山麓で大型ヴィラタイプ55棟のホテルを築く、中大規模木造建築の現場所長
私は現在、不動産事業本部 建築事業部に所属しています。私たちのミッションは、中大規模木造建築を広めていくことと脱炭素社会に貢献することです。木造建築の可能性を追求し、その魅力を多くの方々に伝えていく。それが私たちに課せられた使命だと考えています。
現在私が手がけているのは、山梨県でのホテル事業です。木造2階建てと平屋の建物を多数建築し、客室数にして80室という規模の会員制ホテルを建設しています。この一大プロジェクトにおいて、私は現場所長として現場責任者を務めています。全体のマネジメントを行いながら、事業主や外部の設計事務所との打ち合わせを重ね、プロジェクトを前に進めていくことが私の役割です。
一日の業務は朝礼から始まります。チームメンバーや協力会社の皆さんと顔を合わせ、その日の予定を確認する。そこから現場巡回や打ち合わせ、資料作成、承認業務、安全・工程管理、品質・予算管理と、実に多岐にわたる業務が続いていきます。現場所長という立場は、まさに現場のすべてに目を配り、責任を持つポジションなのです。
特に山梨県の山麓という自然の中で進めている工事では、計画通りに進まない部分が多くあります。天候の変化や自然環境との調和を図りながら、その局面ごとに計画を練り直し、調整しながら進めていく。事業主や設計事務所との打ち合わせでは、こうした課題について密にコミュニケーションを取り、最適な解決策を見出していくことが求められます。
私が仕事をする上で最も大切にしているのは、チームワークです。現場は決して一人で動かせるものではありません。職人さんや協力会社の皆さん、設計事務所、事業主、そして社内のメンバー。すべての人が力を合わせて初めて、一つの建物が完成します。ですから私は、できるだけ多く声がけをすることを心がけています。それぞれが何を思い、何を考えているのか。その声に耳を傾けながら、信頼関係を築いていく。月並みかもしれませんが、これが現場をまとめていく上で最も大切なことだと信じています。
そして私のモットーは「三方良し」の精神です。事業者も協力会社も当社も、すべてがうまくいくようにマネジメントすること。計画における無理や無駄をなくし、安全を担保しながら工程や品質面、コストバランスを考慮し進めることで、お客さまにとっても協力会社にとってもロスなく、効率的なプロジェクトになる。そうすれば必然的に、弊社にとってもメリットが生まれるのです。この精神を胸に、日々現場と向き合っています。
鉄とコンクリートからの転身、50歳で選んだ木造建築の世界
建設業界で30年以上、現場監督一筋で歩んできました。前職では、SRC造、RC造、S造と、木造以外のあらゆる構造の建築物を手がけてきました。鉄筋コンクリートを中心に、鉄骨造やSRC造の建物づくりに携わり、分譲マンションはもちろん、介護施設や店舗ビル、中には警察署の建設にも関わってきました。それぞれの現場で、事業者や設計事務所、協力会社との駆け引きを重ね、多くの経験を積んできたと自負しています。
30年というキャリアの中で、特に印象に残っている仕事があります。それは鉄骨造のホテル建設でした。客室が120室もある規模の大きなプロジェクトでしたが、この経験が今の仕事に大きく役立っています。現在私が携わっているホテル建設と、やり方が似ているところが多々あります。自分の成長は経験を積むことに深く関係していると思っていますが、まさにあの時のホテル建設での経験が、今につながっているのだと実感しています。
転職を考えたのは、50歳という自分自身の節目の時期でした。ちょうどそのタイミングで、住友林業からお声掛けをいただいたんです。お世話になった社会に対して、再生可能な資源である「木」を活かして建築を行うという事業が、後の未来で恩返しができるのではないか。そう考えた時、そういう人生も良いかなと思いました。実は転職を検討する際、他社からも声掛けをいただいていました。しかし、最終的に住友林業を選んだ理由は、新しいものへのチャレンジに魅力を感じたからです。
鉄とコンクリートから木造への転身。これから発展するであろう中大規模木造建築の未来に、大きな可能性を感じました。構造部が木造というだけで、建物づくりとしての基本的なものは同一だと考えています。これまで培ってきた技術や経験は、構造が変わっても十分に活かせる。そう確信できたことも、決断を後押ししました。
50歳での転職という決断について、周囲から特に反対されることはありませんでした。むしろ、心境の変化としては、新しいものへ挑戦するわくわく感が大きかったです。30年以上のキャリアを持つベテランとしての自信と、新しいフィールドに飛び込む新鮮な気持ち。その両方を胸に、私は木造建築の世界へと踏み出しました。
EXPO 2025 大阪・関西万博 住友館の挑戦と、協力会社との信頼関係の構築
入社してからまだ月日は短いですが、私にとっての最初の成功体験は、
