バンドマンから企業人へ - 夢と現実の狭間で選んだ新たな道
私は東洋大学法学部の企業法学科を卒業しましたが、実は学生時代から就職後まで、音楽の道を真剣に追いかけていました。
14歳の頃からバンド活動を始め、大学生になってからも音楽への情熱は衰えることはありませんでした。
大学3年生で就職活動を始めた時期に、憧れていた先輩バンドからボーカルのオファーをいただいたんです。迷いはありませんでした。新卒としての就職活動を辞め、フリーターをしながらバンド活動を続ける道を選択しました。信頼できる先輩バンドマン達と共に、自分のパフォーマンスをたくさんの方々に届けられるかもしれない。そう思うと、胸が高鳴ったのを覚えています。
しかし、夢は簡単には叶わないものでした。24歳になって、現実を見つめ直す必要に迫られました。就職活動を再開したときは、正直なところ「とにかく働ける場所があればいい」という気持ちでした。当時はまだ茶色く染めた髪を残していて、それを受け入れてくれる会社を探していました。
そんな中で出会ったのが、前職の会社でした。面接で出会った先輩の印象が強く残っていて、「この人と一緒に働けるかもしれない」という期待が湧いてきました。また、会社の経営理念として掲げられていたとてもポジティブな言葉達が、私の性格とマッチしていると感じたのです。
ITの技術的なスキルはまったくありませんでした。入社研修では「パソコンの電源の入れ方」から始まり、タッチタイピングもできない状態でした。しかし、クライアントワークの会社で、お客さまと真摯に向き合いながら、自分のスキルや市場価値を高めていける環境だと感じました。
実は、バンド活動の経験は思わぬ形で仕事に活きています。人前でパフォーマンスを続けてきた経験から、緊張することが少なくなりました。何百人もの前で歌っていた経験があるおかげで、プレゼンテーションや重要な場面でも冷静さを保てるようになりました。
お客さまの前でどのように話せばよいか、どんな言葉遣いが適切かを、その場で瞬時に判断して対応できるのも、ステージでの経験が活きているのかもしれません。音楽の道から一転してITの世界に飛び込んだことは、当時は不安でしたが、今では自分のキャリアの重要な転換点だったと感じています。
未経験から這い上がる - 挫折と成長の軌跡
前職では、未経験からITエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。最初はテストエンジニアとして基礎から学び、その後テストリーダーへと成長していきました。大きな転機となったのは、海外展開プロジェクトです。ヨーロッパ、中国、アメリカの3つのプロダクトを横断的に統括する品質責任者として抜擢され、そこからマネジメントの道を歩み始めることになりました。
しかし、この順調な成長の裏には、大きな挫折もありました。入社して半年ほどのある日、大学時代にミュージシャンの夢を応援してくれていた後輩と同じプロジェクトで再会することになったのです。飲み会の席で、その後輩から「こんな仕事で終わってしまうなんて残念です」と言われ、酔った勢いで「俺だってこんな仕事本当はやりたくない!!!」と、周囲のメンバーの前で本音を吐露してしまいました。
当時の上司に呼び出され、強く叱責されました。
「この場所には、今の仕事に誇りを持って取り組んでいる人たちがたくさんいる。そんな人たちが、あなたのような人と一緒に働きたいと思うか。」
その言葉は今でも心に深く刻まれています。
この出来事を機に、自分の姿勢を大きく改めることを決意しました。ITの基礎知識を徹底的に学び、JSTQBファンデーションレベルの資格も取得。さらに、学んだ知識を定着させるため、社内講師として他のメンバーへの教育も担当しました。インプットとアウトプットを組み合わせた学習方法を確立し、受講者の85%が資格試験に合格するという実績も残すことができました。
その後のキャリアでは、課長や部長職として売上・人員の管理を担当。前職では、QA内製化組織のマネージャーとして組織づくりに携わりました。エリートが集まる環境の中でも、自分なりの価値を見出し、活躍の場を広げていくことができました。
振り返ってみると、あの上司からの叱責は、私のキャリアにおける重要な転換点でした。現在私の管轄する組織において掲げている「“この人たちと働きたい”という想いが生まれる場所を創る」という理念は、その時の経験から生まれ、今でも大切にしている信念となっています。未経験からスタートした私の歩みは、決して平坦な道のりではありませんでしたが、一つひとつの経験が、現在の自分を形作っているのだと実感しています。
技術と人の成長を支える現場から
