。
ちょうど私が転職を視野に入れた時期に、住友林業のW350構想を目にしました。木造で高さ350mの超高層ビルを実現するための研究開発構想です。その内容を見た瞬間、私の中で何かが変わりました。木造建築の可能性が、この構想によって大きく広がっていくことを確信しました。これが、住友林業への入社を決めた決め手となりました。
失敗から学んだ姿勢と、前向きな現場づくりの実践
入社後すぐに配属された木造の大学の現場は、私にとって大きな転機となりました。木造建築という分野での経験が浅かった私にとって、この現場は挑戦の連続でした。業務工程に関わるミスを経験し、仕事への向き合い方を大きく見直すきっかけとなりました。
私が曖昧な指示を出してしまった結果、その後やり直しを余儀なくされました。現場の進捗に影響を与えてしまい、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしたことは、今でも忘れることができません。
しかし、このミスを上司に報告した時の対応が、その後の私の仕事に対する姿勢を大きく変えることになりました。上司は「現場での間違いのほとんどは人が悪いのではない。管理方法やシステムに問題があるから見直そう」と言い切りました。間違いを経験として捉え、現場をより良い方向に進めていこうという姿勢を学ぶことができました。
この経験から、私は図面をよく読み込み、施工手順を確認してから指示を出すという習慣を徹底するようになりました。ただ単にミスを反省するだけでなく、なぜそのミスが起きたのか、どうすれば防げるのかを考え、システムとして改善していく。このマインドで仕事を進めていくことが、入社後の私が一番成長した部分だと思います。
この大学の現場を最後までやり抜き、無事に引き渡すことができました。その後は、特殊な建物や難易度の高い建物を担当できる機会が多くなり、やりがいを感じています。
前職はゼネコンで働いていたので、現場運営に携わる部分で経験を活かすことができています。予想外に役立ったのは、広い敷地での建物位置出しができることでした。一方で、木造建築では施工手順が異なる点には苦労しました。しかし、この違いを理解し、適応していくことで、木造建物に対する知識が格段に増え、建物の細かい納まりを決定できるようになりました。
また、マインド面でも大きな成長がありました。仕事相手の気持ちや思いを理解し、お互いが納得できるポイントを把握できるようになったのです。現場ではさまざまな立場の人と協力して仕事を進めていく必要があります。相手の視点に立って考え、コミュニケーションを取ることの重要性を、日々の業務を通じて学んでいます。
小規模から大規模へ、木造建築のスペシャリストをめざして
短期的な目標として、まずは規模の小さい現場で現場所長を経験したいと考えています。最終的には規模の大きい建物や複雑な建物を工事する現場の所長になりたいという思いがあるのですが、そこに至るまでのステップとして、実際に経験してみないとわからないこと、見えてこないことがたくさんあると思います。どんな小さな現場であっても、所長として全体を統括する経験は、次のステージへ進むための貴重な学びになると確信しています。
そして中期的な目標は、中大規模木造建築のスペシャリストになることです。
この目標を実現するために、私には必要な努力が3つあると考えています。1つめは、木そのものの特性をもっと熟知すること。2つめは、規模が大きい建物の工事運営に積極的に携わること。そして3つめは、協力してくれる人間関係者、協力業者を増やすことです。とくに3つめは、この仕事においてきわめて重要だと感じています。一人でできることには限界がありますが、信頼できる仲間や協力業者のネットワークがあれば、より難易度の高いプロジェクトにも挑戦し続けられるからです。
採用候補者 の方々には、ぜひ当社弊社 の魅力を知っていただきたいと思っています。私たちの最大の魅力は、木を通じて社会へ貢献できることです。具体的には、今まで鉄骨造やコンクリート造でなければ建てられなかった建物を、技術の進歩とともに木造で建てることもできるようになっていることが挙げられます。まだまだ実績の少ない中大規模木造建築の普及に携わることができる、これは非常にやりがいのあることだと思います。とくにこの部署は住友林業の中でも歴史も浅く、これから社会的にも需要が伸びていく部署だと確信しています。まさに成長分野の最前線で働けるということです。
この仕事で活躍できるのは、前向きで素直なマインドを持っている人だと思います。中大規模建築の木造は、経験や実績がまだ多くはありません。「やったことがない」「失敗する」と考えるより、どうすれば成功するかを考えて行動するかことが、この仕事に大事な考え方です。そして、一生懸命に考えて仕事をしても、うまくいかないときや失敗してしまうとき、自分の考えが正解なのかわからないことがたくさんあります。そんな時は素直に「わからないから教えてほしい」「間違ったので正したい」と相手に伝えることで、自分に協力してくれる人が増えていきます。周囲の協力を得ることで、 より難しい建物へ挑戦し続けていける。前向きで素直なマインドが活躍につながる理由は、自分自身を助けてくれる人が増えていくからです。
最後に、少しでも興味があれば、ぜひ足を踏み入れてほしいと思います。どんなことも経験しないと見えてこない世界があるので、一度経験してみてほしいです。中大規模木造建築という新しい分野で、一緒に未来を切り拓いていきましょう。

