社員の健康を真剣に考える、健康経営推進プロジェクトの立ち上げ
──まずはお2人が参画しているプロジェクトの概要と立ち上げの背景について教えてください。
Takamasa. A:私たちが取り組んでいるのは、社内の健康経営推進プロジェクトです。始めたきっかけは、少し意外に聞こえるかもしれませんが、自分自身への問いかけでした。
日々、ヘルスケア関連のプロジェクトに従事していながら、「自分は本当に健康的な生活を送れているだろうか」という疑問が、ふと頭をよぎったのです。健康増進を提案する立場でありながら、自分自身が健康だとは胸を張って言えない。その違和感が、このプロジェクトの出発点となりました。
健康であることは、個人の取り組みだけでは限界があります。Practice(※)全体、さらには会社全体で社員の健康保持・増進に向けて取り組むことが重要だと考え、2024年1月からプロジェクトをスタートさせました。
※ Practice とは:専門領域(業界・ビジネステーマ・技術)ごとに組成されるプロフェッショナルコミュニティのことで、従来の組織体よりも組織間の壁が低いことが特徴です。したがって、業務内容が限定されることなく、様々なテーマのプロジェクトに携わることができます。また、Practice間のコラボレーションもしやすく、柔軟な仕事の進め方が可能となっています。
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──プロジェクトにはどんなメンバーが参画していますか?
Eriko. S:CPDR PracticeのメンバーやHR、従業員代表が参画しています。Takamasa. Aさんがプロジェクトマネージャー兼実務リーダーとして、全体計画の策定から施策・運営まで、幅広い役割を担っており、私は全般のサポートと実務を行っています。
Takamasa. A:最初は有志による自主的な活動としてスタートしましたが、地道な活動が実を結び、2024年6月には会社公認のApproved Work(※)として認められました。健康に対する高い意識を持つメンバーが集まり、フロントに立つコンサルタントが声を上げて始まったこのプロジェクトは、今では会社全体の重要な取り組みとして位置づけられています。
※ Approved Workとは:顧客向けではない無償活動のうち、社長の承認を受けた特命の全社的な内製活動や戦略的間接業務のことを指します。
──現場発信で全社プロジェクトにまで拡大したのですね。具体的なゴールなどはありますか?
Eriko. S:健康経営は一時的な取り組みではなく、継続的な実践と改善が必要です。そのため、私たちは息の長い活動を見据えています。初年度は、健康経営関連の公的認証の取得を具体的なゴールとして設定しました。この目標に向かって、チーム一丸となって取り組みました。
現状把握から一歩ずつ、健康経営実現への挑戦
──Eriko. Sさんがこのプロジェクトに参画することになったきっかけを教えてください。
Eriko. S:HRで労務を担当していた時に、プロジェクトに参画しないかというお話をいただきました。 ちょうどその頃は、将来的にコンサルタントとして再びキャリアを積みたいと考えていたタイミングでもあり、実際にコンサルタントの皆さんと一緒に働けることに大きな魅力を感じました。
また、出産や育児を経験したことで改めて健康の大切さを実感していたため、このプロジェクトにはより一層熱意を持って取り組みたいと考えました。
──まずはどのようなことに取り組みましたか?
Takamasa. A:初めに着手したのは、社内における健康経営の現状把握でした。当初は親会社からグループ全体に提供されているサービスや、社内で個別に開催されている健康増進に関するイベントなど、様々な取り組みが点在している状況でした。
そこで、それらを1つひとつ丁寧に洗い出し、体系的に整理する作業を進めました。
併せて、健康経営優良法人の認定要件を確認し、先進企業の事例調査も行いました。また、自分自身が健康経営のプロフェッショナルになるため、健康経営エキスパートアドバイザーなどの資格取得にも積極的に取り組みました。
──プロジェクトを進めるうえでどんなところに苦労しましたか?
Eriko. S:健康経営推進に向けた会社としてのメッセージの作成など、難しい部分はたくさんありましたが、中でも経済産業省が推奨する戦略マップの作成には苦労しました。
健康経営を推進するための施策と、その中間成果、最終成果とを論理的に結びつけてまとめる必要がありましたが、これが想像以上に難易度が高い作業でした。それぞれの要素のつながりに違和感を覚えたり、指標にばらつきが生じたりと、なかなか納得のいく戦略マップを作成することができませんでした。
──どうやって乗り越えたのでしょうか?
Takamasa. A:この課題に対しては、日々クライアントご支援でも活用しているリザルトチェーン手法(※)なども活用し、突破口を見いだすことができました。この手法を用いて議論を重ねることで、会社としての意思を反映しつつ、全体が論理的につながった戦略マップを作り上げることができたのです。
※リザルトチェーンとは:目的である「最終成果」を得るための論理的な因果関係を図式化し可視化するコンサルティング手法のこと。
──チームメンバーとの協力や連携で、特に印象に残っていることはありますか?