現在、私はQAソリューション事業部でシニアマネージャーとして、複数のグループを横断的に統括する立場で仕事をしています。私が掲げているミッションは「“この人たちと働きたい”という想いが生まれる場所を創る」 ということです。クライアントワークではさまざまな企業の方々と関わりますが、その中で大切にしているのは、たとえ競合他社がより安価なサービスや高品質なサービスを提供したとしても、「この人と働きたいから」と選んでいただける存在になることです。
組織のマネジメントにおいてとくに注力しているのは、メンバー全員が安心して働け、前向きにキャリア形成ができる環境づくりです。メンバーが不安を抱えていては、お客さまに良いサービスを提供することはできません。能動的に考え、行動する若手たちの声にしっかりと耳を傾け、それを組織全体の価値向上につなげていくことが私の重要な役割だと考えています。
直近の大きな成果として、自動化エンジニアの育成プログラムがあります。当社の正社員全員が自動化技術の基礎を習得するという目標を掲げ、それを100%達成することができました。このプログラムでは、自動化の概念から実践的なツールの使用方法まで、段階的に学べるカリキュラムを用意しました。とくに工夫したのは、技術未経験者でも着実に学習を進められるよう、基礎からしっかりと理解できる構成にしたことです。
また、個々のメンバーの成長をサポートする仕組みづくりにも力を入れています。例えば、セミナーへの登壇やプレゼンテーションに興味を持つメンバーには、そういった機会を積極的に提供しています。
ただし、課題もあります。組織のピラミッド構造がまだ歪な状態で、現場レベルでチームを牽引できるポジションの育成にもう少しスピード感が必要だと感じています。
私の強みは、QAエンジニア、Webディレクターとしての現場経験や、第三者検証企業・自社プロダクト企業の両面での事業推進の経験を活かし、品質保証において多角的な視点で物事を捉えられることです。開発ライフサイクル全体を見渡し、各フェーズでできることを考え、提案することができます。これまでさまざまなフィールドで能動的なチャレンジを積み重ねてきたことが、大きく活きている部分であると考えています。
テストは品質を良くするための手段の一つに過ぎません。より大きな視点で品質向上を考え、戦略を練ることで、お客さまにより良い価値を提供できると考えています。今後も技術と人材の両面で、組織の成長をリードしていきたいと思います。
共に成長する組織をめざして~次世代のIT業界のリーディングカンパニーへ
「この業界でリーディングカンパニーになりたい」
私には、強い意志があります。ソフトウェアテストと言えば真っ先に思い浮かぶ会社になること。それは簡単な目標ではありませんが、サービスパッケージの拡充や魅力的なエンジニアの育成を通じて、着実に歩みを進めていきたいと考えています。
ただ、それは通過点に過ぎません。私が本当に実現したいのは、「この会社で働いていて良かった」と、関わるすべての人に思ってもらえる組織づくりです。社員の家族が「あの会社なら安心」と感じられる存在になること。それは理想論かもしれませんが、私の揺るぎない信念です。
その実現に向けて、今、力を入れているのが内製化支援サービスです。近年、多くの自社プロダクト企業が開発の内製化をめざしていますが、そこにはさまざまな課題があります。組織の作り方がわからない、必要な人材が採用できないなど。私たちは単なる人材派遣ではなく、本質的な課題解決をサポートしていきたいと考えています。
当社で活躍できる人材として、私は二つの要素を重視しています。一つは能動性です。まだ発展途上の組織だからこそ、自ら考え行動する力が不可欠です。もう一つは継続的な自己研鑽への意欲です。IT業界は変化が速く、現状維持は実質的な後退を意味します。常に学び続ける姿勢がなければ、成長は望めません。
さらに大切なのは、人への感謝とリスペクトの気持ちです。私たちの強みは間違いなく「人」です。同じ事業部の仲間たち、現場で頑張るメンバーたち、すべての人々が高い信頼関係で結ばれています。大企業でありながら、まだスタートアップのような柔軟さも持ち合わせている。それは私たちの誇るべき特徴です。
技術面では、自動化やAI活用など、業界の最新トレンドにもしっかりと対応しています。でも、それ以上に大切にしているのは、共に働く仲間との関係性です。お互いを高め合い、成長し合える。そんな組織文化を持続させていきたいと考えています。
新しく仲間になってくれる方には、ぜひこの可能性に満ちた環境で、自分の力を存分に発揮してほしいと思います。技術的なスキルは、意欲があれば必ず身に付きます。大切なのは、共に成長していこうとする意志です。私たちと一緒に次世代のIT業界をリードしてくれる存在をお待ちしております。