EXPO 2025 大阪・関西万博 住友館の引き渡しを無事に終えることができたことです。これは私にとって、新しい環境での第一歩として、とても意義深い出来事でした。
このプロジェクトで特に印象に残っているのは、メインの出入り口部の上部にある、反り上がる屋根の軒先の製作です。当初は3Dなどを活用して様々な計画が立てられていましたが、机上での計画ではなかなか工事が前に進みませんでした。最終的には、やはり現場で作り上げることで前に進むことができたのです。実際の現地で指揮を執ることによって、計画が具現化され、無事に引き渡すことができました。この経験を通じて、理論と実践のバランスの重要性を改めて実感しました。
現在の作業所では、ビル系の協力会社と住宅系の協力会社が入り乱れており、それを取りまとめることに苦労しています。これは失敗というわけではありませんが、それぞれの世界観が違うため、調整が必要になります。最終的にはやることは同じなのですが、書類の作成方法、施工計画の立て方、その容量など、様々な面で違いがあります。場内でのルールややり方も異なることがあるため、事前の打ち合わせが非常に重要になってきます。
協力会社を取りまとめる際に私が心がけているのは、具体的な中身のある打ち合わせを行い、近未来がイメージできるところまで共有することです。同じ場所を目指すことができれば、多少のイレギュラーがあっても乗り越えていけると信じています。この考え方は、前職での経験から培われたものです。
建築物を作ることにおいて、主要な構造部が違えど、やることは同じだと考えています。そのため、前職での経験は各所で生きていると実感しています。ただし、住友林業との互恵関係がまだ完全に把握できていないため、そのあたりは事前に情報収集をし、慎重に進めている部分はあります。
入社後の変化として、成長しているのかは自分では分かりませんが、歳のせいか丸くなってきていると感じています。日々いろんなことが起こりますが、慌てることなく冷静に対処できるようになりました。基本的には失敗してもいいと思っていて、大切なのはその後どうするかということだと考えています。失敗した時は、解決策を見出すことは割と容易なことだと思っています。この前向きな姿勢が、新しい環境でも私を支えてくれているのだと思います。
未成熟な組織だからこそ、一人ひとりが未来を切り開ける
私の短期的な目標は、現在従事しているホテル計画新築工事を通じて事業主である企業様との信頼関係を確固たるものにすることです。現在、建築・不動産事業本部建築事業部建築部工事グループとして、収益力を高め、事業をより強固にすることが重要です。そのためには、今回工事させていただいている企業様(BtoB)との関係性をより深めて、継続的な顧客(リピート受注)につなげていくことが何より重要だと考えています。
安全管理、品質管理、工程管理、環境管理。この4つの柱に重きを置き、信頼関係を勝ち取っていきたいと思っています。色々な顧客要求事項が日々入ってきますが、レスポンスよくニーズに答え、品質の良いものを決められた工程と予算の中でお届けしていく。その結果こそが信頼関係につながっていくと信じています。現在、その他でも多くの仕事を引き合いに頂いていますが、それが継続できるかどうかは、最初の案件である八ヶ岳が握っていると思っています。
そのためには、設計、営業、積算、工事グループが一丸となってスキルアップしていくことが大切です。私はその架け橋になることを目指しています。現在も工事を進めていく上でうまくいっていない部分をブラッシュアップできるように、設計、営業、積算に水平展開しています。この事業に関わる全ての人が成長していかないとうまくいかない。そういったことができるように大きくマネジメントできればと思っています。
中長期的には、現在従事しているホテル計画の発注者様より信頼を勝ち取り、引き続き複数の物件で事業に携わり、建築事業部の売上の中核となっていく企業様(B to B)との関係性を築き、将来性のある安定した事業であることを社内外に認知して頂くことが必達目標だと考えています。その中でより広くマネジメントをしていくことができれば幸いです。
採用候補者の皆さんにお伝えしたいのは、不動産事業本部建築事業部建築部は、まだ未完成な組織だということです。だからこそ、一人ひとりの活躍が大きく事業部の未来を変える可能性があります。決められた道を歩くのではなく、自らが切り開いていける、そんな部署なのです。先駆者としての一員になれることは魅力的だと思います。
変化を苦にせず、楽しめる人が活躍できると思います。苦難に負けない心身を持っている人、自ら率先して汗を流せる人、そんな方に入社していただけると嬉しく思います。
中大規模木造建築はこの業界においてまだまだ伸びしろがあるものだと思っています。その反面、改定していくと思われる法律や進化していく技術等、社会の変化の中で、ともに成長していける、そんな分野です。自分自身を高め、未来へ継続していける、そのような仕事ができることは幸せなことだと思います。ぜひ、一緒に盛り上げていきましょう。