Eriko. S:メンバーはそれぞれ通常業務と並行してプロジェクトに参画していたため、全員が揃って議論する時間を確保するのが難しい状況でした。そのような中で、細かな点についてはプロジェクトマネージャーのTakamasa. Aさんと私の2人で熱心に意見を交わしました。こうした議論の時間は、プロジェクトの方向性を見定めるうえで非常に貴重なものとなりました。
取り組みが実を結び、社内に広がる健康経営の輪
──現在のプロジェクトの状況や成果を教えてください。
Takamasa. A:プロジェクトを開始してから約1年が経ち、私たちの取り組みは着実に成果を上げています。最も大きな成果は、「健康経営優良法人2025」と「スポーツエールカンパニー2025」という2つの認定を取得できたことです。これは、社員1人ひとりの健康を大切にする会社の姿勢が対外的に評価された証だと考えています。
Eriko. S:印象的だったのは、Ridgelinezを含む富士通グループ社員が加入する健康保険組合の取り組みの1つであるウォーキングイベント「歩活(あるかつ)」での変化です。以前は10名程度だった参加者が、なんと131名にまで増加しました。役員も率先して参加しており、健康づくりの輪が確実に広がっていることを実感しています。
──社内外からの反応はいかがでしょうか。
Takamasa. A:取り組みの成果を全社に報告した際、ある社員から「普段は意識せずに働いていましたが、こうした取り組みがあるおかげで、より充実した毎日を過ごせていることに気づきました」という感想をもらいました。この言葉を受けて、私たちの活動が確かに社員の働き方に良い影響を与えているのだと実感し、とても嬉しく思いました。
Eriko. S:他社の健康経営担当者からは「1年という短期間で体制を整え、認定取得まで実現するのはすごい」という評価をいただき、私たちの取り組みが社外からも認められていることを知り、大きな励みになりました。
──プロジェクトに取り組んで得た学びや気づきを教えてください。
Takamasa. A:プロジェクトを進める中で、データやアンケートを分析した結果、社員の健康課題や、それが経営に及ぼす影響を具体的な数字で把握できるようになりました。このプロセスを通じて、会社が健康経営に取り組む意義を以前より深く理解することができました。
同時に、多くの企業が健康経営に関心を持ちながらも、リソースやノウハウの不足により、なかなか一歩を踏み出せずにいる現状も見えてきました。私たちの経験が、そうした企業の参考になれば幸いです。
Eriko. S:この1年間で得た気づきや学びは、今後の活動をさらに発展させていくうえで、大切な財産になると考えています。社員の健康を守り、より良い職場環境を作ることは、終わりのない継続的な取り組みです。これからも、社員1人ひとりの声に耳を傾けながら、着実に歩みを進めていきたいと思います。
健康経営の社内実践知をクライアントに還元し、より良い社会づくりを目指す
──プロジェクトの今後の展望について教えてください。
Takamasa. A:今後は、健康経営の実践に重点を置いた取り組みを展開していきたいと考えています。具体的には、多様な施策の実施や制度の充実化を図っていく予定です。そのために、産業医や産業保健師、富士通グループの健康経営担当部門などの有識者との連携を深め、会社にとってより効果的な施策を実施していきたいと思います。
Eriko. S:健康経営優良法人の認定については今後も継続して取得を目指すとともに、中長期的には「ホワイト500」の認定取得も視野に入れています。私たちの取り組みを広く知っていただくことで、「会社が社員の健康を考えることが当たり前」という社会の実現に貢献したいと考えています。
Takamasa. A:また、私たちの取り組みから得られた実践知を活用した健康経営コンサルティングサービスの提供も開始しました。経験から見えてきたことと、コンサルティングの知見、そして先進的なアプローチを組み合わせることで、より多くの企業が健康経営を実践できるようサポートしていきます。
──このプロジェクトを通じて、どんな会社、そしてどんな社会を目指したいですか?
Takamasa. A:コンサルティングファームにとって、最も重要な資本は「人」です。社員を大切にすることが、結果としてクライアントへの価値提供につながると確信しています。社員1人ひとりが自分や家族の健康を考えることの重要性を理解し、健康増進に向けて積極的に行動する。そんな企業文化を築いていきたいと考えています。
Eriko. S:私たちの取り組みが、健康経営の普及・促進の一助となり、より多くの企業で働く人々の健康増進につながることを願っています。そして、健康経営がより広く社会に浸透していくことで、すべての働く人々がいきいきと活躍できる社会の実現に貢献していきたいと思います。
健康経営コンサルティングサービスの詳細については、RX Japan株式会社が主催する「第6回健康経営EXPO」(開催日程:2025年6月25日~27日)および「第1回地域福祉EXPO」(開催日程:2025年7月4日~6日)のRidgelinez展示ブースにて詳細を説明させていただく予定です。
出展の詳細については下記、Ridgelinezのコーポレートサイトをご確認ください。
第6回健康経営EXPOのご案内はこちら
第1回地域福祉EXPOのご案内はこちら
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
